国際スケート連盟(ISU)は14日、東日本大震災の影響により東京で開催予定だったフィギュアスケート世界選手権(21〜27日)の同日程での開催中止を決定した。代替開催についても、会場などの問題から困難な状況。連覇を目指す浅田真央と、五輪女王のキム・ヨナの1年ぶりの対決で注目を集めた“氷の祭典”は、行われないことが濃厚となった。
ISUの報告を受けて会見した日本スケート連盟の鈴木副会長は「致し方ない。会場を動かすのも簡単ではないし、日程的にも難しい」とし、伊東フィギュア部長も代替の可能性を「わずかな望み」と表現した。ISUが最も懸念したのは水素爆発を起こすなど、放射能漏れが不安視される福島第一原発の状況だ。
「決め手は原発だと思う」と鈴木副会長が話したように世界的に報道されている現状が、各国連盟から不安視されたとみられる。さらに余震が続く中、観客の安全面も保証できず、国を挙げての節電が叫ばれる中で期間中の会場の維持も厳しい状況となった。また、4月の国別対抗戦(4月14〜17日・横浜)についても「このままで行けば中止の可能性が高い」(鈴木副会長)とされた。
国際スケート連盟(ISU)は14日、東京・国立代々木競技場で21日に開幕する予定だったフィギュアスケートの世界選手権を、延期または中止すると発表した。4月14日から横浜で開催される予定の国別対抗戦についても同様で、延期か中止かは今後決めるという。
ISUからの連絡を受けた日本スケート連盟は、都内で緊急会見。鈴木恵一副会長は「日本側も(予定通りの開催は)難しいと連絡した。ISUの回答は仕方ない」と無念の表情を浮かべた。日本連盟側は11日の大震災発生直後からISUに状況を報告。同副会長は「決定的だったのは原発ではないか。電力不足はもちろん、放射能の話が世界に伝わっている中で、苦渋の決断だと思う」と説明した。
ISU側は他国での開催は考えておらず、延期の場合は日本国内での開催を模索することになるという。だが、災害の規模が大きく、イベントそのものの規模も大きいため、現実的には早期の代替開催は厳しい情勢で、このまま中止となる可能性が高い。伊東秀仁フィギュア部長は「100%中止と決まったわけではないので、希望を捨てずに練習をおろそかにしないでほしい」と選手にメッセージを送るのが精いっぱいだった。
▼浅田真央 (震災の)深刻な被害の中、一人でも多くの人が無事でいられるよう本当に祈る気持ちで、あらためて命の尊さを考えている。選手としては(大会が)延期されても中止されても、今まで通り練習していこうと思う。
▼安藤美姫 今後の決定に従い、今季やってきたことを繰り返し練習するだけ。被災された方々を少しでも元気づける演技ができるように、しっかり練習しておくのが今の自分にできること。
▼村上佳菜子 初めてだから出たい気持ちもあるけど、今の状況だと、やらない方がいいのかなとも思う。いつやるか分からないと、気持ちの面でも大変。
▼高橋大輔 僕に今できることは、練習を続け、状況を見るということ。みんなでつくり上げる強い団結力で、この状況を乗り越えられればと思う。
▼織田信成 テレビで地震の様子を見ていて、試合をする状況じゃないかもしれないと思っていた。もし開催となれば、それに向けて練習を頑張りたい。
▼小塚崇彦 練習の合間にニュースを見て、恐怖を感じ、胸を痛めている。判断が出るまで、状況を見ながら粛々と準備するだけだと思う。
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| 世界フィギュア中止の発表を受けての選手のコメント |
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このたび発生した東北地方太平洋沖地震の影響で、ISUより本日、世界フィギュアスケート選手権大会が当初の大会日程で開催が中止となったことが発表されました。それに伴う各選手のコメントを掲載します。
小塚崇彦(トヨタ自動車)
「来週から始まる予定だった世界選手権がスケジュール通りに開催されないと聞きました。
次の国際スケート連盟の判断がでるまで、状況をみながら粛々と準備するだけだと思ってます。
また、東北地方太平洋沖地震に関しましては、連日練習の合間にニュースを見て、さまざまな報道に恐怖を感じ、胸を痛めております。被災された方々、並びにそのご家族の方々には、心からお見舞い申し上げます。」
安藤美姫(トヨタ自動車)
「このたびの東北地方太平洋沖地震で被災された方々に哀悼の意を表したいと思います。
岩手県の花巻市では合宿をさせていただいた際に大変あたたかく受け入れていただき、心から感謝しており、思い入れのある地でもあります。
このたび被災された方々は想像を超えるほどの状況下にあることと思いますが、一人でも多くの方々が、一日でも早く震災前の生活に戻れる様、お祈り申し上げます。
今後の主催者サイドの決定に従い、次の大会に向けて、今シーズンやってきたことを繰り返し練習するだけです。被災された方々を少しでも元気づけるような演技ができるように、しっかりと練習しておくのが今の自分にできることだと思います。」
浅田真央(中京大学)
「このたびは、東日本大震災の被害に遭われた方々並びにそのご家族の皆様に対し心よりお見舞い申し上げます。
私は、世界選手権に向けての中京大学での練習の前に、リンクのテレビで大地震のニュースを知りました。
毎日報道を目にしていますが、深刻な被害の中、一人でも多くの人が無事でいられるよう本当に祈る気持ちで、自分も、改めて命の尊さを考えています。
選手としては、今後、世界選手権が延期されても、中止されても、状況を見ながら、今まで通り練習して行こうと思っています。
また、このような困難な時こそ、日ごろ応援して下さっているみなさんに対して、何ができるかを、考えていきたいと思います。」
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今朝の中日新聞には佐藤コーチと山田コーチのコメントも載っていました。
佐藤信夫コーチ「一番困る。どうしていいかわからない。一度落としてまた上げないといけないので、
一ヶ月は期間がないと」と困惑。
山田満知子コーチ「やるにしても日にちについて何か言ってくれないと、練習方法が見つからない。
選手は誰でも試合がある可能性があれば気力を抜けない。
気持ちをリセットできないでしょうね。」と心配した。
あいまいな発表ではなく、無しなら無しと明確にしてくれないと、練習内容も決められないということですね。
追記:コーチのコメント、ニュース記事にありました。
佐藤コーチ 延期か中止か決まらないのが「一番困る」
▽佐藤信夫コーチの話 (延期か中止か決まらないのが)一番困る。(調整を)どうしていいか分からない。今まで経験したことのないやり方になるので、じっくり考えたい。
▽山田満知子コーチの話 やる方向なのか、中止するのかどっちか分からない。選手は目標に向かって進むから難しい。はっきりと日にちを区切ってほしい。
▽伊東秀仁・日本スケート連盟フィギュア委員長の話 百パーセント中止と決まったわけではないので、希望を捨てずにいたい。かなりの確率で厳しいとは思うが、やると決まれば会場を探す。
▽鈴木恵一・日本スケート連盟副会長の話 一番の決め手は原子力発電所(の爆発)だったと思う。ISUは放射能の問題を危惧していた。(延期開催の要請があれば)厳しい状況だが、受け入れる準備はある。
◆フィギュアスケート世界選手権 男子は1896年に第1回大会が開催され、1924年に始まった冬季五輪より長い歴史を持つ。女子とペアは前身の国際スケート連盟(ISU)選手権を経て24年から実施種目。アイスダンスは52年から加わった。日本では77年、85年に東京、94年に幕張(千葉)、2002年に長野で開催され、07年に再び東京が舞台となった。