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今、バイオリン製作は新たに黄金期を迎えつつあるらしい。これは私の個人的な思い込みではなく世界をひっぱっているリーダーたちの共通した認識のよう。イギリスのthe Stradという雑誌が5月号でそういった記事をのせていた。
確かに考えてみると黄金期に突入しかけているというのは考えれば考えるほど納得できる話。まず900年代初めに復興されたバイオリン製作が新たな産業として地位を確立したこと。そして明らかに製作技術が進歩していること。戦後バイオリンの価格が物価上昇率よりも速いペースで上昇していること。そして一番重要なこととして巨大なグローバルマーケットが出現したこと。芸術、文化どれも消費する人がいなければ成り立ちませんから。
記事によれば本当に黄金期を迎えるためには後一歩のところなのだとか。確かに今、バイオリン製作界のトップたちはストラドやらガルネリのコピーの一歩先を行くオリジナルに挑戦している。そしてその重鎮たちの楽器はオールドイタリアンに負けないと評価する人たちも多い。ただ歴史が証明する頃は私たちはもう誰もいないだろうけど。そういう意味で古代ギリシャ文明を模倣して始まったルネッサンスが模倣を超えてオリジナルな文化になったのと似ていないともいえない。
気になる重鎮筆頭株はやっぱりジグモントービッチ。この人はニューヨークに住む製作家でアイザック・スターンもこの人の楽器を使っていたことがある。価格は5万ドルなり。そのほかJohn Dilworth,
Gregg Alf,Peter Beareなど。この人たちの共通点はグロバリゼーションとテクノロジーの進歩を味方につけ積極的に情報交換をしたこと。世界各地でワークショップやコンフェレンスを開催し、ナショナルがギャラリーの科学部門と協力した。イタリアの知ってることは誰にも教えてはならないという秘密主義の逆を行き今までの職人のあり方を変えてしまった。そしてそれが成功に結びついた。
結局みんな秘密なんてたいしたことない。だって知ってしまえば終わりだから。素晴らしいものを素晴らしくさせるのは知識ではなくて文化。イタリア人もそれに最近気づきはじめている。イタリアが確信されたときは本当に黄金期へまっしぐらだろう。
なんだか久しぶりに修理は脇においておいて楽器を作りたくなってしまった。本当は今手元にある楽器を里親に引き取ってもらうまでは作らないつもりだったんだけど・・・・・
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