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実は修理しているバイオリンの1つが呪われてるんじゃないかと本気で思ってたりする。その楽器が初めにうちに来たのはもう半年以上前だったと思う。いくつかある割れがあまりきれいに修理してないからやり直して欲しいという相変わらずの注文だった。大して問題はないと思い引き受けた。それからは災難続きだった。修理の楽器にはなぜか解らないけどやる気が出る楽器と出ない楽器がある。初めからこれはいまいちやる気が出ない楽器ではあった。修理をすればするほどおかしなことが出てきた。割れに色をつける段階になって、もともと塗ってあるニスがアルコールでないのは確かにしろオイルでもないような気がしてきた。案の定、色をのせていくとアルコールニスともいわゆるオールドニスとも違う反射率にどうしようもなくなってしまった。どうしても普通に持ってみて見えないようにするとある方向から見ると白い筋が見えてしまう。どうしようもできなかった。
そしてその楽器がオリジナルではない可能性が強いいくつもの証拠を見つけてしまった。
11月の中ごろどうにか終わらせて納品した。なにかから開放された気分だった。そして先月直したところの一つがまた開きだしたといわれた。一回引き受けてしまったものは断れないのでしょうがないから直した。そしてそれが終わって数日後にはすでに新たに開きだしていた。考えられるのは以前がわれを閉じずにニスがのせられたために木がニスを吸い込んでしまってニカワでは張り付かない。それしかない。しみこんでしまったニスはもう引き出せない。その上その割れていた場所の厚みは1mmしかなかった。結局パッチを貼ることになった。どちらにしろ厚みが2mmは欲しいところだ。その上すでに内側の70パーセントはパッチに覆われている。いまさら10パーセントくらい増えたところでどうにもなりはしない。
一昨日パッチを貼った。
明日からニスをきれいにする。
でもどう考えても呪われている気がする。他の楽器でいつも使う方法がことごとく上手くいかないような楽器だ。今回の修理が終わったらもう二度と見ないですむことを期待している。
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