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企業年金連合会が2日発表した2008年度の企業年金資産運用実態調査の
結果によると、企業年金全体の運用利回りが、前年度より7.22ポイント低 下してマイナス17.8%となり、2年連続のマイナス運用となったことが明 らかになった。 |
社会保障関係
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長妻厚生労働相は3日、民主党が先の衆院選の政権公約(マニフェスト)で掲げた現在の後期高齢者医療制度の廃止問題について、もとの老人保健制度(老健)は復活させず、新制度を創設するとともに、来年度中の現行制度の廃止は断念する方針を固めた。
複数の政府関係者が明らかにした。 民主党内には、政権交代を印象づけるため、現行制度の早期廃止を目指す意見もある。しかし、それには老健復活が前提となり、長妻厚労相としては、全国の自治体や医療関係者の反対が強い旧制度復活は現実的でないとして、時間をかけて新制度を策定し、移行する方針を固めたものだ。 関係者によると、長妻氏はすでに先週、「新たな制度の案を二つ検討するよう」省内の担当者に指示。これに伴い、今月26日にも召集が予定される次期臨時国会と、来年の通常国会への廃止法案の提出は見送られることになった。 民主党は昨年6月、後期高齢者医療制度を即時廃止し、老健を復活させる法案を、社民、国民新、共産の3党とともに参院で可決。マニフェストでも現行制度の廃止を掲げた。長妻氏も就任後の記者会見で廃止を明言したため、代わりの制度として老健が復活するのかどうか、注目されていた。 老健制度に戻さない最大の理由は、運営主体が都道府県ごとの広域連合から市町村に戻り、事務作業が膨大になるなどとして、市町村などからすでに反対意見が出ているためだ。 長妻氏は今後、自治体の意見なども考慮し、マニフェストで掲げた国民健康保険と被用者保険を統合する「地域保険」の制度設計に着手するものとみられる。 ただ、民主党内ではなお、老健復活を盛り込んだ廃止法案を臨時国会か通常国会に提出するよう求める声がある。連立を組む社民、国民新両党も同様の立場で、調整は難航する可能性もある。
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社会保険庁は三十一日、二〇〇八年度の国民年金保険料の納付率が、前年度(63・9%)を1・8ポイント下回り、過去最低の62・1%だったと正式に発表した。 不況で保険料を納められない加入者が増えたほか、年金記録問題などで国民の不信感が根強いことも響き、三年連続の減少となり、目標の80%を大きく下回った。同日の厚生労働省の「国民年金特別対策本部」に報告した。 社保庁は〇九年度も目標80%の達成に向け「最大限努力」するが、具体的には08年度より4ポイント以上引き上げ66・1%以上を目指すと表明。目標の実質的な下方修正とも受け取れる措置を取った。 将来の低年金・無年金者の増加につながる恐れがある。 都道府県別では最高が島根の75・9%で七年連続のトップ。以下は新潟(74・5%)、福井(74・0%)の順。最も低かったのは沖縄の40・2%で八年連続。大阪(52・8%)、長崎(57・5%)が続く。すべての都道府県で前年度の納付率を下回った。 五歳刻みの年齢階級別では、すべての階級で低下。最高は五十代後半の75・1%で、最低は二十代後半の49・4%だった。 所得が低いため納付の全額免除や猶予を受けている人を除外せずに計算した場合の実質納付率は45・6%で、三年連続の50%割れ。 <国民年金保険料の納付率> 納付義務のある加入者1人ずつが実際に保険料を納めた月の総数(分子)を、本来納めるべき月の総数(分母)で割って算出。保険料を全額免除や猶予された人は分母から除いて計算する。納付率は1992年度の85・7%から徐々に下落。02年度に62・8%まで落ち込み、その後上昇に転じたが、社保庁の不祥事が相次ぎ06年度から再び下落した。
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公的年金の積立金の2008年度の市場運用実績が10兆円の損失となったことが26日、分かった。単年度の赤字は2年連続で、赤字幅は過去最大となった。
08年9月の米証券リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)に端を発した金融危機による株価下落や円高が要因で、運用利回りもマイナス10%台に落ち込んだ。厚生労働省は「単年度の赤字で長期の年金給付にすぐ影響がでるわけではない」としているが、今後の年金制度のあり方にも影を落としそうだ。 公的年金の積立金の運用は、厚労相からの委託を受けた「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」が行っている。国民年金と厚生年金を合わせた積立金は約140兆円で、そのうち約90兆円を市場で運用している。運用割合は6割超が国内債券、2割が国内・外国株式、残る1割が外国債券となっている。 08年度は、第1四半期(4〜6月)のみ1兆円の黒字を確保したが、以降は株価下落などの影響を受けて、赤字に転落。第2四半期(7〜9月)が4兆円、第3四半期(10〜12月)は5兆円と大幅赤字を記録していた。 厚労省が今後100年の年金財政を検証した「財政検証」では積立金の運用利回りを4・1%に設定した上で、厚生年金の給付水準が「現役世代の収入の5割以上」を確保できるとしている。今回のマイナス10%は目標と大きく乖離(かいり)した結果となっており、このまま運用の低迷が続けば、厚労省の計算通り年金資金が確保できず、将来の給付カットにもつながりかねない。「現役世代の収入の5割以上」は政府・与党の公約でもあり、給付カットとなれば、年金不信がさらに深刻化する恐れもある。 ただ、今年度に入ってから、株式市場は回復基調にあり、運用実績は改善しつつあるとの指摘もある。 [解説]株式運用リスク浮き彫り 公的年金積立金の2008年度の運用が過去最大の赤字を記録したことで、資産の一部を国内外の株式などに振り向けている運用方法のリスクが浮き彫りになった。今後も運用不振が続けば、将来の保険料引き上げや給付カットにつながりかねないだけに、株の比率を下げるなど、より慎重な運用方法に変えるべきだという意見が強まりそうだ。 厚生労働省は今年2月、積立金の長期的な運用利回りの想定を、04年改革時より0・9ポイント高い年4・1%に上方修正した。想定が楽観的過ぎ、後になって財源不足に陥る恐れがあるという批判が専門家から相次いでいたが、その懸念が一段と強まった形だ。 政府・与党内では現在、運用成績を高めるために株の比率を増やすことなどが検討されている。こうした動きに、ブレーキがかかる可能性がある。 国内外の株式を運用資産に組み込めば、長期的には債券より高い運用利回りが実現する可能性がある反面、単年度の運用損が生じるリスクが高まる。この点について、必ずしも国民の十分な理解が得られているとは言えない。年金制度への信頼に響きかねない結果だけに、厚労省は、赤字の原因と責任の所在について、十分に説明責任を果たすべきだ。
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厚生労働省は、目減りした企業年金の積立金を企業が穴埋めする際の基準を緩和することを決めた。 景気悪化に対応するためで、穴埋めを2年間猶予し、不足分の全額ではなく85%で済むよう省令を改める方針だ。6月1日から国民の意見を募る「パブリックコメント」を実施したうえで、7月上旬に省令を改正する。 企業年金は、基礎年金(1階部分)、サラリーマンが加入する厚生年金(2階部分)に、企業が独自に上乗せする「3階部分」だ。運用益によって給付額が変動する「確定拠出年金」、将来の給付額が確定している「確定給付企業年金」と「厚生年金基金」の3種類がある。厚生年金基金は、厚生年金の一部も運用する。 省令では、確定給付企業年金と厚生年金基金について、給付に備えた積立金の必要額が15%以上不足すると、企業が直ちに追加拠出し、20年以内に不足分全額を穴埋めしなければならないと定めている。改正では、追加拠出開始を2年間猶予し、穴埋めが必要な額を不足分の85%に引き下げる。 こうした対応は、金融危機による株価下落などで企業年金の財政が悪化した企業が増え、改善を厳しく求めると経営全体を圧迫しかねない情勢になっていることが理由だ。 ただ、実力以上の給付水準を設定している企業も多く、特に歴史の古い厚生年金基金の場合、創設時の高い利率のままのケースがあるため、省令改正が財政改善の安易な先送りにつながらないよう、厚生年金基金の企業には、改善の具体策などを定めた「長期運営計画」の策定を条件に追加拠出の猶予を認める方向だ。
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