仮面ライダー小説

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冷たく強い風が吹きすさぶ朝。浜崎高校のおよそ1200人の生徒たちは、体育館に集められていた。
「フアァ〜」
波岡健司は大きなあくびをしていた。
「何?また夜更かしでもしたの?」
原谷加奈が尋ねた。
「ああ。ちょっとな」
健司は目をこすりながらうなずいた。
「何かやってたのかい?」
白鳥純一は服装を整えながら言った。
「まあ、そのうち分るよ」
今度は多上紅輝が言った。
「あ、多上くん、また波岡くんに何か作らせてるんでしょ?」
野沢美咲が紅輝に釘を刺すように言った。
「まあな。でも、これは後々役に立つはずだから」
紅輝は即座に言う。
「そうだな。これぐらいしかできることがないんだからな、波岡は」
村上俊輔が言った。
「何だと?」
健司は俊輔を軽くにらむ。
「まあまあ。それより、始まるみたいだよ、集会」
純一が二人の間に入ったとき、校長が壇上に登り、話を始めた。
「え〜。今日集まってもらったのには理由があります。先日、我が校の生徒が・・・」
そう言った時だった。
パリンパリン!という大きな音とともに、体育館の窓ガラスが次々と割れた。
「!?」
生徒たちは、何か起こったのかとのんきに周りを見渡していたが、紅輝を含めたDUMASのメンバーは、自分たちに向けられた強い敵意を感じ、体を固くした。
ドン!
大きな音と共に現れたのは、多数のサナギ体のワームとイマジンたちだった。
「何であいつらが!?」
生徒たちがパニックになる中、健司は紅輝に言った。
「わからない!けど、俺たちができることは一つだ!」
紅輝は大声で言い、生徒たちの間を縫うように走った。
「りゃあ!」
紅輝はワームに飛び蹴りを喰らわせ、ゼロノスベルトを取り出し、腰に巻いた。
それを見た健司は、
「お、おい!人前での変身はダメなんじゃなかったのかよ!?」
と言った。しかし紅輝はレバーを押しながら、
「今回は特別だ。変身!」
紅輝はゼロノスカードをベルトに挿入する。
<アルタイルフォーム>
紅輝の体を緑色のオーラアーマーが包み、その姿を変えた。
紅輝は仮面ライダーゼロノス・アルタイルフォームに変身した。
すると健司もクワガタ型のガタックゼクターをつかみ、
「ったく、言うと思ったぜ!変身!!」
ベルトにセットした。
<HEN-SHIN>
ガタックゼクターがセットされたベルトが光を放ち、健司を仮面ライダーガタックへと変身させた。
「行くぜ!」
ガタックは、走るゼロノスの後を追うように駆けだした。
「よし、僕たちも・・・」
純一が声をかけようとすると、緑色の疾風がその横を駆け抜けた。
「遅いぞ、お前ら!」
河口光が変身したキックホッパーはそう言うと、そばにいたワームを一体、蹴り飛ばした。それだけでワームは爆発する。
「行くよ、みんな!」
純一が自分の腰にデンオウベルトを巻きながら言った。
「変身!」
<ソードフォーム>
<HEN-SHIN>
純一は仮面ライダー電王・ソードフォームに、俊輔は仮面ライダーザビーに、美咲は仮面ライダーファムに、それぞれ変身した。
「俺、参上!!」
モモタロスが入った電王ソードフォームが決めゼリフを言った。



「おりゃあ!」
「ハアッ!」
電王とゼロノスはそれぞれの剣を振るい、体育館の中に残っているイマジンたちを蹴散らした。
「ったく、こんな数のイマジンを!どこから連れて来たんだよ!」
ゼロノスが襲いかかってくるイマジンを斬り伏せながら言った。
「さあな!けど、俺は戦えればそれでいいぜ!うりゃあ!」
電王も上段から剣を振り下ろし、ゼロノスの死角から襲いかかろうとしていたイマジンを斬り落とした。
「ぼさっとすんな!」
「悪い、次行くぞ!」
二人は近くの敵を倒し、離れた所にいるイマジンに向かって走った。



「こっちよ、急いで!」
体育館と校舎の間の通路では、加奈が生徒たちを誘導していた。しかし・・・。
「・・・・・・!こっちにも!?」
すでにその先にはたくさんのワームの姿。
やられる、加奈がそう思った瞬間、
「おりゃあ!」
威勢のいい声と共に割り込んできたのは、ガタックだった。
「健司!」
「大丈夫か?」
そうやって短い言葉を交わす間も、ワームたちは襲い掛かってくる
「喰らえ!」
ガタックが力を込めると、両肩のガタックバルカンからオレンジの光弾が次々と発射され、ワームを倒していく。
「今のうちに行け!」
ガタックの言葉に、加奈はうなずく。
「そうだ、忘れてた。おい、紅輝からだ!」
そう言って、ガタックは何かを投げた。
「これは・・・・・・」
加奈が受け取ったのは、彼女らがいつも使っている耳に付けるタイプのインカムだった。
「あいつが連絡くれってさ」
ガタックの言葉を理解した加奈は、
「わかった!」
と言ってその場を後にした。
「・・・・・・。さてと、一気に片付けるか!」
ガタックはベルトのガタックゼクターに手をかけた。
「キャストオフ!」
<CAST OFF!>
ガタックの厚い装甲が弾け飛び、中からメタリックブルーのボディが見えた。
<CHANGE STAG BEETLE>
頭の横の二本の角が持ち上がり、ガタックはライダーフォームになった。
「行くぜ!」
ガタックは、肩のダブルカリバーをつかみ、ワームを次々と斬り倒していった。



加奈はインカムの左側にあるダイヤルをひねり、赤い部分に合わせた。
「こちら加奈!多上くん、聞こえる?」
すると、声が聞こえてきた。
『こちら多上。どうやら、健司はちゃんとお使いができたみたいだな。加奈、今どこにいる?』
「今、教室に向かってるところ。私に連絡したってことは、パソコンが必要なんでしょ?」
『大正解。ノートパソコンを取ったら、この前ハッキングした、どっかの国の軍事衛星にアクセスして、この学校を三次元スキャンしてくれ』
その言葉を聞いた加奈は驚いた。
「三次元スキャン!?」
『そうだ。できないことはないだろ?』
「そうだけど・・・・・・。システムアップにすごく時間がかかるよ?」
『具体的に言うと?』
「そうだねぇ・・・・・・。少なくとも10分くらいは」
それを聞き、今度は紅輝が驚いた。
「10分!?もう少し何とかならないのか?」
「う〜ん、私のノートパソコンじゃね〜。どう頑張っても5分やそこらじゃ無理だよ」
『・・・・・・』
「・・・・・・」
二人とも黙りこんでしまった。
『・・・・・・パソコン室』
突然、紅輝が言った。
「え?」
『パソコン室にある高性能コンピューターなら、3分くらいでできないか?』
「そっか!それなら何とかなるかも!」
『よし、加奈、急いでくれ!』
「任せて!」
加奈は教室を飛び出し、パソコン室を目指した。



パリン!という音が廊下に響いた。
「よし」
加奈は手にした箒を捨て、割った窓からパソコン室に入る。
そこには、40台ほどのデスクトップパソコンが列を作り、その正面にあったのはかなりの大きさのパソコン。
「・・・・・・あった!」
加奈はその大きなパソコンを立ち上げ、自分のノートパソコンとつないだ。ガー、ガーという読み込み音の後、パソコンはシステムを読み込み始めた。
「三次元スキャンは・・・あった、これだ!」
加奈はものすごい勢いでパスワードを打ち込んでいく。
「・・・・・・やった、突破成功!」
彼女のノートパソコンに、大気圏外の衛星から送られてきた学校の三次元スキャンの映像が映し出される。
「それで、どうすればいいの?」
加奈が紅輝にたずねる。
『ワームとイマジンの位置を探して、みんなに教えてくれ!』
「わかったわ。えっと・・・・・・多上くんとモモは、そのまま体育館に残って。イマジンはそこにしかいないから」
『わかった!』
『おう!』
「健司は体育館の周辺に行って」
『任せろ!』
「村上くんは校舎の一、二階を。河口くんは三、四階をお願い」
『了解」
『よっしゃ!』
「美咲は、まだ校舎に残っている人の救助に行って」
『OK!」
「みんな、がんばって・・・・・・」
加奈は祈るように言った。



「これで・・・・・・ラストだ!」
ゼロノスが剣を振り下ろし、最後のイマジンを倒した。
「やったぜ!」
電王とゼロノスは変身を解除した。
「次はワームだな・・・・・・」
紅輝が言ったとき、ステージが目に止まった。そこにいる人を見て、驚いた紅輝は言った。
「お前ら、どうしてここにいる?」
「あら、いけない?」
クスクス、と笑いながら言ったのは、銀綾香だった。横には銀拓馬と銀直也もいる。
「笑ってる場合か!?早く逃げろ!」
紅輝は叫んだ。
「あら、どうして?」
「どうして、だって!?この状況を見れば分るだろ!」



「だから、どうしてよ?どうして自分の手下から逃げる必要があるわけ?」



その言葉を聞いた紅輝と純一は動きが止まった。
「な・・・・・・何、手下・・・・・・だと!?」
「そう。こいつらは私たちの手下。それに、この学校の中に入れたのも私たちよ。・・・・・・どう、驚いた?」
ウフフ、と楽しげに笑う。
「君たちは・・・・・・そのためにこの学校に来たのか?」
純一は言葉をしぼり出す。
「そうよ。まあ、あなたに会えたのは予想外だったわ。・・・・・・言いたいことはそれだけ?」
綾香は言った。
「悪いけど、私たち行かなくちゃいけないから。『あの方』が待っていらっしゃるもの」
「『あの方』?誰なんだそれは!?」
「教えてあげるわけないでしょ?じゃあね〜」
綾香は手を振りながら立ち去った。
「待てよ、おい!」
紅輝は叫んだが。
「!?・・・・・・こいつら!」
どこからか現れたワームたちが彼の行く手を阻んだ。
「くそっ!相手をしている暇はないのに!」
そのとき、キックホッパー、ザビー、ガタックが割り込んできた。
「お前ら!」
「行け、紅輝!」
「ここは俺たちに任せろ」
キックホッパーとザビーが言った。
「紅輝、行こうぜ!」
ガタックの変身を解除した健司が言った。
「ああ!」
紅輝は大きくうなずき、純一と健司を連れて外に出た。

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