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担当役員と同行し、上海に降り立った。
今回の渡航は、例年行われる社内の大型イベントでの
演目の視察であった。
日中友好協会からの勧めもあり、「上海雑技団」の少年少女チームの
招聘を行う事になった為である。
毎年、全国から5000人ほどの社員とその家族を参加させる社内のイベントと
その後、日頃お世話になっている滋賀県の皆さんを無料で市民ホールへ
ご招待するという企画を立案された担当役員との視察であった。
この少年少女たちは、将来的には上海で行われている「上海雑技団」への
入団、もしくは中国での芸能界入りが約束された選ばれた子供達であった。
幼い頃から親元を離れ、寮生活を送りながらこの学校へ通っているとの事で、
私はこの子たちが訓練している体育館に一歩足を踏み入れた時の衝撃を
今でも忘れない・・・。
ドアを開けた時・・・。
高さ10メートル以上はある天井から、子供が20人くらい逆さまにぶら下がっている。
しかも全員、涼しい顔で・・・。
かと思えば、目の前の子供は人間としてはありえない姿で、体の変な部分から
顔を出している。
一本の竹竿でバウンドしながら空中で回転をしながら竹竿に着地する女の子・・・。
何せ、見るものすべてが人間業ではなかった・・・。
イベント会社との打ち合わせ、市民ホールと行政機関との打ち合わせ・・・。
この子達と先生の飛行機の手配、滞在期間の宿泊場所と練習場所の確保。
食事制限のある子供達のメニューの打ち合わせ。
帰国後の私にはやる事が山ほどあった・・・。
そんな時に上海の事務所から連絡があった・・・。
上「お前ね。変な仕事増やさないでくれよ。」
Z「俺が増やした仕事じゃないから・・・。本社の部長に言ってくれ。」
上「はあ〜。お前、この間、上海に来たとき、輸送物品って見た?」
Z「見てないよ。見たのは人間だけだよ。」
上「はあ〜。お前、荷物が着いてびっくりするなよ。」
上「歩兵一個師団が動く様な荷物の量だぞ!」
Z「マジで・・・。」
上「しかも今日、カーゴのスペースをキャリアに確認したらJLのMD11もNHの767も
MUのMD11もCAの767にも全部は積めないってよ。」
Z「最悪、関西でなくても成田でもいいよ。747なら積めるだろ。」
上「ダメ。お前の希望日だとFULL PAXでスペースがねえ・・・。」
Z「DHLは?」
上「その日、上海からのフライトがねえ。」
Z「FEDEXは?」
上「お前、俺に始末書書かせたいのか?」
Z「そんな事言ってる場合じゃねえだろう。」
上「とにかく荷物の回収を早めにやって、積めない分は香港経由で送ってやる。」
上「香港でも通関やるから、一部は少し遅れるかもしれんぞ。」
Z「2日間くらいなら大丈夫やと思うわ。」
上「HKGとKIXの通関はこっちから事務所に連絡するから、両方の荷物のKIXの通関までは
こっちで責任を持ってやってやるから、そこから先はお前の仕事だぞ。」
Z「ちょっと待て。何で旅客事業部の俺が、通関後の荷物の面倒まで見んだよ!」
上「部長のご指名だ・・・。」
Z「・・・。」
上「とにかく、京都店に連絡して12トンのガルウイング車(トラックのカーゴ部分が全開に
なる車両)手配しとけ。普通のトラックじゃマジで積めないぞ!」
Z「わ〜ったよ。」
上「あと、今から通関用のINVOICEをFAXで送るから、パッキングの個数と物品の確認しとけ。」
上「保税エリアにも立ち会って確認すんだぞ!!」
Z「もう、わかった。わかった。早くFAX送ってくれ・・・。」
ピーーーーっと言う音と共に流れてくる悪魔のINVOICE・・・。
英語表記されたその物品が一体何物であるのか?全くわからない・・・。
「DRAGON FACE 2SET?」
「STAR HOPPER 1SET?」
「何じゃこりゃ・・・。」
この後の1ヶ月は生きた心地がしない様な日々との格闘だった・・・。
何とか無事にすべての物品を通関させて、全国コンサートツアーでもやるかの
様な荷物とトラックでそれらを滋賀県まで運び込む事が出来た。
そして、その2週間後、天使達は日本にやって来た。
私はこの子供達と不思議な2週間を共に過ごす事になる。
とても、とても不思議な感覚に陥る2週間を・・・。
TO BE CONTINUED
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