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ディスクのほうが性能が良さそうなのになぜ? 最新のクルマから「ドラムブレーキ」がなくならないワケ

8/15(木) 6:20配信
WEB CARTOP
ディスクのほうが利くというのは間違い
 クルマの三大性能、「走る、止まる、曲がる」のうち、「止まる」を担当するのがブレーキシステム。そのブレーキには、ディスクブレーキ、ドラムブレーキ、回生ブレーキ、エンジンブレーキ、エアブレーキなどがあるが、主流といえるのはディスクブレーキとドラムブレーキ。

走っても大丈夫? 赤く錆びたブレーキローター!

 馬車や自転車の応用ではなく、最初に自動車用のブレーキとして開発されたのはドラムブレーキ。ドラムブレーキは、車輪とともに回転するブレーキドラムの内側に、ブレーキシューを押しつけて、その摩擦で運動エネルギーを熱エネルギーに変換して、クルマを減速・停止させる仕組みになっている。ディスクブレーキも、1902年には発明されていたが、その後50年間はほとんど日の目を見ることがなく、長い間、自動車用ブレーキの主役はドラムブレーキが務めていた。

 なぜなら、ドラムブレーキは良く利き、ディスクブレーキは利かなかったから。ブレーキの制動力を示すBEF(brake effectiveness factor・ブレーキファクター)で比較すると、一般的なリーディングトレーリング式のドラムブレーキが2〜3なのに対し、ディスクブレーキは0.7〜0.8しかない……。昔のブレーキの主流がドラムブレーキだったのは、ドラムブレーキがよく利いたからだ。

 とくにリーディングトレーリング式ドラムは、シューがドラムの回転方向に押しつけられることで、回転により押しつけられる力がさらに強くなるサーボ作用(自己倍力作用)が働き、より強い制動力を発揮される特徴がある。

 初期のフェラーリのグランプリカーもドラムブレーキだったし、レーシングカーでディスクブレーキを採用するようになったのは、1950年代のジャガーCタイプあたりから。
放熱性が悪く利きの安定性ではディスクに劣る
ドラムブレーキには、

・良く利く=制動力が高い
・シンプル
・軽量
・製造コストが安い

 という優れたメリットがあり、この点では、いまでもディスクブレーキに勝っている。しかし、その構造から熱がこもりやすく、放熱性が悪く、加えてサーボ作用が裏目に出て、ブレーキの利きが安定しづらく、フィーリング面でもディスクブレーキに見劣りするという短所もある。

 一方、ディスクブレーキは熱に強く、利きが安定しているのが強み。水をかぶっても影響が少なく、メンテナンス性もいいので、高級車やスポーツカー、重量の重い大型車のブレーキに採用されている。ただし、コストが高く、重量が重いというデメリットもあるので、すべてのクルマに向いているというわけではない。

 ドラムブレーキというと、なんとなく古くて安っぽいイメージがあるかもしれないが、それは事実でもありメリットでもある。だからこそ、車重が軽い軽自動車や、リヤへの荷重が小さいコンパクトカーのリヤブレーキには、上記のメリットがあるドラムブレーキが最適で、ディスクブレーキ、ドラムブレーキ、それぞれの長所を活かして、性能&価格的にバランスが取れるよう組み合わせるのが、かしこいメーカーの仕事といえる。

 そういう意味で、当面、ドラムブレーキが姿を消すことはないだろう。
藤田竜太
最終更新:8/15(木) 6:20
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