住まいの怪

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下宿・アパート・マンション・戸建。霊は何処にでも出てきます。
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月夜の晩に

同僚から聞いた話です。彼も怪談好きで、色々と興味深い話を聞かせてくれます。
 彼のお父さんが若い頃体験したという話です。Oさんとしておきます。
Oさんが20代の頃、ある地方都市郊外の下宿屋に、友人と二人で住んでいた時期があったそうです。隣に大家さんの屋敷があり、何くれと無く面倒を見てくれていたと。大家さんのおじいさんは、病で床に就いたままで、Oさん達も心配していたそうです。
 しかし、ある満月の晩、Oさん達が大家さん宅の木塀沿いを歩いていると、木戸からおじいさんがひょいと出て来ました。
「あれー、じいちゃん、体はもう良いとね?」びっくりしてOさんが声をかけると、「おお、心配かけちょったけんど、もう良うなったわ。これから親戚とこへ挨拶にいくんじゃ。」
と、おじいさん。「こんな夜更けに危ないで、明日にしたら…」と気遣うOさん達に「かまわん、かまわん」と手を振って、行ってしまいました。
 月明かりに煌々と照らされたあぜ道を、地面に黒々とした影を落としながら飄々と歩いて行く後姿を、二人は確かに見送ったそうです。
 そうしていると、大家さんの屋敷に慌しげな気配が漂い、先ほどの木戸から、今度は奥さんが駆け出して来ました。
 「おばちゃん、じいちゃん良うなんたんやねぇ。」と声をかけたOさん達に、奥さんは血相を変えて、「何言うてんの!悪い冗談やめて!これから(医者の)先生呼んでくるとこよ!」と。
後から聞くと、Oさん達がおじいさんと会っていた直前、おじいさんは息を引き取っていたそうです。
Oさんの友人は怖がって3日程部屋に引き篭もっていたそうです。


何か、昭和40年代チックな、良いお話だと思います。因みに、会話の中の方言は、かなりいい加減です。
それにしても、21世紀の現代では、このお話の様に「大家と言えば親も同然」見たいな人間関係は、既に持てなくなっているのでは無いでしょうか。実の親兄弟が殺しあう世の中です。私たちは、大事な何かを置き忘れて来てはいませんか?(大きなお世話ですか。そうですね。)

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