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同じ会社の、Iさんとは、日ごろよく接するのですが、今までこの手の話はした事はありませんでした。
たまたま、車に同乗していて、通りすがりに、いかにもな感じの、いかにも流行ってない風の古いビジネスホテル
があったので、「いかにも『出そう』なホテルですね〜」と、何気なく呟いた私の言葉に、Iさん食いついてきました。
「TOさん、私、ホテルに泊まって、幽霊見た事あるんですよ!!」
Iさんは、「霊感なんて、ないんですがね」とおっしゃいますが、ホテルの話を皮切りに、出るわ出るわ。
心霊経験豊富な大ベテランさんでした。
では、まず、その「ホテルの話」を。
「TOさん、神奈川の方だから、あの、O・Pホテルってしってるでしょ?」
「ああ、泊まった事もありますし、あそこのプールには良く行きますよ。」
「私、随分前に、研修で、O・Pホテルに泊まったんですけどね。ツインに一人で泊まったんですけど、随分古い部屋で、何か薄暗くて、水道の蛇口なんかも、古〜い感じで、嫌な部屋だったんです。そしたらね、寝てたら金縛りに遭ったんですよ。」
「ほおぉ(スイッチオン)。」
「金縛りに遭って、わあ怖いなあと思ってたら、ドアの方から、足音が近づいてくるんです。パタ、パタって。
わあ、何か来た、怖い…と思ったら、それが、ベッドの縁に座るんです。判ります?こう、ググッと、ベッドの縁が下がって、私の体が傾くんです。」
「ほうほう。で?」
「で、必死に目をつぶってたんですけど。何か、顔の前に迫ってきた感じがしたので、つい、目を開けたんです。」
「開けましたか!!」
「開けました。開けたら、目の前に。」
「目の前に!?」
「焼け焦げの、コゲコゲの、真っ黒な顔が、私を覗きこんでたんです。」
「おおおお!!」
「わぁ!!と、ベッドから飛び出ました。」
「金縛りはどうしたんですか?」
「怖すぎて、解けました。」
「へぇ。そんなもんですか。で、そのコゲコゲは?」
「ベッドから飛び出て、床に落ちてイタタタと思ってたら、いつの間にか居なくなってました。」
「へぇぇ。」
「あ、TOさん、信じてないでしょ。」
「いやいや、そんな事。私、そういう話、大好きなんで。」
「私もね、寝ぼけてたのか、幻覚かと思いましたよ。でもね。朝、気付いたんですけど。ベッドの脇に、スリッパが2組、あったんですよ。一つは、私が履いてたやつです。…でも、もう一つは…?」
ちなみに、さっき調べてみたら、O・Pホテルには自殺者の霊が出るとか出ないとかの噂があるようです。
(↓)中日ファンの皆様、おめでとうございます。しかし、すんなり日本シリーズには行かせませんよ〜。
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旅の怪
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飲みの席で知り合ったFさんから聞いたお話です。
奥さんと結婚する前、今から30年ほど前でしょうか、二人で旅行に行った際に、とある湖に立ち寄ったそうです。
湖は、ダムでせき止められた人造湖で、天気の良い秋の休日の事、観光客や釣り人で賑わっていたそうです。
湖にはお約束のボート乗り場があり、Fさん達は手漕ぎのボートを借りて湖面に漕ぎ出ました。
爽やかな風が湖を渡り、Fさんたちは「ここから先は行ってはいけません」のブイのところまでボートを進め、
のんびりと歓談しておりました。湖面には、他にも多くのボートが浮かんでいました。
湖面に出て15分ほど。湿った風がふうと吹いたかと思うと、白い霧がFさん達のボートを覆いはじめました。
こんなに天気がいいのに霧?と思っているうち、霧はあっという間に濃く深くなり、向かいに座った奥さんの
姿もかすむ程です。「岸に戻りましょ」と怖がる奥さんを、「山の天気は変わりやすいからな。しばらく待てばすぐ
晴れるよ」となだめながら、Fさんは岸の方向に見当をつけて、ボートを漕ぎました。
さて、せいぜい5分も漕げば岸に着く筈なのに、しばらく漕いでも一向に辿り着きません。
「おかしいな。方向を間違ったか」と、Fさんも少し焦り始めた頃、妙な事に気付きました。
さっきから、あれだけ浮いていたボートに、一艘も出会ってない。
それに、さっきまであちこちから聞こえていた、子供連れ客の歓声が全く聞こえない。
霧に閉ざされ、シーンと静まり返った湖面には、Fさんの操るオールがたてる水音だけが響いています。
「あ、岸が見えた!!」とFさんの背後を指差す奥さんの声に振り返ると、霧の中にこんもりとした森のシルエットが
黒く見えています。「ああ、ホントだ。良かった…」とホッとしたのも束の間、どうも様子がおかしい。
近づいていくと、そこは岸ではなく、木々が生茂った小さな島でした。周囲がせいぜい数十m位の。
この湖に、島なんかあったっけ?
そこで、Fさんたちは異様な光景を目にしました。
バシャ バシャ… と響く水音に、霧を透かして見てみると、島の一角から、白装束を身につけた人達が
列をなして、湖に入っているのです。岸には、順番を待つように、十人以上の白装束が無言で並んでいます。
湖に入った人はそのまま歩み続け、湖面が足から腰、胸に達しても淡々と進み続け、遂に頭が湖面に
沈んでも、再び浮き上がって来る事はありませんでした。
(何かの儀式?集団自殺?一体、何をやってるんだ?)
あまりに現実離れした光景にFさん達が言葉を詰まらせていると、霧がますます深くなり、数m先の島影さえ
見えなくなりました。
恐ろしくなったFさんが、必死になってあてずっぽうにボートを漕いでいると、1分としないうちに、
さっきと同じ様に突然霧が晴れ、そこには観光客の歓声にあふれるのどかな湖の風景が広がっておりました。
驚いた事に、Fさん達は岸のすぐ傍まで来ていました。
湖を見渡しても、島などはひとつもなく、霧のひとかけらも見当たりませんでした。
キツネにつままれたような気分で、いや、実際にキツネに化かされたのかと真剣に思いながらボートを返し、
「この湖に、小さな島って、ありますか?」と係の人に聞いてみると、「いや、ご覧のとおり、島なんてありません
よ」。―「さっき、霧が出ましたけど、ここではよく霧が出るんですか?」 「へ?霧?いや、今日はずっとこの陽気
で、霧なんか出ませんでしたよ?」
「早くここを離れましょうよ」と奥さんに急かされて、バス乗り場に向い、やってきたバスに乗ろうとすると…。
バスの中は、ずぶ濡れの白装束の人々で一杯でした。
老若男女の白装束が、髪の毛や袖口からポタポタと水滴を滴らせながら、それぞれが全くの無表情、無言で、
バスの席を埋めています。
一番奥の席だけが2つ、空いているだけで、まるでそこはFさんたちが座る為に空けてあるかの様でした。
「う、うわあ」 「ひいっ」 思わずバスから転げ出たFさん達の背後でバスは出発して行きました。
あのまま、バスに乗ってたらと思うと、心底ゾーッとしますよ…。
あんな、訳の判らない、気味の悪い思いをしたのは、後にも先にも、あれっきりですよ…。
Fさんは、そう言いながら、ぶるっと身体を震わせておりました。
(↓)その湖の名も聞きましたが、敢えて伏せます。ちなみに、「心霊スポット」として有名な場所です。
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子供達の夏休みも、もうそろそろおわり名古屋は城で持つですね。
我家のメンバーは、如何にして私に宿題をやらすかと、やたらと愛想よく、肩など揉んだりもするのですが、
その手は桑名の焼蛤で、とっとと自室に篭りました。苦労しろ、我が子たちよ。父も毎年そうだった…。
―そんな事はどうでもいいのですが。
この夏、私の様な「貧乏暇なし金もなし」ではない皆様の中には、西へ東へ海外へと、旅行を楽しまれた方も多
いのではないかと思います。
当ブログ的に言うと、旅と言えば、旅先では幽霊が出たり、UFOが飛び交ったりするものですが、実際なかなか
そう上手くはいきません。
上手く、運よく、旅先で幽霊やUFO、はたまた妖怪、宇宙人に遭遇した方がいらっしゃいましたら、是非お知らせ
下さい。すかさず、「コメ怖」に載せさせて頂きます。慢性ネタ不足ですので、是非お助け下さい。
―とまあ、そんな中、旧知が、今年の夏の、こんな体験談を持って来ました。
若い女連れで京都に行ったんだが、泊まった旅館に幽霊が出た―ような気がする。
真夜中、目が覚めたら、部屋の傍らの鏡台の前に、白い着物の、長い黒髪の、女が座っていた。
―ような気がする。
うーん、と目が覚めて、携帯を見たらまだ2時過ぎで、隣を見たら、連れは熟睡してて、また寝ようとしたら、
人の気配がした―ような気がして。
ぼんやり見たら、鏡台の前に白い和服、と言うか、あの、死んだ時に着るやつ(TO注:経帷子の事)みたいな感じ
のを着た、髪の毛が長い、女が座って、髪を梳いていた―ような気がする。
俺の視線に気付いたのか、女は、手を休めて、横顔でこっちを見た―ような気がする。
目ぇ半分開くか開かないかで見てたんで、ぼんやりしてたんだが、確かに、いた!!―ような気がする。
泊まったのは、旧い旅館で、出ると言われれば、そりゃ、出るかもなぁ…と思うようなところだったんだけど、
出るにしても、あんまりベタな出方なんで、寝惚けてるんだと思って、そのまま寝ちまった。
あんまり、てか、全然、怖くはなかった。豆電球に浮かぶ、綺麗な黒髪に、見惚れる感じだった。
美人だったような気がするなぁ。うん。連れより、いい女だったと思うよ。少なくとも。
―おい、こんなのでも、ブログのネタになるか?
お心遣いを有難う、旧知。
40も半ばを過ぎて、若いねーちゃん(ハタチかそこら、らしい)を京都に連れて行くとは、元気そうで何よりだ。
―と言う訳で、折角なので、ネタにしました。
若いねーちゃんを京都に連れ出す不届き者ながら、幽霊に関しては、「―ような気がする。」と言う、謙虚さに打
たれましたのです。
ちなみに、その女は、こんな感じ(↓)だったそうです。
しかしまあ、ねーちゃん連れで京都でしっぽり。
しかも美人幽霊にまで遭うとは、何と羨ましい奴なんでしょうか。
その女運を、少し分けて欲しいなあ…。
―と、ベテランっぽいおじさんも、猛烈に同意しております。
…独身なんでしょうか?
(↓)セん国時代ですね。どこが優勝するのでしょうか!?―もちろん、巨人に決まってますけど。
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前回記事でクイーンメリー号を採り上げましたが、興味をそそられてちょっと調べてみたら、あんなもんじゃあり
ませんでした。クイーンメリー号には出るわ出るわ。幽霊のメガ盛り状態でした。
面白いので、記事にします。
丁度イギリスでは、将来のクイーンを迎える盛大な結婚式を挙げてるし、グッドタイミングですね。
簡単にクイーンメリー号のプロフィールを…。
1920年代後半、ヨーロッパでは巨大客船の建設競争が巻き起こっておりました。
イギリスの船会社キュナード・ラインは他国やライバル会社に負けじと米英間を毎週往復できるように、2隻の豪
華客船の建造しました。大西洋航路の華麗な姉妹、クイーンエリザベス号とクイーンメリー号です。
(←)クイーンメリー号の進水。
クイーンメリー号は、1936年5月27日、最初の旅に就航しました。
その後のクイーンメリー号は、世界最大・最速・最豪華をライバル達と競い合いつつ、大西洋を駆け抜けます。
ところが、第二次大戦が始まるとクイーンエリザベス号共々軍に徴用され、兵員輸送に従事させられます。
この時、美しい船体を灰色に塗り替えたクイーンメリー号は、クイーンエリザベス号と共に「灰色の幽霊」と呼ば
れると言う屈辱を味わいます。 しかも、レディーに似つかわしくない機関砲まで甲板に設置して。
しかし高速を誇るクイーンメリー号は、通商破壊を試むドイツのUボートの速度をはるかに凌駕し、軍用艦の護衛
なしでも一度に最大15,000人の兵員輸送が可能だったので、軍には重宝されました。
そんな中…。
1942年10月2日、不幸な事故が起こりました。アイリッシュ海を航行中、護衛の軽巡洋艦キュラソーと衝突したの
です。クイーンメリー号が十分な距離をとらずにキュラソーの進路を横切ろうとした結果、殆ど最高速度の28ノッ
トでキュラソーの船体中央に衝突。排水量82,000㌧のクイーンメリー号に対して、キュラソーは4,000㌧ちょっと。
軽自動車に大型トレーラーが突っ込んだ様なもので、キュラソーは真っ二つに折れて、沈没しました。
明らかにクイーンメリー号側の過失による事故だったのですが、Uボートの攻撃を警戒していた軍部から「いかな
る事があろうと停船してはならない」との命令を下されていたクイーンメリー号は、キュラソー乗員の救助に加わ
る事なく現場を後にしました。クイーンメリー号も船首に損傷がありましたが、緊急に修理できる程度のものだっ
たのです。
この事故で、338人が死亡しました。しかも、この事故は戦争が終わるまで報告されなかったのです…。
さて。
前回もご紹介したプールに飛び込む女性の幽霊。クイーンメリーにはファーストクラス用、2等クラス用と複数の
プールがありますが、ファーストクラスには二人の幽霊が出るそうです。
一人は1930年代風の水着を着た女性。現在プールには水は入っておりません。しかし、水しぶきの音を聞く人も
多く、プールサイドに濡れた足跡が続いていることもあるそうです。もう一人は、テディーベアを抱えた若い女性
の霊だとか。
―とは言え、このプールで死亡事故が発生した記録はないそうです。その為、アメリカの心霊研究家は「このプ
ールは霊界とつながっている」とか何とか
のが幽霊なんだから。このプールに出る幽霊がクイーンメリー号とは何の関係ないとしても、豪華客船のプール
で泳いでみたがる幽霊がいてもおかしくないでしょ。
2001年8月31日撮影。
ちなみに、2等クラス用のプールにも、ちゃんと別の幽霊が出るそうです。それはプールで溺死した少女の霊
で(嘘かホントかは不明)、ジャッキー(Jackie)と呼ばれています。
彼女の姿を見たり、笑い声を聞く人も多いそうです。
ファーストクラスの個室では、深夜に水が勝手に流れたり、ライトが点いたり、無言電話がかかってきたりするば
かりではなく、1930年代の服装をした男性の幽霊が現われるそうです。
しかし、高い金払って泊まったファーストクラスで、安眠妨害されたらたまったもんじゃぁありませんねえ。
舷側のプロムナードデッキでは、二人の従業員によって、やはり1930年代の衣装を身につけた婦人が目撃され
ました。
(←)プロムナードデッキ。
婦人の姿はぼんやりと透けており(スケルトンですよ、はねるさん)、柱の方へ歩いていって消えたそうです。
(←)屋外デッキでのパーティーに現われた幽霊。 スケルトン。
クイーンメリーの中で最も「取り憑かれている」のが船首下層とボイラー室だと言われています。
船首下層では、大勢の恐ろしい悲鳴が聞こえるそうです。それは、当然ながら、キュラソーとの衝突事故の被害
者の悲鳴だとされております。徹の壁を叩く音が録音された事も。
ボイラー室は、水面下11m。船の最下層に位置します。ここには高圧の蒸気が通るパイプが巡り、衝突事故の
時にはパイプが破れて何人かの乗組員が犠牲になったと言います。
(←)船首下層部。
そして、クイーンメリーで最も有名な「心霊スポット」は「13番ハッチ」
1966年7月10日、18歳の船員ジョン・ペダー(John Pedder)が、訓練中にこの扉に挟まれて事故死したのです。
彼の幽霊は、髭をたくわえ、青いオーバーオールを着た姿でシャフトを点検して周り、そしてこのハッチの前で消
えるのだとか…。
他にも、いろいろあります。
・3等のキッズルームで赤ん坊の泣き声がする。生後間もなく亡くなった男の子の泣き声だと考えられている。
・ファーストクラスのラウンジで独り踊る婦人の幽霊が…。
・3等の一室に、殺されたパーサーの悪霊が出るので、今では開かずの間になっている。
・調理場に殺されたコックの悲鳴が響く。このコックは料理が下手すぎたため、怒った兵士にオーブンに押し込ま
れて生きながら焼かれたそうな。(あり得なさそうなハナシだなぁ。)
・エンジンルームでも幽霊の目撃が絶えない。
・兎も角幽霊が出る。
・何が何でも出る。
(↓)エンジンルームの幽霊。?
(←)霊。動画もあるが見ても良く判らないので載せません。
しっかし、クイーンメリー号の心霊写真は、どれもこれも微妙すぎて恐怖感が伝わってきませんね〜。
よくこんなんでホテルとして営業できるなぁと思いきや。そう思うのは日本人だからなのかもしれません。
やはりと言うか、当然と言うか、クイーンメリーホテルではゴーストツアーが催されており、人気アトラクションとな
っているそうな。アメリカならではと思うのが、件のファーストクラス用プールにスモークを焚いたり、突然電気が
消えて真っ暗になったり、最後は壁から水が噴出したりと演出満点だったりするそうです。
さすが、幽霊が出るのが売りになると言う、欧米のホテル文化ですなぁ。
戦後、豪華客船として航路に復帰したクイーンメリー号でしたが、急速な旅客航空の発達と、豪華客船自体の世
代交代の波に押されて、1967年に現役引退。売却先は引く手あまただったのですが、ロングビーチで余生を送る
事となりました。現在では2004年に就航した「クイーンメリー2世号」が世界中をクルーズしております。
(←) 手前が先代。向こうに見えるのが二代目。
(誤訳があるのはご愛嬌としてご勘弁を。) |
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関東近郊の某所にある、瀟洒な貸別荘。
数年前の夏の事です。
その貸し別荘で仲間内の飲み会をやろうと言う事になり、Fさん一行十数人は都心から車で2時間ほど走って、
そのコテージに入りました。そこには広い庭と専用の露天風呂があり、Fさん達は庭でバーベキューをして、温
泉を堪能し、また庭に出て飲んでは騒いでおりました。
日付が変わる頃です。突然、バラバラと大粒の雨が落ちてきました。皆酔って笑いながら酒を抱えてコテージに
逃げ込みます。「盛り上がってるのに、何だよ〜」「まあ、中で飲みなおそう!!」なんて言いながら。でも、夜空は晴
れ渡り、満点に星が瞬いています。「タヌキの婿入りだな」「キツネの嫁入りだろ?」と軽口を叩きながら、しかしF
さんは酔った頭の片隅で「雲ひとつないのに、天気雨なんか降るものなのか?」とは思っていたそうです。強風
でも吹いていれば遠くの雨雲からとも考えられるのですが、風は全く凪いでいます。
広いリビングで飲みなおしていると、数人いた女性陣は「私達はそろそろ…」と二階の寝室に引き上げていきまし
た。何だつまらないと言いながらも、男ばかりで猥談に花を咲かせていると、今度はどこからかギシ、ミシ、ギ
シ…と妙な音がします。「何だ、この音?」「家鳴りだろ?以外に安普請なのかもな、この別荘」「まあ、飲もう飲も
う」と言っている傍から・・・
どーん
と物凄い音が鳴り響きました。「雷が落ちたんだ」「でも、光ったか?」と、誰かが言います。その言葉にFさんが
外を見ると、相変らず星空から激しい雨が降っています。
ギャーッ!! キャアアア!!と、複数の悲鳴が二階から聞こえたのがその時でした。
女の子達が何か騒いでいる。
「おい、見てこいよ、どうせ雷でビビッたのか、ゴキブリでも出たんだろう」と先輩格に言われ、Fさんと数人が二階
に上がってみると、女の子達が廊下で一塊に座り込んで泣いていました。尋常でない雰囲気に、「どうしたどうし
た」と訊ねても、あうあう言うばかりで言葉になりません。まあ、下に行って落ち着けよと、一人ひとり抱えるように
リビングに連れて行きました。
泣きそぼって、まともに喋れない女の子達に酒を飲ませ、何とか喋るようになるまで10分以上。
ようやく落ち着いた女の子達は、口を揃えて「幽霊が出た」と言います。ぽつぽつと語るのを聞き取ると、ベッドに
入っても女子話に花が咲いてなかなか寝付けなかった時にどーんと大きな音がして、天井の梁に、首吊りしてる
人が現われた…と、そんな感じの話でした。寝室は勾配天井で、太い梁が通っているのはFさんも昼間に見てい
ました。
まさか、馬鹿馬鹿しい、酔っ払って幻覚でも見たんだろ、男連中はそう言いながらも心なしか青ざめている。先ほ
どの怪音が影響しているのでしょう。よし、行ってみようと、先輩格が言いますが、女の子達は絶対駄目と引き止
めます。まじ、今でもいるかもしれないからと。そう言われると、男気を見せたくなるのが悲しい性で、男連中はそ
んな幽霊なんている訳ない、行こう行こうと武者震い。それでも、誰が先頭を切るか躊躇している様子なので、幽
霊とかは全く信じていないFさんは「じゃあ、行きましょう」と、切り込み隊長を志願し、階段に向いました。
二階の、女子部屋の前に立ち、「いいですか、開けますよ」とFさんが言うと、一同ごくりと唾を飲む…かと思いき
や、どいつもこいつも缶のビールやウイスキーのグラスを片手にし、ごくりごくりと喉に流し込んでいます。
ともあれ、キイイとドアを開け、電気を点けると…首吊り幽霊の姿はありません。
なあんだ、いないじゃないかと安堵した一同が部屋の中に入ると、バーンとドアが閉まりました。
その時、 どーん!!
再び大きな音が響き、部屋中に
ううううううううううううぉぉぉぉぉ〜
男の呻き声と言うか、断末魔と言うか、そんな感じの声が満ちる。
そんな中、男達は金縛りに遭ったように硬直するばかりです。
何が起こっているのかサッパリわからないFさんが窓に目を向けると、ビビリまくっている自分達が映り、そして…
その後に、見慣れぬ、中年男の姿がありました。これぞ幽霊とばかりに、恨めしそうな顔で自分達を見ている(様
な感じがする)。ギクリとして振り向いても、そんな男はいない。でも窓を見直すと、いる。もう一回窓を見ると、い
るし、もう一回振り向いても、―いない。
「と、兎も角、で、出ましょう」さすがに背筋が寒くなったFさんが促して、一同はさっきの勢いは何処へやら、ほう
ほうの体でリビングに戻りました。
どうでした?いましたか?また凄い音がしましたけど?と聞いてくる女の子達や護衛役で残っていた男から聞か
れても、何かヘンな声がした…としか答えられない一同。兎も角、この別荘は変だと言う事になり、このままここ
で一晩明かそうと言う事になりました。酔いは醒めましたが宵は深くなっていき、いつしか雑魚寝状態。そのまま
何事も起こらず朝を迎えました。
庭や道路には昨夜雨が降った痕跡は全くありませんでした…。
前日談です。怪談で、「前日談」とは、あんまり聞きませんし、私も初めてですが。
実はその貸し別荘を手配したのはFさんで、それはFさんの勤める会社がその貸し別荘を運営する会社と保養
所契約を結んでいたからなのですが、Fさん達が泊まる数日前に担当者から、そのコテージで昨日首吊りがあ
ったと報告されていたそうです。担当者から、予約取り消しますか?と打診されたのですが、幽霊だなんだのは
頭から信じていなかったFさんは、「別にそのままでいいっすよ」と答えたとか。
後日談です。
首吊りがあったのは、二階の寝室、あの夜女の子達が使っていた部屋だった事が判明。
蛇足ながら、あの貸し別荘は現在も稼働中。御祓いとかが実施されたかは不明。
さらに蛇足ながら、Fさんによると、雑魚寝した仲からか、その後結婚したカップルがいると…。
「困るわ、だって異常な状況で結ばれた男女は長続きしないんだから」
とは映画『スピード』のラストシーンを飾るセリフですが、さて、大丈夫なんでしょうか???
ヘンなオチですんません。こんなんだから、「読むと良く眠れる怖い話ブログ」になっちゃうんですね〜。
でも、元ネタ自体はリアルですよ。
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