仮面ライダー小説

[ リスト ]

「えぇ!?じゃあ俺たちが戦ってるのって、お前の・・・」
「そう。その白鳥グループだよ」
時は戻って2008年。純一と光は波打ち際にいた。
「俺たちはこれから、そんなのと戦わなくちゃなんないのか・・・」
光は微かに震えていた。
「あれ、もしかして怖気づいた?」
それを見た純一がいじわるそうに聞いた。しかし。
「いや。・・・・・・面白そうじゃねえか!」
光の顔は笑っていた。
「そんなデカい所と戦えるなんて、何か面白いじゃん?」
先程の震えは武者震いだったようだ。その瞳は光り輝いていた。その横顔を見ながら、純一は思った。
「(多上くんが彼をスカウトした理由は、この肝っ玉の太さにもあるのかもしれない)」
また上を見た。空では月が青く輝いていた。



次の日の朝。
「よ〜しみんな!準備はいいか?」
紅輝は純一、健司、俊輔、光、美咲に呼び掛けた。彼らは今、海のそばに集まっている。それぞれが半袖半ズボンという動きやすい服装で、さらに頭にはインカムを付けている。左頬にマイクがあり、同じく左の目には緑色の小さなスクリーンがあった。
「ああ、いつでもいいぜ」
健司が答えた。紅輝はうなずいて、
「加奈、あとは頼む」
と言った。するとインカムから
『オッケー。任せて』
という声が聞こえてきた。
「なあ紅輝?」
光が口を開いた。
「ん?」
聞き返す紅輝に問いかける光。
「今から行く遺跡って、海の底にあるんだろ?どうやって行くんだよ」
「簡単さ。こうするんだよ」
と言った紅輝は手を空に伸ばした。すると、カブトゼクターが飛んでくる。
「なるほどね。納得」
それに続いて光、健司、俊輔も手を伸ばした。
それぞれの手に、ゼクターが飛来する。
「ウラタロス、行くよ」
純一はそう言いながら、腰にデンオウベルトを巻き、青いボタンを押した。
「OK!」
デンライナーの中では、青い亀のような姿のイマジン、ウラタロスが姿を消した。
美咲はポケットから大きめの手鏡を出し、それに向って白いカードデッキをかざした。その腰に銀色のベルトが巻きついた。
「みんな、まずは遺跡内部に潜入だ。いくぞ!」
「変身!」
<HEN-SHIN>
<ロッドフォーム>
六人はカブト、ガタック、ザビー、電王ロッドフォーム、キックホッパー、ファムに変身した。



ドボン!
大きな音を立てながら、六人は海に飛び込んだ。そのままゆっくりと沈んでいく。
目の前には巨大なピラミッド型の遺跡がある。底の辺りは太陽の光が届かず、暗くてよく分からない。さらに沈んでいき、徐々に辺りが暗くなる。やがてズン、という音を立てながら、地面に降り立った。
「よし。入口を探そう。電王とガタック、ザビーは左回りに行ってくれ。俺とキックホッパーとファムは右回りだ」
カブトは仲間に指示を出した。



「なかなか見つかんねえなぁ」
キックホッパーがつぶやいた。
「しょうがないよ。こんなに大きいんだもの」
ファムが辺りを見渡しながら言った。
「いや、そうでもないぜ」
カブトが指差したそこには、人が一人通れるかどうかという大きさの縦穴があった。
「ホントだ♪じゃあ連絡しないと・・・」
ファムが言った時、
『こちらウラ。入口を見つけたよ』
電王から無線で連絡が入った。
「そうか。こっちも見つけたから、そっちはそっちで中に入ってみてくれ」
『了解』
カブトは交信を切った。
「よし、俺たちはここから入るぞ」
カブトは二人にうなずきかけ、先に中へと入った。
中に入ると、そこはまるでトンネルのようだった。中は意外に広く、横幅は三人が横に並んでも歩けるほどだ。正面には長い一本道が続いている。カブトは迷うことなく歩みを進める。30メートルぐらいまで歩くと、壁が見えた。
「行き止まりか?」
カブトがつぶやくと、
「紅輝、上じゃないか?」
キックホッパーが上を刺した。見上げると、長い穴が天井に向かって伸びていた。その先には水面が見える。
「そうみたいだな。よし、行くぞ」
カブトたち三人は、上を目指して泳ぎ始めた。



電王とザビー、ガタックの三人は海底から十数メートルのところに入口を見つけ、そこから入っていた。
「暗いな」
ザビーの言葉に二人はうなずく。
「あ、何か見えてきた」
先頭を歩いていたガタックが声を上げた。三人は足を速めた。すると、こちらも壁があった。
「何だ、行き止まりかよ」
ガタックが残念そうに言う。しかしザビーは、
「けど、何でこの壁は光って見えるんだ?」
その時、電王が上を見上げた。
「二人とも、上を見てごらん?」
ガタックとザビーが見上げると、カブトたちのトンネルと同じような縦穴が広がっていた。
「行ってみようぜ!」
ガタックが言った。ザビーと電王もうなずき、三人は上昇していった。



ザバッ!
水面からカブト、キックホッパー、ファムの顔が出てきた。
「ここは・・・・・・空気があるな」
カブトは水から体を出しながら言った。二人も後に続く。その空間は石でできたエレベーターの中のようで、その中心にカブトたちが出てきた水がある。ほんのりと明るく、その光は前に見える通路からこぼれてくるようだった。
三人は変身を解除した。
「ホントだ。ちゃんと空気がある」
美咲が言った。
「でも、何でこんなところに空気が?」
紅輝は首をひねる。
「まあいいじゃねえの。それより、行こうぜ」
光が二人を促すように言った。その声につられるように、三人はゆっくりと歩いて行った。
迷路のように複雑に入り組んだ道を抜けると、かなりの広さの部屋に出た。その部屋の壁は、なぜか光っており、その光が辺りを照らしていた。
「うわぁ・・・」
「すげぇ・・・」
左右の壁には、奇妙な模様が描かれた壁画がある。片方は複数のマークが集まって大きな絵を描いているもの。もう片方は鋭い棘が上下にいくつも展開している。
そして部屋一面に散らばっているコインや盾、銅像などの数々。
「ここは何の部屋なんだ?」
光が疑問を口に出す。
「おそらく、古い文明の宝をしまっておく部屋なんだろう」
紅輝が言った。
「この遺跡って、何年前のものだっけ?」
美咲が言った言葉に、紅輝は
「たしか、一万年前くらいじゃなかったか?」
と言った。そうしている間に、光は宝の数々に近寄っていた。
「(すげえ・・・・・・。一万年も前にこんな宝物がたくさんあったなんて・・・・・・)」
その輝きは、光の眼の中に吸い込まれていくようだった。
「とにかく、一度純一たちに連絡を・・・・・・」
紅輝が言った時だった。紅輝と美咲はガラスを引っ掻くような音を聞いた。しかも一度ではなく、二度、三度と続いている。
二人はハッとし辺りを見渡すと、宝の中に鏡があるのを見つけた。その中に複数の影が映った。
「いけない!」
美咲が叫ぶと同時に、紅輝は光を後ろに引っ張った。先ほどまで光が立っていた所を影が切り裂いた。
「うわ!」
光は驚きの声を上げた。その間も次々と出てくる謎の存在。
「ミラーモンスターか。こんな所に住み付きやがって!」
紅輝が言った。
「ミラー・・・モンスター?」
はじめて聞く言葉に戸惑う光。
「河口くんは下がってて!多上くん!」
「ああ!」
二人はポケットから四角いカードデッキを取り出した。それを部屋にあった鏡に向ける。美咲のは白いデッキに金の白鳥の模様。紅輝のは黒いデッキに銀のコウモリの模様だ。
二人の腰にベルトが巻かれた。
紅輝は右手を体の左に、美咲は右手を左肩に持っていった。
「「変身!」」
二人がデッキをベルトに差し込むと、一瞬で姿が変わった。
美咲は仮面ライダーファムに、そして紅輝は仮面ライダーナイトに変身した。
「すげぇ」
光がつぶやく。
「数が多い。美咲、手早く倒すぞ」
「うん!」
二人はうなずきあい、デッキからカードを引き、腰に挿してある剣型のバイザーに入れた。
<ソードベント>
声が聞こえたかと思うと、ナイトの手には槍のような大きな剣、ファムの手には金色の薙刀が握られた。二人はそれを使い、モンスターを次々となぎ払う。その数は一気に減っていった。
「これで最後だ!」
ナイトとファムはカードを入れた。
<ファイナルベント>
電子音が鳴ると、コウモリ型のモンスター、ダークウイングと白鳥型のモンスター、ブランウイングが現れた。ダークイングはナイトの背中に合体し、ブランウイングは六体のモンスターをファムの方へ吹き飛ばした。
ナイトはジャンプし、ファムは薙刀を構えた。
「「ハアッ!」」
ナイトを包んだダークウイングの羽が、ドリルのように二体のモンスターに向かって落下したのと同時にファムは手に持った薙刀で、飛んでくるモンスターを斬り伏せた。
ドカーンという大きな音を立てながら、モンスターは爆発した。
「やった!」
光が喜んだその時。ゴゴゴゴ・・・・・・という大きな音と振動が遺跡内に響いた。天井から岩も降ってきた。
「何だ!?」
「まさか、さっきのモンスターを倒したから?」
「とにかく脱出だ!」
ナイトとファムは走り出した。光も後を追おうとするが、
「その前に、と」
光は手元にあった指輪を一つ手に取った。
「光!早くしろ!」
ナイトが呼び掛けた。
「ああ!今行く」
光はホッパーゼクターを呼んだ。




「(結局、遺跡は海の底に沈んじまったんだよな)」
季節は再び秋に戻り、光も回想から意識を戻した。
「(しかし、相手があの白鳥グループだったなんてな・・・よ〜し、やってやるか!)」
光は闘志をみなぎらせた。
これから待ち受けている戦いへと・・・・・・。


.
Tokusatsulover
Tokusatsulover
男性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

最新の画像つき記事一覧

ブログバナー

Yahoo!からのお知らせ

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト≪さとふる≫
実質2000円で好きなお礼品を選べる
毎日人気ランキング更新中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事