あるスーフィー巡礼者の日記 A diary of a sufi

思い込みや見かけにだまされず、本質を見極めましょう。

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【しょせんレプリカはレプリカ】
 
一昨日の土曜日(4月29日)、
東北博物館(仙台市)で開催されていた特別展
「世界遺産 ラスコー展 クロマニョン人が残した洞窟壁画」
に行ってきました。
 
イメージ 1

「ラスコー洞窟の壁画の原寸大の精密で立体的な再現!」
という触れ込みで
「デジタルスキャンで精密に再現されている。
日本にいながらオリジナルの迫力で見られるまたとない機会」
などと宣伝されていたので
かなり期待して行ったのですが、
(立体再現展示に関しては)
「しょせんレプリカ(複製)はレプリカだな」
というのが正直な感想です。
 
壁画を描いたクロマニョン人たちの
情念のようなものを少しは
感じられるかと思ったのですが‥
 
まあ、期待した私が愚かだったと言えるでしょう。
だって、たとえどんなに原画の見かけに忠実に複写したとしても
ピカソやゴッホの絵の複製画を観て
本物の絵を目にした時のような感動を
味わえるはずがありませんよね‥
 
レプリカの壁画を前にして
オリジナルな壁画を描いたクロマニョン人たちの意識に
アチューンメントしようとしてみましたが
あまり上手く行きませんでした。
 
【見かけにとらわれると本質が見失われる】
 
私は、今回、視覚情報の忠実な再現にこだわった
ラスコー洞窟壁画の立体複製展示を見て、
江戸時代末期に、杉田玄白ら蘭学医が
西洋の解剖書「ターヘル・アナトミア」を日本語に翻訳した
「解体新書」のことを思い出しました。
 
「解体新書」は、伝統的な漢方の「臓腑之図」と比べて
その(物理的な)正確さに杉田玄白らが驚嘆して翻訳を志した
と伝えられています。
 
でも、「解体新書」の解剖図は
しょせん死んだ肉のかたまり
つまり生命のない物体の視覚的な情報だけを
機械的に筆写したものに過ぎませんから
生きた人体に内在し躍動する命の力つまり「気」を
感じることができないのです。
 
偏った医学史観を聞かされて育った一般の人たちには、
「『解体新書』の出版によって日本の医学は大きく進歩した」
と信じている人がほとんどでしょう。
 
確かに、「解剖学的な構造の正確な把握」
極めて大切な外科手術の分野では
「解体新書」が寄与したところは少なくなかったと思います。
 
でも、一方で、
「解体新書」の翻訳出版をきっかけとして
「日本の医学は大きく退歩してしまった」
と言うべき側面もあるのです。
 
それは、「見かけの奥に潜む命の本質の軽視」です。
 
動きもエネルギーも存在しない
物理的な(静止した)外見を重視する
「(死体)解剖学」が偏重されるとともに、
日本の医学の主流は、その後
「本質よりも見かけ(目に見える表面的な現象)を重んじる」
という風潮に蝕まれていくことになります。
 
【本質を知る達人たち】
 
順天堂大学特任教授(医学史)酒井シヅ氏は、
「解体新書」が日本の医学に与えた影響について
とりあげたテレビ番組
「謎解き!江戸のススメ:江戸の医学〜医は仁術」の中で、
「『解体新書』によって、日本の医学が大きく進歩した。
 それまでの漢方医学では、陰陽や虚実などの概念で病気を考えていたが、解体新書によって、病気は臓器の異常によって起きることが明らかにされた。」
という解説コメントを残しました。
 
しかし、近年の西洋医学の最先端に立つ達人たちは、
陰陽虚実といった東洋医学が遥か昔から説き続けてきた
生命の原理の大切さに
ようやく気づきつつあると言えます。
 
私は、研修医時代に
米国フェローであり感染症診療の権威として世界的に有名な
青木眞先生の講演に何度か参加したことがありますが、
とても心に残っているお話があります。
 
先生ご自身は、漢方に対して何の知識もないようでしたが、
先生が講演の中で強調されていたことは、
「見かけに惑わされずに生命現象の本質を見極めなさい」ということでした。
 
その講演の内容は、
「解体新書」が日本で出版される前の日本の医学では
ごく当たり前の常識として説かれていた
漢方の「陰陽虚実」の考え方とまさしく一致するお話でした。
 
【クロマニヨン人の情念を再現した子どもたちの壁画】
 
再現立体壁画については、
正直期待はずれなところがありましたが、
当時のクロマニヨン人が使っていた本物の石器の展示など
見応えのある展示も少なくなかったので、
「ラスコー洞窟壁画展」全体としては
十分に見る価値のあるものだと思います。
 
展示会場を出たホールに、
「ラスコー洞窟壁画展」にちなんだ企画
「洞窟壁画体験」と称して
仙台の小学校の子供たちが模造紙に描いた絵が
トンネル状の空間に
展示されていました。
 
その「子ども壁画」は、
昆虫や、犬猫などのペットといった
子どもたちにとって身近な生き物の姿を
のびのびと描いたものでした。
 
イメージ 2
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これらの生物たちに対して
子どもたちが抱いていた思いが
胸に迫ってきました。
 
ラスコー洞窟の壁画を描いたクロマニヨン人たちも
きっとこの小学生たちのような気持ちで
彼らにとって身近な動物たちの姿を洞窟上に再現し
動物たちへの彼らの思いを表現したのではないか‥
そんな風に思えました。
 
子どもたちの絵は、
「ラスコー洞窟壁画を描いたクロマニヨン人たちの
情念に思いを馳せる」という意味では、
デジタル・スキャンという先端技術を駆使した立体再現壁画よりも
感じるところの多い作品でした。

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