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最近対馬の件や水源問題などを中心に不動産所有権の外資への移転に関して、たびたび話題になっていますが、個人的には悲観しすぎのように思います。
もちろん警鐘を鳴らす程度の意味であるなら問題はないのですが、安全保障関係以外尚かつ、外国人の地方参政権が認められない限りは余り気にする必要のない話だと思います。
例えば水源が外資に渡ると危険という話などは、極端に水源を枯らすような事業活動は禁止できますし、産廃などの件でもわかるように取りの利用に花仮に規制がかかっていますから、そう言うことがわかっているので国内の不動産関係者は山林などを買わないわけです。もちろん有事の際に毒などを流されてはたまりませんが、こと経済的側面に関してはほとんど問題がありません。
一方で何故中国資本を中心に日本の不動産が注目されているかというと記事にあるとおり利回りが日本の方がよいからに他なりません。不動産の価格査定をするときにはおもに「原価法(調達価格)」「収益還元法(事業性)」「取引事例比較法(相場)」と言う観点から評価するわけですが、バブルに突入している状況だと相場が狂っている上に、資産価格の上昇によりキャピタルゲインが期待されてしまうために、収益還元法でも特に利回りを中心に考えた価格と実際の取引価格に大きな差額が生じてくることになります。特に極端な金融緩和を続けているドルと違って長期的な為替相場で円はそれほど大きな下落が見込まれていませんからなおさらです。
基本的に不動産の売買相場と言うのは賃貸の価格の変化の方が小さいですし、流動性も低いわけですから経費を除いたネットの利回り3%以下というのは不動産賃貸事業としては成り立たない数字です。それなら株式の配当や、債券を購入した方がよいわけですからね。アメリカの国債が3%前後ですから、それこそそちらの方が間違いなく優良な投資先になります。香港ドルはUSドルとのペッグ制ですしね。
投資ではなく実需が強いからと言うことはあるのでしょうが、それにしても余りな数字です。その状況から考えれば日本の不動産というのはかなり魅力的に映るのは当然ですが、元々の感覚が大きくずれているわけですから、日本の投資家の感覚の方が正常なのです。ここで断っておかなければならないのは実需の場合はそれぞれの事業の収益性が異なるために、例えば広告効果などを考慮すると、一般的な賃料相場を気にする必要性がない場合が出てくることがあることは注意する必要があります。
また経営概念の変化という物も大きくあり、バブルの崩壊とデフレの影響で日本の経営は資産の保有へのモチベーションが大きく失われていることも原因にあります。余計な資産は経営の重荷にしかならないという感覚と、中国人を中心に資産の値上がりで利益を得てきた感覚のズレという物があるのでしょう。ここ数年の中国は高い経済成長と旺盛な実需、公共事業に対する高い乗数効果の元にキャピタルゲインを中心に据えた不動産経営が成り立ってきたのでしょうが、利回りがマイナスになった不動産の取引価格は原則として成立しません。原則というのはバルク販売など実質お金を出して引き取ってもらうと言うことはあり得るからです。すなわちコストが存在する以上は不動産価格は無限に上昇しないのです。さらに建物込みの不動産の場合減価償却という物も存在して、建物というのは年とともに価値の失われる消費財に他なりません。
そう言う感覚の元に中国人の不動産投資があり、それは間違いなくバブルなのですが、この崩壊のタイミングという物はなかなか予見が難しく、例えば公共事業の乗数効果が高ければ新たな需要が出来るので、例えば交通が遮断されている都市間に道路を造れば相互に特産品のための新しい店の需要が出来たりと、実需の面から短期的には不動産相場の上昇の余地は常に存在することになります。しかし長期的にはまったくあり得ない話で、いずれはバブルも壊れることになりますし、乗数効果自体がインフラの整備とともに低下します。また建物の供給量が増えれば需給バランスの悪化により価格も低下することになります。
これらは財政政策による長期的悪順が感の原因でもあるわけですが、いずれは立ちゆかなくなります。バブルの崩壊で本国の資産が下落局面に入れば、価格の変動が少なくバランスシートへの影響が少ない外国の資産を切り売りせざるを得なくなるわけで、その時になって買い戻せばよいだけの話です。
そうやってみていくと色々な面でそれほど過剰に心配する必要はないように思います。むしろ今の内に売りつけておいた方がよいのではないかとさえ思いますが・・・・
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101218-00000006-scn-bus_all
アジアが日本の不動産を「底値買い」、2011年も流れは継続か
サーチナ 12月18日(土)13時22分配信
日本の不動産価格は19年連続で下がり続けている。そのため、アジアの投資家は皆こぞって日本の不動産を狙っている。関係者の予想では、来年にはこのような現象はもっと露骨になる。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。
2009年、日本の不動産に手をつけたアジアの投資家は少なくない。中国の大陸や香港、シンガポールと比べ、日本の不動産は価格的に魅力だけでなく、インカムゲインも十分期待できるため、大きな魅力がある。
今年、アジアの人びとは日本の不動産にかなり多額のお金を費やしている。マレーシアの建築グループYTL社は60億円つぎ込んで、北海道の人気スキーリゾートであるニセコのシェラトンホテルを購入した。また、シンガポールの不動産投資信託(REIT)、Mapletree社は130億円で東京郊外にある物流施設を3件購入した。
バブル崩壊からの20年、金融企業の業績が悪化するにつれ、アメリカのモルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックスやドイツ銀行などの金融機関の傘下にある不動産ファンドは、日本で不動産を次々と買い込んだ。
シンガポールの不動産投資信託のレイモンド・ホァン常務執行取締役は「日本の不動産投資で得られる収益はどんな角度から見ても、とてもおいしい話である」と語る。アメリカの日刊「The Wall Street Journal」紙によると、東京の不動産の年間純収入と資産価格の比率は4.5〜5%である。香港だとこの数字は3%にもならない。
そして、日本の貸付金利もゼロに近い数値を保っており、貸付の制限緩和政策は見事に功を奏したのだ。ドイツ銀行のデータによると、10年第3四半期、日本銀行における不動産の新規貸付は前年同期比6.6%増だった。
米ジュンーズラングラサール(JLL)のアジア資本市場の責任者であるマイケル・ボールズ氏は「私の予想では、アジアの人びとが日本の不動産を購入する流れは11年も続くだろう。特に中国の経済は急速に成長し、中産階級の財力はどんどん上がっている。その資産を使う対象も多様化するだろう。東京に高級な不動産を所有する事が彼らにとっては、自慢になるのかもしれない」と話した。(編集担当:米原裕子)
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