近鉄の新型名阪特急「ひのとり」 新幹線との違いは「座席」MBSニュース 8月30日、近畿日本鉄道は大阪と名古屋を結ぶ新型特急「ひのとり」を来年3月から運行すると発表しました。新幹線との差別化を図るカギは“価格を抑えつつ快適な座席”だといいます。
近鉄が発表した大阪と名古屋を結ぶ新型名阪特急「ひのとり」。名阪特急としては約15年ぶりの新型車両です。 近鉄が大阪・上本町―名古屋間で名阪特急の運行を始めたのは1947年。1988年には現在の「アーバンライナー」が導入されました。所要時間では新幹線にとてもかなわず、利用客数は新幹線の約5分の1にとどまっていますが、ゆったりした座席などで根強い人気があります。 さらに新幹線との差別化を図りたい近鉄は、「ひのとり」でも座席のクオリティで勝負を挑むことにしました。 「実際にシートに座ってみますと、前の座席とかなり幅が広くとられていまして、足を前に投げ出してもゆとりがあります。」(記者リポート) 「ひのとり」はレギュラー車両とプレミアム車両の2種類を用意。プレミアム車両は座席に本革を使い、前後の間隔は130cmと新幹線のグリーン席よりも広い上に価格は大阪・難波―名古屋間で5240円と新幹線より3550円も安く設定されています。(新幹線のぞみグリーン車=新大阪―名古屋間8790円) 「新幹線と比べますと、ゆったりとくつろいで、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、優雅な時間を過ごして頂ける車両に仕上がったのではないかと。」(近畿日本鉄道 都司尚社長) 特急「ひのとり」は来年3月14日から運行予定です。 MBSニュース
こんな記事も読まれています |
旅 鉄道
[ リスト | 詳細 ]
|
ライフスタイル 2019/08/25 12:00
外国人旅行者が帰国後に懐かしむ日本:「21の魅力」(その1)日本を訪れる旅行者が離日後に懐かしく思うこと、「日本滞在中に存分に楽しんでおけよ」と同胞旅行者たちに伝えたいことは何だろう。もしかするとそこに、われわれがもっと愛でながら暮らしてもいい、わが国のささやかな魅力が潜んでいるかもしれない。
日本を訪れる旅行者や、海外からの日本長期滞在者向けメディア「Japan Inside」の外国人記者が、外国人旅行者や、半年から10年以上日本に住み、最近帰国した外国人たちに取材し、まとめたリストがある。翻訳転載許諾を得たので、3回にわたって掲載する。 私たち外国人の多くはある時点で日本に別れを告げ、それぞれの故郷に帰らなければならない。 日本のああいうところがよかったとすぐに恋しくなることもあれば、帰国して数週間、あるいは数カ月経ってからようやく心に沁み戻ってくることもある。 日本に「さよなら」を告げて故郷に戻った外国人が心から懐かしく感じる、日本のユニークでささやかな魅力について、順不同で紹介しよう。 1. レストランに入ると出てくる「おしぼり」タオル ![]() 町を歩き回ったわが手は、清潔とは言い難い──エスカレーターの手すりにつかまり、現金を触り、電車のつり革にぶら下がり、あげくにはこっそり鼻をほじり……。そう思うと、流行のカフェに座ってサンドイッチやベーグルを食べる魅力も半減だ。 しかし日本では、ほぼすべてのレストラン、カフェ、和風の居酒屋で、席に座った瞬間、手を拭くための濡れたタオル(「おしぼり」と呼ばれる)が差し出される。 私がインタビューをした帰国者の多くは、自分の国にこの「ハンドタオル」がないことを嘆いていた。仕方なく代替品として、ウェットティッシュをバッグに常備することが帰国後の習慣になった人もいた。 2. チップ不要。しかもファーストクラスのサービス ![]() 日本のレストランでは、時給800円─1000円で働く店員から、ちょっとした有名人のような扱いが期待できる。敬語。お辞儀。あなたが支払いを待っているのを見つけると文字通りダッシュで駆けつけてくれるし、注文の手違いはめったに起こらない。そして何が最高かというと、このファーストクラスのサービスを受けるときに、「一銭も払う必要がない」ことだ。彼らは、自分の仕事を抜群に上手にこなしているだけ。客から「余分にもらう」ことを期待していないのだ。 チップが義務づけられている国(アメリカ)や、少なくともある程度は期待される国(イギリス)から日本を訪れた旅行者は、帰国後、大いにショックを受ける可能性がある。サービスが大したことがないのにチップを払うプレッシャーから逃れられなかったり、店のドアをくぐったとたんにチップを期待していることを感じさせるような、いわば鼻につくサービスを受けたり(執筆者は後者のほうがはるかに苦手だ)したときはなおさらだ。 3. 飲む前に必ず「カンパイ」すること ![]() 仕事の後にビールを軽く一杯飲むときも、何十人も参加する送別会の席でも、日本では全員がグラスを手に持ち、心をこめてグラスを合わせるまで、誰も酒に口をつけることはない。 筆者のように日本にある程度長く住んでいると、この習慣が深く根づいてしまうらしく、自宅でビールを飲むときでも、ふと気づけば飼っている金魚に「カンパイ」とつぶやいている。長く日本に暮らした後では、一緒にパブに入った友人が、あなたの飲み物が注がれる前に厚かましくもグラスに口をつけようものなら、その手からグラスをはたき落として「無礼者」呼ばわりしたい衝動に駆られるだろう。 4. 「やさしい」風呂 ![]() 同僚の女性に、もし帰国することになったら日本の何が恋しくなるかとたずねたところ、「日本のゴージャスなトイレに夢中になる人は多いわよね」と切り出した。「でも、お風呂も素晴らしいと思う。自動的に一定の水位まで給湯して、温度をキープしてくれて、別の部屋にいる人に、お風呂の準備ができたことを音声で知らせてくれる!」 彼女の言うとおりだ。私たち「ガイジン」は、未来を先取りしたような日本のトイレのシャワー洗浄、暖かい便座に驚嘆を覚える。しかも家庭風呂にも、同じくらい多くの「装飾」がついている。しかも隣の部屋から操作できるときている。 日本で入浴する人は、通常はキッチンに設置してあるコントロールパネルを使って、給湯開始時間と正確な湯の温度、保温時間を設定できる。夕食を食べたり、ワインを片手にテレビを見たり、快適な椅子で音楽を聴いたりと夜の時間を楽しみ、そして、そろそろ体を洗ってパジャマに着替えるか、と考え始めたちょうどそのとき、家のお風呂がやさしい鈴の音であなたを呼び、眠る前の贅沢な深い入浴に誘ってくれる。まさに魔法だ。 5. 抜群の治安 ![]() もちろん日本でも犯罪は起きる。しかし、夜に街を歩いたり、宿泊場所を大まかにしか決めずにほぼバックパックだけの荷物を抱えて見知らぬ日本の町に到着したりしても、一般的にはごく安全であることを否定する人はほとんどいない。そのうえ、遺失物が高い確率で持ち主に戻ってくるとなると、日本を離れた外国人の多くが、この国の治安を懐かしく思う気持ちが理解できるだろう。 6. お金を置く小さなトレイ ![]() 日本の店で何かの支払いをするときは、現金を直接レジ係に手渡さずに、小さなプラスチック製のトレイに入れる。おつりを受け取るときも、小銭は通常同じ方法で返してもらえるので、金額の確認がしやすい。ちなみにトレイに細いゴムの筋がついているのは、あなたと店員が、中のコインを取りやすくするためのデザインだ。 はじめのうちは、不必要な、ばかげたことに思えるかもしれない。しかし日本を去った後、自分の手のひらを開いてあなたの支払いを待っているレジ係を見つめながら、気がつけば、「手に直接お金を入れてほしがるなんて!」と呆れて考えるはずだ。 7. 清潔でぱりっとした紙幣 ![]() 旅行先、あるいは長期滞在先が日本だった場合、おそらくあなたは、故郷の国の紙幣がかなり汚いことに気づくことだろう。 私が母国イギリスで渡される5ポンド紙幣には、マーカーペンの走り書きがあったり、角が欠けていたり、テープで貼り合わせてあったり、なかには何十回も洗濯機で脱水をかけたようなものさえある。 日本の「現金」への忠誠心には、時々いらいらさせられるかもしれない。最先端の技術で有名な国が、いまだにデビットカードを完全に受け入れていないのはなぜだ? と。しかし少なくともあなたが使う紙幣は、ほとんど必ずといってほど清潔でぱりっとしているし、一番いいのは、セロテープで修繕されたりしていないことだ。 8. 座ると出てくる「水」 ![]() カフェやレストランの椅子にお尻をつけた瞬間、「おしぼり」タオルをもらえるのと同時に、小さなコップに入った水も差しだされる。コーヒーや酒やソフトドリンクを売ってもうけを増やそうという施設であっても、座ると無料の水がコップに入って提供されるのだ。これは日本の有名な「おもてなし」の一環であり、故郷のレストランに帰った時に必ず懐かしく思い出されることだ(続く)。 |
台車に14cmの亀裂が見つかった「特急ラピート」、製造会社は『想定超える力がかかった』と説明関西テレビ 南海電鉄の特急「ラピート」の台車に亀裂が見つかった問題。
2年前にも同じ台車で亀裂が見つかり、台車の製造会社が「想定を超える力がかかった」と説明していたことがわかりました。 8月23日、大阪市内と関西空港を結ぶ南海電鉄の特急「ラピート」で、車掌が走行中に異常な音を確認し、車両の台車に長さ14cmの亀裂が見つかりました。 この台車では2年前にも約4cmの亀裂が見つかっていて、その後の取材で台車を製造した会社が当時、南海電鉄に「設計時の想定を超える力がかかった」と説明していたことが新たにわかりました。 南海電鉄は台車を交換せずに修復して使っていたということです。 ラピートの台車ではおととし以降、7か所で亀裂が見つかっていて、国の運輸安全委員会は、台車の構造に問題があった疑いもあるとみて調べています。 関西テレビ
こんな記事も読まれています |
このスペースは誰のものになった?JR東海が新幹線車両の最後尾のスペースを予約制にすることを発表新幹線最後尾のスペースは誰のもの?
皆さんは、新幹線の各車両の一番後ろにぽかんとあいたこのスペースを、どう使っているだろうか?街の人に聞いてみた。
男性: スーツケースを置いたことがあります。スペースがあったので。 【画像】予約できる荷物の詳細を見る 女性: 荷物を置くために、指定席で必ず最後尾の席を取ります。 最後列に座る人のものか、はたまた早い者勝ち?言われてみると誰が使っていいのかよく分からない最後尾のスペース。このスペースの利用法に関する新たなルールが発表された。一体誰のものになるのか? 加藤綾子キャスター: 8月29日にJR東海などが発表した荷物が置きやすいあのスペースをめぐる新ルールを、鉄道ジャーナリストの梅原さんとともにお伝えしてまいります。 梅原さん、よろしくお願いします。まずはどのようなルールなのか木村さん、お願いします。 木村拓也アナウンサー: 大きな荷物を持って新幹線に乗ると、この車両の一番後ろの座席のこのスペースに置くという方、実は私もそうなんですけど、結構多いんじゃないかなと思います。実はこれが置けなくなってしまうということなんですけれども、どうなるかというと、事前予約制になるんです。JR東海などが発表したものなんですが、2020年の東京オリンピックのある5月中旬頃から東海道・山陽・九州新幹線などで事前に予約が必要になります。 加藤綾子キャスター: そのスペースをめぐってということですよね。まず、街の方は今回の「予約制に」との発表、どう感じたのでしょうか。 女性A: 賛成です。後ろの席を取っておいても置かれる場合があるので。 男性: それはちょっとまずいと思います。何カ月も前から予約をする人がたくさんいると思うから、本当に必要な人に回らないと思います。 女性B: 荷物をどうしようかと思う人が少なくなるのかな。 予約できる荷物には条件が
加藤綾子キャスター:
なぜ事前予約制にするのかということなんですが、そもそもこのスペースというのは誰のものというのは決まってるんですか? 鉄道ジャーナリスト・梅原淳氏: 実は特にはっきりはしていないのです。というのはやっぱり座席をひっくり返してしまう、回転させてしまうとそのスペースがなくなったりしますから。強いて言えば、もちろん最後列の人のすぐ後ろなので、その最後列に座る人のスペースなのかなといえますね。 加藤綾子キャスター: 荷物を置くために新たにスペースを作りましょう、とはならなかったということなんですか? 鉄道ジャーナリスト・梅原淳氏: 座席の部分を荷物置き場にして、棚を設置したりすればいいんですけれども、例えば東海道新幹線は混雑が激しいので、その分座席がなくなってしまうと、座れないお客さん、乗れないお客さんが出てきてしまいます。 加藤綾子キャスター: 人の行き来が多い場所でもありますからね。 鉄道ジャーナリスト・梅原淳氏: 別の場所に荷物置き場をつくるということも同時に発表されていますので、そちらにのせてくださいということですね。 木村拓也アナウンサー: 気になるのがスーツケース荷物の大きさだと思うんですが、大きいサイズを持たれる人もいると思いますが、実はどんな荷物でも予約すればいいわけではなくて、縦横奥行きの3辺の合計が160センチ以下のものは、特別な例を除いては予約対象外ということになっています。 加藤綾子キャスター: これを持つ方のほうが多くないですか?外国の方とか。 風間晋解説委員: いっぱい持っていますからね。 木村拓也アナウンサー: どうすればいいかというと、「上の棚に置いてください」としているんです。結構重さがあると思いますどね。 鉄道ジャーナリスト・梅原淳氏: 上の棚にのせることことは多分できると思いますけども、3人掛けの座席なんかですと通路から壁まで距離が離れているので、女性の方には大変厳しいですよね。 加藤綾子キャスター: 女性は無理ですね。 木村拓也アナウンサー: どれくらいの大きさのものが予約の対象になるのかというと、3辺の大きさが160センチを超えて250センチ以内。「特大荷物」といわれるもので、重さの制限はありません。座席の切符にあわせてインターネットや券売機、切符売り場で買うことができます。 もし予約を忘れてしまっても...
木村拓也アナウンサー:
事前に予約していないで来てしまうこともあると思います。その場合はどうしたらいいのかというと、1000円を払っていただくと、乗務員が指定したスペースに置くことができるんだそうです。 鉄道ジャーナリスト・梅原淳氏: その指定したスペースというのは、まだはっきりとした場所は分からないんですけれども、新幹線には例えば車掌室ですとか、急病になった方の休養スペースとかがありますので、そういったところに置くのかなというふうに思います。 加藤綾子キャスター: これだけの大きさなものはあまりないような気がしますが。 鉄道ジャーナリスト・梅原淳氏: かばんといいますかバッグ類でここまで大きいものはあまりないとは思うんですけど、例えばサイクリングの方が自転車をたたんで輪行袋に入れますと、この160センチは超えるのかなと思います。 加藤綾子キャスター: 自転車とかを持ってくる方が事前に予約してしっかりと置ける、というような スペースのためのルールということですね。 (「Live News it」)
【関連記事】
|
高さは地上7階分、北陸新幹線の巨大高架新駅鉄道ジャーナル社の協力を得て、『鉄道ジャーナル』2019年10月号「3年後が待ち遠しい 北陸新幹線敦賀延伸」を再構成した記事を掲載します。
【写真】敦賀延伸の地図と建設現場 7月19日、北陸本線敦賀駅から近い市街地に「鉄道建設・運輸施設整備支援機構鉄道建設本部大阪支社敦賀鉄道建設所」を訪ねた。敦賀駅と新北陸トンネルの建設現場に案内してもらうためである。 金沢・福井方面から延びてくる北陸新幹線は、福井県の嶺北と嶺南を隔てる木ノ芽峠を全長1万9760mの新北陸トンネルで抜け、さらに768mの短い深山トンネルを抜けると敦賀駅に到着する。 北陸トンネル(1万3870m)を抜け出た北陸本線を北側からオーバークロスして現敦賀駅の東側に進入するが、山襞を走る国道8号バイパスを越えてからあまり距離がないため、地平近くまで下ることが難しく、したがって高架橋上の軌道面は地上23mの高さとなる。
■線路の高さは7階建てビル屋上と同じ 敦賀駅の新幹線ホームは構内全体が急曲線を描く在来線に対して弓の弦のような線形で併設されるため、両者間には空間が生じる。ここには在来線ホーム3面分の約50mを挟んだうえにその空間約60mがあるため、現駅舎から新幹線高架まで120m近い距離がある。 連絡通路は、現・敦賀駅在来線ホームを結ぶ跨線橋を延伸する形で建設されるが、ここに「動く歩道」を設置するとともに、関西や名古屋方面の在来線特急と北陸新幹線との乗り継ぎ時間を短縮するため、新幹線高架下に在来線特急を入れることとした。地平階が在来線特急ホーム、2階が乗換コンコース、そして高架上の3階が新幹線ホームとなる。ホームはいずれも2面4線とする。
新在間の空間は、JR西日本が在来線特急車両留置線等として使用する予定。現在は新幹線駅建設用に使用されているが、いずれJR西日本によって整備される。 見学では、まず、駅進入直前(金沢方)の複線高架橋に案内された。仮設足場の階段を延々と上り、完成した路盤面に立つ。三方を山に囲まれた町並みを見渡し、北西方向には敦賀湾が望める。「地上23mはおおむね地元ホテルの屋上と同じ高さ」と説明され、後刻そのホテルを確かめると7階建てであった。23mや7階という数字だけの印象と、実際にホテルを見上げた際の感覚はまったく違い「“あの”屋上に新幹線が発着するのか?」と思うほどの高さである。
傍らの北陸本線を「サンダーバード」が駆け抜けてゆく。その隣接地では界隈の高架橋を建てる中で最後となる基礎杭を打設中で、道路を挟んでもう1本の橋脚のフーチング(地中基礎)を構築する穴を掘っていた。
これをもって敦賀駅付近の高架橋をすべて手がけることとなり、工事関係者としては「1つの山を越えた感覚」と言う。その先にまだ緑に覆われた小山があるが、トンネルを穿つ高さや距離ではないため、これから切り崩して通過させることになる。 一方、駅部のラーメン高架橋は、鉄筋むき出しに立ち上げ途上の橋脚が林立する部分、その橋脚中層部にステージを架設してコンコース階を支える横梁を施工中の部分、そして横梁からさらに倍の高さまでの柱の建設に入る部分のおおむね3通りに分かれていた。
半分の高さとは言え、足場と防護ネットに覆われた四角い構造物は視野を圧倒するビルのごとくである。高架橋建設の段階のため、ホームの形はなく、在来線・新幹線ともまだ先の話である。 ■山陽新幹線の岡山駅をしのぐ感覚
資材を吊り上げるクレーンはアームが天を突くように長い。ただでさえ7階分の高さがあるうえ、幅も2面4線分あるため、その全体に荷を運び届けるとなれば、おのずと長い腕が必要なのである。そのクレーンが何台も並ぶ姿は壮観だ。 敦賀駅工事は北陸新幹線各駅の中でもとりわけ規模が大きく、説明役の建設会社担当者が語ったところ、「地上の山陽本線を、瀬戸大橋線が越えるまたその上に建設された山陽新幹線岡山駅をしのぐ感覚」と言う。まさにビッグプロジェクトであったようだ。 高架橋は、この敦賀駅からさらに南へ向けて下り、敦賀駅から1kmほどの地点より先に敦賀車両基地が設けられる。北陸本線が米原に向かう進行左側に広大な敷地が整地中である。仕業検査線2線、融雪線1線、着発収容線7線などが設置され、構内の全長約1.5km、敷地面積は約9ヘクタールとなる予定である。 ちなみに県庁所在地の福井駅は、現・北陸本線とえちぜん鉄道の両高架に挟まれて島式1面2線という、新幹線駅には珍しいコンパクトな設計になった。福井駅はそうした構造ゆえコンコースのスペースを十分に確保するため、高架下から張り出し部分を設けることになっている。 次に、敦賀駅の現場から車を走らせ、新北陸トンネルの工区へと向かう。北陸本線は国道8号に続いて北陸自動車道をくぐり、北陸トンネルに入る。木ノ芽峠を山越えする国道476号も北陸トンネル坑口を見ながら山間へと分け入る。その付近に、北陸新幹線においては新北陸トンネルより敦賀方に位置する短い深山トンネルがある。
深山トンネルの海側には中池見湿地という小さな泥炭層湿地の1画があり、実はそこはラムサール条約に登録される貴重な生態系を揺籃する土地であった。折しも北陸新幹線金沢―敦賀間が工事実施計画申請から認可、着手が進む同時期に条約に登録されることとなり、新幹線通過計画のうえでも配慮することとなった。 結果、2015年5月に深山トンネル付近の区間を東へ150m程度、また水脈を遮断しないために上方へも20m程度ずらすルート変更を行った。このためトンネルを抜けたところから敦賀駅高架橋に向かう間の勾配も、当初7‰(パーミナル)の予定が26‰となった。
深山トンネルの反対側へ回ると、北陸自動車道は上下線が大きく分かれて木ノ芽峠に入る。そこが北陸新幹線新北陸トンネルの敦賀側坑口の場所であり、新幹線は高速上り線の上を横切って両トンネル間を結ぶべく、橋脚が立ち並んでいた。ただし、訪問時点では両トンネルとも坑口は開いていなかった。 ■新北陸トンネルは来春貫通予定
谷間の国道を跨ぐ北陸道のさらに上を新幹線が通る構造上、高すぎてトンネル掘削のベースとなる作業台を架設できない。そのため深山トンネルは敦賀側坑口から掘っており、新北陸トンネルは端部の工区であるにもかかわらずさらに山中へわずかばかり進んだ地点に斜坑を設け、中間部から掘り進めている。したがって、坑口となる地点は切土をコンクリートで固めるなど貫通させる準備が整えられているが、口は開いていない。 山中の工事道路をたどり、そのまま車で斜坑に入り坂路を上がる。すると本坑に達する。北陸新幹線では飯山トンネル(飯山―上越妙高間、2万2251m)に次ぐ長さの新北陸トンネル1万9760mは、敦賀市側3工区、南越前町側3工区に分けて施工されている。それらの工区境を中心に計4カ所が、訪問時点でまだ未貫通の状態と説明された。 敦賀側坑口は約10mを残すのみで、7月末には貫通する。南越方2工区の間、およびトンネル内で頂上となる行政境部分も1〜2カ月で抜けるであろう。残るは敦賀方2番目の工区から3番目の工区に向けた約900mで来春あたりを予定、それをもって新北陸トンネルはすべて貫通することになる。 最も敦賀寄り工区の本坑は、斜坑との交点部から敦賀側へ約500m、南越側へ約1600mとのこと。敦賀側へと進むと、土色にまみれたホイールローダーが止め置かれ、その先に最先端の切羽が壁となっていた。送風管から新鮮な外気が運び込まれ、その風が絶えることなく顔をなでる。
現在の山岳トンネルで一般的な工法は、NATMというもの。切羽の壁面に細い穴を開けてダイナマイトを装填、発破する。1回の発破で1〜2mほどを崩し、土砂(ズリ)をダンプに積み、外へ搬出する。工区の距離が長い場合はベルトコンベアを設置する。ズリを運び出したら直ちに鋼製支保工(NATMで用いるのは女性の髪留めのカチューシャのような曲線形状)を、1m程度の間隔で建て込む。岩盤の状態が良好なら支保の間隔は1mよりも広めになる。 支保を建て込んだ後は、NATMの核心であるコンクリート吹き付け、そしてロックボルトを岩盤深く打ち込む。従来工法は厚いコンクリートアーチを築くことでトンネルを支えたが、コンクリートと地山をロックボルトにより一体化させることで、地山自体の力を利用してトンネルを保持する。コンクリートも薄くて済み、工数も少なく劇的に効率化された工法と言う。
■新幹線のトンネル工事に用いられる工法とは? 掘削を進めて300〜400mに達したら、底面にインバート(底版)コンクリートを打ち、路盤とする。そして上部のアーチには防水シートを貼りつけるが、最新のトンネルはこの段階でも新工法が採用されている。従来は、凹凸のある壁面に直接シートを貼っていたため間に空洞ができやすく、そこに水も入りやすかった。 しかし、現在はゴツゴツしたコンクリート面にモルタルを打ち、平滑面としたところにフィルム状の新しい防水シートを貼る。すると隙間なく密着して劣化しにくくなる。これが新北陸トンネルはじめ、北陸新幹線のトンネル工事全般に採用されたFILM工法というものである。そして防水シートを施工し終わったトンネルにライニング(覆工)コンクリートを打ち、トンネルとしての土木工事を完成させる。
あと10mで外に抜けるという切羽に立つ。付近は岩盤と違って土なので、そのままでは崩れやすい。そのため固化剤を注入して山自体の土質改良を行い、そのうえで掘っていく。 やがて時速260km、あるいはそれ以上の速度の可能性も出てきた新幹線が駆け抜けるであろう新北陸トンネルの内部空間は、延々と続く照明に奥深くまで照らされ、静かに開通の日を待っているようであった。
鉄道ジャーナル編集部
【関連記事】
|













