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今日はコンサートの本番ということで、朝から落ち着かない。午前中は自室で勉強したが、なかなかはかどらない。お昼はジャージャー麺を作って食べた。これがなかなか美味なのだ。昼過ぎに車で会場である教会に行って、最後の練習に臨んだ。 コンサートは午後4時から。今回のコンサートで一番心がけたのが、立つタイミングだったりする。どういうことかと言うと、シンバルは休符が多く、曲の大部分は席で座って待つことになる。私はこの2年間で30以上のコンサートに通ったが、この過程で気づいたのが、打楽器奏者が立ち上がると聴衆の目がそちらに向かうということである。私はこれを逆手にとって、ギリギリのタイミングで立ち上がって、聴衆をじらすことにした。実はこれはプロの奏者がよく使う手であり、これの応用版として、打楽器パート内で、奏者が一斉に立ち上がるような取り決めが成されることもある。聴衆への見栄えが良いからだ。 この作戦が成功したのか、あるいはもともとマーラー『巨人』のシンバルがあまりにもオイシイためか、かなり多くの聴衆の目を奪うことに成功した。私が立ち上がると、かなりの数の聴衆が私を見、なかには隣の人にささやきかける人や、楽しそうな表情をする人がいた。4楽章で一発打ち損なうという痛恨のミスをしてしまったが、それ以外は極めて良くできた。オーケストラ全体としても、ミスは勿論多発したが、総合的に見れば練習よりも遥かに良い出来だった。 つい先日知り合ったばかりの教授の方々が見に来てくださったので、ご挨拶させていただいた。アメリカ人の友人夫妻も来てくれたので、雑談した。そしたら指揮者のシンシアから「素晴らしい出来だったわ!もう怪我は良くなった?」と声をかけられ、握手を求められた。演奏後に(美人)指揮者から握手を求められるのは、音楽家冥利に尽きることだ。 これでアメリカでの音楽活動は終わった。今思えば、渡米直後、アメリカの生活にも慣れておらず、言葉も不自由だったにも関わらず、よくもまあコミュニティのオーケストラに飛び込んだものだと思う。ただ、実は渡米以前からアメリカの市民オケに入ることは考えていた。アメリカのコミュニティを知るいい機会だし、そして何よりも音楽を演奏することに優る喜びは無いからだ。留学生活の2年間は、音楽に打ち込んだ2年間でもあった。おかげで楽器の腕(特に、苦手としていたシンバル)がかなり上達した気がするし、とにかく自信がついた。帰国後も音楽を続けるのは、仕事の関係上至難の業であるが、最早音楽無しでは生きていけない体となってしまった。何らかの形で音楽と関わっていきたいと考えている。
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