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ネックが下がった?!

 以前いただいたご質問にお答えします。

 質問は「指板が下がったって言われたんですけど」というもの。

 まず、指板が下がったってどういうこと?から。ちょっと難しくなってしまうんですけれどご説明しますね。
 バイオリンはきちんと整備が終わった状態では指板の延長線上、駒が立っている位置では高さが27mm前後になっています。これによって駒の高さが33mm前後と決まってきます。これは表板にかかる圧力の問題で結構重要なことです。 
 でも指板は使っているうちに磨り減ってきたりして何度も指板を削っているうちにどんどん薄くなってきます。それにあわせて駒も下げていくのでどんどん下がってきます。あまりに指板が薄くなってしまったら厚い物にして駒も高いものにします。これは別に壊れたとか言う訳でなく長い年月使っていればしょうがないメンテナンスの一部と考えていいと思います。
 次にご質問の指板が下がったバージョン。これは、渦巻きが常に弦によって引っ張られているこで起こってきます。弦1の力は強く常にテールピース側に引っ張られているのでネックのボディーに刺さっているところを中心にして表板側に反ってきます。そのため、てこの要領で反対側の指板の端は逆に下がってきてしまいます。これがいわゆるネック、指板が下がる原因の一つです。
 もう一つの原因は楽器の胴体は気候に合わせて膨らんだりしぼんだりするというのがあります。夏場は特に膨らむので相対的に指板と楽器の距離が縮まり指板が下がった状態になってしまいます。

 指板が下がってしまったらどうするか。 これはケースバイケースで複数の修理方法があってその楽器に適した方法がとられます。 
 私のお気に入りメソッドはニューヨークネックリセット。なぜニューヨークかは知りませんが、イギリスやアメリカではそうよばれています。日本ではネック上げと呼ばれているのがこれに相当すると思います。(よそのお店の修理名称にはちょっと自信がありませんが・・)これは表板の一部をあけて、閉じるときにちょっとずらして閉じるものです。特に他に問題ない楽器はこれでOKです。それほど期間もかからず大きな変化を得られる割にそれほど高額な修理でもないのでお勧め。
 ネックが厚かったら指板を一度とりはずしてから熱でまげて、指板とネック接着面を削って付け直すというのもあります。これは見かけの割りに面倒で、熱で曲げたネックが時と共に元に戻ってしまうこともありそれを防ぐためには多少期間が必要なやり方になります。
 3つ目はネックが薄くてなおかつ楽器と指板の距離が近い場合には指板とネックの間に木を足すことも在ります。これは条件がそろっていないとしません。なのでやりそうでやらない修理方法かも知れません。
 最後の方法はなんらかの事情でネックそのものを一度楽器から取り出してもう一度はめ込みなおすという方法、これはお金も時間もかかる方法です。
 
 指板が下がるというのはよくあることなので、もし下がってしまったら信用できる人とよく相談してみてください。とにかく指板がさがったから指板を交換ということはありえません。指板を交換する必要があるときは長年の使用で薄くなってしまった、ひびがはいったなどかなり限られたケースになります。

 指板を上げると音はどう変わるか。もし低音に余分な振動がある場合はかなりクリアになり音量もますことが多いです。ただあまりにも表板が薄い場合には駒からかかる圧力が増えるため軽い弦に変える必要があることもあります。それでも相対的には表板のCを傷つけるのを防ぐためにもきちんとした高さの駒を立てられるよなネックの角度をつけることをお勧めします。

かなり専門的になりましたが、ちょっとご自分の楽器もごらんになってください。表板から計って駒の高さが30mm以下でなおかつ弦を押さえにくいと感じていらっしゃる方は用注意です。

チェロ

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 今はチェロと格闘中です。それもあって修復系のことを書いてなかったりして。まあ今格闘中のチェロは修復は必要なかったんだけどセットアップやニスの引っかき傷のリタッチなんかは必要で・・・チェロは大変です。もって移動するのも大変だけど、調整するのも大変だし弦も高いし。音がいい弦をなんていっていると3万超えちゃうし。つくづくチェロを選んでしまった方の苦労は並外れたものではないと思ってしまいます。

ところでこのチェロ、先月イタリアで仕入れてきたモダンの東欧製です。ポーランドかルーマニアではバイオリン製作の始祖と仰がれていた人の作品。でもそれがわかるまでは長い道のりだったんです。イタリアでモダンイタリアンでは権威ある2人の鑑定家に見せたんだけど1人はまったく何もわからない、もう一人は自分ではイタリアンと確信しているけれど何でかといわれても理由は自分でもわからないというなんともあやふやな答えしか見つからなかったの。結局、中に入っていた焼印からマルデュラと発覚。その人についてはなんと2冊も本が出ているそうな。有名人じゃん!
 
 それはともかくようやくセットアップも終わり、今度は弾き手探しに入りました。さすがモダン、良くなります。見た目も鑑定のプロがだまされちゃうほどイタリアンしてます。お見せしたディーラー多くが焼印を削りたがった訳がわかる?ほど。そういうことされると困るんですけどね・・・・まあ良心的な方とお付き合いしましょう。

まさかここまで!

 今週は13日から月末までお休みいただいています。そのため今月は新たに修理の仕事を請けなかったのでかなり暇なんです。なのでその暇を利用して一人でいろいろガチンコ対決してます。それの実験台に選ばれたのは、1690年ぐらい作のオールドイタリアン。この楽器はオランダのバイオリン教師でもう引退しちゃった方から委託販売のためにあずかっています。そして完全におまかせされているので改良の手を加えさせていただいています。
 
 それでこのところ何をしていたかというと。太さの違う魂柱を立てたり違う材質の駒を立ててみたり。はじめはdespiuというメーカーの駒を立てていたんだけれど昨日aubertのデラックス立ててみた。デスピューは日本ではまだ人気が薄いけれどイギリスやアメリカではかなり人気でオーベルを止めてこちらに在庫を切り替えているところも多いメーカー。それでまず立ててみた。結果は可もなく不可もなく。問題は音が平らな感じ。違いが出しにくい。立てた駒の形はイギリスで来る世代のトップを狙うフローリアン式。ここの駒の特徴は足の短さ。そしてトップも足も厚め。この形は間違いなくモダンではかなりパワーを発するはず。全体的に駒の強度が高いつくりになるからモダンにありがちな荒っぽさをけしてくれる。でも今回の楽器には没。だからその駒をベア式にしてみる。ベアは今押しも押されもせぬ世界のトップ。こちらの駒の形はは日本でも優秀なお店は採用しているところが多いからなじみがある人も多いと思う。特徴は全体的に薄めで足も長い。このスタイルは実は楽器自体がそこそこのものじゃないと上手く働かない。安い楽器でこの形の駒を立ててしまうと音が荒くなる。この形では音に多少幅は出たけれどもう少し良くなりそうな気もする。
 そして昨日デラックスで立て直してみた。今回は初めからベア式で。信じられないくらい音が変わった。かなり音に深みが増したし幅もある!まったく同じデザインなのに!昔からオーベルのスタンダードとデラックスではまったく音が替わるのは知ってたけど、デスピューとは比べたことなかったから知らなかった。特に今は多くの有名店が乗り換えてるから実は全然音がかわらないんじゃないかと思ってたけどそんな事なかった。確かに値段も倍近いけれど正直言って今までオーベルが高いのは有名だからと思ってたから・・・・
 
とにかくかなり満足です。今改善できそうなのはG線のハイポディション。もう少しばちっとでてもよさそうな気がします。これはきっと魂柱かな。これももっとよさそうな材質のを探してみるか。

 やっぱりイタリアンオールドは調整の反応が良いから面白いです。勉強にもなるし。ここまで徹底的にできるのも仕事がないから・・・たまには暇にもするものです。

進展

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この間の裏板のための石膏型ができてきました。この石膏型が裏板の将来あるべき姿に近い形になります。光の加減で写真では判りにくいですがかなり形が違います。この石膏型は表板から一度ネガティブをとりそこから加工を加えてポジティヴにし加工しなおしたものです。この型からもう一度石膏を取ってプレスしていく予定です。

ハッハッハ

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この裏板は相当ひどいことになってます。
ここまでぐにゃぐにゃだともう石膏型もとれませんからねえ。といっても後一年もしたらこの裏板も復活しているはずです。ここまでなっちゃうとこれはこうという決まったテクニックがあるわけじゃなくて
Use your fantasy! とかいわれちゃうんですね。でもなんとなくこういうやり方でやろうというめどは立ってきました・・・
こうご期待?


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