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3月10日15時から4時間半にわたり12カテゴリーの決勝が行われました。
その中でもU-8(小学2年以下)、U-10(小学3・4年)、U-12(小学5・6年)、Division 1(男性の最上位カテゴリー)、Women's Division 1(女性の最上位カテゴリー)について書いていきたいと思います。
Division 1とWomen's Division 1の決勝はサドンデス方式で行われますが、それ以外のカテゴリーは1課題のオンサイト方式で行われます。
オンサイト方式について説明します。選手は事前にアイソレーションルームという、外の情報から遮断された部屋に入り、決勝の課題などの情報を一切知らない状態でウォーミングアップなどをします。時間になったらまずオブザベーションをして、競技順が1番の人から順に登っていきます。2番以降の選手は一度壁が見えないところまで戻り、他選手の登りを見ることはできません。見たらどうやって登るのかわかってしまうので。そしてそれぞれの選手の到達高度とそこに行くまでにかかった回数で順位が決まっていきます。
サドンデス方式も似たようなルールですが、ラウンドを重ねるごとに下位選手は脱落していきます。
決勝はU-8からスタートしました。
このカテゴリーは全員高度が同じでした。
準決勝1位通過の長崎選手と3位通過の斎木選手は1回のトライでこの高度までいきましたが、2位通過の河本選手は4回かかってしまったため、順位を落としてしまいました。
河本選手はスタートから1手目を取るところで3回落ちてしまっているのです。準決勝を2位で通過する実力がありながら、なぜそんなに苦労してしまったのでしょうか。
それはスタートの体勢の足を置く位置にあります。
ほかの2人の選手は足をホールドの比較的高い位置に置いて1手目を取りに行っているのに対し、河本選手は低い位置に置いてしまっていました。
そのためなかなか距離が出ず、加えてホールドの角度も踏みづらい角度だったため負担が大きくなってしまったのです。
しかし河本選手は全員が止められなかった1手を一瞬とめかけていて、会場を沸かせていました。トライ数は多くなってしまったけれど、完登に一番近かった選手だと思います。もしあの一手を止めていたら一気に1位に躍り出ていたのです。
余談ですが2位の斎木選手はイボルブのシューズを履いていました。将来のイボルブクライマー...?
続いてはU-10です。
U-10の選手はみんな登りが軽く、3位の波多野選手の、この大きく振られる一手を止めたときは観客から歓声があがりました。
かなりつらそうでしたが、それでも耐えて登っていく姿を見ると応援したくなりますね。
上部までじわじわと高度を上げた波多野選手ですが、ゴールの一つ手前のホールドを取りに行ったとき足がホールドから外れて惜しくも落下してしまいました。
その後もトライを重ねますがこの1手を止められず時間切れとなりました。
2人目に登場した竹柴選手。
あれよあれよという間にものすごい勢いで完登してしまいました。
重力を感じさせない登りは、楢崎選手を彷彿とさせるものがありました。
ガッツポーズすら速かった。
ゴール手前のホールドを止められなかった波多野選手との違いは2つあります。
1つ目は、飛び出すときの足です。波多野選手は右足だけで乗っていましたが、竹柴選手は両足で乗って手を出していました。左足は取り先のホールドにより近い位置に乗ることができるため、体が振られるのを軽減できます。
もう1つは、とる前のホールドを両手で持ったことです。これによって竹柴選手は手を出す前に体を引き上げることができ、振られに十分耐えられる体制で次のホールドを取りに行けます。
さらに驚きの3人目、吉野選手。
子供とは思えない安定した登りで、最後までひやっとする場面がありませんでした。
中間の大きく振られる1手も完全に体をコントロールしていました。
問題のゴール手前ではなんと左足を左手で持っているホールドに乗せて(手に足といいます。)ゆっくり余裕を持って動いていました。
これは保持力が強くないとできない動きです。テクニックもフィジカルもある吉野選手。これからが楽しみですね。
U-12も面白い展開でした。
核心部のムーブが全員違っていました。
1番手の安楽選手は途中の大きなホールドから、次を右手でとろうと何度かチャレンジしますができず、4トライ目で左手を出すと安定した状態でホールドをつかむことができました。
おそらくオブザベーション(登る前の下見)の段階では左手を出す動きは想定していなかったのではないでしょうか。何度も登って自分の体の声を聞いて正解にたどり着いたように見えます。
そしてバランスをとりながらゆっくりと左手を出してゴール。
2番目に登場したのは藏敷選手。
最初から決めていたかのように、大きなホールドの横についている小さなホールドを右手で持ち、体をあげると安楽選手が何度やってもできなかった、右手で次のホールドを取りに行く動きで登っていきました。安楽選手が使っていなかったホールドを使うことで可能になった動きです。
そしてホールドを持ち替え、ゴールも右手でキャッチ。
最後は通谷選手です。
リスキーな初手をあっさりこなし核心部分に突入します。大きなホールドの横にある小さなホールドを持ち、藏敷選手と同じムーブになるかと思いきや止まることなく左手を出し、そのまま流れるように右手でゴールホールドをつかみました。
ムーブを正確に読み解く能力とそれを実現させるクライミング能力が備わった選手なんだとわかります。
準決勝の競技中、実況の方が、完登できなくても最後までやりきって楽しんでほしいと言っていました。
決勝の舞台で、小さな選手達はそれぞれベストを尽くし、登れなくても最後までゴールを目指してチャレンジし続けました。
最高に楽しい時間だったと思います。
また長くなって読むのも疲れてくると思うので、次回にDivision 1のお話を。
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2019年03月12日
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