A Japanese In Boston(第三幕完結編)

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大嶽秀夫著『再軍備とナショナリズム 戦後日本の防衛観』(講談社学術文庫、2005年)

 戦後日本の防衛政策を論じた学術書の中で最も優れたものは何かと聞かれれば、私は迷わず大嶽秀夫の『日本の防衛と国内政治』を挙げる。本書は同じ著者による作品で、前者が自衛隊成立以降の防衛政策の発展を論じたのに対し、本書は敗戦から自衛隊成立までの過程を論じている。今でこそ日本の防衛政策についての学術的研究は少なくないが、その先駆けはこの著者であると言われている。

 本書はかなりユニークである。第一に、戦後日本の再武装の過程を西ドイツと比較している点である。著者はこの比較を通し、西ドイツではソ連の脅威に対抗するための再軍備に対するコンセンサスが存在していたのに対し、日本では朝鮮戦争勃発を受け、マッカーサーの命令により一方的に設立された警察予備隊(法律無しで誕生していた!)が戦後の軍備のルーツとなっており、国民の間に再軍備についてのコンセンサスが存在していなかったことが挙げられる。結果として、西ドイツでは防衛問題ではなくてむしろ経済政策が体制選択の争点となったのに対し、日本では再軍備、そして日米同盟が体制選択の最大の争点となった。また、西ドイツでは再軍備に対するコンセンサスに基づき、議会によるシビリアン・コントロールの制度を築いた後、再軍備を行ったのに対し、日本ではなし崩し的、秘密主義的な再軍備が行われたので、シビリアン・コントロールが不徹底なカタチになった(そもそも、自衛隊は軍と看做されていないので、シビリアン・コントロールと言うこと自体、奇妙な話だということになってしまう)。

 第二に、敗戦から自衛隊誕生までの政治過程における再軍備論争におけるイデオロギーの役割について詳細な分析をしている点である。吉田茂、鳩山一郎、芦田均、石橋湛山などの自由党・民主党の政治家に加え、西尾末廣ら社会党の政治家のイデオロギーを丹念に分析している。白眉は社会党の右派と左派、社会党の右派と民主党の間のイデオロギーの違いが大きすぎ、実際はこの2つのラインでの連立・合作が模索されていたにも関わらず失敗に終わり、結果として保守合同が行われたのに対し、社会党右派は結局社会党から除外されて民社党として孤立することになり、結果として社会党に代表される左派勢力は万年野党に甘んじることになったと説明している点だ。当初、社会党右派は再軍備に前向きで、左派と激しく対立していた。他方、芦田に代表されるように民主党はリアリスティックな国際情勢分析に基づき自由党以上にタカ派的な防衛政策を主張し、さすがにこれでは社会党右派も民主党とは連立することができなかったのである。このように55年体制は防衛政策をめぐるイデオロギーの違いによって生まれたものだ、というのは著者の結論である。

 本書はもともと80年代に書かれた本なのだが、今読んでも十分に刺激的である。日本の防衛、戦後日本政治史に関心がある方にオススメしたい書物である。

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戦争の原因が、まだ究明されておらず、
その原因を取り除かない限り、また、同じことをします。
その原因は、日本の官僚です。
官僚は、方向転換できません。
年功序列、前例踏襲では、過去の成功体験の路線を踏襲します。
世界は変わるので、必ず、衝突し、破局を迎えます。
内向きになって、まず、閉じこもります。
根本原因を改めない限り、何度でも失敗します。

2013/10/7(月) 午後 6:38 [ 悲歌慷慨 ]


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