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(3)
公式会見を終えチェギョンは、シンと一緒に最後のマカオの夜を過ごした。
チェギョンはシンの腕に自分の腕を絡めたままマカオ市内の散策とショッピングを楽しんだ後、二人きりで夕食をを済ませ、束の間の時間を楽しんだ。
そして、翌日。
珍しくシンより早く目を覚ましたチェギョンは、隣のベットで眠るシンを起こさない様にベットから下り隣の部屋に行こうとした時。
「何処に行くんだ」
シンの低い声が部屋に響いた。
隣の部屋に行こうとするチェギョンの体が一瞬固まった。
「起こしちゃった?ごめん」
振り返り笑みを作り言う。
「何処に行くんだ?」
「うん。ちょっと新鮮な空気を吸いに外に」
「外って・・・テラスかホテルの中庭にか?」
そう、シンは知っていた。
昨日、二人でマカオ市内を歩いていた時、シンに隠れる様に一週間、博物館の前で食べたエッグタルトを買ったお店の店主と何かコソコソと話していた事を・・・
「そう・・・そうよ」
「僕もお前と一緒に行く」
「えっ!」
「えって・・・何も驚く事ないだろ?テラスかホテルの中庭で新鮮な空気を吸うんだろ?」
「そうよ・・・」
「なら・・・良いだろ?」
「うん」
「味気ない返事だな〜。」
「も〜っ!分かったわよ・・・シン君は、何でもお見通しなのね。」
俯き少し拗ねた用に言うチェギョン。
「そ〜っ!拗ねるなよ!何時、僕がエッグタルトを買いに行くなって行ったか?お祖母様達のお土産にするんだろ?」
「うん。」
「なら、僕もお前と一緒に行く。」
「えっ!」
「お前一人、外に出して・・・もしもの事があったら困るから」
「大丈夫よ!シン君。この街は、シン君より私の方が分かるのよ・・・」
「確かにお前は、僕よりこの街の事はわかるが・・・お前は、一国の皇太弟妃だ!お前一人で外に出す事は、夫として・・・皇太弟として許可は出来ない。」
「あーっ!出たーっ!暴君王子」
「何―っ!暴君王子だとーっ!お前は、ちっとも僕の気持ちが分かっていない。お前と一緒に居たいんだよ」
思わず本心を口に滑らした。
気づいた時には、既に遅くチェギョンはシンに歩み寄り人差し指でシンの胸をグリグリしながらこう言う。
「一緒に居たいって・・・最初から素直に言ってくれればいいじゃない。」
シンは、チェギョンの腕を掴んだ。
「行くぞ!コン内官やチェ尚宮が部屋に来る前に行くぞ」
と言って二人は、部屋で着替えた。
シンは、このまま部屋で・・・
チェギョンはバスルームに駆け込み着替えを済ませた。
二人は、コン内官やチェ尚宮・・・そして護衛の人々に気づかれる事無く互いに手を取り、お忍びでお土産用のエッグタルトを買いに出かけた。
その頃、ホテルでは今だ起きて来ぬ皇太弟夫婦を起こしにコン内官とチェ尚宮が部屋に入ると既に、その部屋に二人の姿がなかった。
部屋に入ったコン内官とチェ尚宮は、部屋の中を見渡した。
コン内官は、部屋を出てホテルの中庭に出た。
すると二人は、中庭に置いてある椅子に座り楽しげに話していた。
コン内官は、胸を撫で下ろし二人に近づいた。
「殿下、妃宮媽媽おはようございます。こちらにおいでだったのですか?」
「おはようございます。」
「おはようございます。」
チェギョンは、何時もの様に頭をペコリと下げ挨拶した。
「ご朝食の準備が出来ておりますので、お部屋にお戻り下さい。」
「分かった。」
シンが応えるとチェギョンの手をとり真っ直ぐコン内官と共に部屋に戻った
部屋に戻ると既に朝食の準備が整えられ、コン内官から今日一日の日程を聞くとシンは、人払いを命じた。
マカオ市内のホテルの最上階の部屋で二人だけの朝食を楽しんでいた。
「今日で、マカオともお別れ。短いようで長かったなーっ・・・」
「そうだなーっ。僕にとっては、お前と離れていた時間がとても長かった。」
「シン君。こうしてシン君の近くで朝食が摂れるのも今日だけだね!」
「どうして?」
「だって・・・家に帰ったらまた、長〜いテーブルの端と端に座っての食事になるでしょ。私は、今見たいにシン君の側で食べたいな。話も良く聞こえるしねぇ」
「チェギョン」
「今日からまた、宜しくねシン君。」
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あ〜、良かった。 無事に帰ってきてて。
ちょっとドキドキしました。
宮殿のテーブルは本当に長〜いですよね。
あんなところで一人で食事をとってたのかと思うと
結婚前のシンの孤独が胸に刺さるようです。
家族と肩寄せあって和気あいあいと食べていたチェギョンにとっても
あのテーブルでの食事は寂しいでしょうね。
2008/6/13(金) 午後 8:50
チョコさんへ
そうですよね!
あんな広いテーブルで一人食事をするシン君の孤独が伝わって来ますよね。
シン君は、チェギョンと一緒になるまで本当の家族のあり方や暖かさを知らなかったと思います。
そして、チェギョンが皇室に来てから、家族の暖かさが出来てきたのかな?と思っています。
2008/6/16(月) 午後 3:47