こんなんdeたんか

連載長編小説 『絵画きのバラッド』(仮)スタートしました。普段、小説を読まない方にこそ読んでいただけたら幸いです。

400字小説 ワンオク コラボ

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         400文字ぴったりで書かれた物語です。

                  空白は含まず、文字と記号のみをカウントしています。
                    全タイトル読み切りです。1分ほどで読めます。
                    わずか原稿用紙1枚の小説をお楽しみください。

この書庫は日本のロックバンド ONE OK ROCK(ワンオクロック)の楽曲からインスピレーションを得て書いた勝手なコラボレーション企画小説です。you tube 映像と共にお楽しみください。

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不可解な愛と反動形成との相関              勝手なコラボ企画 the same as… / ONE OK ROCK

 ひっくり返した湯桶のお湯は、ひと塊で頭にぶつかり、床で弾けた。
 無駄に広い古い風呂と、お湯の衝撃が何だか懐かしい。

 前触れなく引戸が開く。
 父さんか。湯気を分け入ってかかり湯をすると、湯舟にざぶんと浸かった。

「ふぅ〜っ」
 父さんの感嘆符が届く。

 僕が湯舟に沈むと溢れたお湯が存外な音をたてた。

「東京も随分変わったんだろうなぁ」
「多分ね」
「学生の頃だから、三十五年前か」

 会話は進展することなく、二人でタイル壁の模様を眺め続けた。

 ふと思い出した。

「小さい頃さぁ、よく言ってたでしょ、お天道さまが見てるぞって。それ、この前、後輩に言っちゃってたんだよね」

 相好を崩した父さんに連投する。

「気付いたんだけど、お天道さまって自分自身だよね」
「そうだな。神であり宇宙であり自分自身でもある」
「じゃあ、自分が神!」
「かもな」

 父さんは立ち上った。

「母さんを心配させるなよ」

 見送る父さんの背中は、幼い頃見たのと変わらないと思った。



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【勝手コラボ楽曲】⇒the same as…【歌詞付き】/ ONE OK ROCK
感覚的衝動                          勝手なコラボ企画 The Beginning / ONE OK ROCK

『お願い。お医者様の言うこと聞いて』

 このまま引退する訳にはいかない。例えこの試合で再起不能になろうとベルトは取り返す。その一心で俺はパンチを繰り出す。

『だって止めるって言ったじゃない』

 奴の右をダッキングで交わしざま右フックを放つ。くそったれ。スウェイで見切られた。間髪入れず連打して来る。ガードの上からも重いパンチがのし掛かる。光る獣の目が両グラブの間に覗く。
 俺も本能が導くまま左ジャブから右ストレートを繋ぐ。

『もう絶対試合なんて行かないんだから』

 右から上顎に衝撃が来た。揺さぶられた脳が、傾いて二重にブレた視界を見せる。その瞬間、膝の力が抜けると同時に足の裏の重力が無くなった。世界がひっくり返る。落ちた。

『失ったものは戻って来ないのよ』

 ……音の無い空間に天井のライトがやけに眩しい。

 首を回すとこめかみがマットに触れる。
 客席の間の通路を杏奈が走って来るのが見えた。
 幻覚か? 

 カウントスリーが聞こえた。



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【勝手コラボ楽曲】⇒The Beginning【歌詞付き】/ ONE OK ROCK
アンサイズニア            モチーフ:卒業   勝手なコラボ企画 アンサイズニア / ONE OK ROCK

 元は純白だったろうアディダスは、勢い良く水溜まりを踏みつけ、飛沫を散らせた。

 ――答えはいく通りもあるぞ。

 学生服の少年が並木通りを駆けて来る。前をしっかり見据えて走る姿は、短距離走者のように張りつめて見えた。

 ――正解もハズレも無いんじゃないですか。

 木漏れ日が、紅潮した頬に映写機の瞬きを映しながら流れてゆく。濃緑色の賞状筒を、バトンのように振りながら走る少年を、ベンチに並んだ老夫婦が見送る。

 ――自分に責任が持てるのか?

 少年はセーラー服の少女たちの脇を、速度も落とさずに駆け抜ける。驚いた一人の少女は、持っていた花束を振り上げ抗議した。

 ――高校なんて当たり前だろう。

 少年は通りを右に折れ、神社の鳥居をくぐる。参道を抜け、工事足場の組まれた拝殿まで来ると止まった。両手を膝に、肩で息をしていると、足場の上で屋根の破風に懸魚を取り付けていた棟梁が振り返る。






「父さん、オレ、やっぱ高校行かない。宮大工んなる」



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カラス                                   勝手なコラボ企画 カラス / ONE OK ROCK

 三番出口の階段を上がりきると、泣きたいのか笑いたいのか分からない空が出迎えた。朝の空気に小さく身震いする。

 二十六年も通い慣れた脚は、裏路地へと向かう。夜の間にたっぷりと欲望と憂さを飲み込んだその路地は、光に虚構を晒していた。正視してはいけない気がして、いつも伏し目になる。視界の隅でゴミを啄んでいたカラスが、首を傾げた。

 路地を抜け大通りへ出るなり、携帯が震える。

「私だ。今日の会議、例の件、絶対に触れるなよ」
「と言いますと?」
「惚けるな。濃縮ウランの件だ」
「ですが……」
「いいな」

 畜生。狸め。ここで公表しなかったらもう二度とチャンスはない。誰だって怖いさ。何もかも失うのは。でもいつかは……。

 思考は視界に入った黒いもので遮られた。本店ビル前の舗道に人が座している。彼は黒い上着の前にメッセージを書いた段ボールを掲げ、本店ビルを見上げていた。

 足早に男の横を抜ける。



 何処か遠くでカラスの鳴き声が聞こえた。



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キーリングの記憶                          勝手なコラボ企画 エトセトラ / ONE OK ROCK

「答えじゃねんだよ。オレが欲しいのは。理由だよ。理由」
 駿はビニール張りのソファに言葉と体をまとめて放り出し、自分のグラスにドライジンを乱暴に注ぎ足した。
 狭い工房の中で、ギュウとソファが主張する。
 俺は愛車のキーを尻ポケットから引っ張り出し、ハーレーのピストンを裏返した小物入れに落とした。

「俺にもくれよ」
 呑んで帰る時はバイクのキーはピストンの中で眠る決まりだ。

「理由がないのは、彼女の優しさ……」
 俺のつぶやきは駿の耳に届いているのか、いないのか。さっきからうな垂れたまま動かない駿に、グラスを小さく掲げ、一口呷る。

 試作品のレザーウォレットにあしらわれたコンチョが、テーブルの上で照明の光りを鈍く返した。

「お前は彼女のエトセトラになっちまったってわけか」
 そうつぶやいた瞬間、駿はおもむろに立ち上がり、ピストンの中のカワサキのキーを引っ掴んで大股で出て行った。


「死ぬなよ」


 応えた手にキーリングが揺れていた。



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【勝手コラボ楽曲】⇒エトセトラ / ONE OK ROCK

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