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「フッ!」
ドレイクが弾を発射した。ワームがのけ反る。その隙にカブトがワームに近づき、連続してパンチを繰り出した。カブトの強力なパンチがワームの体を的確に捉える。カブトはそのまま連続してパンチやキックを放った。
光はその様子を驚きを隠せないまま呆然と見ていた。
「(紅輝と純一が変身して・・・・・・怪物と戦ってる!?)」
光は物陰に隠れたまま、二人の戦いをじっと見つめていた。
カブトとドレイクは、手にした銃でワームを次々と攻撃した。光が「いける!」と思った瞬間、五体のワームの体が赤茶け、光が溢れた。その光が消えた瞬間、すべてのワームは脱皮し終えたところだった。
「なんだありゃ・・・・・・?」
ワームは今までの緑色の姿から一転、白や茶色のクモのような姿に変化した。スーツの男がワームに命令する。
「カブトとドレイクは放っておきなさい、彼を狙うのです!」
男は光を指差した。すると、なぜかカブトが光の方に走ってきた。
光の正面で止まったカブトは、反転した。
ドスッ
光がカブトの向こう側へ眼をやると、10メートルほど離れていたはずのワーム一体が、カブトが胸の前で構えた斧に突き刺さっていた。うめき声をあげたワームは轟音と共に爆発した。
「どういう・・・ことだ?」
光が爆風から顔をかばいながら言った。
「あいつらは高速移動ができるんだよ」
カブトが光に話した。
「そして俺たちもな」
そう言うと、カブトはゼクターに手を掛けた。数メートル先ではドレイクもゼクターのレバーに指を引っかけた。
「「キャストオフ!」」
<CAST-OFF>
二人の体を覆っていた鎧が弾け飛び、中から赤と水色のボディが現れた。
<CHANGE BEETLE>
<CHANGE DRAGONFLY>
カブトとドレイクはマスクドフォームからライダーフォームに姿を変えた。
「いくぞ!」
「OK!」
カブトがワームたちの間を駆け抜けながらクナイで次々と切り裂いた。ワームの注意がカブトに向くと、今度はドレイクが銃で追撃する。二人の連携に、ワームたちは翻弄されていた。
しかし、そこでワームの一体が光を見つけた。
「マズイ!」
カブトとドレイクが光のそばへ走る。そこへワームが集まってきた。
ワームは所構わず攻撃できるが、ライダーの二人は光を守りながらになるため防戦一方になった。
「どうする?」
ドレイクが問いかける。
「・・・・・・」
カブトはしばらく考え込んでいたが、
「純一、あれを試してみないか?」
と言った。
「あれ!?だけどまだ・・・・・・」
「今はそれしかない」
「・・・・・・うん。そうだね」
ドレイクは頷き、デンライナーと通信をとった。
「加奈ちゃん、あのベルトを転送してくれる?」
『いいの?まだテストしてないのに』
「うん。とにかくお願い」
しばらくして、ワームと戦っていたカブトの手のひらに一本のベルトが転送された。色は銀色で、中心にバックルがある。カブトは後ろを向き、光と向かい合った。
「光」
「な、なんだよ」
カブトはベルトを彼の前に差し出した。
「俺たちと一緒に戦ってくれないか?」
光は驚いた。
「お、俺?何で俺が?俺でいいのかよ」
カブトは頷いた。
「このベルトはお前のために作ったものだ。今日お前に渡そうと思っていたんだが、こういう形になっちまったな」
「・・・・・・」
光は無言でベルトを見つめた。
「お前しかできないんだ」
カブトが強く言った。
「・・・・・・分かった」
光が口を開いた。
「俺に何ができるか分からないけど、俺にしかできないなら・・・・・・」
光はベルトを掴んだ。
「俺がやってやる!」
カブトは頷いた。光は掴んだベルトを腰に巻き、バックルの上のボタンを押してそこを開いた。すると、光の思いに答えたように緑色のバッタ型の昆虫メカ、ホッパーゼクターが飛び跳ねながらやってきた。光はそれを掴み、言った。
「変・・・身!」
光はホッパーゼクターをバックルにセットした。
<HEN-SHIN>
ベルトから発せられる強烈な閃光が光を包み込み、体を装甲が覆った。
<CHANGE KICKHOPPER>
光は仮面ライダーキックホッパーに変身した。
「すっげえ・・・・・・」
キックホッパーは自分の体を見下ろし、感嘆の声をあげた。
「成功だね」
「ああ」
ワームと戦っていたドレイクとカブトもその姿を見て、声を掛け合った。
「くっ、遅かったか。まあいい。お前たち、やってしまいなさい!」
スーツの男がワームに命令し、キックホッパーに殺到した。
「河口くん!」
「心配すんな。あいつなら大丈夫だ」
カブトの言ったとおり、キックホッパーは集まってくるワームを次々と蹴散らしていた。
「分かる・・・戦い方が分かる!」
キックホッパーは連続して蹴りを繰り出し、一体のワームを吹き飛ばして倒した。そこへカブトとドレイクが集まってくる。
真ん中のカブトが隣の二人に声を掛ける。
「二人とも、行くぞ」
「うん」
「ああ!」
ドレイクがゼクターの羽をたたみ、カブトがベルトのボタンを押し、キックホッパーがゼクターの足を反対側に倒した。
<ONE>
<TWO>
<THREE>
「ライダージャンプ!」
<RIDER JUMP>
キックホッパーが跳び上がるのと同時にカブトはゼクターの角を戻し、ドレイクはレバーに指を掛けた。
「「ライダーキック!」」
「ライダーシューティング!」
キックホッパーとカブトはゼクターの足と角をそれぞれ倒し、ドレイクの構えた銃にエネルギーが集中していた。
<RIDER KICK!>
<RIDER KICK!>
<RIDER SHOOTING!>
跳び上がったカブトとキックホッパーは蹴りを放ち、ドレイクは引き金を引いて、チャージしたエネルギーを発射した。
「ハアアッ!」
「ダアアッ!」
バシューン!
カブトとキックホッパーの足、ドレイクのエネルギー弾がワームにぶつかり、大きな爆発が起こった。
ドカァン!
「なんだこりゃ!?」
光の驚きの声が辺りに響いた。
「ふふ、すごいでしょ?」
純一が得意そうに言った。
「さっさと入ろうぜ」
紅輝が言った。
今、三人の目の前にはデンライナーが停車していた。ワームたちを倒した紅輝、純一、光の三人はデンライナーへと入って行った。
「おかえり〜・・・って、えぇ!?」
「ひ、光じゃねえか!」
「原谷に健司、俊輔も!お前ら揃いも揃ってるなあ」
意外な人物の登場に沸く一同。
「で、多上。こいつを連れてきた理由は?」
俊輔が紅輝にたずねた。
「ああ。光を俺たちの仲間にしようと思ってな」
「「「え〜〜!?」」」
驚きの声が広がった。
「ホントにいいのかよ、俺で?」
「ああ」
「でも、こいつ問題児だぜ!?」
「悪かったな、問題児で」
「いいんだ」
紅輝が興奮気味のみんなをなだめるように言った。
「光のキックボクシングの才能は目を見張るものがある。それにホッパーゼクターは、そんな光のために作られたようなもんだからな」
純一も横から言った。
「そうそう。僕らが何も言わなくても一人でワームを蹴散らしちゃったしね」
「紅輝・・・純一・・・」
光の中にこみ上げるものがあった。
「いいんじゃないか?」
健司が口を開いた。
「光が強いのはみんなが知っていることだし」
その時健司がポン、と手を打った。
「あ!考えたら俺たちみんな小学校からの友達じゃん!」
「そういえば・・・」
「確かに」
「これも何かの運命なのかもな」
健司がしみじみと言った。
その時光が言い難そうに口を開いた。
「なあ、紅輝」
「ん?」
「さっきはごめんな」
「何が?」
「だから、学校でさ・・・」
「ああ、蹴りかかったやつね。別にいいよ」
それを聞いた光は胸を撫で下ろした。
「で、みんないいか?」
「ああ」
「いいよ」
紅輝の問いかけに仲間たちが答える。
「光」
「ん?」
紅輝の顔がフッと微笑む。
「DUMAS(デューマス)へようこそ!」
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