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『寒い夜の読書』
ファン・ジニが詠った調詩と感詩を使ったある夜の二人です。
実は、ファン・ジニのHPを見て思いついたお話です。
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12月に入った途端、一気に季節は冬と変わり寒さが厳しい日も多くなって来た。
ソウル市街は、イルミネーションが輝き恋人達の甘い一時を演出していた。
一定の温度で調整されている東宮殿のリビングで、チェギョンは珍しく長椅子に座り
真剣な眼差しで本を読んでいた。
「珍しい事もあるんだなーっ。」
公務を終え、普段着のラフな格好に着替えリビングに入ってきた。
「さっきから、何の本を読んでいるんだ?」
長椅子に座り釘いる様に読むチェギョンに近づき背表紙を見ると、チェギョンが座る
目の前のソファーにシンは、座った。」
「名妓 黄真伊(ファン・ジニ)か・・・・」
「うん。シン君、黄真伊の事知ってる?」
「知っているも何も、お前が読んでいる・・・その本・・・・僕のだろ?」
「そりゃーっ、そうだけど・・・黄真伊が詠った詩経って素敵だと思わない。」
「黄真伊、容姿端麗で、歌・踊り・楽器演奏・漢詩等に優れた妓生。だが、彼女の
性格は、少しお前に似ている。自由奔放な所がなぁ!」
「何、それ。」
「それより、何で急に黄真伊なんて興味を持ったんだ?」
「思慕する人に出会うともう夢の中、私が歓ぶとき、歓びも私を訪れる。
できることなら離れていても夢の中で、一時でも同じ場所に居させてほしい。
素敵な漢詩だと思わない?今日、詩経の講義の教本に書いてあって、チェ尚宮お姉さん
に聞いたら、中宗時期に活躍した妓生、黄真伊が詠った詩経の一つだって教えてもらったの。」
「それで、黄真伊に興味を抱いたって事か・・・お前らしいなぁ。」
「うん。今まで高校の授業で古文や漢文を習ったけど、漢字ばかりで嫌な授業の一つだったのに、
漢詩には、作者の思いが、ぎっしり詰まっていて・・・読むだけで・・・素敵な語句や心に響く
語句がある事に気づいたの。」
シンは、チェギョンの話を聞きながらソファーの背もたれにゆっくり背を預け目を閉じた。
霜月の長い夜 その一部を切り取り
春風の如く暖かな布団の下に 畳んで入れておく
愛するあなたが訪れる夜 それを広げよう。
結婚後初めて訪れた海外公務タイで、シンが無断外出をした時、コン内官が詠っていた黄真伊の詩を
思い出していた。
この詩は、黄真伊が恋人への愛しい気持ちを詠ってる。
シンの愛しい人は、目の前で、黄真伊の伝記を必死になって読んでいる。
先程、チェ尚宮が淹れてくれたコーヒを飲みながらシンの前に座る愛しい人を見る。
真剣な眼差しで本を読む愛しい人。
時には百面相の様に、笑ったり、怒ったり、目に涙を一杯ためながら読む愛しい人。
「ああ
恋しい
恋しくてたまらない
そばにいてほしいと
素直に言えばいいものを
黙って見送れば
ただ恋しさが募るばかり」
「はぁ〜っ、ジニの気持ち分かるな〜」
突然、声を上げ朗読したと思えば、大きな溜め息を付き言うチェギョン。
「何が分かるな〜っだ!突然、何かを言い出したと思ったら、黄真伊の調詩か・・・お前に何が分かるんだ?」
本を抱き抱え、うっとりしながら言うチェギョンにシンは、ついつい何時もの様に悪態をついてしまう。
「分かるわよ!この調詩は、まさしく私が片思いをしている時やマカオに居る時の気持ちに被るのよ
ねーっ。私って・・・意外と切ない恋をして来たのねーぇ」
「はぁ〜?一体・・・何処の誰とそんな切ない恋をしたんだ。」
センチメンタルに浸るチェギョンに水を注す様に言うシンだが、シンの心中は穏やかでない。
「したわよ〜っ。シン君とね。私がマカオに行く前までとマカオに行ってから、まさしくこの調詩通り。
シン君には、分からないでしょうけど・・・片思いって・・・本当に苦しくて切ないんだから。
私なんて、片思いの相手が夫だって言うのが普通と違うけど・・・結婚前は、私も皇太子殿下に憧れを
抱いていた女子高生の一人。ただ遠くからシン君の姿を見ているだけで幸せだった。でも、出会いは最
悪だったけどね。」
「ああぁ。あの時は、皇太子である僕に絵具で汚れた水を掛けたあげく、この僕に食って掛かって来る
お前を何て女だと思ったよ。」
「私も・・・あれから、教室でシン君がヒヨリンにプロポーズしている所を目撃したり私達の第一印象
は最悪だったよね。」
「ああっ。」
「結果的に私は、自分で入宮を決め・・・皇太子妃になって・・・私がシン君とヒヨリンの間を勝手に
割って入ったのに勝手に私がシン君に恋して、ヒヨリンの名前が出る度に・・・シン君とヒヨリンの間
を割って入った罪悪感と同時にヒヨリンに嫉妬していた。」
「チェギョン」
「シン君を好きになればなるほど・・・シン君を思うと切なくて苦しかった。この調詩の様に素直に
好きって言えていれば・・・もっと違った展開になっていたのかなって・・・今は思う。」
「チェギョン・・・確かに僕は、ヒヨリンにプロポーズをした事実は消せない。だか・・・・ヒヨリン
を愛していたからプロポーズした訳ではない。僕とヒヨリンは似ている・・・似ているから・・・彼女
と一緒に居れば楽だから。だが、僕はお前と結婚した結婚して僕もお前に恋をした・・・僕こそ、お前
が朗読したさっき調詩の様に素直に自分の気持ちを言えていれば、僕とお前は、もっと早く・・・こん
な感じに、ラブラブだったかもな。」
と言ってシンは、チェギョンの隣に座りチェギョンの肩に手を回すと抱き寄せ、チェギョンの唇を奪い
抱き寄せた。
「今でも・・・僕とヒヨリンの間に割って入った事に罪悪感があるのか?」
チェギョンは、シンに抱き寄せられたまま”いいえ”と首を振った。
シンは、抱きしめていたチェギョンの体を離すと、シンは、チェギョンが持っている読みかけに本を取
り閉じた。
「お前は、ここから先は、読むな。」
「えーっ、どうして?ウノと黄真伊の恋の行方が気になるじゃなーい。」
※
「誰断崑山玉
裁成織女梳
牽牛離別後
愁擲碧空虚」
チェギョンから取り上げた本を持ちながらシンは、黄真伊が読んだとされる漢詩を朗読した。
「これが、ウノと黄真伊の恋の行方だ。」
END
※訳
誰が崑崙の玉を断ち
織姫の櫛をこしらえたのか
織姫は牽牛が去りて後
愁いて櫛を空に擲った
注)ファン・ジニHPより
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アンニョンです〜!
ファン・ジニとのコラボ ステキでした! チニの才能にあらためて感心しました。
シン君としては、ウノとの悲しい結末は チェギョンには知らせたくないですよね。
2008/12/16(火) 午後 4:08
miharuruさんへ
何時か宮のお話にファン・ジニのお話も入れようと思っていたのですが、ジニが作った調詩・感詩を調べ読むと余りにも、心打たれる物があったので、昨日、部屋で書きました。
シン君は、チェギョンにウノの悲しい結末を知らせたくないんですね。
チェギョンの事だから、ウノとの悲しい結末を知ったらワンワン泣いて大変だと思います。
そんなチェギョンを介抱するシン君も良いかも。
あ〜っ。
また、妄想の世界に引き込まれそうです。
2008/12/16(火) 午後 4:45
こんいちは。ともたんさん。
土曜日のファンジ二おもいだしました。
切ないですよね・・・
2008/12/16(火) 午後 5:36
ともたんさん、こんばんは!!
シン君もチェギョンも二人とも結婚当時はお互い片思いだったんですよね。
ファン・ジニの切ない想いがチェギョンの心に染み渡っているんでしょうね。
2008/12/16(火) 午後 6:23
tomotanさん
更新ありがとうございます。
「ここから先の恋の行方〜」はせつないですから‥。
ステキな話をありがとうございます。
2008/12/17(水) 午前 0:08 [ ocha_pyon ]
kyonさんへ
土曜日にファン・ジニは、本当に切なく、私なんてティッシュ片手に
号泣してしまいました。
切な過ぎました。
そして、最後のジニの詩が私の心に何か響いてきました。
2008/12/17(水) 午前 10:57
エンジェルさんへ
結婚当初の二人もお互い片思いでチニとウノの恋の様に切ない時期を
過ごしていたので、チニの切ない気持ちがチェギョンの心に染み渡り
ジーンとなっていると思います。
しばらくは、ファン・ジニがチェギョンのマイブームになりそうです。
2008/12/17(水) 午前 11:11
ocha_pyonさんへ
ファン・ジニの漢詩・調詩を読むと私の心にジーンと来ます。
そんなジニがウノを思った調詩をチェギョンが読み自分との恋を
重ね合わせたと思います。
2008/12/17(水) 午前 11:15
ともたんさん、再びこんばんは!
私も、BS2でファン・ジニ観てました。ドラマを観る前から、チニとウノの恋は悲恋だと知っていたので、二人のテーマ曲がかかる度に涙が出でしょうがなかったです。ウノが亡くなって、教坊の前で荷車が止まった時は、涙が止まりませんでしたよ(チャン・グンソク君も綺麗な顔立ちで、初恋の初々しい演技がよかったし)。
シン君、チニのウノへの漢詩を詠んだけど、チェギョンわからないことはチェ尚宮に聞いて、彼女らの悲恋がバレちゃうのでは???
2008/12/18(木) 午前 2:40 [ ake*ono*ich* ]