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【糖尿病は気滞を呈する病気】
「気滞」を呈する病気の一つに糖尿病がある。呼吸器疾患の解説の時に、「気虚≒脾虚」であると述べたが、脾の働きは気の働きと密接に結びついているので、「脾」の機能不全が「気滞」を引き起こしたり悪化させたりすることは少なくない。
すでに述べたように「脾」の最大の働きは、「水穀の気を運化する」、すなわち「食物の栄養を生体に利用可能な形に変換して人体の隅々に巡らせる」機能のことである。これは、西洋医学の臓器では膵臓の働きである。
【糖尿病の気滞の原因は脾虚である】
糖尿病の原因が膵臓で分泌される血糖降下ホルモンであるインシュリンの機能不全であることはよく知られている。
インスリンの作用を一言で言い表すと、「食物から得られるエネルギーを利用可能な形に変換して人体の組織に行き渡らせること」である。つまり、漢方で言う「水穀の気を運化する」と全く同じである。
膵臓から分泌され栄養の吸収に不可欠な消化酵素の働きと合わせて考えると、漢方医学における脾の働きは、膵臓の機能を網羅していると言えるだろう。
つまり、膵臓から放出されるホルモンであるインシュリンの分泌とその働きが障害されること(漢方的には「脾虚」)によって糖尿病の本体である食物エネルギーの運用障害(漢方的には「気滞」)がもたらされるのである。
【漢方の「脾」とは膵臓と脾臓のことである】
多くの医師は、漢方医学の脾に相当する解剖学的臓器は存在しないと考えている。漢方の脾は、「脾臓」の働きでは説明がつかないからである。だが、実は、漢方の「脾」とは「膵臓と脾臓」のことである。
江戸時代末期の日本で「解体新書」が翻訳された時に、解剖学的な臓器の訳語として漢方の臓腑の用語が転用された。しかし、杉田玄白ら解体新書の翻訳を行った人たちに十分な医学的知識がなかったので、脾臓spleenだけに、本来は膵臓と脾臓を併せた臓器である「脾」という訳語を当てたのである。そして、膵臓pancreasには「膵臓」という別の訳語をつくって当てたことにより、漢方の「脾」と膵臓が別のものだと言う誤解が蔓延るようになってしまったのだろう。
漢方では、「甘いものは脾を養うが、摂り過ぎると脾を傷(やぶ)る」と考えられている。
食物の「甘み」のほとんどは糖質によってもたらされる。糖質は人体にとって最も重要なエネルギー源であるから、「甘いものが脾を養う」のはもっともなことである。糖質の摂取過剰が膵臓の機能を害い糖尿病をもたらすことからも、「脾」の機能の大部分は膵臓の機能を指していると考えるのが妥当である。
漢方では、「脾は胃の裏に存在する」と考えられている。解剖学的に胃の裏(背側)に存在する臓器と言えば膵臓である。ただし、漢方の「脾」には「脾臓」の働きも含まれているようである(「脾は血を統べる」というのは、脾臓の血液代謝調整機能を指すものだと思われる)。脾臓も胃の裏側(左背側)に存在する臓器である。
なお、漢方の脾のことを「胃腸の働き」と説明する人もいる。確かに膵臓の機能は胃腸の機能と密接不可分であるから間違いであるとは言えない。だが、漢方にはちゃんと胃も小腸も大腸も存在する。わざわざ難しく考えないで、素直に解剖学的に胃の裏にある膵臓と脾臓だと考えれば済む話である。
【漢方の五臓六腑は西洋医学の臓器と一致する】
西洋医学原理主義者の中には、漢方の五臓六腑(心包も入れると六臓六腑)は西洋医学の解剖学的臓器とは異なり「架空の概念」だと決めつける人がいる。だがそれは、漢方用語を理解できないことから生じた誤解である。
西洋医学しか知らない医師は、漢方の聴きなれない言葉にしり込みして、その意味を深く考えようともせず、頭から非科学的だと決めつける。だが、漢方の臓腑が示す各臓器の働きの本質を理解して現代医学の用語に置き換えると、西洋医学の臓器の機能とほぼ完璧に一致する。
同じ人間の体なのだから当たり前の話である。
【古代中国人は解剖の知識が豊富だった】
漢方の専門家でも「古代の人々はほとんど解剖を行わなかったので、解剖学的知識がなかった。だから、漢方の臓腑は解剖学的臓器ではなく機能系を比ゆ的に表わしたものである」と信じている人が少なくない。それは一面の真理を含むが必ずしも正確な表現ではない。
古代中国では盛んに解剖が行われていた。そして、解剖学的臓器と生理現象との関係も細かく調べられていた。そういった研究成果にもとづいて、臓器(六臓六腑)を中心にして人体の生理機能が系統化されることを発見したのである。
古代の中国人は、「臓器を中心にして身体機能を捉える」西洋医学の考え方と同じ結論にすでに数千年前に到達していたと言えるだろう。
【糖尿病による症候群の漢方的証】
糖尿病の原因は「膵臓から分泌されるインスリンの分泌およびその機能の障害」である。つまり、漢方的には脾虚が原因であると言える。糖尿病初期によりひき起こされる様々な症候群は、脾虚からもたらされる気滞すなわち「エネルギーの変換や移動や利用が障害される病態」をその本質とすると言えるだろう。
「気滞」を呈する糖尿病の初期は、栄養の吸収には問題がないが主としてその利用が障害される状態である。つまり、全体としてのエネルギーは余って滞っている「実証」なので肥満を呈する。だが、糖尿病がさらに進行すると人体が利用できるエネルギーが絶対的に不足し「気虚」に移行する。痩せて元気がなくなってくる「虚証」を呈するようになるのである。
気滞や気虚は瘀血(血の滞り:血流障害)をもたらす。「気」は「動き」や「循環」を司るので、気が滞ったり足りなくなったりすると、血の動きや循環が阻害されるからである。
糖尿病の三大合併症と言われて来た腎症・末梢神経障害・網膜症は、いずれも腎臓と神経と網膜を養う微小血管が血液中の糖の毒性によって害われることで発症する。
だが、糖尿病で障害されるのは微小血管だけではない。脳梗塞や心筋梗塞などの大血管障害の発症率も糖尿病によって大きく高まる。実際、脳梗塞や心筋梗塞を発症した患者のほとんどは進行した瘀血の証を示している。
瘀血を診断する根拠となるは、渋脈(血液の渋滞を感じさせる脈)、紫斑やクモ状血管などの皮下の微細出血、暗赤色もしくは暗紫色の舌、静脈瘤、舌下静脈の弩脹などであるが、これらはいずれも、毛細血管などの微細血管(とくに静脈系)から橈骨動脈に至るまでの全血管の血流障害を示すサインである。
進行した瘀血証の人が脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすいのは、当然のことだと言えるだろう。
「うつ病」と同じようにやはり気滞をほっておくと気虚さらに瘀血がもたらされ、瘀血は脳梗塞や心筋梗塞などの致命的な病気の元となるのである。
【気滞を放っておくと国家の中枢が梗塞を起こす】
ヘッジ・ファンドの餌食にならなくても、気滞にたとえられる「不況」を放っておくと、気虚に譬えられる「債務超過」と瘀血に譬えられる「物資と貨幣の循環障害」がもたらされる。瘀血(物資と貨幣の循環障害)が進行すると心臓と脳に譬えられる国家の中枢が機能しなくなるのである。
【医学の真髄を会得された亀井氏に日本経済を任せようではないか】
今まで見て来たように、日本の景気を良くするためには今こそ速やかに国債を発行し適切な景気対策を行い貨幣と物資の循環を促すべきだという亀井氏率いる国民新党が提案する経済政策は、医学的にも極めて理に適った治療法なのである。それは、亀井氏が「不況」「債務」「債権」といった経済用語の表面的な意味の奥に隠された本質を理解されているからである。
一方、日本のほとんどの政治家や経済学者やエコノミストは、専門用語の表面的な意味や各論的・局所的な専門理論に囚われる余り単純で普遍的な総論的・大局的原理を見失っている方がほとんどである。
今、日本の経済を良くするためには誰に経済政策を任せるべきか、理解していただけただろうか?
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惑星医学研究所
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【うつ病には虚証と実証がある】
「気虚」による病気として有名なものには「うつ病」もある。これは、見るからに元気がないうつ病である。同じうつ病でも、イライラが強いうつ病の場合は気滞(気の滞り)を疑うべきである。気虚は虚証(エネルギーが足りない)で気滞は実証(エネルギーが余っている)であることが多いので、気虚のうつ病の方が気滞の薬を飲むとエネルギーが更に落ちてかえって悪くなってしまうことがある。
西洋医学の精神科医も、ちゃんと患者さんを診る人は、「気滞のうつ病」と「気虚のうつ病」を区別して、それぞれ適切な薬を処方している。
【証に合わない薬による副作用】
気滞のうつ病に気虚の薬を出しても様々な副作用が出現する。抗うつ薬の副作用としてよく挙げられる便秘や口渇は、実熱(熱が余り滞る状態)をもたらす薬による弊害であることが少なくない。
先の投稿で元気のない日本は「気虚」の状態にあると述べた。だが、経済に関しては日本の不況は気虚型(お金不足)ではなく気滞型(お金の滞り)である。そのことについては、後ほど詳しく取り上げたい。
すでに景気が上向きかけている企業が内部留保金を増やしたり富裕層が貯蓄に走りお金を出し渋るのは、気滞型の不況に気虚の薬を処方したことによる便秘であると言えるかもしれない。気滞型の不況なのに富裕層の減税や大企業の減税を行うのも気滞(富の偏在)をさらに悪化させる誤治である。経済的強者が「もっと減税を」と渇望し続けるのは、実熱によりもたらされる口渇のようなものである。
実熱証の気滞型うつ病に実熱をもたらす薬を処方しなければいいのであるが、抗精神薬のほとんどは実熱をもたらす薬である。だから、多くの精神疾患の患者は副作用に苦しんでいる。実熱の代表的な症状は便秘であるから、実熱を瀉する(滞りをほどき排泄する)下剤を飲む必要が生まれる。
重症の精神疾患では、緊急避難的に強い西洋医学の薬に頼らざるを得ないことも少なくない。だが、証(病態)に応じた漢方薬をうまく併用して行けば、副作用を減らしより治療効果を挙げることは十分に可能である。
誤った経済政策によって富の偏在が悪化し続けるならば、国家権力による富裕層の富の強制没収や革命などの瀉下剤によって力づくで富を吐き出させる必要が出てくる。そのような過激な手段に訴えなくてもいいように、漢方の原理に従った穏やかなバランスの回復を目指す方が望ましいと言えるだろう。富裕層も大企業も、自分たちのことばかり考えずに穏やかな富の再分配に協力するのが身のためというものである。
【気滞が重症化すると気虚と瘀血になる】
気滞(気の滞り)があると水滞(水の滞り)や瘀血(血の滞り)ももたらされやすい。気滞によるうつ病が悪化すると、重症のうつ病になってしまう。重症のうつ病にかかった人は、気虚になり、水滞や瘀血も併発することが少なくない。
うつ病患者は、めまいや耳鳴りさらには吐き気などの症状を訴えることがある。西洋医学では、うつ病患者でよく見られるこれらの症状は心因性のものと考えられることが多い。だが、漢方的には、これらの症状は「気滞」から生じる「水滞」によってもたらされていることが少なくない。めまいは脳浮腫(脳細胞内に水が溜まる)から、耳鳴りは三半規管のリンパ浮腫から、吐き気は痰飲(胃に溜まった水)からもたらされるのである(ただし、めまい、耳鳴り、吐き気のすべてが水滞により起こると言う意味ではない)。
だから、水滞を改善する薬を飲めば、こういった症状は改善される。漢方薬が心因性の(と思われている)症状に効くのはプラシボ(偽薬)効果によると考える人は少なくない。しかし実際は、心因性と思われている症状の奥に潜む身体的な病態を治すから良くなるのである。
【日本の不景気は気滞型のうつ病である】
経済でも、表面的な名前に囚われて間違った経済政策を実行するとかえって経済状態は悪化する。例えば、対外的には債権国だが債務国(政府が国民にお金を借りている)である日本経済の不景気(英語でdepression 「うつ状態」という意味もある)は、気滞であって気虚ではない。だから、これ以上海外からお金を調達する必要はなく、国内でお金の動きを促せばいいのである。
日本国全体のお金は余っているのだから、これ以上輸出産業に力を入れて外貨を稼ぐ必要はない。産業を内需中心に切り替えて、国内で生産したものや輸入したものを国内で消費する方向に経済構造を転換して行く必要があると言えるだろう。そのためには、円高はむしろ歓迎すべき現象である。円高は、産業を内需重視に転換するべしという「見えざる手」のメッセージなのである。
【罪業妄想と貧困妄想に取り憑かれた日本人】
うつ病の原因のひとつは心理学的には「自尊心の低下」にあると言われている。円高は、諸外国が日本の経済を高く評価している徴である。それなのに、日本人は「日本経済はどん底だ」「国家財政は破綻しつつある」と自分たちの経済を正当に評価していない。
うつ病が重症化して自尊心の低下が進むと、「罪業妄想」や「貧困妄想」が生じるようになる。近年、日本でも、自国の文化や経済についての自尊心を失い、欧米文化礼賛・欧米追随に走る人が増えているようである。
自虐史観は「罪業妄想」の一形態であろう。最大の債権国なのに最大の借金国だと勘違いするのは「貧困妄想」の一形態であろう。これらの間違った妄想に囚われているとそのうち本当の借金国に転落し「貧困妄想」が現実のものとなってしまう。マスコミや学校教育や一部の政治家の虚言に惑わされずに自国の歴史や経済実態を正確に把握することが大切である。
【気滞型不況(経済の停滞)の治療法は国債の発行である】
国民から政府への金の動きを促すには確かに贅沢品の税率を高めた消費税増税も一つの手段ではある。だが、消費税増税は景気を悪化させ(民間の金の動きを滞らせ)、不況(depression)を悪化させる恐れがある。
所得税の累進性を高める、大企業優遇税制を見直すといった税制改革も有効な手段となる可能性はある。だが、これらの政策も一歩間違うと日本の景気を悪化させる危険がある。なぜなら、これは富の偏在を半ば強制的に是正する手段であり、その前に富が余って滞っている所から足りない所へより自然な形で回るような方策を考えるべきであろう。
それよりも国債を発行して富裕層を中心とした国民がそれを買い、政府がそのお金ですべての国民を利する景気対策を行うならば、国民(主として富裕層)から政府への金の動きと民間の金の動きの両方を促すことができ、気滞(経済の停滞)によりもたらされる不況(depression)は解消されるだろう。
【郵便貯金の大切な役割】
だが、国民が国債よりもリスクは高いが利率の大きい投資をして利鞘を稼ぎたいという利己心に駆られて国債を買わなければ、国際的に信用の高い国債を海外の投資家が大量に買い占める危険がある。そうなると、国債の信用価値は低下し、ギリシャ危機の二の舞を踏みかねない。
では、それを防ぐためにはどうすればいいのだろうか?実は、日本の国債がほとんど日本国内で買い支えられて来たのにはちゃんとした理由がある。それは、日本の郵便貯金や日銀などの公的金融機関が国債を買い支え続けて来たからである。堅実さを尊ぶ日本国民は、公の金融機関を信頼しお金を預けることで日本経済を支えて来たのである。
【私と公の相互信頼によって堅実な発展を遂げた日本経済】
国民は公の金融機関を信頼し、公の金融機関はリスクの高い海外への投資に手を出さずに自国の国債を買い支えることでその信頼に応えて来た。日本経済は、国民と公の機関の相互信頼によって堅実な発展を遂げて来たと言えるだろう。
【国家と国民の仲を引き裂こうとする輩】
そのように日本経済を支えている郵便貯金を、もし郵政分割民営化を推し進めて公共心のかけらもない欧米の金融資本に売り渡してしまったら、リーマンショックが示したように彼らはその大切なお金を投機に回してあっという間にすってしまうだろう。せっかく日本人同士の長い間の相互信頼によって地道に築き上げて来た日本経済がめちゃくちゃにされてしまうのである。
このように日本経済の回復のための処方箋としては、郵政再国営化と国債の発行を同時に行うセット処方が不可欠なのである。欧米金融資本の手先であるみんなの党が、郵政再国営化と国債の発行の両方に強硬に反対する理由が分かっていただけただろうか?
日本を食い物にしようとする輩は、国(政府)や国のために働く人たちを国民と分離し敵対する者であるかのような言い方をする。だが、国とは、他ならぬ私たち国民と国土のことである。くれぐれも国と国民を分裂させて支配しようとする人たちの甘言にそそのかされてはならない。
【心の虚をつかれないために】
もし、今国債を発行しないで消費税の増税を強行すれば、日本の不況(depression)は気滞型から気虚型へと移行してしまうだろう。そうなると、人の心の虚(気虚)をついて儲けることをたくらむヘッジ・ファンドの餌食となってしまうのである。
ヘッジ・ファンドの陰謀とそれに対する対策については、拙ブログの書庫「参院選を終えて」の「ギリシャ危機の原因と世界が直面する問題の本質(1)〜(5)」をお読みいただきたい。
次回の投稿では、糖尿病を例にして日本経済を危機から救う方法について考察してみたい。
(5)に続く。
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【管総理には日本を元気にすることはできない】
民主党の代表選で、菅総理は「日本を元気にしたい」とのたまわった。その心意気は評価したいが、残念ながら菅総理の進める政策で日本を元気にすることはできないだろう。なぜなら、菅総理は日本が抱える政治や経済の問題の本質をまったく理解されていないからである。
社会全体に元気のない日本は、漢方的には「気虚」の状態にあると言える。今回の投稿では、間違った熱気を冷まし日本を元気にするために有効な二つの漢方薬について解説したい。
【補中益気湯で日本を元気にしよう】
気虚に対する薬として最も有名なのは「補中益気湯」であろう。漢方に詳しくない人でも名前だけは聞いたことがあるに違いない。「中」とは「消化器官」のことであり、補中益気湯は消化器官を元気にしてエネルギーを高める薬である。消化器官は「水穀(食物)の気」を取り入れる臓器である。日本を元気にするために今最も大切なのは、農業や漁業など第一次産業の振興である。
【まず、水穀の気を高める】
補中益気湯の君薬(中心となる薬)は黄耆、臣薬(君薬に告ぐ重要な薬)は人参(朝鮮人参)と甘草である。
黄耆、人参、甘草ともに、「脾を補い気を益す」のがその中心的な薬効である。「脾」の役割とは、「水穀(食物)の気を運化する」こと、すなわち、「食物のエネルギーを消化吸収し体の隅々に運びその利用を促す」ことである(詳しくは後述する)。したがって、日本再生のためには農漁業などを振興し国家の「水穀の気」を高めることが何よりも優先されるべきである。
【最も大切な祖国防衛とは】
黄耆には、胃脾を補い気を益する他に衛気(防衛力)を高めるという重要な働きがある。人体においては、衛気は主として「表(皮膚)を防衛して外邪に抵抗する免疫系の働き」のことを指している。
国家の防衛力を高めるとは、必ずしも諸外国の侵略から日本を守る自衛隊などの軍事的な防衛力を際限なく高めることではない。防衛予算を使い過ぎて気虚になってしまったら本末転倒である。外国の侵略を受けなくても国家が衰退し防衛どころではなくなってしまうからである。
日本を守るためには外来思想の侵略から日本文化伝統の美徳を守るということが、軍事的な防衛よりももっと大切である。
【日米軍事同盟は国家防衛力を害う】
日米軍事同盟を深めることで中国や北朝鮮などに対する防衛力を強めようとする論が最近はびこっているようである。だが、中国漁船衝突問題で明らかになったように、米国は自国の利益になる時だけしか日本を防衛するつもりはないので国家防衛を日米軍事同盟に依存することは、むしろ日本の防衛力を低下させる。
それは、病原微生物を叩くために別の有害微生物を使うことでかえって免疫力を害ってしまう抗生剤治療のようなものである。
抗生剤の不適切な使用によって腸内の善玉菌が死滅すれば免疫力が低下するように、日米軍事同盟に依存すれば純粋な祖国防衛の戦力である自衛隊が疎かにされてしまうだろう。
日米同盟を基軸に日本を防衛しようと唱える人たちは、国際関係と防衛問題の本質を全く理解していないと言わざるをえない。
【心の平静さを守ることも大切である】
甘草は、心火(中枢神経系の興奮:心のざわめき)を瀉し煩(心のわずらい)を除く生薬である。元気を取り戻すためには、余計な心配や煩いによってこれ以上気を消耗させないことが大切である。感情的興奮は、物事を理性的に判断することを妨げるので真の問題解決には役立たない。
外交問題にしろ経済問題にしろ、最近目につく国民の感情的興奮を煽る様々な言動は、日本を良くしたいという善意から発しているのだろうが、むしろ問題解決を妨げているのである。私たち国民は、そういう発言には踊らされずに常に理性的な問題解決への道を探るべきである。
補中益気湯には「柴胡」という熱を冷ます薬も入っている。「公務員改革」で公務員に対する憎しみを、「(新)成長路線」で贅沢な生活を続けたいという貪りを煽る政策により日本経済の病態を悪化させる熱気は一刻も早く冷ました方がいい。
【貨幣や物資の流通を促進する】
補中益気湯に含まれる「当帰」という薬には、血の巡りを促す働きがある。「血(けつ)」とは血液すなわち「気を運ぶ物質的な基礎」のことである。日本経済を元気にするには、物資の循環を促すことも大切である。無料にすべきかどうかは別として高速道路の料金を下げて物資の循環を促すことは基本的には必ずしも悪い政策ではないと言えるだろう。
国家における「気を運ぶ物質的な基礎」とは、貨幣のことであると考えることもできる。貨幣の流通を促進することは経済を元気にするために大切であることは言うまでもない。そのためには、内部留保金としてお金を貯め込んでしまう大企業を潤す法人税減税よりも、否が応でもお金を使わざるをえない中小企業や貧困層への直接的な経済支援の方が遥かに有効である。
【足を引っ張り合うより高め合おう】
補中益気湯の「柴胡」と「升麻」は、陽気を持ち上げる力が強い薬である。亀井氏は、人を貶(おとし)めるより人の良さを誉め持ちあげるのが上手い人である。今、元気を失った日本が必要としているのは、他人の非を論い足を引っ張り合うことよりもお互いを信じ高め合うことではないだろうか?
【国民のはしかを治すには升麻葛根湯】
「升麻」を含む漢方薬として有名なものに「升麻葛根湯」がある。升麻葛根湯は、子供のはしかに良く使う薬である。「10年間で所得を5割増大させる」などみんなの党が掲げる絵に描いた餅の政策に夢中になる一部の子供っぽい国民は、はしかに罹っているだけである。
升麻葛根湯は、透発(外に出させる)の作用も強い。はしかを治すには、アジェンダという訳の分からない言葉の裏に隠された政策の透明性を高め、本音を口に出させることが必要だろう。それとも、渡辺氏が「アジェンダ、アジェンダ」と連発するのは、国民に本質を見透かされてしまうことを恐れているのだろうか?
「芍薬」には、護陰の作用がある。縁の下の力持ちとして国民のために働いてきた人たち、例えば郵便局の人たちや末端公務員、あるいは日本経済を蔭で支えて来た中小企業の人たちなどを護ることが、一部の日本国民のはしかを治すために必要だと言えるだろう。
【諸薬の働きをまとめ調和させる】
補中益気湯にも升麻葛根湯にも含まれているのが、諸薬の「調和」を最大の薬能とする甘草である。日本を元気にして国民のはしかを治すためには、ここは是非、何より人と人の和を重んじる亀井氏に活躍してもらいたいものである。
次回の投稿では、異なる証を示す「うつ病」を例にして、さらに考察を進めて見たい。
(4)に続く。
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【扁桃腺炎は熱証の徴】
入院患者さんのカルテを読んで過去の病歴を調べると、その人の体質的証を見究める参考になることがある。
例えば、扁桃腺炎によくかかる患者さんの場合、「熱証」であることが多い。だが、漢方をちゃんと勉強していない医師が病名に引きずられて葛根湯を処方していることがよくある。ちょっと待ってよと言いたくなる。葛根湯はどちらかと言うと体を温める薬なのだ(ただし、強く温める薬ではない。「虚実の適応もほぼ中間」なので、比較的広い病態に使える薬である)。
案の上、カルテ上の経過を読んでみると扁桃腺炎は良くなるどころか悪化して入院する羽目に陥っている。もちろん、これだけで悪化の原因が葛根湯であると断定することはできない。たまたま悪くなっただけかもしれない。ただ、病態的には悪くする方向に向かわせることは確かである。
漢方の「熱証」を西洋医学的な言葉で言い表すと「炎症体質」とでも成るだろうか?
【葛根湯は日本人向けの風邪薬】
「風邪であれば何でも葛根湯」というのは正しい漢方の治療法ではない。ただ、日本では、風邪の初期に葛根湯を処方すれば、たいていの場合は「どんぴしゃり」もしくは「当たらずと言えども遠からず」という結果が得られる。
風邪の初期は、葛根湯の適応である「太陽病期の表寒症」である可能性が高く、海に囲まれ湿気の多い国に住む日本人の多くは葛根湯の証である「水滞・寒証」を呈することが多いからである。しかも、日本人は「肩こりが多い」ので、ますます葛根湯の適応となる(ただし、葛根湯の適応である肩こりは、うなじや首や背骨近くの「縦の」肩こりなので注意が必要である)。
つまり、日本人の風邪の初期に限っては、葛根湯を病名に従って投与してもそう間違いではないのである。
【熱証の風邪に向いた漢方薬】
だが、中国人は熱証の人が多く、とくに乾燥した内陸部には湿証の人はそう多くないので、むしろ連翹銀子飲(れんぎょうぎんしいん)や天津感冒片(てんしんかんぼうへん)といった熱証用の風邪薬が好まれる。健康保険が効く漢方エキス剤の中では、桔梗石膏湯・桔梗湯・荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)などが向いている。
前2剤に含まれる桔梗、石膏、甘草は、いずれも熱を冷まし炎症を鎮める働きが強い生薬である。とくに桔梗は荊芥連翹湯にも含まれ、日本の民間薬でも古くから喉の痛みを治す薬として重用されている。
【漢方薬の身土不二】
海外で買った漢方薬は、こういった点を注意しながら使うことが大切である。近年、中国などで買って帰った漢方薬で副作用が出る例が相次いでいる。これは、漢方薬と名うちながら、普通の西洋医学の薬にも使われない強い化学合成成分が含まれていることによる場合がほとんどである。ただ、生薬だけで作られた漢方薬でも、一般に中国製の薬は日本の漢方薬よりも強い薬が多いので、繊細な体を持った日本人は手を出さない方が無難である。
東洋医学には、「身土不二」という言葉がある。風土と身体は密接な関係にある。人は自分が住む土地で採れる物を食べるのが一番健康にいいと言った考え方である。「薬食同根」という言葉が示すように、東洋医学では薬と食べ物は同根だから、漢方薬も風土に適したものが体に合っているのである。
【伝統の商道徳に立ち返ろう】
経済問題に取り組む上でも、外来の経済理論に囚われて本質を見誤れば病態の改善は望めない。日本経済が発展を遂げたのは、正直、誠実、和合、堅実、勤勉、自利利他(自他共栄)といった伝統的な道徳心を重んじた経済活動を行って来たからである。カタカナの専門用語や経済指標に振り回されるよりも、伝統的商道徳に立ち返ることこそ日本経済再生への道である。
【葛根湯医者は迷医か名医か?】
昔から「葛根湯医者」と言う言葉がある。何でもかんでもすぐに葛根湯を使いたがる医者の事であるが、これには「藪医者」という意味と「名医」という意味がある。葛根湯は、虚実や寒熱の適応がニュートラルに近く非常に応用範囲の広い薬である。抗生剤で言えば、「ブロードスペクトラム(様々な種類の細菌に効く)」ということになろう。証の見立てが少々間違っていても、そう悪くなることはない。だから、非常に使い易い薬である。
すでに述べたように、寒湿証に罹ることが多い日本人は、体調が悪くなった時にとりあえず葛根湯を出しておけば何となく良くなることは少なくない。だから、何も考えずに葛根湯を処方する医者は「藪医者」の代名詞となる。だが、葛根湯の性質を正しく理解し、証を見究めて使いこなせたならば、「名医」と呼ぶべきである。
抗生剤では、ブロードスペクトラムの薬は、副作用も大きく使いこなすのは難しい。藪医者(感染症にあまり詳しくない医師)はやたらに使いたがるが、ここ一番と言う時に使いこなせれば名医と呼ばれるのに相応しいのと同じである。
【鼻風邪や花粉症は寒証・水滞の徴】
同じ風邪でも、水っぽい鼻水の場合は水滞があることがほとんどである。しかも寒証である場合が少なくない(熱証の場合は、熱で水分が蒸発するので乾証を呈することが多い)。もし気管支喘息の病歴があれば水滞・寒証はほぼ確実である(ただし、気管支喘息でも水滞・寒証以外の証もあるので、その場合は別の薬を使う)。アーユルヴェーダでは「カパ」体質である。こういう場合は、水を捌(さば)き温める薬である小青竜湯がよく効く。
水滞・寒証の風邪の場合は、小青竜湯が良く効く。葛根湯も悪くはない。小青竜湯も葛根湯も、「麻黄湯」と呼ばれる水滞・表寒症向けの薬の変方(バリエーション)として考えることができるからだ。麻黄湯類の中でも、「麻黄湯」は、寒邪を排出する力が一番強いのでインフルエンザなどの重症感染症に使われ、「小青竜湯」は、水滞を治す力が一番強いので花粉症や鼻風邪に使われる。
【高熱を出すインフルエンザが寒証?】
インフルエンザは高熱を出すのになぜ寒証なのか?と訝(いぶか)る方がいるかもしれない。インフルエンザの高熱は病原菌との闘いで生まれる「虚熱」(見かけ上の熱証)であり、その本質は体の冷えからもたらされる寒証だからである。
寒証を本質とするインフルエンザや通常の風邪に解熱薬を投与するとせっかく高体温によって抑制されていたウィルスの活動を活発にして病気が却って長引くことが、近年の疫学研究によって明らかになってきた
解熱薬は虚熱を冷まし一時的には症状を抑えるが、冷えている体を更に冷やしてしまうので治癒のプロセスを妨げてしまう。虚熱は、病原菌(外邪)との闘いが正常に行われていることを示すサインなのである。
【原子力発電は虚熱と寒証をともに悪化させる】
同じように、現在の地球が示す温暖化現象は、地球の病原菌と化してしまった人類文明と地球の免疫機構との闘いで生まれる虚熱(見かけ上の熱証)である。その本質的病態は、「エネルギー資源の浪費によりもたらされつつある地球の生命力の確実な低下」であり、このまま温暖化を悪化させる生活を続けているとやがて取り返しのつかない寒冷化がもたらされることになる。
その病態悪化に拍車をかけるのが他ならぬ温暖化対策の救世主として脚光を浴びている原子力発電である。この件については以前の投稿(書庫「地球温暖化の本質と原子力発電の正体」の各記事)でも触れたが、近日中に別稿にて詳しく解説する予定である。
【鼻詰まりは熱証・乾証】
同じ鼻風邪でも、鼻詰まりを伴う粘っこい鼻汁の場合は、熱証・乾証である場合が多いので、小青竜湯は効かず、体を温めて乾燥させかえって症状を悪化させることになる。
一口に「風邪」と言っても様々な病態(証)がある。それを見極めて適切な薬を飲むことが大切である。
【病態に応じた治療法が有効】
一口に「温暖化」と言っても原因は様々である。近年の温暖化の最大の原因はエネルギー資源の過剰使用であるから、エネルギー資源の浪費を抑制することが最も適切な治療法であることは誰が考えても分かる事であろう。
温暖化の主原因は二酸化炭素ではなく、水蒸気、メタンガスなどにあるとして二酸化炭素削減に反対する人たちが未だにいるようである。だが、そのような枝葉末節を巡って論争を繰り広げている場合ではない。温暖化の原因であるエネルギー資源の浪費を止めれば、大気中の二酸化炭素も水蒸気もメタンガスも減少するからである。
【夏風邪は熱証の風邪が多い】
「火」の季節である夏に罹りやすい風邪は、熱証の風邪すなわち炎症が強い風邪が多い。口や手足に発疹ができる手足口病(口蹄疫の人間バージョン)、喉が赤く腫れ高熱がでるヘルパンギーナ、喉が腫れ激しい咳がでる咽頭結膜熱(プール熱)など、いずれも発赤・発熱・腫脹・疼痛といった炎症所見が強くでる疾患である。
これらの夏風邪の症状を抑えるのも、熱中症対策とほぼ同じである。炎天下に長時間身を置かない、水分を十分に補給するなど「火を鎮める」ことである。
【気虚の人は呼吸器疾患を患いやすい】
長引く風邪を良く引く方の場合は気虚(エネルギー不足)がないかと疑うべきである。
お年寄りで肺炎を繰り返す場合は、「気虚」があると考えてまず間違いないだろう。肺気腫や間質性肺炎などの慢性閉塞性肺疾患の場合も気虚が隠されていることが少なくない。長患いをすると元気がなくなるし、元気がなくなるとこれらの病気に罹り易くなるのである。
気虚とは「エネルギー不足」のことであるが、ほとんどの気虚は脾虚からもたらされる。だから、漢方では「気虚≒脾虚」と考えられている。脾虚とは、大雑把に言うと「食物エネルギーの消化吸収と運用の障害」のことである(詳細は次回の投稿にて解説したい)。人体のエネルギーは基本的に食物から得られるのであるから、当然と言えるだろう。食物から得られるエネルギーは、漢方でも「水穀の気」と呼ばれて、生命を養う根本的なエネルギーであると考えられている。
つまり、「気虚の人が風邪や肺炎に罹りやすい」ということは、「栄養障害がある人は呼吸器疾患を患いやすい」ということとほぼ同じである。それは、西洋医学でも常識とされている。
次回は、日本を元気にする二つの漢方薬について解説したい。
(3)に続く。
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【医学と経済に共通する普遍的原理】
この投稿「病名の本質を見極める(1)」は、参院選のしばらく後に一度投稿したものに若干の手を加えたものである。引き続いて連続投稿する予定だったが、他の時事問題に関する投稿を優先しているうちに、また、正確性を期すために少しずつ手を加えているうちに投稿しそこなってしまった。
経済問題については、基本的に参院選の結果を踏まえているので、記述内容の一部は、少々時期はずれの感を抱かせるものも含まれている。
今回の連続投稿では、医学的原理にしたがって、参院選で躍進したみんなの党の政策が代表する新自由主義的政策の間違いを明らかにした。
参院選当時のみんなの党への一部国民の熱気は大分冷めつつあり、その化けの皮も剥がれつつあると言えるだろう。だが、菅政権はみんなの党との政策協定の可能性を棄てていないようだし、経済界を始めとして国民の中にはみんなの党が提言する新自由主義的政策を実現しようとする声が未だにくすぶっているようである。
今回の一連の投稿では、多分野(今回は医学・経済・環境問題)に共通する普遍的真理(一般システム論的な法則)をもとに、病名に囚われずその本質を理解することの大切さを示してみたい。
【病名に囚われてはだダメだが参考にはなる】
漢方の専門家は、「(西洋医学的)病名に囚われては駄目だ」と口を揃える。それは、確かに大切なことである。西洋医学的病名が同じでも、漢方的には正反対の証(病態)であることは少なくないからだ。西洋医学的病名に従って間違った漢方薬を処方すると、まったく効かないどころか病気がかえって悪くなることもある。
病名にもとづく漢方診療は、奏功率は50%に毛が生えた程度になり、それこそ「当たるも八卦、当たらぬも八卦」となってしまう危険性をはらんでいるのである。
だが、西洋医学的病名の奥にある病態(病気の本質)すなわち漢方的な証を考えるならば、過去その患者さんが罹った病気の名前を知ることは、漢方的な証を決める上で参考になることが少なくない。
【病態的証と体質的証】
漢方で「証」と言う場合、病態と体質という二つの意味がある。前者は、時々刻々と変化するものであり、後者は、長い間変わらないものである。後者は、必ずしも先天的な体質というわけではない。長い間の生活習慣の歪みによって身についてしまった体の癖も、体質と呼ばれるからである。
【日本経済の証は?】
日本経済の病態は確かに不況で今は弱まっている。だが、体質的に弱い訳ではない。だが、今まで日本人が育んで来た勤勉・質素倹約という伝統的な精神を忘れてしまったら、あっという間に弱い体質に落ちぶれてしまうだろう。
【ヴィクリティ(変化する証)とプラクリティ(不変の証)】
アーユルヴェーダでは、「病態的な証」や「生活習慣の蓄積による体質的な証」をヴィクリティ(可変証)、遺伝的要因など「先天的体質にもとづく証」をプラクリティ(不変証)と呼んで区別している。ヴィクリティは変化するが、プラクリティは一生変わることはないと言われている。今回扱う証は、おもにヴィクリティ(変化する証)のことである。ヴィクリティは、適切な治療によって修正することができる。
アーユルヴェーダが目指すのは、ヴィクリティ(可変証)を整えプラクリティ(不変証)に従うことで健やかな生活を送ることである。
【良き国民性に従った生活を】
経済政策を考える上でも、日本人の先天的な国民性(奉公、勤勉、質素、倹約、正直など)と外来文化の影響のもとに起きている病的な生活習慣(個人主義、贅沢、我儘、狡猾、不正直など)とを区別して考えることが大切である。国民性を生かした生活を過ごすことが経済回復には不可欠だと言えるだろう。
次の投稿では、呼吸器疾患を例にして、漢方的な証と西洋医学的病態の関わりについて述べて見たい。
(2)に続く。
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