フィロビブロン

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 十六日(土)から十八日(月・海の日)にかけてのきらきら輝く夏の貴重な三連休を、とりたててデートの予定も何にもない、そもそも彼氏もない、くびれもない、ないない尽くしの私は、叔父のラーメン屋の手伝いにいそしみ、地域の氏神様の夏祭り(田頭祭)にちょっとだけ顔を出し、本を一冊買っただけで終えてしまった。むなしい。
 
 本を購入したのは、おなじみの隣接市・Y市にある「ブックランドT書店」である。
今回は本を買うというよりも、勇気を出して、幻冬舎アウトロー文庫から出ている『家畜人ヤプー』(沼正三)を注文しようと思っていた。なぜかというと、このところ私は『ちくま日本文学018 澁澤龍彦』(解説:養老孟司)や『サド侯爵夫人・わが友ヒットラー』(三島由紀夫)といった、マルキ・ド・サドについて書かれた本をちょいちょい読んでいたからだ。マルキ・ド・サド(サド侯爵)とは云うまでもなく、「サディズム」「サディスト」といった言葉の語源になった人物で、十八世紀から十九世紀にかけてのフランスの作家。本名は、ドナティアン・アルフォンス・フランソワ・ド・サドという。
 
 サドのことを読んでいて、なんでヤプー?と思われるかもしれないが、加虐性愛者の反対側には被虐性愛者がいるわけで、上記の本を読んでサディストの心理をたどっているうちに、マゾヒストの心理も知りたくなってしまったのだ。『家畜人ヤプー』は、私が持っている幻冬舎アウトロー文庫の新刊・既刊紹介頁に、そのタイトルと簡単な紹介文が掲載されていて、十年近く前から(ヤプーってなんなんだろう?)と気になってはいたのだが、『家畜人ヤプー』がマゾヒストによるマゾヒストのための小説だということを知ったのは、ごく最近の話である。どうでもいいことではあるが、「マゾヒズム」「マゾヒスト」などの語源になった人物は、こちらも十九世紀のオーストリアの作家、ザッヘル・マゾッホである。どうせ「マゾ」という単語を口に出すなら、「私、マゾッホなんですぅ」くらい云ってみたい。
 
 痛いのも熱いのも、こねくり回されるのも嫌いな私だが、とにかくマゾッホたちの心理については知ってみたかった。で、(そうだ!ヤプー、買おう!)(←「そうだ。京都、行こう」くらいの爽やかさで)と思い立ったのだが…。
 
 しかし、実際に書店のカウンターに行ってみると、その勇気がまるで出なかった。
 第一に、私は全然アウトローな人間じゃないのに(?)、アウトロー文庫などと名のついた本を注文する気恥ずかしさ。私は「アウトロー」なのではなくて、ほんのちょっぴり変わっている程度の「変奇郎(ヘンキロー)」である。まぁ、一応女だから「変奇女」か?
 
 第二に、『家畜人ヤプー』そのものに対する気恥ずかしさ。カウンター内の店員さんが、この本を読んでいて、内容を知っていたらどうしよう? (ちょっと、お客さ〜ん、こんな本注文するんですか〜?)と、ニヤニヤされたらどうしよう?という不安である。
 
 第三に、『家畜人ヤプー』の表紙に対する気恥ずかしさ。幻冬舎アウトロー文庫版の『家畜人ヤプー』は全五巻で、そのどれもが金子國義氏の手による、なんともエロティックな絵で彩られている。角川文庫版『ドグラ・マグラ』の表紙は恥ずかしいとは感じなかったのに、『家畜人ヤプー』の表紙は恥ずかしい。そんなお年頃である。
 
 怪しいまでに定まらぬ視線で、しばらくカウンター前をうろうろしたが、どうにもこうにも「『家畜人ヤプー』を注文したいであります!」とは云えなかったので、今回は仕方なく角川ソフィア文庫の『古事記』を購入して、立ち去ることにした。
 
今回購入した本
◎『古事記 現代語訳付き』(中村啓信) 角川ソフィア文庫 初版 1124円+税
 
 この時ちょうど、『闇彦』(阿刀田高)についてのブログ記事を書いており、『古事記』について一から読み直してみたいな〜と思っていたところだったので、何も買わずに書店を出るということが出来ない私は、とびつくようにしてこの本を手に取ったのであった。ヤプーが注文できなかったという敗北感でいっぱいだったため、文庫本のクセして、なんかお高い、ということにも気づかず、購入してしまった。まあ、それはいい。
 
 しかし『古事記』のような、ちょっと高尚に思われてしまいがちな本を購入した人間が、こののち、いつか『家畜人ヤプー』を注文するとなると、それはそれで更に注文しづらくなるような気がしないでもない。
 
 (ホラ、あの、いつもうちを徘徊するお客さん、こないだは『古事記』なんてカッコつけて買って行ったのに、今度は『家畜人ヤプー』なんて注文してんのよ〜。どういう人なのかしらね〜。もしかしてマゾッホなのかしら〜)などと、書店員の間で噂になったらどうしよう? そんな妄想で脳中を満たしながら、七月の三連休は淡々と過ぎていったのであった……。
 
 
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家畜人ヤプーって、大昔読んだけど、なんかあまり印象に残っていない

正常じゃない人のものは、やはりつまらないのだろうな

今、ネットの世界では、ヤフーがトップなのかな?
初めて、ヤフーが出てきたとき、この家畜人のことを思い出して笑っちゃったよ

まぁ、一度は読んでもいいかもね

2011/7/21(木) 午後 5:17 岩魚 返信する

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岩魚さん、うわぁ!『家畜人ヤプー』読まれたんですね!
どのくらい大昔だったんでしょう^^?学生時代とかですかね?
案外、今再読したら、意外な発見や手応えがあるかもしれませんよ。

私は自分自身がちょっと変わってるので(?)ヤプーを読んだら抜け出せなくなるかもしれません^^;
いや、SMには殆ど関心はないんですけどね。小説世界や文学界も優等生的作品ばかりでは、味気ないというか、退廃的なものにもすごく憧れてしまう性質(たち)なんです^^;イヒヒ☆

ヤフーって、スウィフトの『ガリバー旅行記』に出てきましたよね。
うろ覚えですが、馬の頭をした野蛮人か何かじゃなかったっけ?
検索のヤフーもそれから採られたのかなぁ?
それとも登山なんかで叫ぶ「ヤッホー!」の意味でのヤフーかなぁ?
でもそれは漫才コンビ・ナイツの「ヤホー」かなぁ?(意味不明)

『家畜人ヤプー』は買うまでにまだしばらくかかりそうですが、注文する勇気をMAXにするべく、鍛錬しようと思います☆

2011/7/22(金) 午前 9:20 山田ギョクト 返信する

どこかに未だあると思うけど、探し出せるかなぁ
さっき、ウィキペディアであらすじを読み直したけど、なんか記憶とかけ離れている(笑)
きっと、印象に残る部分って人によって違うからだろうね

本の装丁は、そんなにいやらしいものでもなかったと思うし、店員だってこの本がどんなものか知ってる人なんていないのでは?

2011/7/22(金) 午前 11:32 岩魚 返信する

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岩魚さん、あぁ〜、それはもう一度探し出して、読み返してみたほうがいいですねぇ^^。かつて読んだ本を再読する、また愉しからずや。
岩魚さんが読んだのが大昔だとすると、別の出版社の版だったのかもしれませんね。それとも幻冬舎アウトロー文庫でしたか?
なんか加筆修正されながら新しい版が出ているみたいで、その辺も面白い性格の本だなぁと思います☆
七月後半がちょっと忙しいので、もう本屋さんには行けないかもしれないんですが、八月に入ったら注文する予定でいます(今のところ)^^。

2011/7/22(金) 午後 1:17 山田ギョクト 返信する

文庫本じゃなかったと思うよ

当時は、いわゆるエロ本を読みたかった(欲求不満?)ので、その気になりながら読んでたけど、今読み返すと、ただのSF小説みたいで興奮しないかもね

2011/7/22(金) 午後 2:04 岩魚 返信する

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これは・・・(笑。
私も買えないなぁ。
中学生の頃だったかしら、このへんを読み漁りました。
なんだかあまり覚えていません。
本は彼女に見つからない様に処分したんじゃないか(笑。
インターネットを始めた頃、YAHOOって、よりによってこんな名称・・・と、思いました。

2011/8/31(水) 午後 0:38 マルス 返信する

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マルスさん、ふんふん〜^^中学生の頃かぁ。性に目覚める頃でもありますね〜。あ、目覚めるのはもっと早かったですか?(笑)

八月に入って親戚の店の手伝いが若干忙しかったので、『ヤプー』はまだ注文できていないんですよ。そしてもう九月。。。九月上旬から中旬にかけて用事があるので、もう少し注文は延びそうですが、そのころマゾッホ熱が冷めていなければ、今度こそ…!!と意気込んでます^^。

彼女さんに見つかっても、それはそれで面白い展開になったんじゃないか、と思いますが、やっぱり交際してる人が『ヤプー』を読んでたら引きますかねぇ^^。
私だったら、本棚から取出して(うんうん…)と温かく微笑み、本棚にそっと戻して何事もなかったように振舞います☆

2011/9/1(木) 午後 1:17 山田ギョクト 返信する

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