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何の変化も無い日常・・・そんな使い古された言葉だけど、そんな言葉しか当てはまらない日常。今日も来慣れた道を歩いて、見慣れた風景を見て、聞き慣れた喧噪を聞いて・・・。いや、本当は聞いてないのだけど。何も変わらない・・・いや変わる事に気が付かない・・・。違うな・・・気が付かないようにしているだけなんだ。だって、大変だろ?色んな事の変化に気が付いていたら。良い事も嫌な事も全て自分の中に入ってきてしまうんだよ?そんな情報を全部、自分で処理していちいち感情を持っていたら・・・。人間の小さな脳は壊れてしまうかもしれないね、普通。
いつものようにホテルはお客さんがいない。それは当たり前なのだけど。なぜならば今は昼間だから。ホテルの仕事っていうのは昼間は極々ゆったりとした時間なんだ。書類の整理やお客様へのDMのチェック。ルームチェック等・・・。そう、あまりお客さんと接する機会がない時間帯。隣では支配人代行が居眠りをこいている。こっちが企画書作っているっていうのに。良いご身分だな。
のんびりした午前が終わって・・・お昼休みだ。
日勤では唯一の楽しみ。
「今日はどこのラーメンを食べようかな?」
そんな事を考えながら、本当は私用で使ってはいけないパソコンなどを見てしまう。美味しいラーメン屋を探して・・・。
今日はここにしよう。「ハッピー軒」名前はなんだか、一昔前の店みたいだけど・・・。「ハッピーだって・・・。」自然と笑みがこぼれる。名前が古すぎる・・・。でも、豚骨だし・・・あまり近所に豚骨ラーメン食べられる所ないからなぁ。
そんな事を考えながらしばらく過ごしていた。支配人代理に
「休憩いって来て。」
と、言われてホテルを飛び出す。どんなにのんびりしていたとしてもホテルはホテルなんだ。何時でも何処でもお客さんの目がひかっているし、フロントバック以外では気は抜けない。何年も勤めているけど、そればっかりは慣れないのだよね。そんな少しだけ緊張した場所から一時の開放の時間だ。こんな気持ちの良い時間に、美味しいラーメンを食べられたら幸せなんだよね。そんな事を思いながら、ホテルの外へ・・・。
「ハッピー軒」
そんな変な名前の店が、僕の人生を変えてしまうなんて・・・。平穏な人生で十分な幸せを感じて居られたのに。いや・・・不幸を感じないで居られたのに・・・。
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