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広島支店の同僚と福山で合流した。
当然の様な旧知の仲で、ホテルを飛び出し
夜の街へ食事に出かけた。
焼肉が食べたくなり、ホテルのフロントで
この近くの人気店を紹介してもらい暖簾をくぐった。
二人の会話は、昔話に
私の居なかった十年の歳月。
少しばかり話の焦点が合わない事もあったが
彼の言っている事は、何かすべてわかった様な気もした。
わかればわかるほどに
酒も染み込まない様な気がして
少しばかり話をそらしてみた。
「覚えてる?」
「ん?」
「俺が電話した事。」
「ん?」
「ほら。中国の端っこから電話したやん。」
「ん?」
「俺、今からカザフスタンへ向かうって。」
「おぉぉぉぉぉぉ。」
「あったな。」
私はあの時
彼に電話を掛けた事によって戻って来た様なものだった。。
もしあの時、電話をしていなかったら。。。
ロシアの国境まで約七十キロ、冬の草原の街で
強烈な孤立と動揺を体全体で感じ、どうにもならなくなった。。
連日の氷点下の世界は、逆に冷静なジャッジを
自分自身に行い、旅の入口であった香港まで自分を戻す事を
頭で判断し、実際に身体を動かした。
その彼が今、すぐ横に居る。
酒を飲んでいる。。
とても不思議な気持ちになった。。。
もう少しだけ飲み足りない二人は
二件目を探そうと、お会計の時に店員さんに聞いてみた。
「福山で一番賑やかなところってどの辺?」
「この辺ですよ。」とにこやかに言われた。
「ああ。。そうなんや。。。」と答えると
「寂しい街でしょ。」と更ににこやかに言われた。。。
店を出て、少しばかり歩いてみたが
本当に人が歩いていない。。
「明日の事もあるし帰るか。」
「そうしよ。」
そしてアラフォー男二人組は
ホテルへ戻る事になった。。
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