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ダッタトレヤ・シヴァ・ババは、国際的な精神的指導者、人道主義者、南インドのタミール・シッダの伝統の学識神秘主義者である。彼の精神的な探求は、シッダの伝統の密教的奥義へのイニシエーション(秘儀参入)を受けた若い時代に始まった。悟りを開いた導師として印可を受け、西洋にて教えを広めるように祝福を受けた。その後、20年に渡って伝道を行っている。
ババの関心には、科学と精神性の融合や政府における信仰の役割も含まれている。彼はヒンドゥー教の教説者としても知られ、国連の世界宗教者会議、宗教と科学のフォーラムなどでも講演を行った。現在は、宗教政治研究所を設立し、信仰がいかに政治的展望を形成するかについての理解を深める仕事に従事している。
非営利団体「トリプーラ財団」の設立者として、ババは世界の貧困の解消とあらゆる形の人類の苦脳からの解放に身を奉げている。彼の組織は、貧困にあえぐ子どもたちのためのガールズタウン・アンド・ボーイズタウン孤児院に資金を提供し、インド中で給食活動を行い、世界中の貧しい人々、精神障害者など社会的な弱者に対する救援を行っている。
(以上「聖なる目覚め」の講師紹介欄の全訳)
ダッタトレヤ師のセミナーは、日本時間3月2日午前10:30から開かれる予定である。詳細は下記ホームページを参照いただきたい。
http://www.sacredawakeningseries.com/
【筆者の補足解説】
「ダッタトレヤ」は南インドの土着の神の名前であるが、南インドの人たちにとっては「最高神」と同じ意味をもっている。「シヴァ」は、ヒンドゥー教の最高神の名前のひとつ、「ババ」は、聖者や導師を親しみを込めて呼ぶ時に使われる尊称である。
シッダの伝統は、仙道の煉丹術や西洋の錬金術との類似性が指摘されているが、ヒンドゥー密教(タントラ)の源流であるとも考えられている。
達磨大師や老子は、南インドのシッダ(シッダの道の成就者)「アガスティヤ」[文末註]の生まれ変わり(もしくは肉体転移者)であると主張する人もいる。その真偽はともかくとして、シッダの教えと禅や老荘思想の教えとは共通点が少なくないことは確かである。
達磨大師が伝えたとされる少林拳の源流は、南インドの伝統武術「カラリヤパット」にあるという説もある(プロレスのトレーニング法「ヒンズー・スクワット」はカラリヤパット起源である)。確かに、カラリヤパットと少林拳は技法的に共通するものが少なくない。
ともに内功(エネルギー・ワーク)を重視するが、クンダリニー・ヨーガ(身心エネルギー昇華法)の一形態と考えることができる。
ヒマラヤの神仙により人類にもたらされたとされる伝承医学「アーユルヴェーダ」は、実はシッダ医学に源流があるという人もいる。
地理学的には、ヒマラヤ山脈よりも南インドの方が歴史が古く(インド亜大陸がユーラシア大陸に衝突してせり上がってできたのがヒマラヤ山脈である)、あながち荒唐無稽な説とも言えない。
南インド諸州では、現在でもアーユルヴェーダの知恵が生活に息づいている(そのせいか南インドは全インドよりも平均寿命が長い)。
南インドには、アーユルヴェーダだけでなくシッダ医学の伝統もあるが、「不老長生法」はシッダ医学が得意とする分野の一つである(道教の不老不死の思想や技術は、シッダ医学からもたらされたものとも言われている)。
南インドの人たちが長生きなのは、シッダ医学によるところも大きいのかも知れない。
古代にヨーロッパから侵入したアーリヤ民族の文化やイスラム文化の影響を受けた北インドより、土着のドラヴィダ民族が住む南インドの方が、純粋なヒンドゥー文化の伝統をよく継承しているという研究者は少なくない。
日本ではヒンドゥー教の聖地と言えば、バラナシ、リシュケーシュ、ケダルナートなど北インドの方が圧倒的に有名であるが、南インドには、北インドに勝るとも劣らぬヒンドゥー教屈指の聖地が存在している。20世紀最大の聖賢・シヴァの化身と謳われたラーマナ・マハーリシも南インド出身である。
アガスティヤ
日本では、青山圭秀氏の「アガスティヤの葉」で有名になり、「予言者」もしくは「占星術師」としてのイメージが強くなってしまったが、アガスティヤはシッダの道の導師であり、予言や(浅い意味での)宿命を超える真理の生き方を説いた人である。医術(シッダ医学)の達人でもあり、遺伝子操作に類する技術を実践していたという説もある。
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