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ジョーンズの独り言集です。見てくださいね!

松本清張先生。

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これも我を忘れるくらいに面白かったですね。
それにしても、表紙カバーの写真がほんとにきれいですね。

伝説の地めぐりの紀行文執筆を依頼された小説家が、浜中という一風変わった
編集者と京都や静岡、千葉などの土地をめぐっているうちに、ある巨大な陰謀に
巻き込まれていることに気づくといったストーリーですね。

ラストまで読み込ませる力が相変わらず強いのは恐れ入りますね。

この小説は復讐譚なんですね。
その復讐について、背後の人間関係が闇の中から浮かび上がるかのように徐々に
克明になっていくところがほんとに読ませると思います。
読んでいて汗がにじんできてしまいました。

殺人事件のトリックもさすがという感じ。

また、35という数字を用いて地域間の距離数を象徴するところも素晴らしい。

それにしても、旅情豊かな作品ですね。
山陰の山々、静岡の海、房総半島のなだらかさ、京都の古めかしさが素直に伝わって
きます。

それでいて、殺人事件や背後の陰謀などの黒幕が伴走ランナーのような疾走感で読者
を楽しませてくれるところがたまらないですね。

またも、今回も、作品の構想力の骨太さと緻密な構成にやられてしまったジョーンズでした。

松本清張『強き蟻』。

読みました。

これもかなり娯楽性の高い作品ですが、読んでいて血湧き肉躍ること請け合いです。

主人公の悪女が欲望に身を焦がされた挙句に挫折するまでのストーリーなのですが、
30歳上の自分の亭主への殺意が次第に露骨になっていく様子がこっけいというか、
なんか落語の落ち語りのようになっていく畳み掛けに、引き込まれてしまいますね。

自分的には、主人公の自堕落な娘たちに遺産相続の恩恵を与えてしまうようなラストに
不満があります。
死ねばもろとも……全員が不幸になるような展開ってないのですかね??(笑)

佐伯弁護士の没落振りが印象に残ります。

これは面白かった。

最高!

純然に娯楽作品なのだと思うのだけど、トリックがまたもや素晴らしい。

名誉欲に取り付かれた悪質カメラマンが東名高速道路で引き起こした大追突事故
の謎をめぐり、事故で恋人を失った男の復讐劇なのであるが、出だしの事故現場
をめぐる新聞報道の文章からして目が離せないですね。

夜の大井埠頭のクレーンでの対決も目が離せない。
というか、自分がまさにその場にたって二人のやり取りを聞いているかのような幻覚に
襲われてしまいそうである。

幻覚といえば、後半に大麻を用いてのトリックが用意されているのだが、このくだりも
読んでいて、うなりたくなるような劇的効果があります。
まるで自分が大麻に覚醒しているかのような恍惚感を覚える躍動感を覚えます。

推理小説というか、サスペンス小説のような部類の作品ですが、この作品を書くために
先生はどれくらいの資料を読み込まれたのかと想像するだに襟を正したくなります。

今日一日で読みきった。

厚みも分量もちょうどいいくらいである。
それにしても清張先生の読ませる力、構成の巧みさはどの作品を読むたびに
恐れ入ります。

この小説は、ある投稿小説の中の場面が、未解決の殺人事件の場面とあまりにも
酷似していることから、殺人事件への関連を嗅ぎ取った刑事の直感をもとにして
解決されるのだが、一人の身勝手な小説家志望の若者の行動や破滅に至るまでの
描写が冴え渡っております。

四国と九州で起こった殺人事件が、どこでどう関連していくかが本作品の見所だと
思います。

ただ、私的には、なぜ小説の場面を描いた小寺という作家がその場面を書いたのかの
説明が本作品にないということが気になりますね。
ここは個人的に疑問点が消えないです。
小寺という作家は、殺人事件には全く関係のない善意の人物ですが、この作家が四国と
九州の旅館で執筆活動をしていたおかげで、近在の土地で起こった二つの殺人事件に
橋渡し的な役割を果たしてしまうのですね。

また、作品中に、事件の解決を握る小道具として、犬たちが活躍してくれるところが
絶妙だと思います。ここらへんにトリックを感じてしまうところが読んでいて醍醐味と
なるところですかね。

下坂一夫という身勝手な作家志望の男は、地元の有力陶器店の次男坊なのですが、
文章下手な上に、バーやスナックに通いまくりで女の子に手を出しまくり、
親に甘えて陶器店開業のお金を出してもらい、その上、二人の美女に手を出して
同時に妊娠させてしまうという、まあ、ある意味ではうらやましいですが、それにしても
そういう人間が文学を志してしまう設定が心憎い。
まるで我が肖像画を見せられる思いですが(苦笑するしかない)
この下坂といういやらしい人物を描いているところが秀逸だと思います。
松本先生は醜悪な小人物を描くことにも名人芸を発揮しておりますね。

あとは、この作品のタイトルである『渡された場面』のもとになっている作品中の描写は
松本先生は苦心して書いたのだと思います。

ほんとにもう、松本先生には感心させられっぱなしのジョーンズです。

清張先生はなんと時代小説も書いていらっしゃるのだが、これはかなり本格的なものですね。

というか、上手い、上手すぎる。

構成の緻密さは相変わらずだ。あと、ページに詰め込まれた時代考証の知識の深さ。
もう降参するしかない。

それはともかく、いわゆる天保の改革を推し進めた水野忠邦が出現する以前、徳川家斉が
崩御する間際の時代の移り変わりを描いた作品ですね。

大奥も出てくるし、旗本侍の活躍はあるしで、それと、推理小説的な展開も出てくるしで、
時代小説とは思えないほどにスリリングな内容です。

自分的には気に入ったのは、中野石翁という悪の巨魁。
賄賂は平然ととるわ、影の殺人は犯すわ、嘘もつき放題。
それでも、憎いという気に全然させられないんだよね。

というのも、自分が莫大な富を克ちえてきたことを冷めた目で見ているという姿勢があって、
ま、悪役の常として最後は落魄としてしまうのだけど、これまで蓄えてきた富を平然と打ち捨て
ちゃうんだから爽やかです。

彼に比べれば、旗本の島田新之助という若い侍なんか、やたら喧嘩が強くて、べらんめえだけど
なんとなく存在が薄っぺらいように思いますね。
ま、新之助自体がフィクションな人物だけどね。

最後、中野石翁が水野忠邦から糾弾されてお役ごめんになった時、自分の豪邸を一晩で取り壊して
田んぼに変えてしまったという逸話は、読んでいてほんとうにすがすがしいと思ったね。
これは、粋な悪役だと感じ入ってしまった。
お茶もうまいし、庭の作事に凝っているところが、悪役とはいえ、雅さを感じてしまいますね。

この本を読んで中野石翁の存在を知ったのは大きいですね。
もう、これ一点だけで十分です。

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