仮面ライダー小説

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第三話 新たな戦士


濱崎高校一年五組の教室。
「暑い〜」
声の主は波岡健司。夏休みのはずの彼がここにいる理由、それは今日が中間登校日だからである。
今は二時間目、彼の苦手な英語の時間である。
「え〜それじゃあ教科書の53ページを開いて」
教師がそう言った時だった。
ガララッ
教室の扉が勢い良く開けられ、教頭が息を切らしながら教室に入ってきた。
「松本先生!大変ですよ!」
「教頭先生!どうかしたんですか?」
「喧嘩があってます!」
「本当ですか?それで、だれが?」
「河口(かわぐち)ですよ!」
「河口!?わかりました。みんな、自習しててくれ。白鳥、頼んだぞ」
英語の教師、松本は学級委員の白鳥純一に後を任せ、教頭と共に教室を出て行った。扉が閉まるとすぐに教室内がざわつき始めた。
「はいはい、みんな静かに」
純一は教壇に立ってそう言いながら、教室の端に目をやった。
彼の視線の先にいた少年、多上紅輝もその視線を受け止め、頷いた。紅輝は健司の方を向きながら、
「健司、行くぞ」
「え?あ、ああ」
二人は席を立ち、教室から出た。


「やめろ、河口!」
「うるせえ!!」
一人の少年を三人の教師が囲んでいた。三人の教師はじりじりと近づいているが、少年が暴れだすと再び離れた。その集団に近づいてくる二つの人影。
「河口、何をやってるんだ!」
松本と教頭である。
「だまれ!てめえらと話なんかしたくねえんだよ!」
「いい加減にしないか!」
教頭が声を荒げ、少年を捕まえようと近づくが、少年は教頭の膝に蹴りを放ち、教頭は呻きながら倒れた。
「ううっ」
「へっ、てめえらなんかじゃ俺を捕まえられないぜ。ほら、かかってこいよ?」
「このおっ!」
若い教師が二人で抑えかかったが、少年は前後に蹴りを繰り出して突き放した。
「シャバいやつらだぜ」
少年が得意顔で言った時、
パチパチパチ
短く拍手の音が聞こえた。
「え?」
その場にいた全員が振り向いた。
「すごいな。さすがは光(ひかる)だ」
「確かに。だてにキックボクシングはやってないな」
やってきた二人の少年。
「健司・・・・・・紅輝・・・・・・」
「お前ら、なんでここにいるんだ!?」
松本の質問に紅輝が答えた。
「いや、なんとなく来た方が良さそうな気がして」
今度は健司が口を開いた。
「光、帰ろうぜ」
「うるせえ。お前らには関係ないだろ」
紅輝が少年――光に近づいた。
「そんな言うなよ、俺たち友達だろ?」
「関係ねえって言ってんだろ!」
光は鋭く蹴りを放った。

バシッ

「何ッ!?」
紅輝は光の蹴りを片手で受け止めた。
「お前は強い。けど、今の俺には勝てねえよ」
「くっ」
光は足を退いた。
「昔のよしみだ。一つ忠告しておくけど、おとなしくしといたほうが身のためだぜ」
紅輝はそう言いながら一同に背を向け、歩き始めた。


その日の夕方、教師たちからたっぷりと説教をくらった光が校門から出てきた。
「まったく、ウザいやつらだ」
しかし彼は別のことも考えていた。
「(紅輝・・・・・・。あいつはなんであんなに強くなったんだ?)」
彼がその理由を考えようとしたが、いい案が思い浮かばなかった。
「(ま、いいや)」
彼が視線を前に向けると、
「ん?」
光の10メートルほど先を走る二つの人影。
紅輝と純一だった。
「あいつら何してんだ?・・・・・・よし、ちょっと付いていってみよう」
光は足を速め、二人の後を追った。


「あれ?見失っちまったよ」
数分後、光は工場の跡地のようなところにいた。
「どこだ?ここは」
光が工場の外に出た時だった。
「河口光くんですね?」
不意に名前を呼ばれ、周囲を見回すがどこにも人はいない。
「フフフ・・・・・・。ここですよ」
声は後ろから聞こえた。
振り向いた先には、黒いスーツを身に纏ったいかにも怪しげな雰囲気の男。
「あんたは誰だ?」
「私はある人物から頼みごとを受けていましてねぇ」
「頼みごと?なんだよ」
クククと男は短く笑った。
「なんなんだよ!」
光が語気を強める。
「私が頼まれたのは、あなたを抹殺することです。」
男は静かに言った。
「え?」
光は言われたことが理解できなかった。
「あなたはここで死ぬんですよ」
男が言うと、工場の物陰から五人の男が姿を現した。皆それぞれが黒いピッチリとしたライダースーツを着ている。そして顔にはこれまた黒いマスクをしていて、表情が窺えなかった。
「何で、何で俺を?」
「あなたを殺す理由?それは単純。あなたが我々にとって大変邪魔な存在になり得るからですよ」
「俺が?何でだよ!」
「さあ?私にもそこまでは」
光は立ちすくんだ。
「それでは・・・・・・さようなら」
五人の男たちが一斉に襲いかかった。
ドガッバキッ
ドサッ
「やっと見つけたぜ」
「危なかったね」
紅輝と純一が光の目の前に立っていた。
「紅輝・・・・・・。純一・・・・・・」
「よ、光」
「大丈夫?」
二人は謎の男たちと向かい合った。
「またあなたたちですか」
男が呆れたように言う。
「いいかげん、邪魔するのは止めたらどうです?」
「フン、それはこっちのセリフだ」
紅輝が言い返した。
「まあいいでしょう。お前たち、三人ともやってしまいなさい」
男たちが無言で襲いかかってきた。
紅輝と純一はパンチやキックで男たちを蹴散らした。
「その服何とかしたら?あんまりカッコ良くないよ」
紅輝が軽口を叩く。
男たちの怒りを露わにしたかのように、彼らの体が光りだした。
「来たな・・・」
男たちは緑色の怪物、ワームに姿を変えた。
「うわあ!」
その異形な姿に光は恐れおののいた。
その時には既に、紅輝の腰にはベルトが、純一の手にはグリップがあった。
「いくぞ」
「OK」
空から現れた二体の昆虫型メカ、カブトゼクターとドレイクゼクターを紅輝は掴み、純一は掲げたグリップにゼクターが止まるのを待った。
それから二人は同時に叫んだ。
「「変身!」」
カブトゼクターがベルトにセットされ、ドレイクグリップが光を放った。
<HEN-SHIN>
二人の体を、それぞれの変身アイテムから溢れ出す装甲が覆っていった。
紅輝と純一は仮面ライダーカブト・マスクドフォームと仮面ライダードレイク・マスクドフォームに変身した。


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