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 といえば福岡正信式自然農法が著名だが、全国には故人となられた福岡さん以外にも、同じ農法を模索しておられる方がたくさんいる。
 筆者の元にはEMBC農法を学んでおられた福島県のKさんから、毎年、上の農法で作られた米が送られてくるが、三年前、初めていただいたときには、香りは素晴らしいものの、味がいまいちだったが、最近、送られてきた米は、素晴らしいの一語で、筆者の親戚が新潟で作っている魚沼コシヒカリにも匹敵する極上米になっていた。

 実は、外国に行っておられたある方から、その極意を学んでいるのだが、公開にあたっては、事前に承認を受けるなど、いろいろ条件があるので、とりあえず、筆者なりに集約したエッセンスを、ご迷惑にならない範囲で小出しに紹介したいと思っている。
 出所や体系的なデータは書けない。まとまった段階で、承認を得てから掲示したい。
 
 ある方から教示された、無農薬・無耕起・無肥料・無除草栽培の原理は次のようなものだ。

 いわゆる「農作物」という概念ではなく、自然の循環系のなかで植物が、どのように繁殖し再生産を続けているのか、その本質を見抜くこと。
 この観点で自然を観察すれば、植物が生態系を維持している範囲は、地下数メートルに及び、その全体のメカニズムを把握する必要がある。
 しかし、栄養循環の9割は、地表から20センチ程度の範囲で代謝が行われている。例えば、アマゾンの膨大な熱帯雨林を支える土壌の厚みは、わずか30センチでしかない。この範囲で、仝合成 土壌菌類 M醉襪箟宙線による降下窒素 ね醉佞覆匹梁綣奸´ト生物・小動物の代謝 降雨と地下からの水分供給によって全自然が支えられ循環再生産が持続している。

 地下数メートルの生態系というのは、主に水分に関係している。植物の根はときに数十メートルも地下に潜ることがある。そして、そうした深根植物の根が枯れた後に、毛細管が生成され、地下深くから水分が毛細管現象で供給されることになる。
 こうした循環代謝の本質を見抜き、それを供給してやれば、無農薬・無肥料栽培が可能になる。
 技術的な方法論のエッセンスは以下のようなものだ

 〔鄒玄然を農業用に開墾するときは、野生を必ず三分の一残す。このなかに地クモなど益虫・益鳥・益獣が生息し、害虫を駆除してくれる。

◆ヽ墾地の根を除去してはならない。残根が腐食し、それが地下水分供給の毛細管になる。

 降雨の恵みを最大に生かすために、開墾地に、10m程度の間隔で、縦横50センチの溝を掘る。このなかに降雨が吸収され土壌に蓄積される。溝のなかには、木材チップなどの有機質を入れる。この深い溝は、土壌深部に通気性を確保する意味が大きい。さらに、害虫を駆除する地クモなどの良質の住処になる。

ぁ々造飽呂泙譴殖隠娃輊の開墾地に、1m幅の畝を作り、間に人間の歩行場所を確保する。幅1mの畝に作物を植え付けるときは、必ず千鳥に植える。
 無理な過密栽培は否定される。作物の間隔は最低50センチ以上必要になる。

ァ〆酳を植え付ける前に、必ずマルチを行う。しかし決してビニールマルチのような不通気性・非腐食性の資材を使ってはならず、基本的にはイネ科植物の葉によってマルチを行う。例えば、稲藁・ソルゴー・トウモロコシなどの葉だ。もちろん一般の落葉・籾殻・木質チップなども有効であり、このマルチの厚みは10センチ以上である。
 この枯葉マルチと地表の間にこそ、無肥料・無除草栽培の秘密がある。このマルチと地表の間に、作ってから3〜5年程度でミミズや菌類など微生物の巨大な生態系が成立する。これにより、無肥料でも完全な栄養供給循環が完成する。したがって、最初の3〜5年は、まず循環系を成立させる準備期間と捉える必要がある。

Α“醂舛鷲要ないが、マルチ生態系を早く完成させるために、微生物酵素を投入することが奨励される。これは、例えば松葉エキス、ミカンやリンゴなど果実ジュースのカス、サトウキビカスなどの糖質である。
 筆者は、これを聞いて、結局EMBC農法と共通するものであることを確信した。EMBCの成分は、実は生菌ではなく酵素である。それは乳酸菌と酵母を主体とした微生物生態系を繁殖させるのだ。この農法の目指すものも同じである。

А…名錣粒墾地と同じく、最初は豆類栽培が奨励され、根粒菌環境を成立させる。次にイネ科植物、トウモロコシ、ソルゴーなどが奨励される。次にオクラ・パセリなどの深根植物が奨励される。これは深根による毛細管環境を用意するためである。
 開墾からマルチをして5年経てば完全な地表循環生態系が成立するので、こうなれば何を作ってもよい。

─^貳崑臉擇覆海箸蓮嶇∈遒鮃圓Α廚箸いΔ海箸澄これは旧来農法の常識と真っ向から衝突するものだが、自然界の生態系にあっては、循環栽培など存在しない。連作が基本なのであり、むしろ連作の方が自然であることに注目する必要がある。
 瓜の仲間に多発する、いわゆる連作障害の原因は線虫であることが多いが、自然循環系が成立している土壌では、こうした線虫障害が起こりにくくなる。線虫を好んでエサにする微生物が多数生息するからだ。

 無耕起というのは、絶対に土壌を物理的に開墾しないということだ。鍬入れ、カルチベーターの使用は厳禁される。土を実際に耕すのは、ミミズであり、それを食するモグラであり野ねずみであり、それを食する蛇であり、無数の虫たちである。この生態系が、カルチベーターの数十倍の効率で素晴らしい開墾と生態系を確保するのである。

 この農法の特徴は、最初に溝を掘る手間、厚いマルチを投入する手間を除けば、後は、植え付けと収穫だけで、もちろん農薬不要、肥料投入不要、除草不要、もちろん耕起不要であって、従来の農業の労働量の9割を軽減するものになる。
 つまりズボラでもやれる。遊んでいても大丈夫だ。しかし、この生態系を維持する上では、相当の注意と警戒心が必要になる。
 例えば、農薬の無差別空中散布などに遭うと生態系が殺されてしまうし、余計なことをしたがって、動物性堆肥を多投することでも酸性化して生態系が崩壊することがある。
 それに、従来の化学農法に比較すると、効率が悪く、自然状態に近い栽培になるわけで、忍耐が必要になり、同じ収穫量を確保する場合でも、倍くらいの面積を見る必要があるから、従来の概念に囚われている人にとっては、我慢できないことになる。

 筆者は、これから資本主義社会が崩壊し、農業共同体社会にシフトするしかないと書いてきたが、これまで農業経験のない都会人たちが、この農法のマニュアルを学ぶことができるなら、むしろ旧来の固定観念に囚われた農業経験者よりも良い結果を出せるのではないかと期待している。
 「果報は寝て待て」式農業といってもよく、何もしない方が都合がよいのだ。欠点としては、開墾から収穫まで3〜5年の準備期間が必要で、その間、何も作れないのでは困るので、過渡的栽培技術が別に必要になるというあたりだろうか。

 全体の印象を言えば、EM・EMBC農法と同じものであり、乳酸菌・酵母による地表循環生態系を作り出すことで、無肥料・無耕起を作り、天敵環境を用意することで無農薬栽培を実現し、自然マルチ多用によって無除草栽培を実現するものだ。

 現在、アメリカと中国という世界最大の肥料生産国が、主にリンを輸出禁止にしてしまった結果、チリやアルゼンチンなどのリン鉱石が高騰し、肥料価格が驚くほど高騰してしまっている。
 しかし、この農法を用いれば、肥料価格に影響されることはなくなり、また燃料代の高騰による農業機械の利用にも影響を受けない。ほとんど手作業でできるのだ。
 最初の溝作りにユンボを利用することが可能な程度だ。後は、マルチ用チップ作りの粉砕機械があれば助かる。
 自然を生態系のまま利用するわけだから、循環系完成までに3〜5年かかることが弱点だが、成立してしまえば、後は寝て待っていればジャンジャンと収穫できることになる。
 まさに人類救済技術である。

 なお、文中に、酵素補給の奨励と書いてあるが、実は、これは柳田ファーム、バイオエナジー水を散布すればよいことになる。バイオエナジー水は、酵素補給剤であり、土壌の乳酸菌・酵母生態系を成立させることに役立つのである。

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