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ブッシュ米大統領は26日、環境問題への取り組みで今年のノーベル平和賞に選ばれたゴア前副大統領らをホワイトハウスに招き、約40分にわたり会談した。2000年の大統領選のライバルだった両氏が、大統領執務室で会談したのは、ブッシュ政権の7年間でこれが初めて。 ペリーノ大統領報道官によると、会談は「米国を代表してノーベル賞を受賞したことに謝意を示すため」として、大統領がゴア氏を招いて実現した。出欠確認の電話を大統領が自らゴア氏にかける念の入れようだったが、ホワイトハウスは記念撮影のもようを公開しただけで、会談内容の説明は避けた。 会談を終えたゴア氏は記者団に対して、「もちろん地球温暖化問題について時間いっぱい話し合った」と発言。「ブッシュ氏が会談の機会を設けてくれたのは親切なことだ」と語り、ホワイトハウスを後にした。 ブッシュ大統領は、地球温暖化ガスの排出抑制を定めた京都議定書の枠組みから米国の離脱を決めるなど、環境問題で政権批判を強めるゴア氏との溝は深い。「大統領は遺恨をためこむ人物ではない」(ペリーノ報道官)というものの、会談でどこまで距離が縮まったのかは謎だ。 ゴア氏は、来月10日にノルウェーの首都オスロでの授賞式に臨む。 「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は16日、バレンシアでの総会で、地球温暖化の被害を小さくできるかどうかには「今後20−30年間の排出削減努力と、それに向けた投資が大きく影響する」などとする第4次の統合報告書を採択した。 「温暖化の影響を小さくしようとすればするほど、温室効果ガスの排出を早い時期に減少に転じさせなければならない」と、一刻も早い行動が不可欠なことを訴える内容。 一連の報告書づくりの総まとめとなる統合報告書は、12月、インドネシアでの気候変動枠組み条約の締約国会議にも報告され、京都議定書に定めのない2013年以降の温暖化対策の議論に大きな影響を与える。 報告書は、公表済みの3つの作業部会報告を基に、20世紀半ば以降の温暖化は、人間活動が原因である可能性が「かなり高い」と結論。今世紀末の平均気温は20世紀末より最大6・4度上がると予測し、近年、温度上昇が加速するなど懸念が高まっていることに言及した。 産業革命前からの気温上昇を2・4−3・2度に抑え、温暖化影響をできる限り小さくするには、二酸化炭素排出量を15−30年までに減少に転じさせる必要があるとの具体的道筋を提示。 対策には一定の費用がかかるが、温暖化が原因で生じる経済的な負担の方が大きくなる可能性が高いことを指摘し、各国に積極的な温暖化対策を促すものとなった。 また、北極やアフリカ、アジアのデルタ地帯など温暖化で特に大きな影響を受ける地域があり、発展途上国の貧困層などを念頭に、温暖化の影響を特に受けやすい人があることに言及。排出削減と同時に、温暖化影響を小さくする「適応策」の重要性も指摘した。 ◇ 気候変動に関する政府間パネル(IPCC) 地球温暖化に関する最新の科学的な知見をまとめ、各国の政策決定者に示すことなどを目的に1988年に設立された国際組織。90年の第1次から数年間隔で報告書を発表し、国際交渉に大きな影響を与えてきた。統合報告書の採択で、現在進めている一連の第4次報告書づくりが終わる。米国のゴア前副大統領とともに、今年のノーベル平和賞の受賞が決まった。 (共同) 今年のノーベル平和賞受賞が決まったゴア前米副大統領は12日、米シリコンバレーのベンチャーキャピタル「クライナー・パーキンス・コーフィールド・アンド・バイヤーズ」の経営に参画、地球温暖化防止に向けた事業を支援することを明らかにした。ロイター通信などが伝えた。 ゴア氏は、代替エネルギーへの投資促進などに協力する。報酬はすべて自らが関与する環境保護団体に寄付するという。 ゴア氏は温暖化問題への取り組みが評価され、12月にノーベル平和賞を受賞する。クライナー・パーキンス社は1972年設立。グーグルなどインターネット関連企業に出資してきたが、近年は代替エネルギーへの投資に力を入れている。(共同) 米ゼネラル・エレクトリック(GE)や日立製作所など、世界の主要な企業46社でつくる企業連合は9日、温室効果ガスの世界的な排出量取引市場の創設など、各国政府が協力して地球温暖化に取り組むよう求める声明を発表した。 12月3日からインドネシア・バリ島で開かれる国連気候変動枠組み条約締約国会議を前に、京都議定書後の国際枠組み「ポスト京都」の交渉促進を訴えている。 企業連合には両社をはじめ、中国国有石油大手の中国海洋石油、インドのタタ電力など、11カ国の製造、エネルギー、金融、保険、運輸、メディア業界の企業が参加。 声明では、温室効果ガスの効果的な削減に企業が取り組むには明確な政策が必要だと指摘。産業革命以前から今世紀末までの温度上昇を2度にとどめるために、2030年と50年の世界全体のガス削減目標を設定することを勧告した。排出量取引市場の創設やエネルギー効率の目標設定なども求めた。 また、ポスト京都の交渉や温暖化対策で、主要国(G8)と中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカの5カ国が率先して役割を果たすべきだとした。(共同) 世界の平均気温は1990年に比べて今世紀末に最悪6・4度上昇するが、温室効果ガスの排出量を2050年までに現状から半減させれば、2度程度まで抑えられ、地球温暖化による重大な被害を回避することができるとした「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第4次統合報告書の最終案が17日、明らかになった。 日本などが提唱している長期的な半減目標をノーベル平和賞の受賞が決まった科学者組織が支持し、京都議定書に定めがない2013年以降の枠組み「ポスト京都」に向けた目安を示した形。ただ、実現のためには、最短では今後10年以内に、増え続ける温室効果ガス排出量を減少に向かわせなければならず、早急な対策が急務となる。 IPCCは、11月にスペインでの総会で報告書を採択。12月、インドネシア・バリ島での気候変動枠組み条約の締約国会議に報告する。この内容がポスト京都の今後の交渉に大きな影響を与えることになる。 統合報告書案でIPCCは、今後の社会の変化や対策の進捗(しんちょく)状況に応じて、今世紀末の世界の平均気温は90年比で1・1度から6・4度の幅で上昇すると予測。 1・5−2・5度の温度上昇で生物種の20−30%で絶滅の危険性が高まるほか、洪水や台風による被害が増え始め、3度を超えると水不足にさらされる人口が現在より数億人増加。熱波や干魃(かんばつ)による病人や死者の数が増えるなど被害が目立って大きくなると予測した。 一方、IPCCは、今後の大気中の二酸化炭素(CO2)濃度を6つのシナリオに分けて試算。05年時点で379ppmだった大気中のCO2濃度を、最も条件の厳しい400ppm以下に抑え込むことができれば、気温上昇は産業革命前に比べて2−2・4度程度にとどまり、温暖化の被害を目立って小さくできるとした。 日本の産業界が二酸化炭素に代表される温室効果ガスの削減強化に乗り出した。化学や製紙、石油などの13業界がこれまでの自主行動計画を強化して、さらに年間約1300万トン(二酸化炭素換算)を減らすことにした。
来年から始まり、2012年まで続く「京都議定書」の第1約束期間に向けての削減努力の補強である。現在の日本が排出する温室効果ガスは、以前より増えているので、目標達成には約14%の削減が必要になっている。 増加分は、業務部門と家庭部門の排出量の伸びに起因している。家庭部門では、核家族化で世帯数が増え、家電製品の使用量が多くなったことなどが主な原因だ。産業部門は順調に削減していたが、国全体としての目標達成に向けて、さらなる削減の追加負担を引き受けたわけである。この前向きの姿勢を高く評価したい。 来夏に北海道で開催される洞爺湖サミット(主要国首脳会議)では、2013年以降の地球温暖化防止に向けての「ポスト京都」の枠組みづくりが主要テーマとなる。ホスト国の立場として、また会議での発言の重みを確保するためにも、第1約束期間での削減目標の達成は必要条件である。 地球温暖化対策において、現時点で最も重要なことは、排出の実態を反映した公平で実効のある新たな国際ルールの作成である。米国や大量排出途上国の中国やインドなどをメンバーに加え、2050年までの世界の排出量半減を目指さなければならない。 このルール作りに主導的に参加していく戦略が必要だ。それには他国を感心させ、納得させる材料がいる。その切り札に、日本の産業界の自主行動計画をあてるのもよいだろう。経団連が10年前に策定した産業界による自主的な温室効果ガスの削減計画だ。 契約社会の欧米では理解されにくいシステムだが、日本はこれによって効果をあげている。黙々と努力しているだけでは世界に通じない。今回の削減上積みも自主行動計画の一環だ。世界に向けて、日本の努力情報を発信する価値は大きい。 京都議定書の目標達成には、家庭やオフィスでの省エネの工夫に期待したい。発電で二酸化炭素を出さない原子力発電への理解増進も必要だ。 |
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