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長い間更新できず、申し訳ありませんでした。実はブログを移転しました。週末のみの更新になるかと思いますが、細々と続けていきたいと思っています。これからもよろしくお願いします。以下が新ブログのアドレスです。 |
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ミッチェル著(大久保康雄、竹内道之助訳)『風と共に去りぬ(五)』(新潮文庫、1977年) 読む前、本書は単なる恋愛小説だと思っていたが、完全な誤解だった。これは南北戦争とその後の再建という米国史上最大の激動の時代に振り回された主人公スカーレットの成長の物語である。てっきりハッピー・エンドになるものと思っていたのだが、幕切れはなかなかに苦いものであった。おそらく読者の大半は若い女性だと思われるが、この苦い結末に驚かされた女性は少なくないものと思う。読み手にも大人になることを要求しているのだろうか。 登場人物の中で最も魅力的なのは、やはりスカーレットであった。ここまで駄目に描かれるヒロインは稀であり、スカーレットの中に己の弱さを見出す人が少なくないがために、スカーレットは時代を超えていき続けているのだろう。対してメラニーは私にとって得体の知れない人物であった。スカーレットと対を成すキーパーソンなのだが、彼女のキャラクターはスカーレットを意識して人工的に生み出された感が強く、イマイチ魅力的でなかった。レットとアシュレのコントラストが絶妙なだけに、メラニーのキャラの弱さが本書最大の弱点だと言えるだろう。ただ、本書はこれを補って余りある魅力を有している。
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ミッチェル著(大久保康雄、竹内道之助訳)『風と共に去りぬ(四)』(新潮文庫、1977年) 金だけのためにスカーレットはケネディと再婚する。スカーレットの行動のプラグマティズムに驚かされたが、彼女の行動を全く理解できないという人間、特に女性はいないのではないか。恋愛と現実の葛藤の間で揺れ動く人間の弱さを巧みに描ききったからこそ、本書は今なお読み継がれているのだと思う。 ちなみに私にとって最も興味深かったのが、本書を読むことでクー・クラックス・クラン(KKK)が誕生した背景が良く分かったことである。本書に登場する主要な男性が全てKKKのメンバーに加入したことから分かるように、少なくとも当時はKKKは極端な差別主義者の集まりでは無かったわけであり、北部の南部に対する抑圧や、解放黒人による南部女性への暴行などへの義憤に駆られた南部の貴族男性の集まりだったのである。本書は、人種社会アメリカを紐解く一冊としても優れている。
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ミッチェル著(大久保康雄、竹内道之助訳)『風と共に去りぬ(三)』(新潮文庫、1977年) 母の死、父の廃人化、アシュレの帰還などスカーレットをめぐる人間関係の激変とともに、南北戦争の敗北によりアメリカ南部の社会も地殻変動に見舞われる。前者については、そこそこ面白かったが、私にとっては後者の記述。南北戦争後の南部の混乱の有様を本書ほど雄弁に描いたものはない。奴隷解放によって黒人が大きな顔をするようになったのは知っていたが、北部は南部を効果的に支配するために、南部のかつての支配者階級に投票権を与えない代わりに南部のプア・ホワイトを解放局の役人に任命して、南部社会の分断を企てている。南北戦争というと、一般的にはどうしても北側の視点から語られがちだが、この本を読むと南部からの視点を垣間見ることができるので面白い。 また、この巻ではアシュレ、バトラー、ケネディという3人の男の間で揺れ動くスカーレットの気持ちの変化の描写が見事。本巻ではタラ復興のために腕をふるうスカーレットの強さが描かれているが、他方でこのようにスカーレットの抜け目の無いところも上手く書き込まれており、一層この主人公を魅力的にしている。
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今日は午前中から図書館に引きこもって論文の修正。字数の削減はかなりの苦痛を伴うもので、決して楽なものではない。さらにこの後、各方面からいただいたコメントを踏まえて内容にも微修正を加える必要がある。帰宅後はジムへ。帰国日が迫ってきたので、体力作りとダイエットの必要性が高まっているので、ジムに通う習慣がいい具合にできつつある。 夜はつい先日ひょんなことで知り合いになった台湾のVIPと夕食をとった。元政府高官なので、こちらもそれ相応の人を出す必要があるので、N将軍、Y教授、そして職場関係者を含めた会食としてアレンジした。この某氏の見識もさることながら、この方の父君は蒋介石の腹心だったということもあり、話は歴史にも及んだ。あらためて、日本、台湾、そして中国の三角関係の微妙さを理解。帰宅後、何と某氏から感謝のメールが来ていて感激。日本の出席者の方々もこの会食に満足してくださったようなので、会食をアレンジした甲斐があったというもの。 このように台湾への接近(?)を図っているのを察せられたのか、中国の某メディアに勤務している友人から絶妙なタイミングでメールが来た。四川地震を受けて日本が中国に派遣した援助隊が活躍したことから、中国人の対日感情が好転している、というニュースをここ数日散見する。この彼女もまた日本の援助隊に言及しており、「日本の援助隊が現場から遺体を搬出した後黙祷している写真があるんだけど、多くの中国人がこの情景に感動させられたわ。私達は皆、あなたの国家に感謝しています。」と書いていた。私は、「反日」こそが中国人、そして共産中国のアイデンティティの一部である限り、対日感情の完全な好転はあり得ないと考えているが、このようなことの積み重ねによって日本に対する偏見が和らいでいくということはあり得ると考えている。ちなみに北京駐在のシンガポールの官僚からも日本の援助隊の活躍を賞賛するメールをもらった。いかに日本の対中政策が外国の専門家から注目されているかが分かる。
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