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実家の近くに米軍の軍事施設があり、地元では昔から通称「通信隊」と呼ばれておりました。
文字通りの通信施設で、だだっ広い敷地に高い鉄骨の通信塔が幾つか立ち並んでおります。
施設は殆ど地下化され、地表は、立ち入り禁止のフェンスの中以外は農地やグラウンドになっています。
私が子供の頃には、何度か女性の行方不明事件が発生し、私の住む団地の掲示板にも手掛かりを求める
ビラが貼られたりしておりました。何せ、夜は街灯以外は真っ暗。人通りも殆ど無い所です。
「さらわれた人の死体が埋まっている。」とか、「夜、女の幽霊がバスに乗ってくる。」等、怪談話の
格好の舞台となっていた所です。
ところが、最近その「夜、女の幽霊がバスに乗ってくる。」のを実際に見た人に相次いで出会いました。
まず、一人目は当の路線バスの運転手だった人。私の高校時代からの友人の親父さんです。
今年の正月、その友人宅に遊びに行った時、もう定年退職した親父さんが酒飲み話で語ってくれました。
30年も前のある夜。最終に近い時間に「通信隊」を通る路線を運転していました。
田舎路線で、その時間になると乗客も疎らになります。現にその夜は空でバスを走らせていました。
「通信隊」のバス停に差し掛かると、街灯に照らされ、お客さんが待っているのが見えました。
「珍しいな…。」と思いつつバスを停め、乗り込んで来た客を見ると、制服を着た女子高生でした。
その女子高生を一人乗せたまま暫く走ると、停車のボタンが押されました。
次のバス停で停車し、降りに来るのを待っていましたが、その子は一向に出入り口にやってきません。
ボタンを押し間違えたかな?と思い、「降りますか〜?」とマイクに喋りながら振り向くと…。
車内には人っ子一人乗っておりませんでした。
続いては、私のお客さんです。昔「通信隊」の近くに住んでいたそうで、私が「こんな話、聞きました
よ。」と前述の話をしたら、「えー、私も似たような体験がありますよ!」と。
当時、その人が中学生位だった、やはり30年近く前。
越してきたばかりで、「通信隊」の怪談はまだ耳にしてなかったそうです。
どこに行った帰りか忘れたが、夕方に「通信隊」を通るバスに乗りました。
途中、「通信隊」のバス停で何人か乗って来て、女の人が自分の前の席に座りました。
(女子高生ではなかったそうです。)
暫く窓の外を見ていて、視線を戻すと、目の前に座っていた女の人が居なくなっておりました。
「あれ?」と思い、空いている車内を見渡しても、つい今まで居た筈の女の人の姿はありません。
バス停にも停まってないし、寝ていた訳でもなく、怖いと言うより不思議だったそうです。
その後、学校などで幽霊の噂を聞き、もしかしたらあれがそうだったのか、と思うようになったとか。
たまたま、立て続けにこの様な人に会うとは、妙な縁です。
私は高校時代、この「通信隊」を突っ切る砂利道を通って自転車通学をしていました。
ある冬、昼頃から大雪になり、下校の頃は1m近い積雪の中、友達と2人で「通信隊」突破にチャレンジした事が懐かしく思い出されます。ほんと、遭難しかかり、死ぬかと思いましたが。若いっていいですね。…本文と全く関係ないですね。すみません。
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