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サブタイトルは「商業からの視覚」。
著者は大阪学院大学流通科学部教授で、本書は、商業者によるまちづくりについてアプローチしたとのこと。 まちづくりに関する本は、とかく、ランダムに事例を紹介して結論は「リーダーの熱意が全て」みたいな内容が多かったですが、この本は著者の主張や論理がしっかりしており、とても勉強になりました。 まちづくりを商業サイドから分析・整理するというのは、私の思考・志向と会っていて、自分のもやもやとした考えをまとめてもらったような気がします。 ○基本的視点を商業主体たる個店に置き、個店ではなしえない部分の経営委譲としての商店街による日常的な経営活動を商店街活動と捉える。 ○①質の追求による高価格路線、②徹底した低価格競争路線、全く別の次元として③「まちづくり」という合言葉のもと、中小商業を中心に地域を巻き込んだ情緒的(社会貢献、ファンづくり)な流通競争の3つがある。 そこには、機能面での競争を避け、異質な価値の提供により地域生活者に対し質的接近を図ろうとする中小商業者の戦略が見られる。 第4章では、中小商業経営の厳しさの象徴として商店街空き店舗が取り上げられている。 ○空き店舗を埋めることでかつてのように全店舗が揃った商店街を再び取り戻そうという願望にも似た思考がある。 ○いたずらに全体の繁栄を叫ぶよりも、残された可能性を持つ個店こそが個別の特性を前面に打ち出し、対応していかなければならない時代が来ている。空き店舗の多さばかりに目を奪われ、そのマイナスの面ばかりに目を向けた改善策や施策に留まってしまう。 ○中小小売業問題を集団政策の呪縛から解き放ち、「個別の視点」から眺めない限り、出口はない。 ○相対的競争劣位に置かれ、「街力」の衰えた商店街に空き店舗が発生するのは必然だ。厳しい環境の中でも未だにがんばっている残店舗にこそ注目すべきなのである。 ○商店街の統合的な枠組みは、内部から崩壊して来たのに、過去の視点からの施策対応がなされてもその限界がはっきり露呈しつつある。 第7章の、商店街とコミュニティビジネスとの比較も参考になりました。 ○商店街の活動はあくまでも利潤追求として行われるが、道路という開かれた公共空間で地域住民との接点を有し、その地域住民を主要な顧客とすることで「地縁性」という基本的特性を有する。 ○これまでの商店街の競争は、商業機能間競争だったが、今や商業以外の側面をも大幅に取り入れた「地域総合力競争」へ移行してきた。地域住民の愛顧を維持することで、地域外への流出を減らす。地域での顧客の支持率をどのように上げるか、地域内からの信頼をどのように醸成するかが問われている。 ○オーバーストア化の過剰競争の中で、単なる商業機能だけではない、日常生活における便宜性が一層重視されるようになっている。 ○商業機能の集積だけでは計画商業の後塵を拝することになる。外部資本の計画型商業ができない分野で、その強みを発揮することが求められている。こうした観点が、商店街経営の戦略的な視点であり、それこそが商店街による地域への働きかけとしての「まちづくり」なのだ。 ○まちづくり活動が、地域社会の充足、満足の向上という側面を持つならば、必然的に商業者のみにとどまらない新たな人材資源が内外から参集する機会や可能性をもたらす。⇒くどい文章ですね! 商店街による地域活動そのものが、さまざまな人材教育の場になる。商店街を舞台とした大学関係者とのつながりは、お互いがこうしたメリットを認識することから現れてきた。 【31冊目、職場の本、2006年発行】 よーちゃんさんが、いつもながら綿密に上手にまとめておられますので、引用させていただきます。 http://blogs.yahoo.co.jp/kawai4414/40446256.html ☆にほんぶろぐ村のランキングに登録しています。 ☆励ましの気持ちで、ポチにご協力をお願いします!! ![]() にほんブログ村 士業ブログ 中小企業診断士へ(文字をクリック) |
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