|
天国郵便
今日からテニス部の夏期合宿だ。一年生の僕らは玉拾いメインだろうけど、いつもの炎天下の校庭よりも、高原のコートは楽しみだったし、中学生で初めての泊まり合宿というのが僕をわくわくさせていた。 玄関でぼんやりと考えながら靴を履き、ドアを開けた。上がったばかりの太陽が僕の目を射抜いて、思わず目を細める。 ふと、郵便受けが気になって覗いてみた。何か入っている。葉書だ。取り出すと、僕宛で、文面は何もない。しかし、白い葉書がまだらに青く染まっていて、空を描いたようにも見える。 僕は見入っていると、突然、思い出した。小学生の頃だ。お父さんがなくなった年の夏に、お父さんにも暑中お見舞いを出すんだって言って、宛先を天国って書いて出したんだ。文面は確か、そちらの空は青いのですか? って書いて。 きっとお父さんからの返事だ。今年は七回忌だし。もう帰ってきてるのかなぁ。 「行ってきまーす」 何だか朝の太陽が笑いかけてる気がした。
|
全体表示
[ リスト ]








私も欲しいです。そんな手紙。
2006/8/16(水) 午前 11:37
お盆ならではの、心温かくなるファンタジーですね。文面がないのもいい。帰ってきたら家にいないもんだから、手紙を送ったのかな^^
2006/8/16(水) 午後 4:03
私も、欲しいなぁ。きっと、高い空から見てたら、届く葉書も小言ばかり書かれていたりして(笑)母に会いたくなりました。
2006/8/17(木) 午前 1:36
おばちゃん>亡くなったひとともう一度お話しできたらなぁって思うことありますよね。
2006/8/18(金) 午前 3:19
ロンさん>お褒めいただき恐縮です。彼の合宿も実り多いものになることでしょう。
2006/8/18(金) 午前 3:20
RINEさん>今日を一生懸命生きていたら、そんなことないと思いますよ。見守ってくれている誰かがいるのは幸せなことです。
2006/8/18(金) 午前 3:24
「そちらの空は青いのですか?」っていい言葉ですね。ほれました。
2006/9/17(日) 午前 1:12
ありがとうございます。照れてしまいます(汗)
2006/9/17(日) 午前 9:02
ばっどさんの「公募第10弾・世にも奇妙な○○」に参加させて頂きました。
2008/8/12(火) 午前 8:29
はじめまして、ぱっどさんのところからお邪魔しました。
この少ない字数で、よく表現出来るものだと感心しました。
奇妙な・・・というより、心温まる・・・って感じさせる文章ですね。
2008/8/12(火) 午後 2:41
いさむさん、ありがとうございます!
お父さんも小粋なことをするもんですね(笑)
2008/8/13(水) 午後 11:57
今更、ばっどさんの所から来ました^^サラリと、しかし、これだけの文で、ここまで表現できる・・・素晴らしい!ポチ。
2008/9/18(木) 午後 4:00