SANFRANCISCOの残像

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肌寒いと

思っていた

SALTLAKECITYを飛び立ち

霧雨の降る

CISCOの街に

降り立った。



 
ターミナルの外へ出ると

この街も肌寒かった。



キャブに乗り込む。



「ユニオンスクエアまでお願いします。」


「あいよ。あんた日本人かい?」



「そうですよ。」


「ふ〜ん。」



「CISCOは初めてかい?」


「いいえ。初めてではないですよ。」





「俺は日本って言う国には行った事がないんだけど
 
マジメな奴が多くておもしろくない国だって聞いたんだけど
 
そうなのかい?」




「私はどう見えますか?」


肌の黒いドライバーは

ミラー越しに

私の顔を見た。




「あんたも何かマジメそうだな。」


「そう?そう見える?」



「違うのかい?」


「どうだろう。自分で自分がマジメな人間なんて思った事ないよ。」



「ユニオンスクエアでいいのかい?」


「何で?」



「いや普通はみんなホテルの名前を言うぜ。」


「どこのホテルに行くんだい?」



「セントフランシス。」


「ちょっとその前に行きたいとこがあるからスクエアでいいですよ。」




「あんた、あのホテルじゃ女は呼べないよ。」

 


この男のしゃべる

訛りのある英語は

特に腹立たしく感じない。




どんな身の上話でも

どんな身の下話でも

話せる気がした。




「コールガールを呼ぶつもりなら私もこのホテルは予約しませんよ。」


「そうかい。残念だなあ。いい女紹介出来るんだけどな〜。」




「そんな心配は無用です。」


「CISCOにあんたの女がいるのかい?」




「いる訳ないじゃん。」


「じゃあ男が好きなのかい?」




「そんな風に見えますか?」


「ちょっとあんた見た目が女っぽいかもなあ・・・。」




「襲われない様に気をつけなよ。」



そうか・・・。




この街はレインボーフラッグの

多い街だったな・・・。

(自分の家にレインボーフラッグがある家は私達はゲイです。と公表している家です。)




くだらない会話をしていると

車はSAKS FIFTH AVENUEの前まで

たどり着いた。




「タクシーが必要なら電話をしてくれ。」


TAXI CARDを渡される。



「女も必要なら電話をくれ。男でもいいぜ。」


それを最後に笑顔で車は走り去った。



その後

イエローページを捲ろうとした

私は

誰かのぬくもりを

ベッドの中で

感じたかった。



体を重ねる必要も

愛撫も

必要は無く・・・。

  

 

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