千時千一夜

お読みいただき深謝します。

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 倉庫事務所を移転する話を書きましたが、これは不動産の整理ということも伴っています。不動産(の売買)世界についてはこれまでまったく関心がなく、いわば未知・無知の世界でしたから、仕方なくにわか勉強をはじめたところです。
 不動産整理についてはともかく、移転先の案は、編集室のある遠野と盛岡の二案があり、知人からいい物件があるとのことで、駆け足でみてきました。
 遠野は勝手知ったる地で、そういう意味では新鮮さは感じませんが、盛岡の物件は駅から歩いて八分、雫石川と北上川の合流部で、近くに前九年町・安倍館町といった名がみられるように、そこは奥州安倍氏最期の地でもあります。ここからは(上階に上がる必要はありますが)、早池峰が遠望できるとのことで、その立地がいいなとおもいました。
 わたしが訪ねたときは天気がわるく、あいにく眺望はかないませんでしたが、ここから早池峰がみえるということは、現在のように街のビルもない、また空気も澄んでいただろう平安時代のことですから、安倍貞任たちの厨川[くりやがわ]柵からも早池峰がくっきりみえていたということになります。
 安倍氏の早池峰信仰についてはときどきふれてきましたが、安倍氏最期の居城から早池峰が実際に視認できていたことを考えますと、その信仰がよりリアルなものに感じられてきます。早池峰山頂に瀬織津姫神たちのほかに「安倍貞任霊神」をまつる由緒書をもつのが大迫[おおはさま]・早池峰神社ですが、厨川柵で非業の死を遂げた貞任の魂魄が向かった先が早池峰であることに、奥州安倍氏の信仰は極まるのかもしれません。早池峰は祖霊の住む山、あるいは祖霊を受容する懐をもつ山でもありました。
 遠野に出版編集室を構えて十八年ほどになりますが、当初は「なぜ遠野に?」と、遠野の知人等からよく質問されたもので、そのときは、三陸の海では大きなアイナメが釣れるからと嘘のような理由を述べてとぼけていました。遠野との因縁・血縁を正直に語ったならばみなすんなり納得したでしょうが、そういう入り方には自分に抵抗があって、あくまで「物好き」、この場合は「釣り好き」で押し通しました。
 もっとも、アイナメを釣るというのは、わたしの釣りの原点でもあり、これはこれで本気で三陸の海に通うということをつづけていました。
 かつて三陸の沿岸各地を釣り歩いていて、やっと自分だけの釣り場をみつけましたが、今回、これを無視して物件見学だけで素通りするのはもったいないとおもっていたのは事実で、車にはちゃんと釣り道具一式を用意していたことはいうまでもありません。
 名古屋の倉庫事務所では、投げ釣りの新たな仕掛けを考えていて、要するに、根掛かりでオモリ等の仕掛けをとられることを完全にクリアできるものはないかと日頃考えていて、その実地実験をしてみたいというおもいもありました。伊勢湾の釣りでは、この実験はほぼパーフェクトに成功するようになっていましたが、三陸の秘密の釣り場は、仕掛けを数個は必ず失うという岩場の激戦区でしたから、自分の考案した仕掛けがここでも通用するならばホンモノだろうというおもいでした。
 結論だけをいえば、いささか「自慢しい」の話ですが、この新仕掛けはホンモノであることを確信しました。数えきれない根掛かりは相変わらずでしたがことごとくクリアしましたから、これはいよいよ特許ものかもしれないなと自信を深めました。この新仕掛けの話を聞いていた親しい知人の案によれば、登録商品名は「根掛かりトレール」、風琳堂の恒常的経営不安定を救う切り札となるだろうと気の早い予言です。
イメージ 2 三陸の秘密の釣り場のポイントは限られていて、沖合70メートルほどの二つの岩の間に仕掛けを放り込むことができれば、根掛かりは多発するも、まずアイナメが釣れてきます。かつて50センチほどのアイナメが釣れてくれたこともありましたが、今回はその半分くらいの大きさが五匹ほどでした。梅雨どきの雨中の釣りでもあり、よく釣れてくれたなとおもいました。
 アイナメは基本的に北の魚ですが、ほぼ全国に棲息しているものの、大きいものはやはり東北(三陸の海)で記録されています(わたしの知るかぎりでは、最大長67センチ)。
 ただし、釣り人が優先的に食する魚種というべきか、あまり一般にはなじみがない魚かもしれません。この魚は人相(魚相?)があまりよくありませんが、白身で美味です。かつてサントリーのCMに「アイナメの煮付けで一杯」というセリフがありましたが、煮付けの前に刺身よし、天麩羅よし、焼いてよし、はたまたムニュエルよしといった万能的食材です。滋養豊かな魚とみなされていた江戸時代、将軍への献上魚でもあったことをどこかで読みましたが、まだ養殖はされていないはずで、天然ものしかないところもいいです。
 朝日新聞の広告による注文対応のこともあり、遠イメージ 3野から盛岡へ60数キロ、そして厨川柵(?)から盛岡インターにはいって配送倉庫の事務所の玄関まで911キロ、計約980キロを一気に走ってきました。愛車は1993年式という年代物ですが、18年目にはいっても、その走りはなお新車然としています。走行距離は地球約5周(約20万キロ)ほどになりますが、このうちの八割くらいは瀬織津姫と円空の探索で走ったはずで、『エミシの国の女神』にしても『円空と瀬織津姫』にしても、この年季のはいった車の御蔭でできたようなものだと考えますと、なかなか新車に変える気にはなれません。
 現在、朝日新聞の広告による反応をみますと、前回に記したとおりといいますか、インターネット世界とは無縁の読者がたしかに圧倒的に多いようです。直接購読の申し入れを受けた方々のなかには、円空あるいは瀬織津姫に一家言・二家言をもっている方も多いことが、電話口からよく伝わってきます。いずれ内容の問い合わせもきそうな気がして、こちらもあわてて本を再読している始末です。
 

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風琳堂主人
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