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平成22年度東海口腔衛生学会総会は,石川 昭氏を学会長として去る平成22523日(日),朝日大学歯学部において,約60名が参加して開催された.当日は、石川学会長による「浜松市の地域歯科保健の研究成果」と題した特別講演が行われ、様々な浜松市での活動の成果(事業評価)を、学会や雑誌等で報告された研究データを元にわかりやすく説明いただき、非常に興味深い内容であった。その他,2題の口演発表があり活発な議論と意見交換が交わされ盛会であった.
 
<特別講演>
 「浜松市の地域歯科保健の成果」
石川 昭浜松市健康医療部健康増進課口腔保健医療センター 所長
 
浜松市は以前から中核市として独自に保健行政をすすめてきたが、平成17年には12市町村合併を行い、19年度からは政令指定都市となり、地域保健のさらなる推進を目指している。今回は、私の自己紹介も兼ね大学時代の研究から、平成9年に浜松市に赴任してから現在に至るまでの間にすすめてきた地域歯科保健対策とその現状、ならびに地域歯科保健をすすめる上で行ってきた研究成果(事業評価)について紹介する。
行政で地域保健を進めるには、その根拠となる法令や条例、健康増進計画(健康はままつ21)などがあり、それに基づいて地域保健対策を行っている。浜松市の歯科保健も、各種法令、条例に基づいて、ライフステージごとの歯科健診等の保健事業と必要な人にはその後の歯科受診がスムーズに進むような戦略を立てて実施している。
母子歯科保健対策としてのフッ化物の応用状況については、現在増加傾向にある。また、う蝕罹患状況は減少傾向にあり、各種の歯科保健事業がう蝕の減少に寄与している状況もうかがえる。
次に、成人歯科保健に関しては、歯周疾患検診、保護者歯科検診、妊婦歯科教室等の事業を実施している。研究の一環として、それぞれの事業を評価し、事業展開に生かせるようにしている。さらに我々の研究結果から、歯周病予防を考えた成人歯科保健を推進するには、歯間ブラシの使用を若い世代も含め推奨することが必要であり、地域保健の場においても、歯間ブラシの使用の成果が確認された。このことから、現在、歯周病予防を推進していくために、歯間ブラシの使用啓発に力を入れているところである。
障がい者歯科保健としては、浜松市では「障がい者歯科保健医療システム」を構築している。また、市内の各施設で取り組んできた歯科健診により、障がい者の口腔内状況はよい状態に維持できている。高齢者歯科保健としては、口腔ケアによる咽頭細菌の変化に関する研究を紹介する。また、事業としては、訪問口腔衛生指導、歯科訪問診査などを行っているので、そのことについても報告する。
 
一般口演>
 1.平成20年度大垣市メタボ歯科健診事業について
内匠屋ひとみ1)、杉山勝治2)、片野雅文2)、野々村真聡2)、足立正孝3)、高木幹正3)
1)大垣市役所福祉部、2)大垣歯科医師会、3)岐阜県歯科医師会
 
  平成20年4月より始まった特定健診は、糖尿病などの生活習慣病の発症や重症化を予防することを目的として、メタボリックシンドロームに着目し、この該当者及び予備群を減少させるための特定保健指導を行うものである。歯周病が動脈硬化症などメタボリックシンドロームの病態と関連が深いという報告が近年多く発表されている。そこで、大垣市における特定健診受診者の歯周病検査データと医科の特定健診データについて分析をして、そのデータ間の疫学調査を行い、歯周病の進行度比較や医科データとの相関を検討することにより重度歯周病がメタボの病態を悪化させることを検証したいと考え、大垣市メタボ歯科健診と称し歯周病を重視した歯科健診事業を行った。
 この事業は大垣市・大垣市歯科医師会・岐阜県歯科医師会・広島大学 西村英紀教授との協力事業であるが、今回特に大垣市が関与した健診事業を報告する。
 
2.うがいによる清涼飲料水摂取後の歯垢pHの経時的変化
佐久間愛1,2)、高阪利美1)、犬飼順子1,3)、中垣晴男3)、向井正視1)
1)愛知学院大学短期大学部歯科衛生科、2)麻生歯科クリニック、3)愛知学院大学歯学部口腔衛生学講座
 
 市販清涼飲料水は日常気軽に摂取できるが、多くの糖質が含まれている。歯科保健の立場から、清涼飲料水の摂取方法を検討するため、幼児が飲む飲料水に関する質問紙調査及び、清涼飲料水摂取後のうがいによる歯垢pHの経時的変化を測定した。まず、NS幼稚園の幼児168名に「よく飲む飲料水」を複数回答させた結果、カルピスウォーターが最も多かった。次いで、女性4名を対象とし、48時間歯垢を蓄積させ、5種類の清涼飲料水摂取後、蒸留水によるうがいを飲料水摂取後の時間を要因とした4条件で行い、pH試験紙を用いて歯垢pHを測定した。その結果、うがいの条件と清涼飲料水の種類について歯垢pHに対する影響が有意に認められ、ノンシュガーの飲料水の摂取及び、飲料水摂取直後のうがいが歯垢pHの低下を有意に抑制した。したがって清涼飲料水摂取時は早い時間にうがいをして、歯垢pHの低下が少ない飲料水を選択させる歯科保健指導をする必要があると思われた。

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