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おいらの親父は2等兵

明日は2月10日・・・47年前のこの日・・・おいらの親父は死にました
    私が22才で久留米で幹部候補生だったころ・・・親父は今の私より17才も若い52才での死でした
 
死因は・・彼の青年期からの胸部疾患・・つまり肺結核でした
    30年間以上この病気と付き合っての結果で、私自身も元気な親父をついぞ見たことはありませんでした
       いつも裏の一部屋に臥せっているか、たまに具合が良ければ表に出てくるといった日常です
 
軍医あがりで終戦後、同じ町内で町医者をやっていたオフクロの兄が主治医となって診てくれていました
   伯父は当時、入手が難しかったストレプトマイシンとかパスとかいった名前?の新薬などを入手してくれたり
       心底から妹の不肖の夫に尽くしてくれて、勿論親父の最後を看取ってくれたのもこの伯父でした
     意識が無くなり心臓だけが動いている親父に何かの注射をするなり両手で体重をかけ胸を抑えて・・
        親父を安楽に天国へ送るなり、親父に覆いかぶさって号泣していた伯父の姿が忘れられません
 
親父は、主治医のこの伯父を嫌っていました
    子供たちには、そんな態度を見せませんでしたが、オフクロには伯父のことで駄々をこねてたようです
    伯父の言うことには反発ばかりしていたようで・・入院を勧める伯父にも最後まで逆らいました
 
親父が伯父を嫌った、伯父の言うことを聞きたくなかった原因のようなことを後から知りました
   親父は男3人兄弟の長男で弟二人は下士官ですが職業軍人となっていました
     親父は台湾で警察官をしていたので兵役には就きませんでしたが、28歳で警察官を辞めて郷里
      へ戻ってから戦争が始まり、召集されて福岡の連隊へ入隊したようですが胸部疾患で数ヶ月で
      召集解除になったようです。
   
戦争末期・・・第2乙種の親父にも再び赤紙が参りました
   会社の同僚、家族やご近所さんの盛大な見送りを受けて・・・
                             親父は勇躍、汽車に乗って大村の連隊へ出発したそうです
   
   翌々日のまだ暗い朝・・・なんと親父が、疲れ果てた様子で裏口からこっそり、家に帰ってきたそうです
       オフクロは、てっきり親父が軍隊を脱走してきたのかと・・・驚き慌てたとか・・
 
今の自衛隊でもそうですが、入る時に身体検査は2回あります
  書類で採用を決めるための・・採用時の身体検査と・・
           採用と決まっていざ入隊という時の入隊時の身体検査です
 
それぞれの身体検査には「判定官」という医官が合否の判定を握っています
 
軍医だった伯父はその時、大村陸軍病院長の陸軍中佐になっていました
             本人が判定官だったのか判定官の上司だったのかは判りませんが・・・
  召集されたら間違いなくガダルカナル送りになる召集兵、しかも妹の四人の子供の父親・・・
      胸部疾患の既往症持ちの親父の身体検査を不合格と判定した(させた)疑いが濃厚です
                 おそらくそうだったのでしょう
 
しかし・・・御国の為に一身を捧げるつもりの親父にとっては・・・
        「何のかんばせあって・・・帰らりょうか・・」だったことでしょう
          歓呼の声に送られて今ぞいでたつ父母の国・・・と覚悟を決めていたのに・・
      失意の彼は・・・その怨みを判定医官に向けたはずです・・・自分のカミさんの兄貴に・・・
      そこで兵隊になれなかった彼は・・・
        大村〜諫早〜を通って家まで・・・鉄道の枕木を歩いて約50k以上の距離
           誰にも顔を見られないようにトボトボと帰ってきたのだそうです
 
もしかしたら・・・
  最初に召集された福岡の連隊を召集解除になったのも伯父の手が回っていたのかもしれません・・・
      親父にとっては、お国への奉公の機会を二度に亘って潰された・・・何の相談も無く一方的に・・・
       戦争が終わってからも・・・またぞろ伯父に生かされている自分を嫌悪していたのかも知れません
 
その親父・・・兄弟や従兄弟たちの軍歴は皆が将校か下士官・・・
    親族のあつまりの酒の席では・・・軍隊時代の話で盛り上がったものです・・・
       その中では・・・親父は聞き役・・・あいまいな笑顔・・・兵隊欠格の元2等兵・・・
 
私が防大に入り・・・卒業して幹部候補生になり・・・幹部候補生1等陸曹の階級章姿を・・・
                当時は寝たっきりの親父は嬉しそうに・・・まぶしそうに見てくれました。。
 
今ごろは・・・親父も天国で伯父に・・・生きてるときには言えなかった感謝の言葉を贈ってることでしょう。。
   
 
 

閉じる コメント(9)

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お父上様のご意思は立派にToshiジィ様に受け継がれていると存じております。

2012/2/9(木) 午後 5:35 [ aratakesho-ji ]

お父様の気持ちは判らないでもないけど戦後を考えると行かないでくれた事に感謝です そのおかげで息子の雄姿を見る事が出来たのですから。戦後生まれの私ですら涙が止まらなくなる程戦中の苦労話を聞きます
あちらで伯父様と議論交わしてるかもね

2012/2/9(木) 午後 5:44 [ - ]

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お父様と伯父様、どちらの気持ちも分かるだけにお辛かったですね。
お二人ともあちらで安穏であられることをお祈りします。

偶然私も今日の日記でその時代のことを書いたばかりで、ちょっとびっくりしました。どこかでニアミス?

2012/2/9(木) 午後 7:53 [ ことぶき ]

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私たちの同学年のうち4〜5人に一人はお父さんが戦死してました。
親父の同級生も同様でした。
親父もある意味、死に急いでいたようで、折角貰った命を少し持て余していたようです。

2012/2/9(木) 午後 8:47 Toshiジィ

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病床のお父上が、幹部候補生で制服姿のToshi様を”嬉しそうに・・・まぶしそうに見てくれました”とありますが、
私も癌で死期の迫った父を制服姿で、見舞った時の父親の様子が思い浮かばれました。。。

2012/2/9(木) 午後 9:26 村政

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toshi様
九州の兵隊さんは昔から強かったと聞きますが意識が違うのですね。
私の母の兄で2人の叔父も戦争で人生が変わったのでしょうね。長男は職業軍人でしたが中国で敗戦後結核を患い帰国し40代で死去、次男は村の駐在所の警察官でしたが戦争末期に召集されビルマ戦線(今のミャンマー)で戦死しました。
残された其々2人と3人の子供を抱えた母親達は戦後苦労して成人させました。
防大生の息子も国を守る意義と熱意を持ち続けて貰いたいものです。

2012/2/9(木) 午後 9:50 [ 昴の親父 ]

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お父様の気持ち、少しだけわかるような気が・・・
私は、23年前に自衛隊を受験したとき、曹候補生の一次試験を合格したのに、二等陸海空が、身体検査の段階で不合格となりまして・・・お父様の御志と比べると、雲泥の差ではありますが・・・

2012/2/9(木) 午後 10:12 [ 穴ライザー ]

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1尉のころ・・福岡で隊員募集の仕事についていました。
身体検査を合格して採用予定通知を出した入隊予定者を教育隊(陸は相浦・別府、海は佐世保、空は芦屋・小月)まで引率して入隊させるわけですが・・入隊時の身体検査でハネられる入隊予定者がいて、本人共々、口惜しい思いをしたものです。
判定医官には・・うらみつらみがござんす。
判定医官も人間ですから・・基準にユルイ人と厳しい人が居るのは仕方ないものとして・・その差が大きすぎると、あとは運・不運。。

2012/2/10(金) 午後 5:39 Toshiジィ

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117教育大隊長時代、着隊者の身体検査には必ず立会しました。(若い男のハダカに興味があった訳ではありませんよ。)
曹候学生で、視力だったか色神だったかにひっかかった入隊予定者がいました。外へ連れ出し太陽光の下で再検したら楽々パスしました。
「より明るい場所で、同じ明るさなら自然光で」という単純な経験則。後でその科学的根拠を知りましたが、ここでは省略。
彼の卒業後は掌握していませんが、医務室の庭でOKが出た時の彼の表情は今もありありと憶えています。25、6年前の話です。

2012/2/11(土) 午前 9:23 [ S村 ]


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