「世界一高い山」はエベレストだけではないという事実世間のほとんどの人は、世界一高い山はエベレストだと思っているが、それは何を基準にするかによって変わってくる。下記に例をあげてみよう。
世界で一番「標高」が高い山は? という質問に対する正解は、標高8848メートルのエベレストだ。しかし、ここでいう標高は地上に顔を出している部分の高さであり、海に隠れている部分から頂上までの距離では、別の山がエベレストを上回る。 海底からの距離を測った場合、世界で最も高い山は1万203mのハワイのマウナ・ケア山ということになる。ただし、マウナ・ケア山の標高は4205mとされている。 さらに、「山頂が地球の中心から最も離れている山」という基準で選んだ場合、エクアドルのチンボラソ火山がトップになる。チンボラソ火山の標高は6268 mだが、地球の中心からの距離はエベレストを上回っている。 背景には、地球は完全な球形ではなく、楕円形をしていることがあげられる。チンボラソは地球の半径が最も広い赤道付近にあるため、地球の中心から測ると、最も高い山となるのだ。 他にもこんなトリビアがある。 Q:火星で最も高い山は? A:オリンポス(周囲の地表からの高さ2万7000メートル) Q:コロラド州で最も高い山は? A:エルバート(標高4401メートル) Q:アメリカで最も高い山は? A:デナリ(標高6190メートル、アラスカ州) Trevor Nace
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自然・科学
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バイキングが絶やした緑を取り戻せ、アイスランド森林再生の矛盾(c)AFPBB News 【9月1日 AFP】アイスランドは欧州で最も森林の少ない国といわれるが、9世紀末に北欧の海洋民バイキング(Viking)が入植するまでは、緑豊かな森が広がる島だった。今、土壌侵食でまるで月面と化した低地の景観を一面の森へと変えようと、国を挙げて植林の試みが進んでいる。
バイキングが北大西洋の無人島だったアイスランドに入植したのは9世紀末。当時は島の4分の1以上を、カバの木を中心とした森が覆っていた。それから100年とたたないうちに、バイキングは家を建てる資材として、また放牧地を切り開くため、もともとあった森林の97%を伐採してしまった。 今や、アイスランドで森を目にすることはほとんどない。植林された木々もまだ若すぎて、「アイスランドの森で迷子になっても、立ち上がるだけで道が見つかる」と冗談の種になるほどだ。 厳しい気候に加え、活発な火山活動の影響で、森林の再生はひたすら困難だ。火山灰や溶岩が地面を覆ってしまうこともしばしばある。 国連食糧農業機関(FAO)の2015年の報告書によれば、アイスランドの国土に占める森林面積は0.5%しかない。木々が生えていないということは、土壌の侵食を防いだり保水性を高めたりしてくれる植生が存在しないことを意味する。世界最北の島国アイスランドは、広範な砂漠化の危機にあるのだ。 1950年代に森林再生の取り組みが始まり、特に1990年代の努力が功を奏して、岩がちなアイスランドの大地にはいくばくかの緑が復活した。植林活動は現在も続いている。だが、アイスランドの土壌は窒素含有量が少ないため肥沃(ひよく)化がなかなか進まず、木々の成長速度は南米アマゾン(Amazon)の熱帯雨林の10分の1程度しかない。 アイスランド政府は2018年9月に発表した気候変動対策の中で、植林を優先事項の一つに掲げた。 そして、矛盾したことに、気候変動に伴ってアイスランドの木の成長速度は上がっている。森林保全当局のエーデルスタイン・シガーゲイルソン(Adalsteinn Sigurgeirsson)氏は、「温暖化によってアイスランドでは樹木の成長が促されているようだ。その結果、炭素隔離率も上がっている」と語った。 映像は、5月20、21日に撮影。(c)AFPBB News こんな記事も読まれています |
タワークレーンはどうやって屋上に上がるか意外と知らない、身近にある「すごい技術」
どうやって屋上に上げたか気になりませんか?(写真:ikuyan / iStock) 身近で活躍する「モノ」にはすべて、「活躍できるだけの技術」がある。だが私たちは、それを意識することはほとんどない。たとえば建設現場、ビル屋上の「タワークレーン」。これを見たとき、「クレーンをどうやって屋上に上げたのだろう」と思ったことは誰にでもあるはずだが、実はこのクレーンのしくみに「すごい技術」がうまく生かされているのだ。
新刊『雑学科学読本 身のまわりのすごい技術大百科』を著したサイエンスライターの涌井良幸・貞美両氏に、身近にあるモノの構造やしくみについて、イラストを使いながらわかりやすく解説してもらった。
建設現場でよく見る「タワークレーン」の謎高層ビルの建設工事、一番高いところで大活躍しているモノがある。そう、「タワークレーン」だ。建設現場でもよく目立つので、道すがら、工事の様子をなにげなく見物する人たちの人気者といってもいいだろう。
タワークレーンは高層ビルの建築に欠かせない。低層のビルならクレーン車で資材を最上階まで上げられるが、高層ビルだとそうはいかないからだ。資材を最上部に持ち上げるには、どうしてもタワークレーンの力が必要となる。
ところでこのタワークレーン、建設過程でちょっと不可思議なことが起こる。ビルの成長に合わせ、自分自身も高い位置にどんどん移動していくのだ。
タワークレーンのクライミング(イラスト:小林哲也) キャリア・教育の人気記事
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タコの最期は涙なくしては語れないほどに尊い雄も雌も子孫を残す瞬間のために命を捧げる
タコがどう最期の時を迎えるか、知っていますか?(イラスト:Remboman/PIXTA) 生きものたちは、晩年をどう生き、どのようにこの世を去るのだろう──。
老体に鞭打って花の蜜を集めるミツバチ、成虫としては1時間しか生きられないカゲロウなど生きものたちの奮闘と悲哀を描いた『生き物の死にざま』から、タコの章を抜粋する。
子育てをする無脊椎動物、タコタコのお母さんというと、何ともユーモラスでひょうきんな感じがする。
イメージとは、怖いものである。
タコは、大きな頭に鉢巻をしているイメージがあるが、大きな頭に見えるものは、頭ではなく胴体である。
映画『風の谷のナウシカ』に王蟲(おうむ)と呼ばれる奇妙な生き物が登場する。王蟲は体の前方に前に進むための脚があり、脚の付け根の近くに目のついた頭があり、その後ろに巨大な体がある。じつはタコも、この王蟲と同じ構造をしている。つまり、足の付け根に頭があり、その後ろに巨大な胴体があるのだ。ただし、タコは前に進むのではなく、後向きに泳いでいく。
タコは無脊椎(むせきつい)動物の中では高い知能を持ち、子育てをする子煩悩な生物としても知られている。
海に棲む生き物の中では、子育てをする生物は少ない。
食うか食われるかの弱肉強食の海の世界では、親が子どもを守ろうとしても、より強い生物に親子もろとも食べられてしまう。そのため、子育てをするよりも、卵を少しでも多く残すほうがよいのである。
魚の中には、生まれた卵や稚魚の世話をするものもいる。子育てをする魚類は、とくに淡水魚や沿岸の浅い海に生息するものが多い。狭い水域では敵に遭遇する可能性が高いが、地形が複雑なので隠れる場所はたくさん見つかる。そのため、親が卵を守ることで、卵の生存率が高まるのである。一方、広大な海では、親の魚が隠れる場所は限られる。下手に隠れて敵に食べられてしまうよりも、大海に卵をばらまいたほうがよいのだ。
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セミの最期は澄んだ空を見ることさえできない生きものたちは、晩年をどう生き、どのようにこの世を去るのだろう──。
老体に鞭打って花の蜜を集めるミツバチ、成虫としては1時間しか生きられないカゲロウなど生きものたちの奮闘と哀切を描いた『生き物の死にざま』から、セミの章を抜粋して掲載する。 ■死を待つセミは何を見る セミの死体が、道路に落ちている。 セミは必ず上を向いて死ぬ。昆虫は硬直すると脚が縮まり関節が曲がる。そのため、地面に体を支えていることができなくなり、ひっくり返ってしまうのだ。 死んだかと思ってつついてみると、いきなり翅(はね)をばたつかせてみたりする。最後の力を振り絞ってか「ジジジ……」と体を震わせて短く鳴くものもいる。
別に死んだふりをしているわけではない。彼らは、もはや起き上がる力さえ残っていない。 死期が近いのである。 仰向けになりながら、死を待つセミ。彼らはいったい、何を思うのだろうか。 彼らの目に映るものは何だろう。 澄み切った空だろうか。夏の終わりの入道雲だろうか。それとも、木々から漏れる太陽の光だろうか。 ただ、仰向けとは言っても、セミの目は体の背中側についているから、空を見ているわけではない。昆虫の目は小さな目が集まってできた複眼で広い範囲を見渡すことができるが、仰向けになれば彼らの視野の多くは地面のほうを向くことになる。
もっとも、彼らにとっては、その地面こそが幼少期を過ごした懐かしい場所でもある。 「セミの命は短い」とよくいわれる。 セミは身近な昆虫であるが、その生態は明らかにされていない。セミは、成虫になってからは1週間程度の命といわれているが、最近の研究では数週間から1カ月程度生きるのではないかともいう。 とはいえ、ひと夏だけの短い命である。
しかし、短い命といわれるのは成虫になった後の話である。セミは成虫になるまでの期間は土の中で何年も過ごす。 昆虫は一般的に短命である。昆虫の仲間の多くは寿命が短く、1年間に何度も発生して短い世代を繰り返す。寿命が長いものでも、卵から孵化(ふか)して幼虫になってから、成虫となり寿命を終えるまで1年に満たないものが、ほとんどである。 その昆虫の中では、セミは何年も生きる。実に長生きな生き物なのである。 ■幼虫の期間が長い理由
一般に、セミの幼虫は土の中で7年過ごすといわれている。そうだとすれば、幼稚園児がセミを捕まえたとしたら、セミのほうが子どもよりも年上ということになる。 ただし、セミが何年間土の中で過ごすのかは、実際のところはよくわかっていない。何しろ土の中の実際の様子を観察することは容易ではないし、仮に7年間を過ごすとすれば、生まれた子どもが小学生になるくらいの年数観察し続けなければならない。そのため、簡単に研究はできないのだ。土の中での生態については、いまだ謎が多いのである。 それにしても、多くの昆虫が短命であるのに、どうしてセミは何年間も成虫になることなく、土の中で過ごすのだろう。
セミの幼虫の期間が長いのには、理由がある。 植物の中には、根で吸い上げた水を植物体全体に運ぶ導管(どうかん)と、葉で作られた栄養分を植物体全体に運ぶ篩管(しかん)とがある。 セミの幼虫は、このうちの導管から汁を吸っている。導管の中は根で吸った水に含まれるわずかな栄養分しかないので、成長するのに時間がかかるのである。 一方、活動量が大きく、子孫を残さなければならない成虫は、効率よく栄養を補給するために篩管液を吸っている。ただ、篩管液も多くは水分なので、栄養分を十分に摂取するには大量に吸わなければならない。そして、余分な水分をおしっことして体外に排出するのである。
セミ捕り網を近づけると、セミは慌てて飛び立とうと翅の筋肉を動かし、体内のおしっこが押し出される。これが、セミ捕りのときによく顔にかけられたセミのおしっこの正体である。 夏を謳歌するかのように見えるセミだが、地上で見られる成虫の姿は、長い幼虫期を過ごすセミにとっては、次の世代を残すためだけの存在でもある。
■繁殖行動を終えた成虫に待つのは… オスのセミは大きな声で鳴いて、メスを呼び寄せる。そして、オスとメスとはパートナーとなり、交尾を終えたメスは産卵するのである。 これが、セミの成虫に与えられた役目のすべてである。 繁殖行動を終えたセミに、もはや生きる目的はない。セミの体は繁殖行動を終えると、死を迎えるようにプログラムされているのである。 木につかまる力を失ったセミは地面に落ちる。飛ぶ力を失ったセミにできることは、ただ地面にひっくり返っていることだけだ。わずかに残っていた力もやがて失われ、つついても動かなくなる。
そして、その生命は静かに終わりを告げる。死ぬ間際に、セミの複眼はいったい、どんな風景を見るのだろうか。 あれほどうるさかったセミの大合唱も次第に小さくなり、いつしかセミの声もほとんど聞こえなくなってしまった。 気がつけば、周りにはセミたちのむくろが仰向けになっている。夏ももう終わりだ。 季節は秋に向かおうとしている。
稲垣 栄洋 :静岡大学農学部教授
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