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ミッチェル著(大久保康雄、竹内道之助訳)『風と共に去りぬ(五)』(新潮文庫、1977年) 読む前、本書は単なる恋愛小説だと思っていたが、完全な誤解だった。これは南北戦争とその後の再建という米国史上最大の激動の時代に振り回された主人公スカーレットの成長の物語である。てっきりハッピー・エンドになるものと思っていたのだが、幕切れはなかなかに苦いものであった。おそらく読者の大半は若い女性だと思われるが、この苦い結末に驚かされた女性は少なくないものと思う。読み手にも大人になることを要求しているのだろうか。 登場人物の中で最も魅力的なのは、やはりスカーレットであった。ここまで駄目に描かれるヒロインは稀であり、スカーレットの中に己の弱さを見出す人が少なくないがために、スカーレットは時代を超えていき続けているのだろう。対してメラニーは私にとって得体の知れない人物であった。スカーレットと対を成すキーパーソンなのだが、彼女のキャラクターはスカーレットを意識して人工的に生み出された感が強く、イマイチ魅力的でなかった。レットとアシュレのコントラストが絶妙なだけに、メラニーのキャラの弱さが本書最大の弱点だと言えるだろう。ただ、本書はこれを補って余りある魅力を有している。
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最近は、更新の頻度が少なくなって、お忙しそうですね。
2008/6/18(水) 午前 0:50