A Japanese In Boston(第三幕完結編)

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クラシック+ジャズ

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私はクラシックとジャズが好きです。ボストンではアマチュアのオーケストラで打楽器を演奏しています。アメリカの音楽事情について書き綴ります。
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 今日はコンサートの本番ということで、朝から落ち着かない。午前中は自室で勉強したが、なかなかはかどらない。お昼はジャージャー麺を作って食べた。これがなかなか美味なのだ。昼過ぎに車で会場である教会に行って、最後の練習に臨んだ。

 コンサートは午後4時から。今回のコンサートで一番心がけたのが、立つタイミングだったりする。どういうことかと言うと、シンバルは休符が多く、曲の大部分は席で座って待つことになる。私はこの2年間で30以上のコンサートに通ったが、この過程で気づいたのが、打楽器奏者が立ち上がると聴衆の目がそちらに向かうということである。私はこれを逆手にとって、ギリギリのタイミングで立ち上がって、聴衆をじらすことにした。実はこれはプロの奏者がよく使う手であり、これの応用版として、打楽器パート内で、奏者が一斉に立ち上がるような取り決めが成されることもある。聴衆への見栄えが良いからだ。

 この作戦が成功したのか、あるいはもともとマーラー『巨人』のシンバルがあまりにもオイシイためか、かなり多くの聴衆の目を奪うことに成功した。私が立ち上がると、かなりの数の聴衆が私を見、なかには隣の人にささやきかける人や、楽しそうな表情をする人がいた。4楽章で一発打ち損なうという痛恨のミスをしてしまったが、それ以外は極めて良くできた。オーケストラ全体としても、ミスは勿論多発したが、総合的に見れば練習よりも遥かに良い出来だった。

 つい先日知り合ったばかりの教授の方々が見に来てくださったので、ご挨拶させていただいた。アメリカ人の友人夫妻も来てくれたので、雑談した。そしたら指揮者のシンシアから「素晴らしい出来だったわ!もう怪我は良くなった?」と声をかけられ、握手を求められた。演奏後に(美人)指揮者から握手を求められるのは、音楽家冥利に尽きることだ。

 これでアメリカでの音楽活動は終わった。今思えば、渡米直後、アメリカの生活にも慣れておらず、言葉も不自由だったにも関わらず、よくもまあコミュニティのオーケストラに飛び込んだものだと思う。ただ、実は渡米以前からアメリカの市民オケに入ることは考えていた。アメリカのコミュニティを知るいい機会だし、そして何よりも音楽を演奏することに優る喜びは無いからだ。留学生活の2年間は、音楽に打ち込んだ2年間でもあった。おかげで楽器の腕(特に、苦手としていたシンバル)がかなり上達した気がするし、とにかく自信がついた。帰国後も音楽を続けるのは、仕事の関係上至難の業であるが、最早音楽無しでは生きていけない体となってしまった。何らかの形で音楽と関わっていきたいと考えている。

ドレス・リハーサル

 明日、ケンブリッジ交響楽団のコンサートがあるので、今日は朝9時半からドレス・リハーサルが行われた。集合は朝9時。土曜のこの時間に起きるのはかなりつらい。おかげで練習中にあくびを連発する羽目に。個人的にはかなりいい具合に仕上がっている。好きなマーラーの『巨人』を演奏できるので、もうやる気が違うのだ。毎日、最低一回はCDを聴いているので、ほぼ暗譜した。指揮者のシンシアと私の音楽的感性はかなり似通っており、私が一番燃えるところでは必ず彼女は私を見ている。私は結構マニアックなところで燃えるタイプなのだが、そういうところでも必ず彼女は私を見るのだから恐れ入ったものである。今日、彼女から受けた指示はただ一つ。3楽章の終わりのサスペンド・シンバルをもっと出せとのことだった。何とこの楽章はサスペンド・シンバル、銅鑼、バス・ドラムの弱音で幕を下ろすという極めつけのシブさを誇るのだが、こういうところにも指示が来るのだから凄い。非常に密度が濃いリハーサルであった。

 午前中から全開で活動したので、疲労困憊。昼寝したら何と3時間も眠ってしまった。連夜の会合で夜も遅く、疲労がピークに達していたのだろう。実は今夜はバレエを観に行く予定だったのだが、急遽キャンセルして自宅でのんびり過ごすことにした。今日は3つの小品のパフォーマンスであり、生オーケストラが使われない可能性もあるし、明日の本番に備えて体調を整えたいという思いがあった。また、勉強もしないといけない。

 最近、私の関心分野である中国では余りに多くのことが起こりすぎており、私はちょっと消化不良気味。チベット暴動、聖火リレー、日中首脳会談、四川地震といった一連の事件は私の専門である中国の外交・防衛政策にもろに絡むものである。中国の防衛とどういう関係があるのかと思われる方がおられるかもしれないが、チベット暴動では人民解放軍が出動したし、聖火リレーの警備は武装警察が担当し、日中首脳会談では防衛交流が主要トピックの一つとなったし、四川地震でも人民解放軍が出動している。はからずも、これらの事件は中国における人民解放軍の役割の重要さを世界に知らしめることになった。

 また、もう一つの関心分野である西武ライオンズだが、ご存知のとおり下馬評を大きく覆して首位を独走している。ただ、昨年も交流戦までは調子が良かったのだが、交流戦で失速、最後は5位に終わってしまった。今年もそうならないという保証は無い。和田とカブレラが抜けた打線がホームランを打ちまくっており、マスコミの関心を集めているが、昨年との決定的な違いは先発陣の充実ぶりだろう。涌井、石井、岸、帆足、キニー、西口と枚数が揃っている上、キニーを除き皆二桁勝利を経験している実力者揃い。唯一の不安材料だった西口も先日やっと今季初勝利を挙げたし、磐石の態勢だ。問題は北京オリンピックに誰が呼ばれるか、であろう。今のところ涌井と中継ぎの岡本が呼ばれる可能性が高いと言われているが、呼ばれる投手が彼ら2人のみだったら西武にとっては御の字である。岸と帆足のどちらかも呼ばれてしまうと西武は苦しくなるだろう。この辺りがポイントになると思う。
 また1週間が始まった。週末の危機シミュレーションのおかげで曜日感覚が狂ってしまったが、今日は紛れも無く月曜日。しかも、今日は中国語の期末口頭試験の日であった。それにも関わらず、対策を始めたのは今日の朝という有様。原稿は先週書き上げて先生から添削してもらったのだが、添削済みの原稿を受け取るのをすっかり忘れてしまった。週末に受け取ろうと思ったところ、先生が週末は学校に来れないとか言うので、結局、原稿を受け取ったのは試験開始の30分前。30分間、車の中でひたすらプレゼンの練習をした。
 
 先学期の期末のプレゼンでは中国の戦略文化について語り、クラスを沈黙に陥らせ、挙句の果てにBプラスというこれまでとったことの無かった成績をとってしまった。中国語の単位を落とすと卒業できないので、今回は遺憾ながらも中国人達に屈服してしまい、儒家思想と中国人の科学精神という当たり障りのない内容の話をした。ただ、皆のプレゼンと私のプレゼンを比べてみたところ、私のスピーキング力が劣っているのは明らかであって(クラスメイトの圧倒的多数が中国人)、確かに先学期のBプラスというのはまあ妥当な成績だったのかもしれないなと思ってしまった。質疑応答もイマイチの出来だった。また、中国語の宿題があったことをすっかりと失念しており、午後は図書館で中国語の勉強をする羽目に。帰宅後、疲労のため、爆睡。

 夜はケンブリッジ交響楽団の練習。今日が最後の練習だった。マーラーの交響曲第1番を通して練習した。演奏してみてあらためて、この作品がたまらない魅力にあふれた作品であることが分かった。オーケストラのレベルが低いのが玉に瑕だが、それを補って余りある魅力がマーラーの音楽にはある。自然を描写したとも言われる第1楽章は極めて完成度が高い。最後の最後のティンパニとオーケストラ全体の掛け合いに見られるように、ユーモラスなところもあり、言うことがない楽章だ。シンバルはたったの3発のみの出番だが、ご存知のとおり、最初の一撃は曲調を完全に変化させる決定的な役割を果たす。

 シブさにおいて第3楽章に勝る音楽は他にないのではないか。何とティンパニのソロで曲が始まり、ティンパニのリズムに合わせてコントラバスがメロディを奏でるのである。これはマーラーの音楽でも最も好きな部分の一つだ。http://www.youtube.com/watch?v=Jsf0xJvlMuw
第4楽章は打って変わってとにかく激しい。ツイン・ティンパニが炸裂する他、金管も爆発。最後にはホルン奏者は起立して演奏することを求められる。それにしても自分が心から愛する音楽を演奏することができる幸福感がここまで大きいものだとは思わなかった。社会人になってもアマチュア・オケで演奏し続ける人やオケを立ち上げる人がいるが、彼らの気持ちが少し分かったような気がする。

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〜1日〜

 朝8時にハーバード・スクエアで韓国の外交官の友人と待ち合わせ、コピーセンターに行って修士論文の製本を依頼。朝9時からの授業まで時間があったので、2人でコーヒーを飲む。帰国までの間、週2回のペースで日本語と韓国語のLanguage Exchangeを始めることに決定。ハングルを読め、旅行レベルの会話をできるようになるのが目標。友人は平仮名は読めるようなので、私よりも一歩先を言っている。彼は学校で日本語を習ったことはないものの、独学したことがあったという。

 午後から、アジアセンターの創立10周年記念イベントに参加。何といってもお目当ては東アジアの将来についてのパネル・ディスカッション。エズラ・ヴォーゲルの司会の下、中国経済の専門家のサイチ教授、中国外交・軍事のロス教授、そして三菱商事元会長の槙原稔氏による議論が行われた。物議を醸し出したのがロス教授の「アジアに大国は2つしかない。アメリカと中国だけだ。」という発言。アジアセンターは日本企業(特にトヨタ)からの寄付金に依存しており、このイベントの趣旨も日本の貢献に感謝するというものだっただけに、この発言は日本学者や日本人達からの反発を招いていた。

 私もロス教授の発言には同意しかねる。ロス教授はアメリカと中国の国力を過大評価しているとともに、これはアメリカ側の視点にしか過ぎない。中国の国力がいかに危うい均衡に立っていることは周知のとおりだが、これに加えてアメリカもイラク戦争に負けつつあり、アジアにまでとても手がまわせていないのが現状だ。さらに昨今の金融危機は一層アメリカの影響力を低下させた。これらの事実を無視してアメリカがアジアの大国だというのはいかにもアメリカ的な傲慢な議論である。また、中国自身、中国はまだまだ総合国力で日本に遅れをとっていると分析しており、中国とアメリカがアジアの二大国だとする議論は中国ではほとんど見かけない。中国で影響力があるのは、世界がさらに多極化するという議論であり、アジアについて言えば、日米露中の4大国が凌ぎをけずるという議論が通説と化している。また、国防費と名目GDPで言えば確かに米中がアジアの二大国になるが、これらの指標が国力を反映したものでないことは、アメリカがイラクとベトナムに勝てなかったことで明らか。文化的な影響力や経済の構造(依然として日本とは主従関係にある)を考えれば、中国はまだまだ大国とは言いがたい。

 その後、修士論文のとりあえずのバージョンを学部に提出。疲れたので帰宅して寝ようと思っていたら、アメリカ人の親友から電話がかかってきて、急遽、夕食をともにすることにした。台湾料理のMulanで美味い台湾料理をいただいた。ビールを飲んで解放感に満たされた。

〜2日〜

 朝の中国語の授業の後すぐ帰宅し、N将軍との勉強会の準備をするとともに、部屋の掃除。なかなか暇にならないものだ。N将軍との勉強会の後、韓国の外交官の友人と夕食をとり、その後私の部屋に移動し、他の友人も集まって軽い打ち上げをした。大規模な宴会をセッティングする時間が無かったので、声をかける範囲を修士論文を書く際に世話になった人に限定したのだが、それでも人が連鎖的に増えて6人が私の部屋を訪れた。夕食を含めれば6時間近くも酒を飲み続けたことになり、かなり酔っ払った。しかし、皆楽しんでくれたようでよかった。

〜3日〜

 さすがにこの日は休もうと思い、勉強を一切せず、寝まくった。夜はボストン・バレエの『白鳥の湖』を観に行った。欧米ではバレエは日本以上に社会に根付いており、大都市は必ずバレエ団を有している。ボストン交響楽団は外国人、特にアジア系の聴衆がやけに多いのに対し、バレエやオペラは聴衆の9割5分近くが白人。まだまだアジア人にとってはバレエやオペラの敷居は高いが、アメリカのハイソの雰囲気を知る格好のチャンスだし、実のところ余程オーケストラのコンサートよりもとっつきやすいので、もう少しアジア人もバレエやオペラを観に来ればいいのに、といつも思う。

 このバレエは3年前にボリショイ・バレエの演技を観て以来だったが、あらためて本作がバレエの代名詞であることを納得。チャイコフスキーの限りなく優雅な音楽に合わせて、宮廷をモチーフにしたセットの上で、豪華な衣装をまとった男女が踊る。これを観るだけで幸せな気持ちになる。プリマが傑出していた。白鳥の優雅さとか弱さを見事に演じきっていた。ここのオケは悪くない。チャイコフスキーの音楽は素晴らしいの一言。音楽を聴くだけでもこのバレエを観る価値がある。バレエ組曲に入っていない曲も実は名曲揃いなのだ。
〜28日〜

 この日はMITの日本と東アジアの安全保障の授業でプレゼンをした。準備のために朝一の中国語の授業の後、即座に帰宅。原稿とパワーポイントをチェック。プレゼンは約20分で、その後これまた20分ほどの質疑応答が行われる。英語のプレゼンはかなり久しぶりだったが、中国語でのプレゼンはそれこそ無数にこなしてきたので、「人前で外国語でプレゼンする」ことにはいつの間にか慣れてしまった。プレゼン中にサミュエルズ教授から質問を投げかけられた時はちょっと動じてしまったが、それ以外はとてもよくできた。昨年行ったプレゼンでは質疑応答ではそれこそ死ぬ思いをしたものだが、さすがに英語力がついたようで、今回は無難にこなせた。英語でプレゼンと質疑応答を問題なくこなせる、というレベルに達することができたことを実感し、有意義だった。帰宅後は図書館に行って修士論文の作業。

〜29日〜

 朝一の中国語の授業の後はいつもどおり図書館に引きこもって修士論文の執筆。アメリカ人の女の子から添削された修士論文の一部を受け取った。彼女は博士課程で多忙な中私の論文を添削してくれたので、お礼としてケーキをプレゼントした。「私は今太っているけど、ケーキがあまりにも美味しそうなので、ジムで運動をしてから食べることにするわ。」と喜んでくれた。彼女の指摘を踏まえて修士論文を修正。

〜30日〜
 
 朝一の中国語の授業の後、ライティングチューターと会った。ジョンストン教授の指摘を踏まえて2つの「付録(Appendix)」を書き上げたので、これをチェックしてもらった。彼女からはあらためて出版を勧められた。論文を投稿することになったら是非連絡をくれとのこと。私が日本に帰国した後でも、私の原稿を添削してくれるとのことだった。こういうサポートは嬉しい。その後、アメリカ人の親友とお茶し、台湾人の友人とLanguage Exchange。午後は修士論文の最終チェック。とりあえずのものを明日学校に提出する必要があるのだ。細かい文法や表記などをとことん直し、夕方にプリントアウト。本文100ページ、付録や参考文献表を含めて143ページの、修士論文としてはかなりの大作となった。

 夜はボストン・リリック・オペラを観に行った。モーツアルトの『後宮からの逃走』。恥ずかしながら序曲しか聴いたことが無かった。何と英語公演だった。字幕付きだったので歌はドイツ語なのだろうと思っていたが、歌も台詞も全て英語だった。何というか、英語によるオペラにはかなり違和感を覚える。この作品は喜劇であり、ユーモアに満ちていて楽しい。ただ演出が洗練されていないし、ストーリーとしても喜劇としては三流だろう。コーラスも無く、音に深みが欠けている。ぶっちゃけ、作曲家がモーツアルトでなかったら、すぐに消え去ってしまった作品だと思う。

 指揮が黒人だったのでビックリ。黒人の指揮者の演奏を聴いたのは初めてだった。この作品では四重唱や二重唱が多数あり、指揮者によるリズムの把握が重要になるが、この指揮者は無難にこなしていたように思う。キャスト陣はコンスタンチェが白眉。コンスタンチェのアリアのいくつかはかなりの難曲だと思うのだが、担当のソプラノは分厚い高音を聞かせてくれた。オーケストラは最初の序曲でオーボエがミスをし、弦もズレるなど、最初はどうなることかと思ったが、次第にそれほど粗は気にならなくなった。ちなみにこの作品はトルコの後宮が舞台。当時、トルコはヨーロッパにとっての軍事的脅威であるとともに、文化の面での憧れの的であり、ヨーロッパではトルコ趣味が流行していた。トルコらしさを醸し出すためにモーツアルトが使ったのがシンバルとバスドラムだったりする。私が知る限り、シンバル、バスドラム、トライアングルを使った最古の作品がこの『後宮からの逃走』である(勿論、これ以前にも該当する作品が存在した可能性はあるが、残存していない。)。序曲は勿論のこと、太守セリムが登場する場面ではこれらの打楽器が実に効果的に使われている。

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