敦煌の残像

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翌朝、目が覚めると

少しフラフラするが

吐き気が全く無く

嘘の様に

体が軽かった。



何故こんなに体が

軽くなったか考えると

昨晩の薬以外に

理由は考えられない。



砂漠のオアシス「敦煌」

で真夜中に買った

あの薬・・・。



部屋を出ると

昨晩の服務員の彼と

フロント付近で逢う。



「おかゆは食べたか?」

と言う様なしぐさをする。



手を合わせて頭を下げ

「ごめん食べれなかった・・・。」

と日本語で言うと

彼は理解したらしく

「気にしないでくれ」

と言う様な返答をしてきた。




今日の出発まで

時間があったので

昨日の薬局へ

お礼を言いに行こうと思い

ホテルを出たが

薬局は閉まっていた。
 


何故?



午前中に閉まって

真夜中に開店しているのか

良くわからないが

女主人にお礼を言う事は

出来なかった。



自分でも

びっくりするぐらい

体が軽く

水くらいなら

平気で飲める様になった。



不思議な薬局に

不思議な薬。



そして不思議な女主人。



彼女は私の顔を見て

ジェスチャーだけを見て

薬を出してくれたのである。



しかも「黙って飲め。」

と言う態度で・・・。



強気ですすめてくれたから

購入したのだ。



もし弱気な人であれば

自分が風邪とは思っていない私は

薬を付き返しただろう・・・。



時間になり

ホテルを出発した。



何か後ろ髪を

引かれる様な

気持ちになる。




大好きな街「敦煌」

で見つけた

不思議な薬局。



今も存在するのだろうか・・・?



この約半年後

ふたたび

この街にやって来る。



この時には

思っても見なかった

再訪が

間もなくやって来る。



深夜特急とともに・・・。 

  



 

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ベッドに倒れこむと

少しだけ眠る事が出来た。



しかし

やはり吐き気で

目が覚める・・・。



我慢が出来ない。



嗚咽を繰り返す。




体を引きずる様にし

ホテルのフロントへ向う。



真夜中の

敦煌賓館貴賓楼・・・。




フロントの服務員は

驚いた顔で私を見る。



状況を伝えるが

全く通じない。



日本語。



もちろん通じない。



マンダリンは喋れない。



このホテルは

江沢民前国家主席も

宿泊したホテルで

この貴賓楼には

多くの外国人も

泊まっているのだが

ここでの公用語は

普通話だけである。




ジェスチャーと

日本語で

彼に状況を説明すると

服務員の彼は

「わかった。ちょっと待ってて・・・。」

と言うしぐさを

したあと

夜の街へ消えていった。



しばらくフロントで待っていると

彼は薬を買って来てくれた。



「謝謝」「謝謝」と

お礼を繰りかえし

彼に薬代とチップを渡したが

チップは

受け取らなかった。




彼は笑顔で私を見送る。




喜び部屋に戻ると

早速、薬を飲もうと

箱を見るが

そこに書いてある

文字を見て愕然とする。




「頭痛、生理痛」・・・。






さっきのジェスチャーで

頭など一回も触ってないだろう・・・・。




確かにお腹は触ったけど

俺が生理痛になる訳ないだろう・・・・。





もう一度

フロントへ行き

先ほどの彼にもう一度

ジェスチャーをすると

彼は「わかった。部屋で待っててくれ。」

と言うしぐさをしたあと

スタコラ、スタコラ

先ほどとは違う方向へ

走っていく・・・。




私は部屋で待機する。




しばらくすると

ノックの音がし

今度は大丈夫だろうと

過大な期待をする。



すると彼が笑顔で

持って来たものは何故か....





「おかゆ」だった・・・。




 
ご丁寧に漬物まで付けて・・・。





もう・・・。

何も言う力がなかった・・・。






彼は何も悪くない

普通話をしゃべれない私が悪く

彼は一生懸命自分のできることを

してくれている。




彼にチップを渡して謝謝了。(ありがとうございました。)

と言うと

今度は彼も

受け取った。




最後の力を振り絞り

先ほどの薬箱を持って

フロントへ行き
 
そして何とか

薬局までの地図を

彼に書いてもらう事が出来た。




彼は「俺が買って来てやる。」

らしき事を言っていたが

次は避妊薬でも

買って来られかねない・・。




彼を制して

真夜中の敦煌の街へ出た。




オレンジ色の光の中

涙を流しながら

ふらふらになって

歩いていると
 
ほんの3分くらいの

ところに

深夜と言うのに

煌々と灯りの灯る

薬局を見つける事が

出来た。




私はここでも

ジェスチャーで

状況を説明する。




すると女主人らしき女性は

「風邪薬」を出して来た。



「これではない。」

と手を振るが。。。



 
女主人は

「いいから黙って飲め。」

と言うしぐさで

強引にこの薬を

渡してきた。




ここで初めて

夕方、役員の一名から言われた

「お前、風邪を引いているんじゃないか?」

と言う

言葉を思い出す。




それに風邪薬であれば

寝付くことが出来るだろうと

思いこの薬を

購入する事にした。




またふらふらと

ホテルへ戻り

もう何でもいいやと

言う気持ちでこの薬を

通常の倍の量を飲みほし

ベッドに転がりこんだ。




その後のことは

もう何も覚えていない・・・。




夜が明けて

少しでもこの吐き気と

下痢が収まる事を

願いながら

寝たんだと思います・・・。

 

 

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もう

我慢が出来ない・・・。




吐きそうだ・・・。




どうしよう・・・。




翌朝

青い顔のままバスに

乗車していた。




どうしよう・・・。




何故、これほど困っているか

と言うと

今回の参加者は

私以外はすべて

会社の役員と

顧問、会社の弁護士など

であった。




こんなメンバーが楽しそうに

シルクロードの風景を

楽しみながら

会話を楽しんでいるのに

下っ端の私が

青い顔をして

今まさに

吐こうとしているのである。




このときの

人間相関図から

想像して欲しい・・・。



この一言を言うのに

どれだけ勇気がいったか・・・。




「すみません。車を止めてください・・・。」

力なく発言する。




車内が静かになる・・・。




誰も

「どうしたの?」などの

言葉は出てこない。




車を止めてもらうと

一目散に走り出し

人から見えない

砂山の影に隠れて

嘔吐を繰り返した。




もちろん何も

食べていない。




出るのは胃液だけ・・・。

苦しい・・・。




吐いている途中に

皆が気になり

砂山の影から

みんなの方を

見てみると。。。



楽しそうに

記念写真を

撮影されていた。。。




誰も私の心配を

していない・・・。





(誰か大丈夫?とかねえのかよ・・・。)

と思いながら。。。




こんな雄大な景色の中で

嘔吐を続ける日本人は

そうはいないだろうと

変な感動をしながら

シルクロードの路上で

吐き続けた・・・。




吐き終わり

皆の撮影も終わり

「すみませんでした。」と

頭を下げてバスに戻ると

一人の女性顧問が

「大丈夫?」と

聞いてくれた。




「すみません。大丈夫です。」





バスは

「玉門関」へ向う。



気分も戻り

皆の記念写真の

撮影などを手伝っていた。




しかし昼食ごろの

時間になると


また吐き気が

やって来る。



この女性顧問に

人民元を渡して

砂漠の中に

何故か存在する

レストランでの

支払いを頼み

バスの中で

ひっくりかえっていた。




3月の敦煌は

昼間には

少し太陽がギラつくが

風は冷たい・・・。




この変な気候も

どんどん気分を

悪くして行った。





「陽関」と言う古代の関所へ

移動するとき

今度はお腹の具合まで

おかしくなってきた。



本当は

車を止めて

欲しかったのだが

トイレなんて存在しない・・・。




車が陽関に到着するなり

1元札を握り締め

役員も顧問も

ほったらかしでトイレへ

猛ダッシュ。。。




ここへは前にも

来ているので

トイレの場所はわかっていた。。。






力なく

トイレから出てくると

役員の皆様は

またしても

記念撮影中・・・。





本当に誰も

私の事が気にならないのか・・・。





続いて

井上靖の「敦煌」の小説を映画化した

巨大ロケセットが

今も残る

「敦煌故城」へ

移動。




ここでも役員顧問

ほったらかしで

トイレへ爆走・・・。





もうクビでいいと思った。

クビにしてくれと・・・。





バスがホテルに

到着したとき



「終日、ご迷惑をお掛けして申し訳ございませんでした。」



と一人一人に

頭を下げた。




身内の会社の

役員とは言え

笑えない一日だった・・・。



最後の役員が

バスを降りてきたとき

私に一言

こう言った。




「お前、風邪引いてるんじゃないか。」




そういうと彼は

スタスタと部屋へ

戻って行った。




この一言が

あとから助かる

一言にもなるのである。



ヨロヨロと

部屋に戻り

ベッドに倒れこむ。




制御不能

思考回路停止・・・。




涙目の私が

この日もベッドから

見る事が出来たのは

敦煌の街に

ぼんやり浮かぶ




オレンジ色の

街頭だけだった・・・。

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まだ肌寒い

北京の街に

昨日到着した。




砂漠のオアシス

「敦煌」での

三日間の日程を終えて・・・。





まだ少し体調は

良くなかったが

天安門広場でゆっくりと

日差しを浴びていた。



ここであんな

凄惨な事件があった事など

誰も知らなかった様に

ゆっくりと

時間が流れている・・・。




毛沢東の肖像画に

向かって歩き出した。




昨日までの

敦煌でのつらい日々を

思い出しながら

故宮へと

向かう事にした・・・。





もの凄い吐き気に

襲われる。




先ほどまで

敦煌莫高窟研究員と

日本からの参加者で夕食を

摂っていた。




そして

それは部屋に戻ってから

すぐのこと。

トイレへ駆け込み

吐いて、吐いて

吐き続ける・・・。




こんな事は

中国へ何十回も

渡航しているが

始めての事。




お腹も

壊したことがないのに・・・。




胃の中のものを

すべて吐き出し

涙目のまま

ベッドに横になり

それでも吐き気が止まらず

胃液まで吐き出す。




少し気分が

戻ったところで

ミネラルウオーターを飲むが

それも吐き出して

しまう・・・。



人生始まって以来

初の大嘔吐。



何がどうなっているのか

わからない・・・。



朦朧とした意識の中で

もう一度ベッドに入るが



吐き気で

眠ることも出来ない。



涙目のまま

窓の外を見ると

オレンジ色の街頭の中

敦煌の街が

ゆらゆら揺れていた。




そして

その光に誘われて

一度は

眠りに落ちる事が

出来た・・・。

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