シェフの休日

明日はパリ祭(国民の休日)ですね。

ラ・マルセレーズ

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今回の『ラ・マルセレーズ』では、『バター』のお話をしたいと思います。
フランス料理の苦手な人にとって、真っ先に『やり玉』に挙げられてしまう『バター』や『生クリーム』ですが、実は体に必要な油脂やカルシュウムなど、多くの栄養が詰まった食品です。
正しく食べれば決して太りません!!
(それが証拠に、フランス人は毎日バターを食べますが、太っている人ばかりではありません。)

さて、バターのお話をする前に、AOCというフランスの法律の事を簡単にお話します。
日本語に訳すと『原産地名称権』と言い、ワインやチーズ、パンなどにこの法律が付いていますが、何とバターにも付いているのです。
原産地名称権とは、簡単に言うと伝統ある良い物を国が法律で保護しようというものです。

解かり易くワインを例にしてお話します。
ボジョレー地区で、ガメイ種という葡萄から、法律で許されている方法で造られたワインだけが『ボジョレー』と名乗る事が出来るのです。
こうして『まがい物』が出て、ブランドに傷が付くのを防ごうというのです。
以前、世界中のワイナリーが『シャブリ』と言う名前を勝手に使用したのですが(シャブリという名だと売れるそうです)フランス政府が猛抗議をして、シャブリと名乗れるのはシャブリ村だけになりました。
日本の某メーカーも勝手に『カマンベール』を名乗っているので、一時は険悪なムードでした。
(正確にはカマンベール・ノルマンディーと言います。)
こうした原産地名称権が、幾つかのバターにも付いていて、伝統ある『美味しい』バターを法律で守り、後世まで残していこうとしています。
さすがは、『うまし国、フランス』といったところでしょうか?

最近では、デパートなどでフランス産のバターを買うことができるようになりました。
私がざっと見たところ、日本で買えるAOCのバターはほんの4、5種類でしょうか?
『エシレ』という南西部の物、『レスキュール』という中西部の物、『イズニー』という(この場所はカマンベールでも有名です。)ノルマンディー地方のものが代表的です。
平成7年に輸入が解禁されたのですが、高額な関税がかかっている為まだまだ値段も高くて、よほどの高級店でもない限りふんだんに使うのは大変難しいようです。
(大体250gで1500円から2000円位です。)

さて、そんなバターはどうやって作るか知っていますか?
『ちびくろサンボ』の物語だったら、虎が木の周りを回っているとバターになってしまうのですが、意外と詳しく知らない人の方がが多いかもしれませんね。
簡単にいうと、クリームの中から取り出した脂肪分です。
この脂肪分を冷やして熟成させ、攪拌して水分を除いて練り上げたものです。

牛から搾った『原乳』を遠心分離機にかけて『クリーム』と『脱脂乳』に分けます。
そしてクリームを『殺菌』して、エイジングという冷却保存をします。
この後、チャーニングという攪拌作業をすると『バター粒』とバターミルクに分かれます。
バター粒とは、チャーニングによって液体の中に細かい脂肪球が溶け込んでいたクリームが、脂肪球の中に水分が含まれるようになった状態のことを言います。
このバター粒を水洗いした後、ワーキングと呼ばれる練り上げる作業に入ります。
ここで水分が17%以下で乳脂肪分が80%以上のなったものが、初めてバターと名乗る事が出来ます。

フランス産のバターはほとんどが『発酵バター』で、独特の風味と味わいがあります。
発酵バターを作る場合は、熟成か攪拌の工程の時に『乳酸菌』を加えます。
乳酸菌は酸味を出すタイプと香りを出すタイプがあり、メーカーによって各種を組み合わせていくのです。

バターによって、あるいは同じバターでも夏と冬では色が違う事に気付いた事があるでしょうか?
これは、原乳に含まれるカロチンの量の差によるものです。
一般的に、牛が青草をいっぱい食べる夏場に作ったバターの方が、より黄色いバターになります。

パンやソース、肉や魚、野菜を炒めたり、デザートまで多くのバターが使われています。
クリームの状態でも高いのに、バターが何故高いのか、又、フランス料理が高いのかが少し解かったような気がしませんか?(でも、サンタムールは安いと思います!?)

かりっと焼いたいつものトーストも、バターの手間隙かかった作り方を知ってみるとひと味違うと思いませんか?
機会があったらフランス産のバター(できればAOCのもの)を味わってみるのもいいかもしれませんね。
きっと、また違ったバターの魅力を発見できると思います。

では、また。

 (このお話は、2004・1・11にサンタムールのホームページに載せたものです)
     レストランサンタムール ホームページ http://www.saint-amour.jp

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久しぶりに『ラ・マルセレーズ』にふさわしいお話をしようと思います。
今回から何回かに分けて調味料の話をしていきたいと思います。

フランス料理の料理人が使う調味料といえば、塩、胡椒、油脂、砂糖、酢、バター、クリーム、マスタード、ハーブ、香辛料などです。
こういったことの知識と、調理技術、素材の状態を見抜く目などを俗に『味の引き出し』などと表現する事もあります。(少なくても私はこう呼びます。)
我が師、三ツ星シェフの『ピエール・ガニエール』などは「一体この人の味の引出しはいくつあるんだろう?」とつくづく感心させられたものです。
恐れ多いですが、私の『味の引き出し』の中の調味料の列から1つずつ引出しを開け、簡単ですが順に調味料のお話をしたいと思います。

第1回目は『お酢』のお話です。
お酢はフランス語で『ヴィネーグル(vinaigre)』と言い、『ヴァン(vin)』というワインの意味の単語と『エーグル(aigre)』という酸っぱいという意味の単語が組み合わさっています。
その名が示す通り、お酢とは『発酵して酸っぱくなった酒』と考えると理解しやすいと思います。

日本では日本酒から生まれた『米酢』、フランスではワインから生まれた『ワインビネガー』、イギリスではビールの原料の麦芽から生まれた『モルトビネガー』など、世界各地でその土地独特のお酢が造られています。

では、お酢はどうやって造るのか?ご存知でしょうか。
知らない人の為に、日本の『米酢』を使って出来上がるまでの過程をお話します。

まず、材料のお米はでんぷん質なので、それを糖分に変えるため、麹の力を借りる必要があります。
米粒を蒸して水分を含ませ、カビの一種である麹を付けます。(原料が、糖分豊かなぶどうやりんごなど、果実酢の場合はこの作業は必要ありません。)

次に、酒母を加えます。
酒母とは、酵母がたくさん含まれた『酒もろみ』の事で、アルコール発酵の元になります。
米麹と蒸した米、『酒もろみ』を一緒にして、発酵槽に入れます。
麹と酵母の力で、蒸した米が糖化してアルコール化が進みます。
こうして出来た『酒もろみ』は濁っていて、澄ます前の状態です。

酒もろみを搾って澄ませて、『種酢』を加えます。
『種酢』とは、前回の仕込で造った酒もろみのことで、生きた酢酸菌が多く含まれています。
静かに放置しておくと、表面は真っ白な菌の膜で覆われます。(静置発酵法)
こうして『酢もろみ』を造るには数ヶ月かかりますが、空気を送り込んで2日で仕上げる方法もあります。

出来上がった『酢もろみ』を数ヶ月置いて熟成させた後、濾過、加熱殺菌をすると透き通った『お酢』になります。
(日本の米酢の場合、米酢用に自社で発酵させた酒もろみを使いますが、フランスのワインビネガーの場合、外から購入したワインを原料に使います。)

どうです、すごい手間隙がかかっていると思いませんか?
こうして出来上がった『お酢』を、素材別、調理別に使い分けるのが『味の引き出し』のたくさんある人なのです。

サンタムールでも、たくさんのお酢を使っています。
白ワイン・赤ワインビネガー(3年物)シャンパンビネガー、シェリービネガー(25年物)、バルサミコビネガー(25年物)木苺やリンゴ、いちぢくなどなど・・・
これらの『お酢』も変わっているものもがたくさんあります。
中でも最も変わっている『バルサミコビネガー』について簡単にお話しようと思います。

バルサミコビネガーと普通のワインビネガーの最も異なる点は、フレッシュのぶどうの果汁ではなく、『煮詰めた』ぶどうの果汁を使う点です。
その『煮詰めた』果汁に、生きた酵母や酢酸菌の入ったワインビネガーを加えて、樽の中でアルコール発酵を行います。
その結果、果汁の糖分が残り、甘みと酸味が一体となったバルサミコビネガー独特の風味となります。

もう1つの特徴は、『トラヴァーゾ』と呼ばれる樽熟成にあります。
バルサミコビネガーは、発酵、熟成共に長い時間をかける為、樽のもつ風味が独特の個性になり、水分が蒸発して、ねっとりとした黒い酢になります。
伝統的な造り方(トラディツッオナーレ)を名乗るには12年以上の熟成が必要となります。(名乗らない場合は5年から出荷できます。その他多くの法律が決まっていて、バルサミコビネガーの品質を維持し、まがい物から守っています。)

※『トラヴァーゾ』とは
A樫 B栗 C桜 Dトネリコ E桑 の異なる材質と異なる大きさの木樽を複数用意します。全ての樽にお酢を入れ一年置き、減った分だけAからB、BからCと順に移し変え、最初の量まで補充します。最後のEには新しいお酢を入れます。これを5年繰り返すと、全ての樽を移動した事になります。

シェリービネガーも『ソレラシステム』という良く似た複数の樽を使って移し変えるという造り方をします。
こちらも長期熟成をし、長いものになると20年以上かけるものもあります。
通常のシェリービネガーは、他のワインビネガーよりアルコール度が高く、酸度も高いですが、長期熟成されたものは『よりまろやか』で角の取れた深い味わいです。

世界中にはたくさんの『お酢』があります。
そのうえ、バルサミコビネガー1つとってみても、500ccの瓶で500円以下の物から3000円を遥かに超える物まで様々です。
自分で造るものではなく、料理人が買う調味料ならではこだわってみたいものです。
一応私にもこだわりがあって、シェフと呼ばれるようになったその日から、使い続けているブランドがあります。
とても高くて、他のメーカーに変えようと思った事もありますが、これから先も、このブランドよりもいい物が現れない限り、使い続けようと思っています。

いかかでした?『お酢』の話。
お酢は体にも凄く良く、最近は『飲むお酢』もどんどんとでてきていますね。
どこかのデパートには、ソムリエならぬ『酢ムリエ』も登場したとか。
色々なお酢の造り方や特徴を知って、料理に生かしたり、飲んでみたりとしてみませんか?
お酢って思っていたよりも『美味しい』ですよ。

では、また。

次回のラ・マルセレーズではオリーヴ・オイルをはじめとした『油脂』のお話をしたいと思います。
おたのしみに。

(このお話は、2004・11・17にサンタムールのホームページに載せたものです)
     レストランサンタムール ホームページ http://www.saint-amour.jp

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日ごとに夏を感じるようになってきました。
最近の調理場は技術の進歩で真夏でも涼しく働けるようです。
我がサンタムールは、というと火だるまの中で料理を作っている様な熱さになります。
昨年の夏は「いったいこの調理場はどれくらい暑いのか?」と調べてみたくなり、温度計をかけてみたところあまりの熱さに壊れてしまいました・・・。

さて、そんな暑い季節を代表する料理といえば「じゃがいもの冷製スープ」です。
今回はフランス語で「ヴィシソワーズ」というこのスープの話をしましょう。

昔、一人のフランス人シェフがアメリカで働いていた時の事です。お客様が食欲がないので困っていました。
「なんでもいいから口に入る物を」
との要望にシェフは考え込みました。何をお出ししたら良いのか考え悩んだ末、冷たいじゃがいものスープを出したのです。
実はこのスープ、シェフが子供の頃に飲んだ母の味だったのです。
シェフの母親がじゃがいものスープをよく作ってくれました。スープが残った次の日は冷たくなったスープに牛乳を加えて味を整えて飲んだのです。シェフはこの冷たいスープが大好きでした。

お客様はあまりにも美味しいこのスープにことのほか喜ばれました。
そしてシェフに「ところでこの美味しいスープの名は?」
と聞かれたのです。
とっさにシェフは故郷のヴィシーを想い「ヴィシソワーズ」(ヴィシー風)と答えたそうです。

ひんやりとしたじゃがいものスープ、口に含むとじゃがいもの味とポロ葱の香りが実に良いハーモニーを奏でます。
また、目で見てもクラッシュアイスの上に乗るポタージュは器が白く曇って汗をかいていて食欲をそそります。

サンタムールでも例年通り始めました。レシピ集にも載っているので是非一度作ってみてはいかがでしょうか?

それではまた。

 (このお話は、2003・5・7にサンタムールのホームページに載せたものです)
   レストランサンタムール ホームページ http://www.saint-amour.jp

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以前の私もそうでしたが、実はフランスのことって意外と知られていないと思うんです。
『料理は文化』ということは周知の事実ですが、サンタムールで食事をする時にもっともっとフランスの事を知っていると楽しいかもしれない!と思い、豆知識を幾つか回を重ねて紹介します。
(知っている方もたくさんいらっしゃるとは思いますが、そこは御愛敬!?)

まず、一回目はビーフシチュー。
サンタムールのビーフシチューは赤ワインをたっぷり使ったブルゴーニュ風です。フランス語で言うと『ブフ・ブルギニヨン』この料理が、いわゆる一般的に言われているビーフシチューの原型です。
赤ワインと香味野菜で牛肉を漬け込み、その後肉をきれいなキツネ色に焼き色を付けます。
次に香味野菜も炒め、たっぷりの赤ワインで煮込みます。
水気が殆んどなくなるまできっちり煮込むのが本来の姿なのですが、サンタムールではフォン・ド・ヴォーを足してマイルドな味わいに仕上げています。
もともと畑仕事をしている間にコトコト煮込んだ料理らしいです。

さて、私が子供の頃、ファミリーレストランへ行って目にするビーフシチューというと、深い皿に肉と野菜が入っていてソースにぷかぷか浮いているような物でした。ちょうどロシアのボルシチなんかこんな感じですかね!?
料理人になってからのビーフシチューは、最初の店はやはりそうでしたが、二軒目以降ずっと皿盛り。そしてソース(煮汁)も殆んどない物でした。私の中のビーフシチュー観がそこで変わったんです。

フランスのレストランで働いている時、従業員の食事でビーフシチューを作る時もやっぱりソースはそこそこ少なめで、子供の頃に見たあのソースに肉と野菜が浮いているビーフシチューを見ることはありませんでした。

サンタムールでも皿盛りでソースはあまりかけません。ソースをたくさんかけて欲しい方がいらっしゃいましたら、どうぞお気軽にサービスの者へお申し付けください。

 (このお話は、2002・2・19にサンタムールのホームページに載せたものです)
   レストランサンタムール ホームページ http://www.saint-amour.jp

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