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天地人・・・最終回です。 良いところと無茶苦茶なところが、ごっちゃになってたな〜。 良かったところ。 政界を引退した兼続が、お船を伴い越後の八海山に登山して、 「直江家は、わしの代で終わりじゃ」と告げるシーン。 ここはもうジ〜ンとして涙がでました! 妻夫木君、最高の演技でしたね。 後で分かったのですが、このシーンが「天地人」のクランクアップだったそうです あのシーンの妻夫木君の涙は、演技ではなく、万感の想いがこめられていたんですね。納得だなあ。 亡き景明の位牌と共に、お船と越後に戻り、あの頃と変わらぬ風景を見ながら 直江家の終わりを決めたのは、名ばかりの「家督」にこだわることの空しさよりも 家族で過ごした日々や直江自身の生き様を大切にしたいという想いからだったのでしょう。 直江夫妻が越後へ旅にでた・・・ってのは勿論史実ではありません。 でも、恐らく史実の兼続も、懐かしい越後の風景を想い出しながら、 この重大な決断を決めたのかもしれません とはいえ最終回でも、 「天地人」は「天地人」でした・・・ 歴史の常識を知らなさすぎる〜! ということで、これからは辛口です。 「天地人」への最後の辛口かと思うと・・・妙に寂しいなあ。 さて、どうしても云いたかったのは、 病弱だった嫡子・景明臨終の場面。 兼続さん、あなた、可愛い息子にしでかした酷い仕打ちをすっかり忘れてはいませんか? 直江の家督を、「上杉家のため」と言って本多政重に譲りましたよね?! 元々病弱で繊細な竹松が、どれだけ傷ついたことか。 そのショックでますます病弱になったのかもしれないのに。 せめて、一言「あの時はすまなかった」と言って欲しかった。 でなければ、「紅葉の家臣になりたかった」と無念の想いを胸に逝ってしまった景明が ますます哀れです・・(涙 そして結局、石田三成にも謝らず。 それどころか、江戸城で、三成を擁護した発言だけで 「三成との約束をやっと果たせた・・・」と言い出す始末。 おいおい。 直江兼続が、江戸城で「三成擁護」したなんて史実はまったくないけど、 それを差し置いても、それだけで、友情を締めくくるとはあんまりじゃないですか〜〜? 三成が望んだのは「豊臣家を守るために家康を討つことこそ義」であったはず。 徳川家が天下を取ったその城で、徳川家に尻尾を振る直江に、友情を語られても 三成が喜ぶはずなどありません。 「三成擁護」でご満悦の直江の顔をみて、 なんだか、三成の「義と志」が汚されたような・・・そんな不快なシーンでした。 それと、 駿府で病床の家康と、伊達政宗と直江兼続が面会するシーンもこけそうになりました。 直江兼続は、上杉景勝の陪臣です。 陪臣が、伊達家の領主と一緒に家康に拝謁するなんて、 伊達政宗の威厳も地に落ちたと・・・政宗公もお怒りでしょう。 やはりあのシーンは、上杉景勝&陪臣・直江兼続が、伊達政宗と一緒でなければいけません。 当時の武家のしきたりは、かなり厳格であったのです。 上杉景勝の影の薄さ、これに極めり、って感じでしたね。 事実、外様大名で、病床の家康に親しく話しかけられたのは、藤堂高虎公だけです。 外様・譜代の厳格な線引きは、徳川秀忠の時代により厳しくなりました。 もちろん家康が、秀忠の行く末を案じて、伊達と直江に指南役を頼んだ・・・ なんてのもフィクションです。 「秀忠はわしを避けている」と家康公が父親の寂しさを吐露するシーンもありましたが 史実の秀忠は、避けるどころか、江戸城をほとんど留守にして、 駿府にかけつけ病床の家康にべったりだったのです。 むしろ、そんな秀忠を、人生最期まで叱り続けた親父、それが、家康公でした。 さらに、もっと目が点になったのは、 久しぶりにご登場の初音さん。 「三成さまの夢のため、南蛮船に乗り世界を旅します」 って・・・もう鎖国体制に入っているんですが・・・?! 謀反人になっちゃいますよ。 初音さん、結局最後まで意味不明の存在でしたね。 原作のように、直江兼続の「最初のおんな」であったほうがよっぽど存在感がでたのに・・・ あきらかなミスキャストでした。 上杉景勝が、引退を決意した兼続とともに、 春日山の岩屋に似た場所を見に行って、そこに謙信公の遺骨を納めると言うくだり。 え? 米沢の上杉神社って、洞窟だったんですか〜?初めて聞きます 確か、私の記憶では、米沢城と上杉神社は、とても近かったはず。 なんと、観光名所まで捏造してまで、 固く結ばれた主従関係を描く必要があったのでしょうか? そして、兼続の最後のシーン。。。 何故かまだ米沢にいるお船さんに 「わしは紅葉の家臣であったろうか・・・」とつぶやき、眠るように息絶えます。 え? このドラマのテーマって「愛」じゃなかったけ? なんで最後の最後は「紅葉の家臣」なわけ? 結局、上杉家や領民、家族や同胞への「愛」に生きたのではなく、 上杉景勝への忠義が、直江兼続にとって最も大切なテーマだったのかい? と突っ込みを入れてしまいました。 と、最後まで「辛口」になってしまい、恐縮です。 「天地人」ファンの人、お許しください。 では、「天地人」最後の「勝手に補足コーナー」。 最終回は直江兼続の晩年について。 関ヶ原以降の直江は、米沢での復興に尽力を注いでいました。 過去の「勝手に補足コーナー」でも何度か、その素晴らしい政治力をご紹介してきました。 しかし、米沢が次第に活力を取り戻してくると、 直江兼続は、学問の普及、発展に力を入れるようになります。 直江兼続は、米沢藩士の教育を重視して、禅林文庫という学問所を開きました。 そこには、直江の蔵書が納められ、いわば図書館のような機能であったようです。 直江は、禅林文庫の開設だけでなく自ら本も出版しています。 慶長13年(1607) 『文選』という書物60巻を、三十冊にまとめて刊行しました。 すべて自費です。 『文選』とは中国・周から梁、千年間の文書、詩賦などを細目に分類した古書で 梁の昭明太子が編纂したものを、子良・呂延済ら5人の学者が注釈を加えた「五臣注」が 一般的には普及していました。 ところが、兼続は、その5人に加えて、最も権威のある学者・李善の注釈を加えた「六臣注」の 『文選』を刊行したのです。 いわば、直江兼続の”勝手に「文選」”とでもいえるユニークな研究書でありました。 この『文選』には、諸葛孔明の「出師の表」も含まれており、 当時の文人にとって垂涎の書でありました。 直江の『文選』は、家康お抱えの儒学者・林羅山ですら入手が困難で、 強力なコネを頼んでやっと実物を手にしてた感激を巻末に書き込んだほどでした。 兼続は、『文選』以外にも『論語』や『春秋左氏伝』も自費出版しています 武人、政治家、だけでなく、学者としても一流であった直江兼続。 古書の収集や、『文選』の刊行、禅林文庫など、学問の普及のために、 その私財を殆ど投じたことは、案外知られていません。 そんな、直江兼続が、人生の最期に決めたのは、 「直江家の断絶」----- これは史実です。 長男・景明は、1615年、若くして死去。 景明は結婚はしていたのですが子ができず、 また娘二人の早世しているため、直江兼続には実子や孫が一人もいなかったのです。 しかし、当時、子供を全て失う武家は、珍しくありませんでした。 戦乱の世でありまた、医療もいい加減なものでした。 そんな場合は、養子を迎えて家督を存続させるのが普通です。 ましてや直江家は、名門中の名門。養子に入りたいと望む子弟は多かったはずなのです。 しかし、史実の兼続は、そうはしませんでした。 お船や、主君・上杉景勝も、強く養子相続を勧めたのですが、 兼続は、頑として拒んだといわれています。 直江家の家禄1万5千石を上杉家に返還する! その決断の裏には、 依然として財政状況の苦しい上杉家への配慮がありました。 それと同時に、やはり、関ヶ原で三成と結託し、結果、主家を窮地に追い込み 移封のため、4分の1まで俸禄が削られた責任を、強く感じていたからでしょう。 関ヶ原敗北の責任を、直江家の断絶で贖いたい・・・。 多分、直江は、関ヶ原の敗戦の咎で、死ぬ覚悟であったでしょう。 しかし「生きて、上杉の復興を助けたい」と決意したとき、同時に 「自分の代で直江家を断絶しよう」と覚悟したように思います。 元和5年(1619)12月19日 直江兼続逝去。59歳でした。 お船さんは、夫の死後剃髪して、貞心尼と名乗りました。 直江家の娘であるお船も、「直江家断絶」という夫の意思に従いました。 自身の両親や祖先の事を考えれば、断腸の想いであったでしょうが、 夫と同じ道を生きることを選んだお船さんは、当時としては自我の強い女性でした。 お船さんは、上杉景勝の嫡子・玉丸(定勝)の養育係として、 江戸上杉家の奥の差配を一手に引き受けるようになりました。 上杉景勝の死後・領主となった定勝は、お船を母のように慕い、断絶した直江家に替わり 扶助料・三千石を与え、40人の家来をつけたといいます。 夫と子供に先立たれたお船ですが、定勝の支えもあり当時としては長寿を保ちました。 寛永13年 81歳で死去し、林泉寺で夫・兼続と並んで眠っています。 さあ、 次週より「坂の上の雲」 そして来年は、「龍馬伝」 すご〜く期待しちゃいます。 そして・・・「天地人」 時代考証無視しすぎで、個人的には正直殆ど評価できない大河ドラマでした。 妻夫木君は、好きな俳優さんだけに、もっと殻を破って、あらためて大河ドラマで観てみたいです。 しかし、小栗旬君の演じた石田三成は、絶対忘れません。鮮烈でした。 私にとって、もはや石田三成は旬君の顔でしかありえません。 小栗君主役の大河ドラマ、観てみたいなあ。 写真:上杉家の菩提寺・林泉寺の直江兼続・船の墓
妻夫木&常盤貴子さん写真も、NHKホームページより拝借しました |

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