Orang Hutan の活動日記

西カリマンタン(グヌンパルン国立公園)での森林保全・REDD+計画を目的とした活動の様子を紹介します。
対象村(集落)の1つでもあるタンジュングヌンは、村人の主な生計手段は「違法伐採」と言われるほど、近年まで違法伐採が多く、公園事務所としても取締り活動を続けてきました。

活動を開始した当初、私が村に行く際も雰囲気がピリピリしており、実際に違法伐採の木材を川から運んで製材所へ運ぶ姿も見られました。

ファシリテーション活動を活動して2年近く経ち、また、特にこのエリアを担当する公園職員が交代し、かなり熱心に取り組んできた成果が徐々に表れ、今では約10ものグループ活動が自発的に(外部の物的支援などはなく)行われているとのこと。日本からの客人の訪問に合わせて、久々に訪問してみました。

まず女性グループの1つは、自分達で薬草やスパイスの栽培・販売を軒先で始めました。病院が遠いため、軽い病気などに効くものは自分達で育ててみたい…という女性達の想いを共有し、土作りや栽培方法はNGOや県の職員に教わりながら育てています。また、こうした活動に自信をつけ、伝統的な音楽のグループも結成し、客人や催しがある時に披露しています。

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その近くでは、男性がアヒルの飼育を始めていました。これはテレビ番組でヒントを得て、他の村でアヒルの卵を買ってきて、ニワトリに孵化をさせて繁殖に成功しています。徐々に数百・数千規模に増やす予定で、考案した事業計画を教えてくれました。

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こちらの男性(青いシャツ)はかつて違法伐採従事者でしたが、野菜やスパイスの有機栽培を始めています。
農地に海水が入ってこれまでの稲作では限界を感じており、有機栽培を使った土壌改良の他、付加価値の高い園芸作物の栽培に挑戦をしています。

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こちらはヤギの栽培小屋。
これまでは放し飼いでしたが、高床式の小屋にして糞を集め、有機肥料作りに活用しています。

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村でほとんど使われていなかったキャッサバを使い、近隣の住民と協力してキャッサバチップスを作り、道路沿いの商店で販売しています。
3つのフレーバーがあり、食べだすと止まらなくなります。

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こちらの軒先ハウスでは、元違法伐採のボスが、苗木作りと販売を始めました。

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農地には成長の早いJabon (Anthocephalus cadamba)の苗木を植え、建材等として活用・販売する計画で、「かつては違法伐採もしていたけど、今はこうして公園職員と協力しながら新しいことを始めるのが楽しい・・・」と、語ってくれました。

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集落の入り口には、マングローブの苗木小屋があります。
これは3つのグループでそれぞれ管理されており、漁師のグループが自分達で魚付林保護のために植えたり、また、将来的にはエコツアーで来たお客さんに植林体験をしてもらうことも考えています。

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それにしても印象的だったのが、どのグループでも嬉しそうに自分達の活動について語ってくれる姿でした。
かつては違法伐採の村…とうことで肩身がせまかったこともあるのかもしれませんが、今は自分達で新たなことを始めている自信に満ち、そのことが楽しくて仕方がない…という表情に溢れていました。
「こっちも見てくれ…」と誘いが絶えず、おかげで2時間程度の訪問予定が半日となり、すっかり日も暮れて幾つかのグループ訪問は辞退せざるを得ませんでした。

ファシリテーションという地道な活動を通じて、実際に村や人々が変われること…を目の当たりにし、私としても本当にいい勉強になりました。
過剰な外からの支援は禁物ですが、こうしたやる気が持続できるような方策を、公園職員とも考えていきたいと思います。

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2013年の8月にグヌンパルン国立公園の職員を引き連れて以来、2年ぶりに西部バリ国立公園を訪問しました。今回は、グヌンパルンの周辺村から村長5名、村人ファシリテーター8名、NGOスタッフ(ASRI)1名、公園職員2名が参加し、経験共有と共に、今後のグヌンパルンでの活動実施のヒントを得てもらうことを目的としました。

西部バリでは2008年から一般財団法人あいあいネットによる草の根技術協力プロジェクトが行われており、公園職員によるファシリテーション活動を通じた住民主体の活動が本格化してきています。

スンブルクランポック村では、横浜市の協力によるカンムリシロムクの人工繁殖が行われていましたが、その試みが発展し、政府による立派な繁殖センターが出来上がっていました。

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この美しいカンムリシロムクが、西部バリの国立公園で普通に見られる日が来るのも、もう間近でしょうか。

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また、その近くでは村人が公園事務所と調整しながらトレッキングコースを設置し、ガイドグループを結成。
緑の服を着た村人ガイドさんは、かつては違法伐採をしていたそうですが、独学で英語を勉強し、森の中の植物や動物について歩きながら紹介してくれました。

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公園周辺の村では、公園職員による小学校での環境教育が定期的に行われています。

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その1つの小学校で、あるもの探しの成果発表が行われました。
あるもの探し地図も立派ですが、発表では歌など織り交ぜながら楽しませてくれました。

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有機農業活動も行われており、家畜糞尿を使ったバイオガスに興味津々…

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環境教育活動での子供たちの学び(有用ゴミの量)にヒントを得て、有用ゴミの回収と販売によるビジネスも始まっていました。

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2日半の研修はあっという間でしたが、村長たちにとっては「自分達にもできるはず…」とかなりの自信になったようです。最終日は西部バリ国立公園の職員も、夜遅くまで学びのまとめと行動計画作りを手伝ってくれました。

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腕に入れ墨も入ってヤンキーっぽい村長(Matan Jaya)は、とりわけ熱心に各訪問先で話を聞き、かつでの違法伐採道を使ったトレッキングをしたい…など、アイデアが出されました。

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大半が飛行機に乗るのも初めてで、どうなることやら…と思いましたが、どうにか無事にクタパンまで帰りました。
ただ、空港では床に座り込んだり…と、少し目立っていましたが…。

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ファシリテーション活動を通じて、どのように村を変えて行ける可能性があるのか、西部バリでの村の様子を見て実感できたこと、特に村長がやる気になったことは、今回の視察での大きな成果でした。
この刺激が持続するようフォローを続けていく共に、公園職員との連携による活動実施を働きかけていきます。


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グヌンパルン国立公園の周辺では2005年頃よりオイルパーム(アブラヤシ)の開発が拡がっていますが、Lubuk Batu村は丸ごとオイルパームに吸収され、かつては森林に囲まれた中での生活をしていましたが、今では住民のほぼ100%がオイルパームでの雇用に従事しています。

国立公園の北側から車でアクセスし、時折、川を渡し船で渡ります。

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果てしなくオイルパームが続く道を走りますが、森がかろうじて残っているところも時折見かけます。

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オイルパームの中に、ぼつんとLubuk Batuの集落(村内に3つ)があります。居住地の周りには、薪炭材を得るための森がわずかに残っています。

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昼食のために食堂に入ると、学校帰りの中学生女子がおしゃべりに興じています。学校から家までが遠いため、家のあるエリアまで送ってくれるトラックを待っているとのこと。ちなみに、この子らの親もオイルパーム農園で働いていますが、ジャワ島からの移民だそうです。

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ようやくトラックが来て、運ばれて行きました…。

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村長さんに話を聞こうとしましたが、ちょうどスカダナの方へ会議で出ており、翌日、スカダナにあるご家族の家で話を聞けました。左の青いTシャツを着ているのが村長さん。まだ若いです。

オイルパーム業者が操業を始めるにあたって2回ほど住民説明会があったようで、その際にいろいろと住民への便益についても説明があったようですが、土地のレンタルを含めて書面での取り交わしがないため、実施されたのはわずかとのこと。中でも最も困っているのは、かつては森からきれいな水が得られたのが、今では涸れてしまって買わねばならないとのこと。

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その日は、隣村のマタンジャヤの農家さんに泊めてもらいました。このマタンジャヤからオイルパームまではバイクで1時間近くかかりますが、それでも多くの住民が従事しているようです。大抵は5人程度で与えられた農園の区画を共同で管理し、時期によって草取りや農薬散布、パーム収穫などの日雇いがあるそうです。契約雇用されているのは、トラック運転手や警備など一部の人たちだけのようです。

敷地の庭には、オイルパームの苗木が多く準備されていました。いずれは今の水田の一部にオイルパームを植えることを予定しているようです。かつては自給自足だった生活が、オイルパームによる現金での収入・交換に変わってきています。

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近くの商店では、町から運ばれた商品が売られています。こうしたお店は、オイルパーム業者によって道が整備されてから運べるようになったとのこと。調理用のガスも売っていますが、まだ薪を燃料としている家庭が大半とのこと。

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村で入りにくい生鮮品・魚などは、バイクの行商人が近郊の村を廻っています。こちらの男性は、クタパンから6時間近くかけて魚を売りに来ています。

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オイルパームという投資が入ることで、現金収入が手にできることになり、住民の生活は間違いなく良くなっているようです。水や薪が得にくくなったことはあるものの、オイルパームを悪く言う住民はまずいません。しかし、オイルパームでの肉体労働はきつく、高齢者などは共同作業で迷惑をかけることもあり、続けるのは難しいようです。オイルパームの恩恵を受けられなくなり、農地も無くしたような人々がどう生活をしていくのか、生活の変化に合わせ、社会保障や行政支援も同時に整備していくことが必要かと感じています。

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バンコクに本部を置き、インドネシアにも支所があるRECOFTC (Center for People and Forest)との連携プログラムの会議がありました。

2日間のプログラムで、1日目はRECOFTCが関わる活動サイトの視察と意見交換

バンコクから車で西へ3時間程のBaan Huay Hin Dam村へ。
カレン族の住民が伝統的に森林を利用した生活をしてきましたが、1970‐1980年代に政府が伐採コンセッションを許可し、民間業者による伐採が始まり、水源が涸れるなどの影響が出始めます。
1989年に伐採事業が終了しても、移住者等による伐採と農地拡大が継続し、コミュニティ主導による森林管理に向けた取り組みが、NGOやRECOFTCの支援を受けながら始まりました。
また、1997年には森林の一部がPhu Toei National Parkに含まれ、調整が必要となりました。

能力強化を含めた様々な取組みが行われ、主に以下のような成果がこれまでに達成されています。
・コミュニティ・フォレスト委員会の設立
・森林利用のゾーニング・利用ルールを国立公園事務所と合意
・森林管理計画の策定+定期的なモニタリング活動
・生計向上活動(有機野菜・織物販売等)を通じた基金の設立

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(写真)奥の白い服の方がリーダーのKwaiさん。伝統的に森と共生してきたカレン族の精神的な部分(特にアニミズム)の貴重性を語ります。

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(写真)女性委員の1人であるSudaさんは基金の管理も任されており、発言も自信に満ちていて頼もしい。

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(写真)織機ではなく、このような伝統的な方法で時間をかけて織り上げていきます。来ているものは化学染料ですが、天然染料を使ったバッグやスカーフなども販売しています。

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(写真)クボタのトラクターに揺られながら、森を目指します。歩いた方が早そうですが…。

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(写真)森の入り口には、住民が合意した利用ルールが記載されています。

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(写真)森の中には、伝統的な儀式を執り行うエリアが大切に整備されています。こうした儀式を継続していくことが、自然を崇拝する心を若者へ継承していくことになる…というコメントが印象的でした。

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(写真)利用ゾーンでは、規則に沿った手続きを踏まえて、移動焼畑が行われ、バナナやトウモロコシ、陸稲が栽培されています。

2日目は、RECOFTCの施設でのワークショップ。
我がインドネシアの他、ベトナム、カンボジア、ラオス、アフリカ(SADC)のプロジェクト関係者、RECOFTC担当が集い、各プロジェクトの計画・進捗の報告に加え、今後の連携に向けた意見交換を行いました。

インドネシアに関しては、以下のような方向性で進めていく予定です。

1.CFET(Center for Education and Training)を含めた3者による連携協議(6月中)
2.クタパンでのフォーラムメンバを主体としたPlanning Workshop(特に、住民レベルでのREDD+実施に向けた要件と能力強化)
3.国立公園のゾーニング改定に向けた研修・協議
4.フォーラム関係者及び住民代表へのFPIC研修
5.住民レベルでの協働管理に資する研修実施(NTFP利用、共同組合設立等)

ファシリテーション研修を通じて、これから各対象村で活動が始まりかけているところ、信頼関係や協働管理の進捗を踏まえながら、適時、必要な研修やワークショップを行うことになります。
特に住民レベルでの働きかけにおいては、コミュニティフォレストの知見を多く有するRECOFTCとの連携も活用しながら進めていきます。

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前日のファシリテーション活動ワークショップに続き、6/4-5の二日間にかけて、REDD+の社会セーフガードに関するミニワークショップを、グヌンパルンン国立公園職員を対象に行いました。

これは昨年9月に行ったREDD+ワークショップに続くもので、知識として学んだREDD+やセーフガードを実際の公園管理の活動でどのように活かしていくのか…、REDD+に向けて何を対処しておく必要があるのか・・・、を考えてもらうことを目的としました。

1日目は、REDD+の知識についてのおさらいに加えて、現在、境界コンフリクトが発生している2つの村(SejahteraとSempurna)を事例として、問題分析を行いました。

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(写真)まずはREDD+とセーフガードについての理解をグループで確認します。

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(写真)REDD+はまあまあイメージがありますが、セーフガードはちょっと難しいようです。

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(写真)ボゴール農科大学のハリアント氏による解説・講義を織り交ぜながら進みます。

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(写真)村人との紛争が発生している2つの村で、これまでの経緯・事実をスタッフ同士で確認します。

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(写真)セミナーの時と同じくCenter for Education and Training (CFET)のイダさんがモデレーターを務めて下さり、テキパキと課題や質問をさばいていく手腕は見事です。

1日目は、確認した2村の事実に基づいて、「発生しているコンフリクト」と「その関係者」を分析しました。
2日目は、これらのコンフリクトに関して、「誰にどのようなアクションを起こしていくべきか」の対策を、ローカルNGOのASRIスタッフによる助言も得ながら考えます。

 残念ながら私はジャカルタ出張のために2日目は参加できませんでしたが、ここでの提案を基に、またプロジェクトとしての支援を検討していきます。

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