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横浜市内のとある病院で医療事務の仕事をしていた方の体験談です。仮に坂本さんとしておきます。 坂本さんの勤めていた病院は整形外科でリハビリ施設もあり、お年寄りの患者さんが多かったそうです。 その日は朝から土砂降りの雨で、坂本さんは一人で待合室の掃除をしておりました。 天気の良い朝には開院の1時間も前から列を作っているお年寄り達も、さすがに誰も来ておりません。 一通り掃除が終わり、ふと玄関を見ると、ドアの外に傘を差して佇むお婆さんの姿がありました。 「あら、松本さん(仮名)だわ…確か、大学病院に入院した筈だけど、退院されたのかしら…」 そう思いながら、坂本さんは玄関を開けました。「松本さん、中でお待ち下さ…あらっ???」 松本さんの姿は消えておりました。 松本さんは足が悪く、ほんの数秒のうちにどこかへ行ってしまう事など考えられません。 「通りすがりの人を見間違えたのかしら…」 坂本さんが待合室に戻ると、3列に並んだ長椅子の、一番奥に、松本さんが座っています。 いつの間に!?と驚きながら、坂本さんは「おはようございます、退院されたんですね〜」と声をかけまし たが、松本さんにはまるで聞こえてない様で、黙ってうつむきがちに座ったままです。 「松本さん?具合悪いの?」心配して訊ねる坂本さんの目の前で、すう…と松本さんの姿が消えました。 悲鳴を聞いて待合室に駆けつけた同僚の人達に、震える声で今見た事を話した坂本さん。 すると、誰かが言いました。 「松本さん、ご家族がこの間挨拶に来てたわよ…。母がお世話になりましたって…。入院先の病院で亡く なったって…」 ここでお話が終われば良かったのですが、その後も松本さんの霊はその病院に現れ続けたそうです。 ある夜、事務方数人で書類整理の為に残業していた所、廊下を コツ コツ コツ と杖を突いて歩く音 が響き、明かりが消えたリハビリ室に向かって行ったそうです。皆で恐る恐るリハビリ室に行ってみる と、電源を落としてあったSSP(電気ハリ)のスイッチが入っていました。それは、松本さんが来る度に 使っていた機械でした。 またある夜は、閉院後の片づけをしていたスタッフの前に松本さんが現れ、「痛いのよう…痛いのよ う…」と訴えて、消えたと言う事がありました。 坂本さんが見た様に、開院前・閉院後の待合室に座る松本さんの姿を何人ものスタッフが目撃しました。 そればかりか、患者さんからも、病院内でお婆さんの姿が消えるのを見たと言う人が続出。 病院では、大々的に供養をする訳にもいかないし、ご遺族に「お宅のお婆さんが化けて出て困ってます」 と言う訳にも行かないし、スタッフは早出や残業を嫌がるしで、ほとほと困った事になりました。 そして、ある時から、パタッと松本さんの霊は姿を現さなくなりました。 たぶん、四十九日を過ぎたんだろう…。 スタッフはそう囁きあい、松本さんのご冥福を祈ったそうです。 |

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