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・先手、先手の営業活動を実践し、大成功した具体的秘策とは?
久しぶりですが、営業のエッセンス(心意気)について補足をしたいと思います。
私が、リストアップした営業のエッセンスの(先手、先手で活動を、スピード感を大切に)の解説の中でこのエッセンスをフル活用し東南アジア地域で大きな成果を上げた具体的秘策があったことを、ほのめかしました。
しかし、その内容については、勤め先の後輩に引き継いでもらうためとして、敢えて言及しませんでした。
あれから半年が経過し、これと思われる後輩に伝える機会も、何度かありました。
また時代背景もかなり変化していることより、思い切ってその秘策を公開することにしました。
それはその当時の東南アジア地域が置かれた時代背景が大きく関わってきます。
東南アジアは[世界の生産拠点]と今でも言われていますが、私がこの地域の営業活動を任されていた時代は、激化する為替変動とボーダレスな価格競争力強化のため、日欧米の大手企業のこの地域への生産移管が盛んになり始めた丁度その頃でした。
たまたま、私が日本の国内営業とUSA駐在経験を生かした情報のアンテナから、日系1社と米系1社がこの地域に生産拠点を移管するという話をキャッチしました。
そしてまず、そのアンテナをフルに使って、具体的にどの国の何処に何時、誰が派遣され移管先の拠点作りを任されているのか、その人とのコンタクト方法等、詳しく聞き出しました。
次に時期尚早かもしれないとは当初思いましたが、せめて挨拶だけでも早めにと、移管の新工場の建屋が完成するかしないかの時期に派遣されたばかりの責任者と担当者に取り急ぎ会いに行くことにしました。
単に生産移管と言っても、低コスト生産実現のための他国での新会社設立を1から準備が必要なことが多く、派遣された人達の立ち上げの苦労は並大抵ではありません。
購買にしても、母国で承認し、購入している商品を、その国でどのように購入したらよいかが手探り状態が殆どです。
そうした状態の時に訪問した日米の2社の反応は、非常に良好なものでした。
まず、それら移管先のカスタマーにとっては、その国での購入ルートを探す手間が省けるのでそれだけでも助かること、慣れない他国で色々と準備を進めなければならない事も多く、一人でも協力者が必要な時期であり、探さなくてもいち早く訪問してくれたサプライアーへの好感度と信頼度は高く、それに加えてカスタマーにとって有益な情報を教えて上げられれば、信頼度はさらに上がります。
これは日系であろうと米系であろうとその効果と反応はほぼ同じでした。
その後、この2社とのビジネスがどうなったかというと母国では複数社購買の原則により、納入シェアは多くて50%だが、移管先では現地の我々への信頼度によって当面100%でスタートできたのでした。
勿論、初回訪問からその後のフォローアップもきっちり行いましたが、何と言っても立ち上げの苦労時にいち早く訪ねて来てくれたサプライアーというより協力者として我々への信頼度を非常に高く評価してくれた結果です。
この事例により、私は90年代前半の東南アジアおいての営業活動の貴重な戦術を見出したのでした。
事実、私と傘下の販売組織は、日欧米のオリジナル生産国に常にコンタクトを取り、アジアへの生産移管の情報を早い段階で掴み、移管先にいち早く出向いて自社の売り込みと協力者になっておくやり方で、母国で50%以下だったシェアを移管後に確実にアップ、状況によっては100%納入へと切り替えることが出来ました。
移管先は、マレーシア、インドネシア、タイ、それに中国等多岐に渡りましたが何処の国に移管しようが、すぐ飛んで行くぞという意気込みで皆やっていました。
またこの地域への移管が加速されてきた絶妙のタイミングであり、この戦術が私のこの地域での拡販の成功の1つの要因になったことは言うまでもありません。
最後に補足しておきますが、(移管先に早めに出向いておく)ことは確かに重要な戦術で、活動のキーポイントでしたが、事前準備、つまり、いかに移管情報を早めに掴むか、後のフォロー、信頼を得た後の真摯な営業活動がセットになって初めて成果として現れてきます。
その上で私の強いこだわりとして「必ず他社に先んじて訪問する」ことを重要視しました。
何故ならカスタマーの印象として「真っ先に」と「2番手以降」の信頼度は雲泥の開きがあるからです。
以上説明してしまえば、別に特別な秘策でも何でもなさそうですが、経験的にこの方法で活動の成果が顕著に現われたのですから、効果の確実な実践的取って置きの秘策(ノウハウ)でした。
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