車に纏わる怪

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音の正体

またまた、W店長ネタです。


W店長の友人が体験したと言うお話。


ホームビデオが流行りだした頃、その人は愛車のダッシュボードに、ビデオカメラを据え付けました。

自分のライン取りを後から見る為だそうです。


ビデオを回しながら、夜の峠を走っている時。

バン!

と、フロントガラスが叩かれる様な音がしました。

(虫でも当たったかな?)

と思っていると、何度か バン! バン! バン!

と、同じ音がしましたが、まあ、余り気にせず、気が済むまで走っておりました。


―さて、帰宅して、録画した自分の走りを見てみようと、カメラをTVにつなぎました。


夜のアスファルトがくねくねと曲がる様が延々と流れて行くうち、 バン!

と、あの音が入っていました。


その瞬間、思わず悲鳴を上げてしまいました。

画面には…
イメージ 1

いくつもの手が、ガラスを叩く様が、はっきりと映し出されていたと言う事です。



「あそこでは、何人も死んでるからねぇ。手ぐらい映るよね」と、W店長は事も無げに仰っております。
Jさんから、先の【追い越せない…】のお話を聞いて、ふと思い出した「体験」がありました。

Jさんにお話したら「それ、十分『怖い話』ですよ」と仰るので、それならばと記事にしてみます。



何年も前ですが、東北のお客様に車を販売し、ローダー(積載車)に車を積んで行く事になりました。

7月か8月、兎も角、夏場でした。

夜中に出発し、夜通し走って午前中の内に陸運局で名義変更。午後に納車して帰る。

かなりの強行軍なので、同僚と二人で交互に運転します。


こう言うと大変そうに聞こえますが、実は、我々にとって遠方納車は楽しみの一つでもあります。

会社の経費を使ったドライブ…遠足気分と言ったら言いすぎですが。


ともあれ、その夜、渋滞の消えた都内を抜け、順調に東北道を飛ばしました。

ローダーは、一見ドン臭そうに見えますが、アレでなかなか高速安定性も悪くない。

馬鹿話をしながら、夜間ドライブを楽しんでおりました。


さて、深夜も2時を過ぎ、そろそろ運転交代のタイミングです。

流石に、助手席の同僚は寝息をたてております。自分はまだしばらく大丈夫そうだったのですが、

トイレに行きたくなり、通りがかりのパーキングエリアに寄りました。


何と言う名のパーキングエリアかは失念してしまっておりますが、兎も角、小さなパーキングでした。

夜更けの事、駐車場には1台も車が停まっておりません。

私は、ローダを停め、外に出ると、真っ先にタバコに火を点け、大きく伸びをしました。

真夏とは言え、かなり北上してきたので、空気が涼しく爽やかです。

熱帯夜の続く横浜から較べると、天国です。

遠くに来た、と言うトキメキ感と、狭い車内から出てきた開放感。パーキングエリアを独り占め!!

と言うのも中々良い気分で、気分は結構ハイになっておりました。


さて、煌々と蛍光灯が灯るトイレに行って見ると、「清掃中」の黄色い札が入り口に立ててあります。

客のいない夜中に掃除をするんだ、大変だなあ…と思い、一旦レストルームの中へ。

当たり前ですが、売店は閉まっています。

自販機でコーヒーを買って、テーブルや椅子のある休息所に行きました。

そこでは、3人の男女がお茶を飲んでいました。


何となく目が合ったので、「今晩は〜」と挨拶を交わしました。

中年の夫婦とおじいちゃん、と言った感じの3人連れでした。

コーヒーを飲み干し、トイレに行くと、「清掃中」の札が取れていたので、用を足し、車に戻ります。


助手席の同僚が丁度目を覚ました所で、「運転替わるけど、その前にちょっと…」と、入れ替わりに

トイレに行きました。

タバコを吹かしながら待っていると、程なくして、同僚がコーヒー缶を片手に戻って来ました。

「トイレに行ったら、『清掃中』だったけど、中に誰も居なかったから、入っちゃった」と言います。

「俺が最初に行った時も『清掃中』だったけど、ちょっとして行ったら、もう、札が外れてたけど…

そう何度も掃除をするのかなぁ?」私も少々不審に思いましたが、そう気になる話でもない。


同僚の運転でローダーをスタートさせました。

車中で、何気なく「休憩室におっさん達が居たろ?」と訊くと、同僚は「誰もいなかった」と言います。

「第一、他に車は停まってなかったろ?」と…。


私は、ふ〜ん…と言いながら、どこか目に付きにくい所に車を置いてたのかなぁ、位にしか思わず、

そんな出来事の記憶も、すぐに薄らいでいったのです。



一体、あの「清掃中」の札は…あの3人連れは…何だったのでしょうか



(今更、何言ってんだ―って感じですが)

追い越せない…

Jさんのお話でもう一つ。

彼の友人(Yさんとしておきます)の体験談です。



Yさんが、父親を乗せて、夜の高速道路を下っておりました。

その日は道もがらがらで、行程は順調に消化されていきます。

隣で眠りこけている父。

その内に、前方に車のテールライトが見えてきました。


近づいていくと、それは霊柩車と、その後について走るマイクロバス。

(こんな夜更けに葬列が走ってるんだ?)と思いながら、追い越し車線に移り、抜きにかかります。

すると、霊柩車とマイクロバスも通せんぼをする様にレーンチェンジする。


まさか、葬列がそんな嫌がらせをするとも思わず、走行車線に戻り、左から抜こうとした矢先、

前の車列も左に移ります。

おかしいと思いながらもまた車線を変えようとすると、あらかじめそうする事が判っていたかの様に

霊柩車とマイクロバスが右に車線変更する。


(何だ、こいつら…)ちょっとイライラしたYさんは、車を加速します。

マイクロバスを少々煽ってやろうと思ったのです。


しかし、前の車列もスピードをあげ、車間距離が縮まらない。

少しむきになったYさんが更にアクセルを踏みますが、マイクロバスとの距離はピタリと変わらない。

スピードメーターを見ると、140キロを超えています。


(こんな夜中に、140キロも出して突っ走る葬列なんかあるのか!?)

少し怖くなって来たYさんは、ふとパーキングエリアの標識に目を留めました。

そこで、こいつらをやり過ごそうと思い、車を左に寄せます。


すると、霊柩車とマイクロバスも左に寄り、パーキングエリアに入る様な素振りをみせました。

(よし…)

いい案を思いついたYさんは、ぎりぎりまで葬列の後ろでパーキングエリアに入る振りを装います。

葬列が後戻り出来ないところまで行った瞬間、Yさんはハンドルを切り、走行車線に

戻りました。

霊柩車とマイクロバスがパーキングエリアに入っていくのが見えました。

まんまと出し抜いたYさんがホッとしていると…


パーキングエリアの出口車線から、霊柩車とマイクロバスがヌーッと出て来ました


―葬列は再び、Yさんの前に出ます。

(と、停まらなかったのか!?しかし、それでも、こんなに早く出てこれる訳が無い!!こっちは、本線を

走っていたんだし…)

軽いパニックがYさんを襲いました。


「おい、次で高速を降りよう」

いつの間にか目を覚ましていた父親が言いました。

言われた通り、間もなくやって来た出口でウインカーを出しながら減速すると、葬列は全く無関心の様

に、真っ直ぐ走り去って行きました。


一般道に入ると、父親が言いました。

「お前、見なかったか?俺は、パーキングエリアに入る時に見たんだが…」

「な、何を…?」

霊柩車にも、バスにも、運転手も誰も乗ってなかったぞ

城山湖のギャラリー

またまたまたW店長ネタです。


W店長が昔、ラリーをやっていたとは、以前にお話したと思いますが、その頃のお話です。


神奈川に「城山湖」と言う人工湖があります。

そこには、湖のほとりには周回道路があり、W店長は良くラリーの練習に通っていました。

週末になると、其々のコーナーには「ギャラリー」と呼ばれる観衆が集まります。

派手なドリフトを披露すると、ギャラリーがどっと沸くので、W店長達も調子に乗ってテールを流しまく

りながら走り回っておりました。


ある夜、湖沿いのコーナーを抜けていると、木の上に人が居て、手を振っているのが目に入りました。

助手席の友人と、「あんな所にまでギャラリーが居る」と驚いていました。

何週しても、その人は木の上で手を振っています。


明け方になり、木の上のギャラリーは姿を消しました。

帰り際、W店長がその木の方を良く見てみると、

人が居た辺りは、細い枝が湖の上に伸びているだけで、とても人が登れる様な所ではありませんでした。


友人は、ポツリと言いました。

「そう言えばあの人、手を振ってると言うより、手招きしてたよなぁ…

事故現場

高速道路は、大渋滞。

電光板には事故渋滞の表示が出ています。

イライラしながらも、やっと渋滞の先頭まで辿り着き、のろのろと事故現場を通り過ぎます。


トラックとバイクの事故でした。

バイクは原型をとどめない程、グシャグシャに壊れています。

(こりゃ、死亡事故だな…)と思っていると、警官や救急隊員の合間をヘルメットと革ツナギ姿の

ライダーがふらふらと歩き回っていました。

(あ、生きてる。こんな事故で良く無事だったなぁ…)


―翌日、新聞の片隅に、その事故の記事が載っていました。

読む内、背筋が寒くなりました。

記事には、「オートバイを運転していた○○さんは即死…」と書いてあったからです。


「2ケツしてたんじゃないの?うろついてたのは、後ろに乗ってた奴とか…」と言う私に、

話をしてくれた人は「高速道路のバイク二人乗りが解禁になる前の話だ」と…。

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