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心臓に疾患 障害者の労災死 逆転認定 「本人の状況、判断基準」 名古屋高裁
4月17日 読売新聞
心臓機能障害のあった家電量販店従業員の夫が死亡したのは過重な業務が原因として、妻が国を相手取り、労災を認めなかった豊橋労働基準監督署(愛知県豊橋市)の処分取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が16日、名古屋高裁であった。高田健一裁判長は、「障害者であることを前提に仕事をしていた場合、本人の状況が判断基準となるべきだ」と述べ、訴えを棄却した1審・名古屋地裁判決を取り消し、過重業務による疲労やストレスの蓄積による不整脈で死亡したとして、労災と認めた。 遺族側代理人の水野幹男弁護士は「健常者を基準とするのではなく、障害や身体能力を考慮して労災との因果関係を認めた判決は初めてではないか」と話している。
訴えていたのは、小池勝則さん(当時37歳)の妻友子さん(40)。判決などによると、小池さんは1997年に慢性心不全を発症し、2000年11月、身体障害者枠で「マツヤデンキ」に就職。愛知県豊川市の店舗でゲーム機やパソコンなどの販売を担当していたが、同年12月、致死性不整脈により自宅で死亡した。友子さんは01年11月に同労基署に労災認定を申請したが認められず、05年に提訴した。
厚生労働省は、過労死の労災認定基準として時間外や休日労働が「月45時間」を超えないよう通知し、労災認定訴訟でもこれが基準となるケースが多い。小池さんは33時間で、1審は「量的に見て、過重とは言えない」と判断していた。
高田裁判長は認定基準について、「労働者は必ずしも平均的能力があるわけではなく、障害を抱える人もいる。障害者の就労に企業が協力を求められる時代に、労働者本人が基準となるべきだ」と判断した。その上で、「主治医は立ち仕事は無理だと伝え、店側も当初は残業をさせない方針だった。特に死亡直前の約10日間は残業が1時間半から2時間半に達し、小池さんにとってかなりの過重労働だった」と指摘し、労災に当たると結論づけた。
豊橋労基署は「判決内容を検討し、労働局とも協議して対応を決めたい」とコメントした。
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労災その他
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JR福知山線事故、運転士遺族が労災申請
4月14日 読売新聞
JR福知山線脱線事故で死亡した高見隆二郎運転士(当時23歳)の遺族が、大阪市の天満労働基準監督署に労災申請をしていたことがわかった。 死亡による労災申請の期限は亡くなった日から5年で、失効直前だった。今後、事故前の高見運転士の勤務状況について審査が行われる見通しで、懲罰的な日勤教育が認定判断を左右する可能性が出てきた。
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夫が自殺したのは過重な業務が原因として、NECの元技術部長の男性(当時52歳)の妻(54)が国を相手取り、労災を認めなかった処分の取り消しを求めた訴訟の判決が11日、東京地裁であった。 青野洋士裁判長は、「男性は仕事の心理的負担と長時間の時間外労働でうつ病を発症し、自殺した」と述べ、処分を取り消した。 判決によると、男性は同社でコンピューターソフトの開発や販売を担当していたが、2000年2月頃にうつ病を発症。同月21日に自宅近くの建物から飛び降り、死亡した。 判決は、発症前の8か月間の時間外労働が毎月100時間前後に達していたと認定。同社が経営危機を乗り切るために収益性重視を強める中で、男性の担当事業が目標を達成できなかったことが心理的負担を与えたと判断した。 妻は判決後に東京・霞が関で記者会見し、「夫の無念が晴らせて良かった。国や会社は再発防止策をとってほしい」と訴えた。
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「名ばかり管理職」として残業代のない長時間勤務の末、過労で意識不明の寝たきり状態になったとして、鹿児島県鹿屋市の元ファミリーレストラン支配人、松元洋人さん(35)と両親が、店を経営する康正産業(鹿児島市、肥田木康正社長)に約3億5000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が16日、鹿児島地裁であった。山之内紀行裁判長は過労と症状の因果関係を認め、同社に介護費用や慰謝料など約1億9000万円と、未払いの給与約730万円の支払いを命じた。 判決などによると、松元さんは2001年11月に正社員に採用され、03年9月から支配人として鹿屋市内の店に勤務。人手不足の中、接客や食材の仕入れ、パートの募集・面接、会計処理などに追われ休日返上で働いたが、管理職扱いのため残業代は支給されなかった。04年11月10日未明、帰宅後に心臓発作を起こし、低酸素脳症で意識不明となった。 発症までの半年間の時間外労働は月平均約202時間に上り、労災認定基準の発症1か月前の約100時間の2倍を超えていた。鹿屋労基署は06年1月に労災認定し、休業補償などの支給を決定した。 山之内裁判長は「会社の長時間労働に対する無関心ともいえる姿勢と、一切の残業代を支払わない労務体制が原因」と指摘した。 同社は鹿児島、福岡、宮崎県などに「ふぁみり庵はいから亭」など60店以上を展開している。柳田敏安常務は「判決文を見て、対応を検討したい」と話した。
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大正製薬福岡支店(福岡市)に勤めていた夫=当時(42)=が2003年に死亡したのは過労死として、妻が福岡中央労働基準監督署の遺族補償不支給処分などの取り消しを求めた訴訟の判決で、福岡地裁は17日、業務で持病の高血圧が悪化して死亡したと判断し、請求を認めた。
判決理由で岩木宰裁判長は「恒常的に相当な時間外労働を行い、休日も出勤していた。長距離で多数回の車での出張は、移動距離が1日約778キロに達することもあり、精神的、身体的負荷は重かった」と指摘。高血圧を悪化させ、くも膜下出血とみられる症状で死亡したと認めた。 判決によると、鹿児島県を除く九州の営業担当だった男性は、03年6月に出張先の大分市のホテルで死亡。妻は労災認定を申請したが、翌年10月に退けられた。 |





