親父と野球

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そうした格別な素質に加えて、野球環境に恵まれなければその素質は埋没してしまうが、父は幸運にもその環境にも大いに恵まれていたようだ。

父は、東京の六本木周辺で生まれ育ったが、祖父(父の親父)は、当時、野球の頂点の六大学野球の大ファンで、特に名物のWK戦は、欠かさず息子を連れて応援に行っていたようだ。父は幼児から健康優良児の東京代表に選ばれるほど、体格に恵まれていたことから、祖父は、待ちかねたように父を小学4年でまず甲子園を夢見る野球少年が集まった倶楽部チーム(リトルリーグ)に入れた。そこで早くも格別な素質が開花し始め、その中心選手として活躍、所属チームの東京大会優勝に貢献。

WK戦、甲子園野球の大ファンの祖父は、その両方に最も近道のWJ中学(当時は高学年が今の高校)に父を入学させ野球はリトルリーグから、甲子園出場資格のある中学3年よりWJ中学の硬式野球部に入部させた。通学に1時間以上はかかったようで今で言う越境入学だが、甲子園、WK戦での息子の活躍の夢みる祖父の準備は万全だったようだ。  

前項で触れたが、所謂最年少高一夏の甲子園から8番ファーストでレギュラー出場しているのは、リトルリーグからの実績に裏打ちされ、実力で掴んだものだったことは想像に難くない。部員数も相当数はいたはずだ。それを含めて4回の甲子園出場は単なる幸運だけではなく、小学4年生のころから準備してきた親子の夢実現に向けての努力の賜物だったようだ。 もっとも、WK戦は父のプロ入りで実現しなかったが。      

以上のように父がプロ野球選手に成れたのは、持って生まれた格別な素質に加えて祖父が路線を引いたようにそれを開花させる野球環境に恵まれてやっと見えてくることだと改めて思いを巡らせている。                               

父の話は80年も遠い昔のことだが、私は父の少年時代を調べてみて、改めて、甲子園、プロ野球での活躍を夢見てそれを実現しようとする親子奮闘記の内容は今も遠い昔も殆ど同じストーリー(少年野球、越境入学、甲子園切符、プロ野球)だったことに驚く。  
 
それと共に、今も実現の近道としてやっている事を、既に80年も前に祖父が計画立てて実行していたことに感嘆している。祖父のことを殆どまったく知らないが、それなりの仕事はしてきた人だろうと確信する。


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