仮面ライダー小説

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紅輝と綾香は手を伸ばし、赤と黒のカブトゼクターを掴んだ。
純一と拓馬は、デンオウベルトを腰に巻いた。
健司と直也は窓ガラスにカードデッキを向け、腰にベルトを巻きつけさせた。
「「変身!」」
<HEN-SHIN>
カブトゼクターがベルトにセットされ、
「「変身!」」
<NEGA FORM>
デンオウベルトにパスをセタッチし、
「「変身!」」
カードデッキをベルトの溝に叩き込んだ。
紅輝は仮面ライダーカブトに、綾香は仮面ライダーダークカブトに、純一は仮面ライダー電王プラットフォームに、拓馬は仮面ライダーネガ電王に、健司は仮面ライダー龍騎に、直也は仮面ライダーリュウガに変身した。
「で、勝算はあるの?」
ダークカブトが馬鹿にしたように聞く。
「もちろん。見せてやるぜ!」
カブトがハイパーゼクターを左腰に付けながら言った。
「みんな、準備はいい?」
電王は、デンライナーの中にいるイマジンたちに聞いた。
「おっ!ようやく出番か?」
「ま、やってみるしかないでしょ」
「ぶっつけ本番やけどな」
「わ〜い、やった〜♪」
龍騎は、手にあるカードをリュウガに見せる。
「これ、何かわかるか?」
カードには、炎をバックにした金色の翼が描かれてあり、<SURVIVE>と書いてある。
「何ですか?」
「俺が作った、新カードさ。効果を確かめさせてもらうぜ!」
「フン、やってみなさい!」
「ああ、そうさせてもらうぜ!」
龍騎は左腕を前に突き出した。その腕の周りを炎が包んでいく。
「くっ!」
あまりの高熱に、リュウガは顔を覆う。
突き出された左腕にあるドラグバイザーが、形を変えていく。腕から手へ、移動しながら手甲型のドラグバイザーから、龍の形をした大型の拳銃のような、ドラグバイザーツバイになった。
龍騎はカードをドラグバイザーツバイの口の部分に差し込んだ。
<サバイブ>
炎が体全身を包み、龍騎の姿を変えていく。
胸と肩は大きく横に張り出し、顔の縁や腕は金色に変わる。
仮面ライダー龍騎は、仮面ライダー龍騎サバイブに強化変身した。
「やった!成功だぜ!」
龍騎サバイブは自分の姿を見て、喜びの声を上げた。
「じゃあ、僕たちも行こうか」
電王は言うと、携帯電話の3、6、9、♯を押した。
<モモ>
<ウラ>
<キン>
<リュウ>
そして、側面にあるボタンを押した。
<クライマックスフォーム>
携帯電話型のメカ、ケータロスから光のレールが伸び、体に巻きつく。すると、体が無数のレールがついた姿になった。
そしてロッド、アックス、ガンフォームの電仮面が現れ、それぞれ左肩、右肩、胸についた。
最後にソードフォームの電仮面が顔に合体した。
「へっへ〜、完成だぜ!」
だが、その顔が真ん中から二つに割れた。ちょうど桃の皮が剥けるように。
「ああ〜!皮が剥けたぁ〜!!」
本人もそのことは知らなかったのか、驚きの声を上げた。
仮面ライダー電王は、クライマックスフォームになった。
「ハイパーキャストオフ!」
カブトがハイパーゼクターの角を倒した。
<HYPER CAST OFF>
カブトの体が赤から銀色に変わり、目も青から緑に変わった。
仮面ライダーカブトは第3形態、ハイパーフォームに変身した。
「その姿は・・・一体・・・?」
ネガ電王たちは驚く。
「さてと、最後の決戦だな」
龍騎サバイブが言った。
「俺たちの力、見せつけてやろうぜ!」
電王クライマックスフォームが言った。
「よし、行くぞ!!」
6人は駆け出し、最後の戦いが始まった。

相変わらずの薄暗い通路。もう、どのくらい進んだのかもわからない。
「順一、急ぐぞ!」
「うん。二人の分も頑張らなきゃね」
言葉を交わしながら、狭い通路を全力で走る。
しばらくまっすぐな道が続くと思いきや、突然曲がったり、坂を登ったりする。不規則に続く道をひたすら走り抜けた。
「・・・!」
突然、目の前が開けた。
先ほどの小部屋の四、五倍はありそうな、大きな部屋である。天井などはとても高く、見上げると首が痛くなりそうだ。
部屋の側面には2メートルはありそうな窓がいくつもあった。外を見ると、今いるのは三階ほどであろうか。通ってきた森が下の方に見える。
先に通路が続いている様子は、ない。
「ここか?」
紅輝がつぶやく。すると、その言葉に答えるように、現れた三つの人影。
「な〜んだ。やっぱり来たんだ?」
暗がりから現れたのは、綾香を先頭に直也、拓馬だった。
「お前ら!美咲はどこだ!」
紅輝が叫ぶ。
「教えてほしい?」
綾香がはぐらかす。
「当然だ!」
「またやられちゃうかもよ?」
「それでもだ!」
その言葉を聞いた綾香はクス、と笑った。
「そう。じゃ、私たちに勝ったら教えてあ・げ・る♪」
「上等だ!」
紅輝は言ったが、
「綾香、ちょっと待つんだ」
直也だった。
「彼らには、新しいシステムの実験台になってもらいましょう」
「何!?」
紅輝と純一の二人は身構える。
「コーカサス、出てきなさい!」
直也が呼ぶと、何もない空間に突然黄金のライダーが現れた。
体のつくりはヘラクスやケタロスと同じだが、顔の角は三本で、大きくせり出している。
「私たちが作ったアンドロイドです。このコーカサスに勝つことができれば、私たちが相手をしてあげましょう」
直也が言った。
「多上くん、ここは従った方がいいんじゃない?」
「ああ。約束は守ってもらうぞ!」
紅輝はそう言い、手を上に伸ばした。すると、カブトゼクター、ドレイクゼクターが飛んできた。
「「変身!!」」
<HEN-SHIN>
二人の体を閃光が包みこみ、装甲で覆っていった。
<CHANGE BEETLE>
<CHANGE DRAGONFLY>
紅輝は仮面ライダーカブトに、純一は仮面ライダードレイクに変身した。
「行くぞ!!」
二人は駆け出した。



「はっ!」
「せやあっ!」
ザビーとケタロスの拳がぶつかり、火花が散る。
「うりゃあっ!」
「おりゃあっ!」
キックホッパーの蹴りと、ヘラクスの手にある斧が相手の体をとらえる。
四人は、それぞれ距離をとった。
「なかなかやるな」
ケタロスが警戒を解かずに言った。
「ああ。だけど、俺たちの敵じゃねえだろ!」
ヘラクスは大きく前に跳ぶと、斧で斬りかかった。ザビーとキックホッパーは左右に散開し、避けた。
「ちっ!ちょこまかと!」
次はどちらを狙おうかと、ヘラクスは左右に目を配る。
「何!?」
だが、ザビーとキックホッパーの二人は着地と同時に蹴りを繰り出していた。
「ぐっ!」
ヘラクスは動くこともできず、二人の攻撃が直撃した。
「こいつら、戦い慣れている・・・」
ケタロスは、驚いたようにつぶやいた。



「「はああっ!」」
カブトとドレイクの蹴りがコーカサスに炸裂した。しかし、とらえたと思った次の瞬間、コーカサスは二人の後ろに回り込み、何発ものパンチを叩き込んでいた。
「がはっ!」
「ぐっ!」
カブトが地面を転がり、ドレイクは壁に叩きつけられた。
「どういう・・・こと?確かに、僕たちの攻撃は当たっているはずなのに?」
ドレイクが立ち上がりながら言った言葉に、
「何か仕掛けがあるはずだ!絶対にあきらめるなよ!」
カブトが檄を飛ばす。
「どうしたんですか?彼に勝てなければ、私たちとは戦うこともできませんよ?」
直也が挑発するように言ってくる。
「その通りだ。行くぞ!」
立ち止っているコーカサスに、カブトが駆け寄った。そして連続で拳を繰り出した。一撃でも喰らえばダメージになるはずのその攻撃を、コーカサスは難なく避け、逆にカブトを蹴り飛ばした。
「くっ!」
カブトはどうにか身をひねり、ダメージを最小限に抑えた。
「はっ!」
ドレイクが放った銃弾はコーカサスに命中するが、大きなダメージにはなっていないようだった。
「純一、クロックアップだ」
ドレイクに近づいたカブトが言うと、彼はうなずいた。
「「クロックアップ!」」
<CLOCK UP>
カブトは右腰のボタンを叩き、ドレイクはベルトにあるレバーをスライドさせた。そして、二人は超高速の世界に突入した。
だが。
「・・・ハイパークロックアップ」
<HYPER CLOCK UP>
コーカサスが左腰のボタンを押すと、コーカサスが駆け出した二人の視界から消えた。
「なっ・・・!?」
二人は驚く暇もなく、体が宙に浮いた。腹部を殴られたことに、その時初めて気がついた。
クロックアップ。それは、人の目にも捉えられないほどの速度で高速移動することである。
しかし、コーカサスはそれをはるかに上回っていた。
クロックアップをしてはいるが、コーカサスの連続攻撃により二人とも満足に動けなかった。
<HYPER CLOCK OVER>
ようやく世界が通常の速度に戻ったとき、二人は地面に叩きつけられた。
「ぐあっ!!」
背中を見せていたコーカサスは、ゆっくり振り返った。何も言わないその姿は、まるで感情が無い。
文字通り機械的に、カブトに歩みを向けた。
「多・・・上く・・・ん・・・」
ドレイクは、カブトに近づこうとしているが、足に力が入らないのか立ち上がることができない。
一歩、また一歩と、ゆっくりと近づいてくる。
「・・・・・・」
うつ伏せの状態のカブトは、起き上がる気配すらない。
ついにコーカサスが、カブトの前で立ち止まった。
ゆっくりと、右足を振り上げる。
そして力一杯、その足を叩きつけた。
ドガッ!
その音は確実に聞こえた。聞こえたはずだった。
「・・・?」
だが、カブトはそこにはいない。ドレイクもだ。
「何っ!どこに消えたんです!?」
直也が声を上げ、視線をさまよわせた。
「へっ!ここだよ!」
今日は一度も聞いていない声。それが、部屋の上方から聞こえた。
「!?」
コーカサスと銀三兄妹は、天井を見上げた。
何者かが、天井から降ってきた。
「それ」は、両手に紅輝と純一を抱えていた。
「お前は・・・!」
直也が歯ぎしりしながら言った。
「波岡くん!」
「へへっ。俺、参上ってか?」
現れたのは、仮面ライダーガタック・・・のはずだった。
胸の部分が前に張り出し、角が大きくなっていた。
「健司、お前・・・その姿、まさか?」
「もとはカブト用だったけど、ガタックはカブトに近いし、いけるかなって思ったから使ってみたんだ」
そう言って、ガタックは左腰のメカに軽く触れた。そこには、白を基調とした小型のカブトムシ型のメカがあった。
「じゃあ・・・?」
「ああ。ハイパーゼクターは完成だぜ!」
紅輝の顔に希望の色が戻る。
「こざかしい・・・。コーカサス、やってしまいなさい!」
コーカサスはうなずくと、左腰のボタンを押した。
「ハイパークロックアップ」
<HYPER CLOCK UP>
ガタックも左腰のメカ、ハイパーゼクターのボタンを叩いた。
「ハイパークロックアップ!」
<HYPER CLOCK UP>
二人はお互いに駆け寄った。
「はあっ!!」
ガタックがパンチを繰り出すと、コーカサスは一撃で吹き飛んだ。
<HYPER CLOCK OVER>
二人の動きが、周りの人間にも見えるようになった。
「そんな・・・、コーカサスが一撃で・・・?」
直也の声は震えていた。
「いくぜ!」
ガタックは、ハイパーゼクターの角を倒した。
<MAXIMUM RIDER POWER>
さらに、ガタックゼクターのボタンを三回押す。
<ONE>
<TWO>
<THREE>
戻したガタックゼクターの角を、再び倒した。
「ハイパーキック!」
<RIDER KICK!>
ガタックはジャンプし、飛び回し蹴りを決めた。
「うおりゃああ!!」
ガタックの足はコーカサスの側頭部に命中した。
「があああっ!」
コーカサスは叫びながら倒れ、大きな音を立てながら爆発した。
「よし!」
「やった!」
紅輝と純一は拳を振り上げる。
「く・・・。兄さん、どうします?」
直也は悔しそうにしながらも、拓馬の方を見た。
「・・・約束は約束だ」
拓馬は言い、前に出た。
「やった♪戦えるんだ?」
綾香は喜びながら拓馬に続いた。
「仕方ありませんね・・・」
直也も前に出、三人が並んだ。
ガタックは変身を解除し、ハイパーゼクターを紅輝に渡した。
「ほらよ」
「ああ」
紅輝はそれを受け取った。
「それから・・・」
健司はポケットを探り、折りたたまれた携帯電話のようなものと、何かのカードを取り出した。
「純一、お前のだ」
「ありがとう」
純一は携帯電話を受け取った。
「何をするつもりか知らないけど、私たちには勝てないわよ?」
受け渡しを見ていた綾香が言った。
「そうかな?やってみなくちゃ分からないぜ」
健司はニヤリと笑う。
紅輝、純一、健司の三人は綾香、拓馬、直也に向かい合うように立った。
「二人とも、いくぜ」
紅輝が言う。
「準備はできているな?」
拓馬が綾香と直也に言った。二人はうなずく。
紅輝と綾香は手を伸ばし、赤と黒のカブトゼクターを掴んだ。
純一と拓馬は、デンオウベルトを腰に巻いた。
健司と直也は窓ガラスにカードデッキを向け、腰にベルトを巻きつけさせた。
「「変身!」」
<HEN-SHIN>
カブトゼクターがベルトにセットされ、
「「変身!」」
<NEGA FORM>
デンオウベルトにパスをセタッチし、
「「変身!」」
カードデッキをベルトの溝に叩き込んだ。
紅輝は仮面ライダーカブトに、綾香は仮面ライダーダークカブトに、純一は仮面ライダー電王プラットフォームに、拓馬は仮面ライダーネガ電王に、健司は仮面ライダー龍騎に、直也は仮面ライダーリュウガに変身した。

第七話 上陸

美咲が連れ去られて数日。浜崎高校では数日前の襲撃事件はまるで無かったかのようなことにされていた。学校の体裁を保つためのようだ。もちろん、マスコミにも公表されておらず、学校に来ていない者も多かった。
「それで、どうするんだよ?」
席についている生徒が半分ほどになってしまった教室。その窓際の席から声は聞こえてきた。
前の戦いで傷ついた波岡健司だ。
顔のあちこちに、湿布や絆創膏をしている。
「そろそろ動かないとね」
同じく、腕や顔に傷がある白鳥純一が言う。
「問題はどこに行くかだな」
村上俊輔が腕組みしながら言った。
「『もう一人のスパイ』、っていうのが誰かわかればな〜」
河口光が頭を掻いて言った。
「目星は付いているの?」
原谷加奈が言った。
「ああ。一応考えてはいる」
多上紅輝である。ちなみに彼の傷が一番ひどく、額には包帯が巻いてある。
「誰なんだい?」
純一が問いかけると、
「佐渡だ」
紅輝が答えた。
「あの非常勤の奴か?」
俊輔だ。
「そうだ」
「理由は?」
「あいつがこの学校に来たのが、銀三兄妹と一緒だから、かな」
「え、それだけかよ?」
健司が拍子抜けしたように言った。
「でも他に手はないし、試してみる価値はあるんじゃない?」
純一が言う。
「じゃあ誰が行くんだ?」
光が尋ねる。
「俺と純一で行ってくる」
紅輝が言った。
「よし、善は急げだ。今から行こう」
純一は言うと、紅輝とともに教室を出た。



「やあ君たちか。どうしたんだい?」
職員室。その端の方にその机はあった。
「佐渡先生。あなたに聞きたいことがあるんですが」
紅輝たちが訊ねた相手は、佐渡慶介だ。
「何かな?」
「率直に聞きます。綾香たちの居場所、ご存知ですか?」
それを聞いた佐渡は、爽やかな笑みを浮かべた顔から一転して、何かを企むように冷たく笑っていた。
「ああ。彼女たちか」
「知っているんですか?」
「ああ。君たちなら、僕に聞きに来ると思っていたよ」
「じゃあ、教えてもらおうか」
紅輝がそう言うと、含み笑いをしながら佐渡は言った。
「いいのかい?死ぬことになるかもしれないよ」
「えっ!?」
二人は驚いたように目を見開く。
「当然じゃないか?彼女たちは本気のはずだ。邪魔をするものは、たとえ君たちでも容赦はしないだろう」
佐渡は淡々と言った。
「・・・・・・」
紅輝はその言葉を噛みしめ、自分たちの負った傷を見て、口を開いた。

「それでも構わない」

「何?」
佐渡は驚きの表情を浮かべながら聞いた。
「俺が死ぬのは構わない。だけど、仲間が死ぬのは耐えられない!」
紅輝は拳を握り締め、強く言った。
「なるほど。いい心がけだ」
佐渡は感心したように言った。
「わかった。教えてあげよう。ただし、一度しか言わないぞ」
佐渡の言葉に、二人は耳を傾けた・・・。



「分かったのか?」
紅輝と純一が帰ってくるなり、健司が聞いた。
「ああ。太平洋の沖にある無人島だそうだ」
「よし、じゃあすぐに行こうぜ!」
健司は立ち上がりながら言ったが、紅輝は黙っている。
「おい、どうしたんだよ?」
「健司、お前はここに残ってくれ」
紅輝の言葉に驚いた健司。
「何でだよ!俺じゃ力不足だってのか!?」
「そうじゃない。あいつらは、はっきりいって強い。今のままじゃ勝てないだろう」
「それで?」
「だから、お前には“あれ”の開発を急いでもらいたい」
「“あれ”?それってこの前言ってた・・・」
「そう。俺と健司、それに純一用の強化システムだ!」



今にも雨が降りそうな、鉛色の空。
その下の海に浮かぶ名も無き島。
その砂浜の上に、四対の足が降り立った。
「ここだな・・・」
強くなってきた風に吹かれながら、紅輝が言った。
「早めに行かないと。美咲ちゃんの体調が心配だしね」
純一が言い、
「よし、さっさと終わらせようぜ!」
光が腕をポキポキと鳴らせながら言う。
「焦るな。ここは敵の本拠地だし、罠があるかもしれない」
俊輔が冷静に言った。
「ああ。静かに、だけど素早く行こう」
紅輝の言葉で、四人は動き出した。



四人が上陸した砂浜から数分歩くと、森が見えた。
「この先か?」
さらさらした砂地から、ぬかるんだ地面に変わる。
あちこちから伸びる枝を避けながら、四人はどんどん進んでいく。
「・・・!おい、見ろ!」
先頭を歩く光が声を上げる。
四人の前に現れたのは、森に隠れるように建っている建造物だった。
黒いコンクリートでできたその建物は、四人の前に立ちふさがる壁のようだった。よく見ると、壁の中央に扉があった。
「どうする?」
光が後ろを振り向き、尋ねた。
「行くしかないだろ」
紅輝が促した。
光はうなずき、扉を開けた。

キィ・・・。

錆びついた音を立てながら、扉が開いた。
扉の先にあるのは人が二人通れるほどの細い通路だった。建物の内部はわずかに明かりがあるだけで、薄暗い。
「よし、行くか」
四人は通路を進み始めた。



紅輝たちが建物に入ったころ。一番奥の小部屋に三つの人影があった。
「兄さん、準備ができました」
銀直也の声が部屋に響く。
「直兄ぃ、報告はいいから早く始めなよ」
銀綾香が口を挟む。
「綾香、物事には順序というものがあってだな・・・」
二人が口論をしているのを傍で聞いていた銀拓馬は、突然顔を上げる。
「・・・やはりまた来たか」
「「え?」」
二人は困惑した様子で兄を見る。
「その勇気は認めよう。だが、所詮それまでだ」
拓馬は天井を見上げ、言った。



薄暗い通路を進む紅輝たち。
「トラップが何もないのはおかしい。みんな、気をつけよう」
純一が三人に注意する。
「なあ、紅輝」
光が紅輝に話しかける。
「ん?」
「健司が作ってるものって何なんだ?」
「秘密だ」
「えぇ!?なんでだよ?」
「ま、色々あるのさ」
それっきり紅輝は黙り込んでしまった。
数分歩くと、急に目の前の通路が開けた。通路の先にあったのは、15メートル四方ほどの小部屋だった。部屋の奥には、さらに通路が続いていた。
「さっさと行こうぜ」
光が後ろを向いて促すが、
「待て」
そう言った紅輝は光の向こう側、つまり小部屋の中を見ていた。
部屋の中央には、二つの人影が立っていた。
「誰だ?」
紅輝が問いかけたが、

「「変身!」」
<HEN-SHIN>

二つの人影が言い、電子音が鳴り響く。
「何!?」
四人は驚きながらも身構える。
<CHANGE BEETLE>
二人はブレスを使って変身したようだ。それぞれの右腕に、ザビーゼクターと同じくらいの大きさのメカがついていた。
一人のボディは銀色で、顔には一本の大きな角がまっすぐ伸びている。
もう一人は、体は同じだが色は錆びたような銅色で、顔の角は短く上に伸びていた。
何より目を引くのは、二人の右肩に突き出している、カブトムシの角を模した装甲である。
「侵入者がいるとは聞いていたが・・・こんなガキどもだとはな」
銀色のライダーが言う。
「こいつらはライダーシステムを持っている。気を抜くな」
もう一人の銅色のライダーが言った。
二人が会話を交わす間に、紅輝は仲間に言った。
「相手はライダーシステムを使っているし、ここは全員でいこう」
純一はうなずくが、
「ダメだ!」
「ダメだな」
光と俊輔が声を揃える。
「ここでお前らがケガでもしたら、野沢を助け出すのは難しくなるだろ?」
「だから俺たちがあいつらを倒す。二人は先に行け」
その言葉を聞いた紅輝と純一は驚く。
「バカなことを言うな!」
「そんなことをしたら二人は・・・・・・」
「おい、何をコソコソしている!?」
純一の声に重なるように、銀色のライダーが叫ぶ。
「お前らなんか、俺たち二人で十分だ、って言ってたんだよ!」
光が自信満々に言う。
「ほう、ならばやってみろ!」
銅色のライダーは言い、四人の元に駆け出した。
四人は散開し、放たれる蹴りを避けた。
「紅輝、純一、早く行け!」
「ここは俺たちにまかせるんだ」
二人は目で訴えていた。
「多上くん」
純一も言う。
「・・・・・・二人とも、死ぬんじゃないぞ」
紅輝の言葉に、光と俊輔はうなずいた。それを見た紅輝と純一は、部屋の奥の道へと走った。
「何!?行かせるか!」
銀色のライダーが駆けつけようとするが、二つのメカが体にぶつかって阻まれた。
「くっ!」
二つのメカは、背中合わせになった光と俊輔の手に収まった。
「貴様ら、二人だけで勝てると思っているのか?」
二人の後ろに立つ、銅色のライダーが言った。
「ああ。俺たちは強いからな」
俊輔がニヤリと笑いながら、不敵に言う。
「ほう、いいだろう。俺はケタロス。貴様らを地獄に落とす者だ」
ヘラクスという銅色のライダーが俊輔に言う。
「俺はヘラクス。覚えていられるかな?」
光の正面に立った銀色のライダー――ヘラクスが言った。
「河口、いくぞ」
「へ、誰に言ってんだ!」
背中越しに声を掛け合った二人は叫ぶ。
「「変身!!」」
俊輔はザビーゼクターを、光はホッパーゼクターを、それぞれセットした。
<HEN-SHIN>
<CHANGE WASP>
<CHANGE KICKHOPPER>
俊輔は仮面ライダーザビーに、光は仮面ライダーキックホッパーに変身した。
「行くぜ!!」
気合の声とともに、キックホッパーはヘラクスに、ザビーはケタロスに向かっていった。

町のはずれにある港のそばの倉庫街。銀三兄妹は歩いていた。
「早くしないと。『あの方』がお待ちだわ」
綾香が二人の兄に言った。
「・・・・・・!来たか」
拓馬が閉じていた目を開き、言った。
「え?」
綾香が兄に聞きなおしたとき、
「待て!!」
紅輝、純一、健司が三人のところへ走ってきた。
「やはり、お前たちか」
拓馬が静かに言った。
「当然でしょ」
純一が言い返した。
「何をしに来たんですか?」
直也は丁寧に尋ねる。
「お前らの目的を教えてもらおうと思ってな」
紅輝が言う。
「知りたい?」
綾香が聞いた。
「ああ。言わないというのなら、力づくでも!」
健司が構えながら言う。
「ふ〜ん。できるかしら、あなたたちに?」
六人はにらみ合う。
「仕方ない・・・・・・。直也、綾香。行くぞ!」
「はい!」
「ええ!」
拓馬の合図に、二人が答える。
「何をする気だ・・・・・・?」
紅輝たちは身構える。そして拓馬が取り出したものは、


ライダーパスとベルトだった。


「え!?」
純一が驚く。
直也は黒いカードデッキを構えるとベルトが巻かれ、綾香が手を伸ばすと、空から黒いカブトムシ型のメカ、ダークカブトゼクターが現れた。
「お前たちも、ライダーシステムを!?」
紅輝の声が響いた。
「変身」
<ネガフォーム>
拓馬がライダーパスをセタッチし、
「変身!」
直也がカードデッキをベルトに装填、
「変身♪」
<HEN-SHIN>
綾香がダークカブトゼクターをベルトにセットした。
「!!」
紅輝たちが驚く中、拓馬が仮面ライダーネガ電王に、直也が仮面ライダーリュウガに、綾香が仮面ライダーダークカブト・マスクドフォームに変身した。
「あら、また驚いたみたいね?」
ダークカブトが言った。
銀三兄妹が変身したライダーは色こそ違うものの、紅輝たちが変身するそれと同じ姿をしていたのだった。
「まさか、俺たちと同じように変身できるやつがいたなんて!」
健司は言った。
「まあ、僕らのシステムも本来は向こうが使うはずの物だからね」
純一がそれに答える。
「よし、俺たちも行こうぜ!」
紅輝が叫ぶ。
「OK!」
「よっしゃあ!」
純一はデンオウベルトを腰に巻き、ライダーパスを取り出した。
健司はカードデッキを構え正面に構えると、ベルトが腰に巻かれた。
紅輝は手を伸ばし、飛来したカブトゼクターを掴んだ。「「「変身!!」」」
純一はパスをセタッチ、健司と紅輝はカードデッキとカブトゼクターをそれぞれベルトにセットした。
<ソードフォーム>
<HEN-SHIN>
純一は仮面ライダー電王・ソードフォームに、健司は仮面ライダー龍騎に、紅輝は仮面ライダーカブト・マスクドフォームに変身した。
「俺、再び参上!」
電王の声があたりに響き、戦いの火蓋が切って落とされた。



「ふっ!」
「らぁ!」
リュウガと龍騎の拳がぶつかる。
「意外にやるな!」
「そちらこそ」
一瞬睨み会うと、再び離れた。



「うりゃあ!」
「はっ!」
電王とネガ電王の剣がぶつかり、火花が散る。
「まさかお前がニセモノ野郎だったとはな!」
電王がネガ電王に言う。
「悪いが、お前の実力は見切っている!」
ネガ電王が剣を振り下ろし、電王の剣を弾く。
「なめんじゃねえ!!」
電王は剣を振り上げてネガ電王に斬りかかったが、ヒラリとかわされた。
「フン、まだまだだな」
ネガ電王が言い放つ。
「この野郎!」
電王が走り寄った。



「りゃあっ!」
キャストオフしたカブト・ライダーフォームが正面に蹴りを放つ。
「当たらないよ?」
同じくキャストオフしたダークカブト・ライダーフォームはそれをわずかに動くだけでかわす。
「はっ!」
逆に猛烈なスピードでダークカブトが拳を繰り出し、カブトの腹にめり込んだ。
「がはっ!」
「それっ!」
そしてダークカブトは蹴りでカブトを飛ばす。
「ぐっ!」
地面を転がるカブト。そこに龍騎と電王が駆け寄ってくる。
「大丈夫か!?」
「ああ・・・」
カブトはよろよろと起き上がる。
「どうしたの?もう終わり?」
リュウガとネガ電王の間に立つダークカブトが挑発するように言った。
「おい、どうすんだよ!?」
電王がカブトに聞く。
「やるしかない!ライダーキック!」
カブトがカブトゼクターの角を倒した。
<RIDER KICK!>
「喰らえ、俺の必殺技パート2!」
電王がライダーパスをセタッチする。
<フルチャージ>
龍騎はデッキからカードを引き抜き、左腕のドラグバイザーに差し込んだ。
<ファイナルベント>
「行くぞ」
「「はい」」
ネガ電王はライダーパスでセタッチし、ダークカブトはダークカブトゼクターの角を倒し、リュウガも龍騎と同じようにデッキからカードを引き、ブラックドラグバイザーに差し込んだ。
<フルチャージ>
<RIDER KICK!>
<ファイナルベント>
カブト、龍騎、ダークカブト、リュウガの四人が跳び、電王とネガ電王はそれぞれ走り寄った。
「「ハアッ!!」」
カブトとダークカブトのキックが空中でぶつかり、
「「だあぁぁっ!!」」
龍騎とリュウガの、赤と黒の炎に包まれたキックが衝突し、
「おりゃあぁっ!!」
「フッ!!」
電王とネガ電王の刀身がしのぎを削った。
六人の必殺技が炸裂し、あたりに衝撃波が広がった。
強烈な閃光が消え去った後、立っていたのは黒いライダー達だった。
「が、はっ・・・」
倒れているのは紅輝、健司、純一。
「これで分かった?あなた達じゃ私たちに勝てないってことが」
ダークカブトが言い放つ。
「く・・・くそ・・・」
三人は起き上がることもできない。
「時間を食いすぎた。二人とも、行くぞ」
ネガ電王がダークカブトとリュウガに向かって言った。二人もそれに従うように歩き出す。
「待ちなさい!」
その時、後ろから声が聞こえた。
そこにいた者全員が後ろを振り返った。
「美咲!」
そこに立っていたのは、美咲――仮面ライダーファムだった。
「あら、野沢さん。来たの?」
ダークカブトが言った。
「美咲、お前で勝てる相手じゃない!逃げろ!」
紅輝が必死に言った。
「多上くんは黙ってて!ここは私が・・・・・・」
「遅いわよ」
次の瞬間、ダークカブトの拳がファムの腹をとらえていた。
「な・・・!?」
変身が解除された美咲が地面に倒れる寸前、ダークカブトがその肩をつかまえ、背に担いだ。
「どういうつもりだ?」
健司が聞いた。
「彼女には、ある実験の実験台になってもらうわ」
「何!?そういうわけにいくか!」
「あら?その体でもう一度私たちと戦うつもり?」
「ぐ・・・」
健司は言葉が返せない。すると、ネガ電王が口を開いた。
「なぜお前たちが俺たちに勝てないのか、教えてやろう」
その言葉に、リュウガが続く。
「私たちのシステムと、あなたたちのでは、実はそれほど差はないんです。では、何が違うのか・・・」
そしてダークカブトが言う。
「それは、『覚悟』よ」
すると、純一が言い返す。
「覚悟?それなら僕たちだって・・・」
「まだ足りないのよ。あなたたちのじゃ、ね」
そう言って三人は歩きだした。
「待・・・て・・・」
紅輝がゆっくり体を起こしながら言った。
「そうだ、もう一ついい事を教えてあげるわ」
ダークカブトは紅輝には構わずに言った。
「あの学校、実はもう一人スパイがいるんだよね〜。まあ誰かは言わないけど」
それだけ言うと、今度こそ三人は去って行った。

冷たく強い風が吹きすさぶ朝。浜崎高校のおよそ1200人の生徒たちは、体育館に集められていた。
「フアァ〜」
波岡健司は大きなあくびをしていた。
「何?また夜更かしでもしたの?」
原谷加奈が尋ねた。
「ああ。ちょっとな」
健司は目をこすりながらうなずいた。
「何かやってたのかい?」
白鳥純一は服装を整えながら言った。
「まあ、そのうち分るよ」
今度は多上紅輝が言った。
「あ、多上くん、また波岡くんに何か作らせてるんでしょ?」
野沢美咲が紅輝に釘を刺すように言った。
「まあな。でも、これは後々役に立つはずだから」
紅輝は即座に言う。
「そうだな。これぐらいしかできることがないんだからな、波岡は」
村上俊輔が言った。
「何だと?」
健司は俊輔を軽くにらむ。
「まあまあ。それより、始まるみたいだよ、集会」
純一が二人の間に入ったとき、校長が壇上に登り、話を始めた。
「え〜。今日集まってもらったのには理由があります。先日、我が校の生徒が・・・」
そう言った時だった。
パリンパリン!という大きな音とともに、体育館の窓ガラスが次々と割れた。
「!?」
生徒たちは、何か起こったのかとのんきに周りを見渡していたが、紅輝を含めたDUMASのメンバーは、自分たちに向けられた強い敵意を感じ、体を固くした。
ドン!
大きな音と共に現れたのは、多数のサナギ体のワームとイマジンたちだった。
「何であいつらが!?」
生徒たちがパニックになる中、健司は紅輝に言った。
「わからない!けど、俺たちができることは一つだ!」
紅輝は大声で言い、生徒たちの間を縫うように走った。
「りゃあ!」
紅輝はワームに飛び蹴りを喰らわせ、ゼロノスベルトを取り出し、腰に巻いた。
それを見た健司は、
「お、おい!人前での変身はダメなんじゃなかったのかよ!?」
と言った。しかし紅輝はレバーを押しながら、
「今回は特別だ。変身!」
紅輝はゼロノスカードをベルトに挿入する。
<アルタイルフォーム>
紅輝の体を緑色のオーラアーマーが包み、その姿を変えた。
紅輝は仮面ライダーゼロノス・アルタイルフォームに変身した。
すると健司もクワガタ型のガタックゼクターをつかみ、
「ったく、言うと思ったぜ!変身!!」
ベルトにセットした。
<HEN-SHIN>
ガタックゼクターがセットされたベルトが光を放ち、健司を仮面ライダーガタックへと変身させた。
「行くぜ!」
ガタックは、走るゼロノスの後を追うように駆けだした。
「よし、僕たちも・・・」
純一が声をかけようとすると、緑色の疾風がその横を駆け抜けた。
「遅いぞ、お前ら!」
河口光が変身したキックホッパーはそう言うと、そばにいたワームを一体、蹴り飛ばした。それだけでワームは爆発する。
「行くよ、みんな!」
純一が自分の腰にデンオウベルトを巻きながら言った。
「変身!」
<ソードフォーム>
<HEN-SHIN>
純一は仮面ライダー電王・ソードフォームに、俊輔は仮面ライダーザビーに、美咲は仮面ライダーファムに、それぞれ変身した。
「俺、参上!!」
モモタロスが入った電王ソードフォームが決めゼリフを言った。



「おりゃあ!」
「ハアッ!」
電王とゼロノスはそれぞれの剣を振るい、体育館の中に残っているイマジンたちを蹴散らした。
「ったく、こんな数のイマジンを!どこから連れて来たんだよ!」
ゼロノスが襲いかかってくるイマジンを斬り伏せながら言った。
「さあな!けど、俺は戦えればそれでいいぜ!うりゃあ!」
電王も上段から剣を振り下ろし、ゼロノスの死角から襲いかかろうとしていたイマジンを斬り落とした。
「ぼさっとすんな!」
「悪い、次行くぞ!」
二人は近くの敵を倒し、離れた所にいるイマジンに向かって走った。



「こっちよ、急いで!」
体育館と校舎の間の通路では、加奈が生徒たちを誘導していた。しかし・・・。
「・・・・・・!こっちにも!?」
すでにその先にはたくさんのワームの姿。
やられる、加奈がそう思った瞬間、
「おりゃあ!」
威勢のいい声と共に割り込んできたのは、ガタックだった。
「健司!」
「大丈夫か?」
そうやって短い言葉を交わす間も、ワームたちは襲い掛かってくる
「喰らえ!」
ガタックが力を込めると、両肩のガタックバルカンからオレンジの光弾が次々と発射され、ワームを倒していく。
「今のうちに行け!」
ガタックの言葉に、加奈はうなずく。
「そうだ、忘れてた。おい、紅輝からだ!」
そう言って、ガタックは何かを投げた。
「これは・・・・・・」
加奈が受け取ったのは、彼女らがいつも使っている耳に付けるタイプのインカムだった。
「あいつが連絡くれってさ」
ガタックの言葉を理解した加奈は、
「わかった!」
と言ってその場を後にした。
「・・・・・・。さてと、一気に片付けるか!」
ガタックはベルトのガタックゼクターに手をかけた。
「キャストオフ!」
<CAST OFF!>
ガタックの厚い装甲が弾け飛び、中からメタリックブルーのボディが見えた。
<CHANGE STAG BEETLE>
頭の横の二本の角が持ち上がり、ガタックはライダーフォームになった。
「行くぜ!」
ガタックは、肩のダブルカリバーをつかみ、ワームを次々と斬り倒していった。



加奈はインカムの左側にあるダイヤルをひねり、赤い部分に合わせた。
「こちら加奈!多上くん、聞こえる?」
すると、声が聞こえてきた。
『こちら多上。どうやら、健司はちゃんとお使いができたみたいだな。加奈、今どこにいる?』
「今、教室に向かってるところ。私に連絡したってことは、パソコンが必要なんでしょ?」
『大正解。ノートパソコンを取ったら、この前ハッキングした、どっかの国の軍事衛星にアクセスして、この学校を三次元スキャンしてくれ』
その言葉を聞いた加奈は驚いた。
「三次元スキャン!?」
『そうだ。できないことはないだろ?』
「そうだけど・・・・・・。システムアップにすごく時間がかかるよ?」
『具体的に言うと?』
「そうだねぇ・・・・・・。少なくとも10分くらいは」
それを聞き、今度は紅輝が驚いた。
「10分!?もう少し何とかならないのか?」
「う〜ん、私のノートパソコンじゃね〜。どう頑張っても5分やそこらじゃ無理だよ」
『・・・・・・』
「・・・・・・」
二人とも黙りこんでしまった。
『・・・・・・パソコン室』
突然、紅輝が言った。
「え?」
『パソコン室にある高性能コンピューターなら、3分くらいでできないか?』
「そっか!それなら何とかなるかも!」
『よし、加奈、急いでくれ!』
「任せて!」
加奈は教室を飛び出し、パソコン室を目指した。



パリン!という音が廊下に響いた。
「よし」
加奈は手にした箒を捨て、割った窓からパソコン室に入る。
そこには、40台ほどのデスクトップパソコンが列を作り、その正面にあったのはかなりの大きさのパソコン。
「・・・・・・あった!」
加奈はその大きなパソコンを立ち上げ、自分のノートパソコンとつないだ。ガー、ガーという読み込み音の後、パソコンはシステムを読み込み始めた。
「三次元スキャンは・・・あった、これだ!」
加奈はものすごい勢いでパスワードを打ち込んでいく。
「・・・・・・やった、突破成功!」
彼女のノートパソコンに、大気圏外の衛星から送られてきた学校の三次元スキャンの映像が映し出される。
「それで、どうすればいいの?」
加奈が紅輝にたずねる。
『ワームとイマジンの位置を探して、みんなに教えてくれ!』
「わかったわ。えっと・・・・・・多上くんとモモは、そのまま体育館に残って。イマジンはそこにしかいないから」
『わかった!』
『おう!』
「健司は体育館の周辺に行って」
『任せろ!』
「村上くんは校舎の一、二階を。河口くんは三、四階をお願い」
『了解」
『よっしゃ!』
「美咲は、まだ校舎に残っている人の救助に行って」
『OK!」
「みんな、がんばって・・・・・・」
加奈は祈るように言った。



「これで・・・・・・ラストだ!」
ゼロノスが剣を振り下ろし、最後のイマジンを倒した。
「やったぜ!」
電王とゼロノスは変身を解除した。
「次はワームだな・・・・・・」
紅輝が言ったとき、ステージが目に止まった。そこにいる人を見て、驚いた紅輝は言った。
「お前ら、どうしてここにいる?」
「あら、いけない?」
クスクス、と笑いながら言ったのは、銀綾香だった。横には銀拓馬と銀直也もいる。
「笑ってる場合か!?早く逃げろ!」
紅輝は叫んだ。
「あら、どうして?」
「どうして、だって!?この状況を見れば分るだろ!」



「だから、どうしてよ?どうして自分の手下から逃げる必要があるわけ?」



その言葉を聞いた紅輝と純一は動きが止まった。
「な・・・・・・何、手下・・・・・・だと!?」
「そう。こいつらは私たちの手下。それに、この学校の中に入れたのも私たちよ。・・・・・・どう、驚いた?」
ウフフ、と楽しげに笑う。
「君たちは・・・・・・そのためにこの学校に来たのか?」
純一は言葉をしぼり出す。
「そうよ。まあ、あなたに会えたのは予想外だったわ。・・・・・・言いたいことはそれだけ?」
綾香は言った。
「悪いけど、私たち行かなくちゃいけないから。『あの方』が待っていらっしゃるもの」
「『あの方』?誰なんだそれは!?」
「教えてあげるわけないでしょ?じゃあね〜」
綾香は手を振りながら立ち去った。
「待てよ、おい!」
紅輝は叫んだが。
「!?・・・・・・こいつら!」
どこからか現れたワームたちが彼の行く手を阻んだ。
「くそっ!相手をしている暇はないのに!」
そのとき、キックホッパー、ザビー、ガタックが割り込んできた。
「お前ら!」
「行け、紅輝!」
「ここは俺たちに任せろ」
キックホッパーとザビーが言った。
「紅輝、行こうぜ!」
ガタックの変身を解除した健司が言った。
「ああ!」
紅輝は大きくうなずき、純一と健司を連れて外に出た。

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